だが、それは神奈子なりの思惑があったのだ。
場所は変わりワイルドハントの下にはには一匹の妖怪と一人の人間が向かっていた。
一方的な戦いかと思いきや、奴らにも切り札が居るみたいだ。
突如、空中に無数の爆発が起きる。
「どわっ!?」
説く禅発生した爆風に耐えながら、魔理沙は周囲の様子を確認する。
「おっぱじまったか…」
文とワイルドハントの魔法使いの戦闘が開始された。
「威力は申し分ないですね…一つでも直撃したら敗北だと意識しましょう。」
魔法使いは氷の魔法弾を放つ。
そんなに多くは放てていないが、一つ一つの殺傷力は十分なものだった。
おまけだと言わんばかりに、少々追尾してくる。
文は大きく旋回し振り切り、自身も攻撃を仕掛ける。
扇を一薙ぎすると、何十の風の弾が放たれた。
魔法使いは迎え撃つように氷の弾を放つ。
二つが衝突し、強風と氷霧があたりに散らばる。
文はもう一度扇を仰ぎ、視界を確保する。
「こちらの火力が圧倒的に足りない…いくら撃ったってあちらの数発でチャラって感じですね。」
自身の力の乏しさに嘆く文。
すると、突如ナグルファーが爆発した。
正しく言えば、ナグルファーに爆発するものが撃ち込まれた。
「どうやら火力不足って感じだな。助太刀いたすぜ。」
魔理沙がナグルファーに攻撃を仕掛けたようだ。
「これはごっこじゃ無くて本物の合戦だ。不意打ち、二対一、文句は言うなよ!」
魔理沙は再び魔法の詠唱を始める。
「喰らえっ!」
魔理沙の周りに幾つものエネルギーの球が現れ、それから細いレーザーが放出された。
いずれも船を焼き貫く。
魔理沙に文が近づく。
「あやややや。これは助かりました。山を降りてくれなくてよかったです。」
感謝の言葉を述べる。
「礼は良いから。あの対象首を取ってこいよ。私はサポートに徹するぜ。」
「了解です。」
魔理沙の高威力な攻撃により船が大きく揺れ、バランスが取り辛くなっている。
その隙を狙って文は一気に近寄る。
扇を構え迫る。
がしかし、横からワイルドハントの兵士が得物を振りかぶる様子が見えた。
「!」
とっさに身を捻り、その一撃を逃れる。
兵士には揺れをものともしない様子がうかがえる。
「寝ても覚めても船の上だからこの程度の揺れは意味が無いというわけですか…」
意外なところで強さを見せる兵士達に文は苦笑する。
「どいてろ!そいつらも一気に吹き飛ばす!」
魔理沙が狙いをワイルドハント達に定めた。
同時にワイルドハントの魔法使いも詠唱し始めた。
また同時に詠唱が終わった。
「オラァッ!」
少々乱暴なかけ声とともに、魔理沙の魔方陣から星型の拡散弾が高速で放たれる。
ワイルドハント側の魔法も放たれた。
それは、直径が半身ぐらいある氷塊だった。
放たれてすぐその場に落ちた。
「お、おおお~?」
しかしそれは立派な召喚魔法であった。
氷塊がみるみる自立していき、人の背丈を軽く超える氷のエレメントとなった。
その様子に魔理沙は無意識に声が出た。
「な、なんだあいつ…え、硬っ…」
渾身の攻撃を受けても体表が少し削れた程度であった。
「結構本気めでやったんだぞ…自信なくすぜ…」
星が塵と化して、消えてゆく。
文も驚きのようだった。
「しゃ、写真…おぉ…良いネタが手に入りました。」
そうこうしている間にも、文には兵士が、魔理沙には氷弾幕が襲ってくる。
文はすぐ飛び上がり兵から逃れた。
だが魔理沙は
「手数の方じゃこっちが上だ。押し切ってやる!」
この判断がいけなかった。
迫り来る氷弾幕に逃げることはせず、真っ向から自分も弾幕を張る。
当然、弾と弾がぶつかり合い氷の粒が霧散する。
密度の高い氷霧に魔理沙はうかつには動けなかった。
「しまった…これじゃ狙いが定まらん…」
霧が晴れるのを待っていると、背中に気配を感じた。
「な!?なんでおまえが!?」
背後に居たのは、ワイルドハントの魔法使いであった。
様々な思慮が巡ったが、杖の一突きによりそれは絶たれることになった。
やがて、氷霧の最下部から魔理沙が落ちていくのがうかがえた。
文はそれを見落とさなかった。
「!?ちょっと!?」
さっきまで元気に動いていた奴が無気力に落ちていく様子を見て、それに神経が全ていった。
それにより、後ろに居る魔法使いの一撃に気づくことが出来なかった。
ワイルドハントの魔法使いは、脱力した様子で船に降りた。
瞬間移動なるものは力を存分に使うものなのだろう。
兵の肩を借りてなんとか歩ける容態にあり、船内へ入ろうとする。
扉付近で思い出したように振り向き、一つの氷弾を放つ。
そして中に入り、ワイルドハントは撤退を始める。
氷弾の向かう先は、二人の巫女の居る場所だった。
全話を少し改変しています。
余り気にならない程度にですが。