ウィッチャーが幻想入り   作:そうめんつゆだく

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妖怪の山での騒動で怪我を負った奴らはたった一日で全員目を覚ました。
そのうち一人は仕事だと言ってゲラルトを質問攻めにし、自分の組織の元へを去って行った。
ゲラルトは少なくともその姿に悪い気は起きなかった。


第三十六話

「…はい。じゃあこれを一日二、三回塗布して。」

文が飛び去った数時間後、早苗が連れてきた薬師が霊夢と魔理沙にあう薬を渡した。

どうやらこの薬師も過去に霊夢達と関わりがあったらしい。

「もう早速塗っちゃう?」

「そうね、そうしましょう。」

霊夢と魔理沙が薬師に背中を見せると同時に、ゲラルトは気を利かせ退室した。

 

「もういいぜー。」

魔理沙が声を掛け、しばらくしてゲラルトが入室した。

「貴方は身体に異常はございませんか?」

薬師がゲラルトに聞いた。

「いや、大丈夫だ。何も無い。」

「そうですか。無事で何よりです。」

「あの、これお代です。」

二人分の薬代を持って早苗が現れた。

「えーと…、はい、丁度ね。じゃあまた何かあったときに。」

そういって薬師は守矢神社を後にした。

「さて、霊夢。旧地獄という場所について、何か知っているものはあるか?」

「うーん…生憎詳しいことは何も知らないわ。昔住んでいた奴がいるからそいつに聞いてみるわ。」

「そうか。感謝しよう。」

 

 

それからしばらく時が経ち、魔理沙が昼寝をしようとしていた矢先、ゲラルトのメダルが震えた。

「戸の奥から何者かの気配がする。」

ゲラルトはそう言い、霊夢と魔理沙は布団に入りながらも警戒の姿勢を取った。

ゲラルトが、開けたら本来は庭が見えるはずの戸を開けた。

そこには九つの尾を持った人ならざるものがそこに居た。

大きな袖と袖の中で腕を組み、綺麗に背筋が伸びているこの人外は後に八雲 藍と名乗った。

「どうしたの?乗り込んできた奴らについて何か分かったの?」

藍はそれを否定する。

「いや、ワイルドハント達については未だ謎が深いままだ。動機も分からない。だが、伝えるべき情報はある。」

藍は一呼吸置いて、

「いま、幻想郷はほとんどゲラルトの世界とつながっていると言っても過言では無い。」

「ん?どういうことだ?」

魔理沙が首をひねる。

「ワイルドハントが強引に結界に穴を開けたことで二つの結界の力が弱まった状態にあるというわけだ。」

霊夢がめんどくさそうにため息をつく。

「あんの阿呆共が~。」

藍は続ける。

「幸い結界としての役割は続いたままだ。外の世界からの干渉は容易ではない。だが…」

「俺の世界の『門』を使える奴は例外だと。」

藍はうなずく。

「紫様直々に結界の管理に向かわれた今、程度の低い者の幻想入りは確認されていない。だがつまり今後幻想入りしてくる者がいたとしたら、それは紫様をも凌駕する力の持ち主と考えて良い。警戒を強めてくれ。」

藍からの報告は終わった。

「天人の目付が言っていたのはこのことか…。」

ゲラルトは納得がいったようにつぶやく。

「?何か言ったか?」

藍が聞く。

「いや、人里で少し占いのような事をされてな。それが当たってしまったというわけだ。」

「ドンピシャに当てる占い師がいるとはね。そいつ、今頃人里で評判なんじゃないか?」

魔理沙は冗談交じりにそう言った。

ゲラルトは目付役がただ者では無いと再認識した。

「あ、そういえばこっちでワイルドハントに関して分かったことがあったわ。」

「なんだ?」

「あいつらね、旧地獄に用があるんだって。あそこって何かあったかしら?」

「旧都と、地霊殿と、灼熱地獄跡があるくらいだな。」

「灼熱地獄を再稼働させるとか?でもそれで何の利点があるって話だよな…」

魔理沙は自分の論を自分で否定した。

「とりあえず、行ってみないとよく分からないわ。隅まで調べて奴らの目的を探るわよ。」

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