ウィッチャーが幻想入り   作:そうめんつゆだく

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準備が整い、いざ旧都へ向かおうとしたが、移動手段があの『門』を彷彿とさせる『スキマ』であることに少々嫌気が差したゲラルト。みっともなく目を塞ぎながら進んだ先には、人里に劣らずの活気あふれる街が広がっていた。どの辺りに着いたか分からないゲラルト達は、旧都の人外達に『地霊殿』の事と場所を聞いて回ることにした。


第四十二話

「少し聞きたいことがあるんだが。」

ゲラルトは近くの酒場に寄り、静かに飲んでいる二人に話しかけた。

「地霊殿という場所に用があるんだが…」

「何だっけ?聞いたことはあるぞ。」

「ほら、あのさとり妖怪が住んでる場所だよ。」

「よければ場所を教えてくれないか?」

「いや、場所までは分からないが…ここら辺の建物とは見た目は全く違うって姐さんが言ってたな。別のお国の建物みたいだとか。」

「そうか。それだけでもありがたい。よかったら足しにしてくれ。」

机の上に少しばかりの金を置いた。

「おほ~。あんがとさん。あそこに住むのはここ一番の嫌われ者とか言われているからな。何されるかわかんねえぞ。気を付けな。」

「ご忠告、どうも。」

ゲラルトはその酒場を後にした。

 

それからしばらく、霊夢と魔理沙も情報収集に勤しんだが、紅魔館のような「西洋風の建物」、「『殿』と付くだけあって大きな建物であること」、「旧都の中でもより嫌われている者が住まう場所」と言うことが分かった。

「皆が皆、おんなじ事ばっか言ってたぜ。西洋云々、嫌われ者云々って。」

「ここの中心にあるとか聞いたわ。ここは入り口近くみたいだから…あっちに向かって歩けば見えてくるはずよ。」

「歩くのめんどくせーなー。飛んだらすぐなのに。」

魔理沙が愚痴をこぼす。

「ゲラルトが歩きなんだから、仕方ないでしょ。あんたが迷子になってもらっても困るし。」

「ローチが居れば移動も楽だったんだがな…」

「ローチ?」

「誰それ?」

二人が問う。

「馬だ。口笛を吹くと即座に駆け寄ってきて、移動がとても楽だった。荷物も相当な量を預けることができて、それでいて風のように速かったぞ。」

ゲラルトはローチのことを自慢げに話す。

その話を聞いていた藍が口を開く。

(里に馬を管理している人がいたはずだ。その人と話し合って、ゲラルトが居る間だけ貸してもらうようにしよう。)

「自分の愛馬を簡単に貸すことは無いと思うが…」

「異変を解決するヒーロー様のための尊い犠牲だぜ。」

(犠牲って…。)

パチュリーが思わず口を挟む。

 

「お、あれっぽくないか?」

歩いてしばらく、聞き込みで得た情報通りの建物が見えてきた。

色の付いたガラスが光る建物に、霊夢と魔理沙は呆然とした。

「すっご…紅魔館にも引けを取らないくらい立派な洋館ね…。」

「さぞ、()()()()()があるこったろう。」

(アナタこっちだけじゃ無くてあちらにも迷惑掛けるつもり?いい加減にしてよ。)

「冗談だって―の。さっさと入ろうぜ。」

魔理沙はノックもなしに『地霊殿』へと足を入れる。

「おお…ステンドグラス達が良い味出してるわね。」

「鮮やかすぎて、目がどうかなりそうだ。」

ゲラルトが目を細めながら言う。

(同感だ。慣れていないせいだろうが、私も余り好ましくない。)

藍も同様に目を細めていることだろう。

「可哀想に。この素ん晴らしい光景を楽しむことができないとは。」

魔理沙がゲラルトの肩に手を置く。

(駄弁ってないで、さっさと家主を訪ねなさい。)

「なんだ、紅魔館にこんな物が無いことに嫉妬してんのか?」

(別に。)

「パチュリーって意外とわかりやすいのね。」

(うるさい。)

(魔理沙、霊夢、人をおちょくるようなことを言うんじゃ無い。)

藍が止めに入る。

「へいへい。大妖怪様に言われちゃあね。」

「私おちょくって無くない?」

魔理沙は適当に返事をし、霊夢は異を唱える。

「えー…もしもし?そろそろお話に入ってもよろしいですかね?」

二階の声がする方向に顔を向けると、赤髪を左右で編んでおり、何より猫耳と尻尾が目立つ少女が手すりにもたれかけ頬杖をつき、こちらを見ていた。

「ここの家主…て感じじゃ無いわね。勝手に上がり込んで悪いけど、家主に会わせてくれないかしら?」

「ほんとに悪いと思ってんのかね…一応、さとり様から通すよう言われてるから案内するけど、もうちょっと態度を改めた方が良いよ。姐さん方。」

手招きして、少女は奥へ消えていく。

ゲラルト達は階段を上り、その少女について行く。

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