大妖怪が本気を出してから、グールの群れが全滅するまでそう時間はかからなかった。
霊夢の方も、人間故に傷は瞬時に治らないものの、紫の援護が出来るまでには回復していた。
血も止まっている。
「さて、森の真ん中へ向かうわよ。くれぐれもさっきのような失態は犯さないでもらいたいわ。」
「分かってるわ。そんなことぐらい。」
半分聞き流しているようにしか思えない返事をする。
ゲラルトたちは森の中心へと到着していた。
その道中でも異常な量の怪物が居たことが彼の浴びている返り血の量でわかる。
魔法の森の中心は開けている。
道中よりも断然に戦いやすいだろう。
「霊夢たちが来るまで神社での話しの続きを聞かせてくれよ!」
魔理沙が休む暇を与えてくれない。
ゲラルトは、その熱意に押され、自分の身の周りの人々や、怪物のことを話し始めた。
三十分が経つと、紫たちの姿が見えてきた。
案の定魔理沙はけがを負っている親友の心配をしたが、霊夢は強がっている。
ゲラルトは紫から事情を聞き、けがをした部分にクエンを張り、補助している。
「すまない。私、まだ回復魔法とか使えなくて…」
「気にするな。それよりも魔理沙は霊夢の補助を頼む。」
おう!と威勢のいい返事をし、構える。
「あんたらが来るまでに奴らを釣る餌はそこら中に捲いてきた。もうじきでっかい群れが来るはずだ。」
だが、そこに現れたのはグールではない。
上の方から音がしたと思えば、大きな黒い影が紫に向かって襲いかかってくる。
紫は間一髪で攻撃をよける。
「おいおい、面倒くさいのが現れたぞ…。」
黒い羽毛に鋭利な爪とくちばしを持つ飛竜種のモンスター コカトリスである。
「な…なんだあいつ!?」
予想外の怪物の乱入に魔理沙はうろたえる。
「落ち着け、奴の名はコカトリス。毒などは持たないが、鋭利な爪やくちばしで攻撃されたら止血作業最優先。でなければ最悪失血死だ。」
紫もばつが悪そうな顔をしている。
「こんな奴も来ていたなんて…」
よく見ると、爪には血がついている。
「グールのものか、それとも…」
「変な妄想をさせるのはやめてちょうだい!」
霊夢が怒鳴る。
しかし、コカトリスならば十二分にあり得るのである。
「とりあえず、こいつをどうにかしないと。」
と、紫があるカードを懐から出し、掲げる。
「『夢と現の呪』!」
と、紫が叫ぶと同時に、紫から光の塊が放たれ、それからも花火のようにエネルギー弾が放出される。
多方向に放出されているので、普通ならよけにくい。
だが、コカトリスは、その巨躯からは想像できない早さで飛び、なおかつ紫の弾幕をきれいに避けていくのである。
「少しくらいは物怖じして欲しいわ…。」
かいくぐられた紫はふわりと浮き、コカリトスの爪の攻撃を回避する。
すぐさま紫は攻撃を再開するが、コカリトスは避けていく。
そのよける方向を先読みし、ゲラルトが爆薬の一種 『散弾』を投げる。
きれいには当たらなかったが、翼の一部を傷つけ、しばらくは飛ぶことが出来ないだろう。
「だが、奴は地上戦でも脅威となる相手だ。堅実な立ち回りを心がけてくれ。」
「もちろんそのつもり。」
魔理沙と霊夢は置いてけぼりである。
金切り鳥始めたばかりの頃の頃すげー苦戦しました。