私の名前は『神之原イオナ』。今年で21になる。
突然だが、私には、断片的に前世の記憶がある。所謂、転生者だ。
あ、念のためお伝えしておきますが、転生前の性別は女で、転生後も女性です。
物心着いたときくらい……小学校入学くらいから、前世での記憶がじわじわ甦ってきた。
ただ、いきなりすべての記憶が戻ったわけでなく、これがまた不便で、年相応の頃の記憶が、年齢を重ねる毎に付随してくるパターン。
だから、例えば小学生で既に高卒大卒の頭脳を持ち合わせるとか、そんなチート生活とは成らなかった。
そしてさらに残念なことに、この転生先の世界は、過去の私の世界に比べて学問の発展がすさまじく、転生前の学力では全く太刀打ちできない。
……この世界、小学の同級生でフェルマー最終定理の別解をレポートに纏める猛者とかいるんだよ(まあ、流石にソイツは飛び級とかしてたけど)。
前世の世界と今の世界。舞台は同じ『日本』の『東京』。けど似て非なるこの世界。
前世とは徹底的に違うのは、この世界の多くの人が、『超能力』持ちってこと。
『超能力』ってのは言わずもかな、
だいたい世界人口の半分が能力持ちらしい。
私も幸いにか、超能力を所持している。能力は《
しかも、そこそこに強力かつ、繊細に操れるので、この能力を買われて、フルに生かしたお仕事で生計を立ててるわ。
さて。勘の良い方は薄々気が付いているであろう。この世界の真実の姿に。
西暦1945年に終わった世界大戦。その戦後に、この世界の日本では二つの組織が設立された。
ひとつは、超能力者と非能力者の共存を目的とした、内務省特務機関超能力支援研究局、略して『B.A.B.E.L』
もうひとつは、人工的な超能力研究も行う、完全独立型研究機関、通称『学園都市』
そ。この世界、『絶対可憐チルドレン』と『とある魔術の禁書目録』のミックスワールド。
いやぁ。授業で習ったときに吹いたよね。
「絶チルと禁書のクロスオーバーやん!!」って、教室で叫んだよね。
相反する思想持ちの巨大な組織が睨み効かせてる IN JAPAN。
まあ、それはそれで力の均衡を保っているといえば、保ってるんだけど……。とてつもなくアンバランス。いつ揺れ動いて、それこそ内戦勃発なんてことに……ならない保証がどこにもない。
んで。この世界の話はこれで終わらない。私が高校進学の際、いろんな学校を調べていた時に、さらに問題となる事実が判明した。
『前世で見てたアニメ作中の学校』がいくつか実在しているのだ。
1、区立六條院小学校
これは『絶チル』のザ・チルドレンたちが通う学校名。まあ、B.A.B.E.L.有るんだからそりゃあるよね。
2、私立聖祥大附属小学校
私が高校~大学進学を検討してるときに見つけた、海鳴市の大学附属小学校。
これね、『高町なのは』の学校。『魔法少女リリカルなのは』世界も混ざってたのよ。
てか、世界大戦後から西暦が廃止されて、『新暦』になってる時点で、気づくべきだったわ……。なのは世界の年号だわ。
ちな、今は『新暦0065年の3月』。ここから推測すると、高町なのはさんはまだ、魔法少女にスカウトされてないわ。
3、私立ベローネ学院女子中等部
さぁ、さらに混沌としてきたわ。
この学校、「プリキュア」。しかも『初代』。『物理攻撃は魔法を凌駕する』ことで有名なヤツ。
え、なに? プリキュアも絡んでるのこの世界?
超能力とか超越して、魔法少女の世界じゃん。プリキュアが厳密に魔法少女分類でいいのか甚だ疑問かもだけど。
なんか異世界に移動するとかないよね?
4、見滝原市立見滝原中学校
やりやがった。運命の神様やりやがった。
『まどマギ』じゃあねぇか。
この学校は私の学生時代にはまだなくて、この仕事に着いてから新設された学校だわさ。
……いやぁ、ぶっちゃけ最近、変な自殺者や不審死が増えたと思ってたんだよ、いやほんと。
……やめろよキュウべぇ。高町さんスカウトなんてクロスオーバーは控えろよ? な?
ここに、かの学園都市内部にございます『常盤台中学』も含まれまして。
まあ豪華なクロスオーバー世界です。
これに気づいた当初は心労で寝込みかかったわ。
……ま、さらにその後、やっかいなクロスが判明しちゃうのですが、それはまた次の機会に。
こんな豪華で混沌カオスなクロス世界ですが、転生してきちゃったものはしょうがない。
必死に、全力で人生全うして見せますわ。
さて、私の紹介でもしておきましょう。
私の勤め先は、特務機関B.A.B.E.L.ここで、超度6のパイロキネシスとして特務エスパーしています。
コードネームは「ザ・オレンジヘアー」。能力使うと、なーぜか髪の毛が『オレンジ色』になっちゃうことから、このコードネームになったの。
主な任務は、火災現場での炎の処理や、犯罪者の拘束など。あとは、物騒なところでは暴徒鎮圧とかもやってる。
ザ・チルドレンや皆本たちとも面識あって、たまに共同作戦したりしてるわ。
もっとも、前世の記憶(アニメ)がある分、なんともヤりにくいとこもございますが……。
******************
「神之原くん」
B.A.B.E.L.タワーのロビーでコーヒーを飲みながら、パソコンで報告書を書いていた私に、男性が声をかけてきた。
「あ、桐壺局長。お疲れ様です」
私は報告書を作成する手を止めた。
桐壺局長。B.A.B.E.L.の偉い人だ。
おてんば姫たち……もとい、ザ・チルドレンを特に溺愛してる、ちょっと変わった偉い人。
「神之原くん、ちょっと頼まれ事を聞いてくれないか?」
あら珍しい。局長が直接お願いだなんで。
「はぁ、何でしょう」
「神之原くんは、住まいは神保町付近だったね?」
ええ、と頷いた。あの辺は人がごみごみしているが、案外アパートの家賃が控えめ。かつ、私の母親の手伝いもしやすい場所である。
「実は数日前から、神保町に住む非常勤の特務エスパーと連絡が取れなくてね……。彼女の安否を確認してほしいんだ」
「へ? 電話とか繋がらないのですか?」
ふぅむ、と、局長が困った顔をした。
「コールは鳴ってるが、本人は出ない。彼女は曲がりなりにも、超度6の念動力者。何かのトラブルに巻き込まれたとは考えたくないのだが……」
罰の悪そうな局長の意図を読み取り、私は二つ返事で了承した。
「いいですよ、帰宅のついでですし。本当にレベル6が事件に巻き込まれてたら大事ですから。最悪の事態を考えると、同レベル帯の人が安否確認するのが定石です」
すると局長の顔がみるみる明るくなった。局長は私の肩を叩きながら笑った。
「助かるよ神之原くんっ!」
……まあ、後で残業代つけてしまおう。ついでに、アキバにでもよって行こ。
くらいの軽い気持ちで、局長のお使いを聞いてしまったのが運のつき。
私は、この世界の『もうひとつのクロスオーバー』の存在に気づかされてしまった。
「いやぁ、大英図書館から直々に、緊急連絡がつかないと私にクレームが来ててねぇ……。あ、このことは公にできないから、あまり目立たずにお願いするよ」
……んんん??
いま、なんつった? 大英図書館?
なんで図書館がB.A.B.E.L.局長に直接クレーム案件???
「あ、そうそうこれが彼女の家の地図だ。住所も記載してある……? ん? どうした?」
鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしていたのだろう。局長が怪訝な顔をした。
「あ、いえ……局長。もしかしてって思うんですが、その人のお名前って……『読子』さんですか?」
思い切って聞いてみた。そしたら今度は局長が驚いた。
「なんだ神之原くん、彼女を知っているのか」
知ってますとも。視聴済みです。
「非常勤の特務エスパー、読子・リードマン。コードネームは『ザ・ペーパー』。くれぐれも、よろしく頼むよ」
~参戦作品~
【地上世界編】
・ふたりはプリキュアmax heart
・魔法少女まどか☆マギカ
・魔法少女リリカルなのは
・絶対可憐チルドレン
・R.O.D-Read or die‐
・とある魔術の禁書目録
・とある科学の超電磁砲
【異世界編】
・???
・???
・???