転生先は超能力少女たちの多重クロス世界でした   作:黒片大豆

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【第3話】デパート、開戦【中編】

 

 巴マミが先導して、魔女の気配のする方角へ走っていった。私はそれについていく。

 そして、その気配の主が突然と姿を現したのだった。

 

 一般の人間には入るどころか、見ることすら叶わない異空間。

 しかし、魔女が欲する人間のみその空間に捕らえられ、そして最期は糧とされる。

 その魔女を退治することで、マミさんたちの魔法少女のソウルジェムの穢れを唯一落とせる、グリーフシードを入手できる……。

 

『ザケンナー!!』

 

 ……いや、違うなこれ。

 

「変わった魔女ね」

 

 違う違う、マミさん、そいつ、魔女と違うわ。

 

「負の感情の集合体、間違いなく魔女だね」

 

 なんでや、キュゥべえお前もかい。

 

 デパートのエスカレータに、これまたデパートの家電が合体したようなザケンナーだ。顔はなんか、昔の超人プロレス漫画にでてきそう……。

 

『ザケンナー!!』

「くうっ!」

「うう……っ」

「きゃあっ!」

 

 そいつは、デパート売場の洋服を操るらしく、プリキュアとルミナスを洋服で拘束していた。

 

 そしてザケンナーの後ろ側、吹き抜けとなっている上階から、サーキュラスの女性版みたいなやつ……確か四天王の……ヒブリスだったかな。そいつが、プリキュアとザケンナーの戦いを高みの見物してた。

 

「ん? 他にもネズミが紛れ込んでいたのか!」

 

 私達の存在に気付かれた。

 

「ねぇキュゥべえ。あれは人間? なのかしら?」

 

 巴マミがキュゥべえに聞いてみたが……

 

「あれ? いない……」

 

 キュゥべえはいつの間にか、何処かに行ってしまっていた。

 

「やれっ! ザケンナー!」

『ザケンナーっ!!』

 

 振り下ろされたザケンナーの腕は、私達の居た場所に大きな穴を空けた。

 

 私は素早くザケンナーの足元に駆け寄った。巴マミはザケンナーの真横に飛び、自慢のマスケット銃を構え、頭部めがけて発射した。

 

 ズドン! 

 

 魔法の弾丸はザケンナーの頭に派手に当たり、巨体が仰け反った。

 

「くらえっ!」

 

 今回初お目見えの、私の新装備。

 特殊なグローブに、派手に燃える固形燃料を仕込ませ、さらに着火装置が仕込んであるものだ。これにより、正真正銘に自在に発火が可能になった。

 

 ドゴォォッ!! 

 

 ザケンナーの足めがけて、炎を爆発させた。

 マスケット銃によりよろけた巨体を転倒させるのに十分すぎる爆発だ。

 

「マミちゃん、一気に畳み掛けるわ!」

「ええ!!」

 

 横たえたザケンナーに対して一気に攻撃を仕掛けようとした瞬間、

 

「うわっ!」

「なに……きゃっ!!」

 

 周囲に落ちていた、デパート売場の衣服が、私達に纏わりついた。

 しまった、あのザケンナーは、衣服を自在に操るのだった……。

 

 両手両足を完全に縛られ、私もマミさんも、完全に囚われてしまった。

 

「ふん! まだ終わりじゃないよ! やってしまえ! ザケンナー」

『ザケンナー!』

 

 上からヒブリスが命令し、立ち上がったザケンナーが、私達に目掛けて再度拳を振り下ろそうとした。

 

(こんな布、私の炎で焼いてしまえば……!)

 

 能力を使い、布を焼き払おうとしたが、その寸前に、後方から『彼女』の掛け声が聞こえた。

 

 

「ルミナス! ハーティエル! アンクション!」

 

 

 虹の光が、プリキュアと私達と、ザケンナーに浴びせられた。

 

『ザ、ザケンナー!』

 

 ザケンナーの動きが鈍り、私達を絡めていた布が緩み解けた! 

 

「な、なにこれ、力が湧いてくる!!」

「マミちゃんも? 私もよ! すごい……プリキュアたちだけの効果じゃないのね」

 

 私と巴マミは、布が解けたのを見計らい抜け出した。ルミナスの光は、私達にも活力を与える効果があるようだ。

 

 完全に動きが鈍ったザケンナー。これは攻撃のチャンス! と構えるも……どうやらその必要は無いようだ。

 

「今日はホワイトの大切な日なのに……! 許さないんだから!」

 

 キュアブラックとキュアホワイトが手を繋ぎ、黒と白の稲妻を呼び出した。

 

「プリキュアっ! マーブルスクリューっ!! ……マックスーっ!!」

 

『ザケンナーっ!!』

 

 黒白マーブル模様のエネルギー波がザケンナーを飲み込み、浄化させた。黒いヒトデ状のものが散り散りになり、エスカレーターやデパートの商品は何事もなかったかのように修復された。

 

 すると、回りの気配が明るくなってきた。ザケンナーが倒され、ヒブリスが逃走したことで、闇の気配が消えたのだろう。

 

「……あっ! ちょっと!」

「待ちなさい!」

 

 私も、巴マミも、同時にプリキュアたちを呼び止めようとした。プリキュアもルミナスも、ザケンナーが倒されるとすぐに目の前からいなくなってしまう。

 そして今回も例に漏れず。気がついたときには三人ともいなくなっていた。

 

「あの魔法少女たち、何者かしら……結局グリーフシードは見つからないし」

 

 ごめん(?)マミさん。あいつからは多分グリーフシードは出ない設定なんだ。

 

「それに私の縄張りで魔女狩りだなんて」

 

 うん、あれは魔女じゃないんだ。

 

「グリーフシードの取り合いは避けたいわ……。キュゥべえなら、あの子達になにか心当たりあるかしら?」

 

 ……そうだった、ザケンナー戦からキュゥべえの姿が見えないんだった。

 一体どこへ行ったのだろう。

 

 

『……助け……て……助けて……』

 

 

 !! 精神感応(テレパス)だ。しかもこの声は……。

 

「マミちゃん、聞こえた?!」

「ええ、聞こえました。キュゥべえが助けを呼んでるわ!」

 

 

―続く―

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