海賊大戦士 マスターコウジ  【序章】 光の子伝説 ~ロタ王国・反乱編~   作:マスターコウジ

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トルガル村にやって来たバルサはスパルタ的な方法で晃司をしごきます。


そして、晃司たちのもとにまた新たに助っ人となるであろうある海賊が悪魔の実を持ってやって来ます。


第九話 肉の秘密と不死身誕生

バルサとタンダは今、トルガル森の中を歩いていた。

 

タンダ:う~ん、それにしてもドク達のあの話って本当なのかな?

 

バルサ:あの話ってヨゴが自分の秘めていることをロタの民全体に自ら打ち明け、その後、光の子の肉を仕入れるよう残虐非道な命令を出したことか?

 

タンダ:ああ、まあ・・・それもそうだけど、俺、その「光の子」ってのがどうもにわかに信じられないんだよね・・・。一目見ただけで習得する学習能力があるはまだしも、胴体や心臓を失っても再生する能力なんてそんな悪魔の実の能力のようなものが生まれつき存在したような感じのやつが本当にいるのかなって思うんだよね・・・。

 

バルサ:まあ、たしかにお前が言う通りほぼ不死身と言える体質を持つやつってのは初めて見るからな。だが、ここロタのやつらはそいつの存在を知ってることはたしかなんだ。でなければ、ドク達もあんな真剣に話をすることないし、シュガの手紙にだってこうきめ細かに書いたりしないはしないだろう。ただ、私が気になるのはそいつの持つ覇気の力だ。

 

タンダ:ああ、たしかその光の子が放った覇王色を受けた何人かの兵士らは気絶を通り越してショック死しちゃったって・・・

 

バルサ:もし、その力が暴走したとなれば民間人までもが犠牲になりうる可能性だって出て来る・・・。

 

タンダ:ああ、なるほど。たしかにそれはそうかも知れないな。

 

バルサ:そうなる前に私がそいつの精神を鍛えさせなければならない。

 

タンダ:え?鍛えるって・・・何を?

 

バルサ:何をって・・・お前、ドクの言葉聞いてなかったのか?

 

 

 

 

―数分前・・・

 

 

 

 

ドク:ヨゴの言うように俺たちもその光の子・晃司についてはよく知らない。しかし、ヨゴのようなやり方では例え成長したとしても同時に俺ら人間に対する憎しみまでもが芽生えてしまう。もしそうなってしまっては俺たちはおろかさらには世界滅亡にまで発展してしまうかもしれない。

 

ジョニー:いや、世界滅亡はさすがに言いすぎでしょ!?

 

ポニー:でも、あの覇気が世界全体で暴走しちゃったら元もこうもないでしょ?

 

タンダ:要するにヨゴのような鬼畜なやり方じゃなくて、イーハンのような友達感覚で接するやり方でやればいいってことだね!

 

ドク:ああ、晃司に「俺たちはお前の仲間だ」ということを知ってもらえれば覇気も暴走することないだろう。

 

 

 

 

 

 

タンダ:でも、そのためにシュガとかトーマスとかがいるんじゃ・・・?

 

バルサ:ああ、そうだな。けど、あの子らの戦闘経験は狩り程度だ。まあ、シュガについては元々イーハンの護衛をしていたし戦闘もベテランの方だ。しかし、覇気はほとんどと言っていい程見聞色に傾いているし、そもそもあいつは覇王色を持ってない。

 

タンダ:ああ、そういえばバルサも使えるんだっけ?覇王色。

 

バルサ:まあ、人を死に至らせる程の力はないがな。それにあいつはいくつか優しすぎる所もあるから、おそらく修行を教えると言っても武術を教えるくらいだろう。

 

タンダ:でも、最初はそれでいいんじゃないのか?それでそれに慣れてきたら今度手合わせしたりだとか、少し厳しい修行だとかすれば・・・

 

バルサ:まあ、普通はな。ただ、そうも言ってられんだろう。覇気には、覇王色の他にも見聞色・武装色の2つの覇気がある。覇王色がそれほど強力であればその2つもそれくらいの力を持っているであるはずだ。

 

タンダ:う~ん、たしかにな。もし、その2つも覚醒して暴走したとなるとより手が付けられなくなりそうだ。

 

バルサ:それにその子はヨゴに目を付けられているんだ。今は何もしてはこないが、やつの命によってまた、そいつのトラウマを抉り出すようなことがあればいつ覇気が暴走してもおかしくはない。

 

タンダ:なるほど、たしかにありえなくはないな。で、どうするんだ?

 

バルサ:そのためにはまず光の子そいつの精神を安定させ、鍛え直す必要がある。

 

タンダ:鍛え直すって何か需要はあるのか?

 

バルサ:それはまずそこへ行って見てからだ。一応確認したいこともあるしな。

 

しばらく森を突き進んで行くと2人の目の先にトルガル村へ入れる入口が見えた。

 

 

 

 

―その頃、トルガル村では・・・

 

 

 

ドキューン!

 

 

晃司の持つ銃から放たれた弾が空き缶を貫通。貫かれた空き缶は棚から落ちる。

 

ベン:ぜ、全部命中・・・。(゚口゚)

 

トーマス:す、スゲェ・・・。(゚口゚)

 

ヘンリー:一回だけしか教えてないはずなのに・・・。

 

晃司から数メートル離れた棚には缶や瓶などが5~6個程設置されているが、どれも銃弾の痕跡が残っているものや半分壊れているものもあった。村の修繕を終え、晃司のアジトを築き上げたトーマスらは晃司を強くするため自身の持つ剣術やら狙撃やらのスキルを覚えさせようとしていた。最初はじゃんけんにより狙撃に決まった。トーマスたちはさっそく晃司に銃の扱い方や撃ち方を教えた。晃司はトーマスたちの教え通りに目の前に設置された瓶に狙いを定めて銃を構え、撃つ。晃司の持つ銃から放たれた弾は瓶のど真ん中を捕え、瓶は底を残して下に落ちた。それを見たトーマスたちは絶賛していたのだが、その後も一つも外れることなく的を得ていく晃司を見て次第に唖然となっていた。

 

シュガ:そ、それだけ手が器用なんだろう・・・。(^_^;)

 

トーマス:い、いやそれにしても、こいつ覚えんの早すぎね?さっきの家を直す時だって、トンカチとか鋸だとか始めて見んのに俺たちがやっているのを見てて普通に出来てんだぜ?しかもやり初めだってのに手つきが大工並みだぜ!?

 

ヘンリー:うん、晃司って意外と飲み込み力早いよね?

 

ベン:おそらくこれも晃司の持ち味なのかもしれないな。

 

トーマス:晃司って本当、一体何もんなんだ?

 

するとそこに、バルサとタンダが村の門に現れ入ってきた。

 

ヘンリー:ん?誰か来たみたいだよ?

 

トーマス:まさかヨゴの使いか?

 

そう言うとバルサ:シュガ、事の内容はドクらから聞いている。まあ、お前の手紙でだいたいは把握していたがな。

 

シュガ:そうなのか?

 

タンダ:ああ、たぶんイーハン殿下が死んだのは俺がガカイに加担していたのが原因だ。

 

シュガ:加担?一体どういうことだ?

 

バルサ:ああ、実は・・・・

 

バルサはシュガにドクたちに話したようにガカイとタンダの間にあったことを話した。

 

シュガ:なるほど。そういうことだったのか。つまりガカイはタンダの能力を利用して暗殺を謀ったってことか。

 

タンダ:元はと言えば俺がもうちょっと気を付けてればこんなことには・・・

 

シュガ:大丈夫だ。お前のやろうとしていることはイーハンを殺すことじゃなく、ロタを海賊から守るためにやったことだろう?もし、俺がお前の立場だったら、真っ先にロタの事を考えていただろう。

 

タンダ:シュガ・・・

 

シュガの言葉にタンダは目を潤ませ、安堵した。

 

晃司:シュガ、この人たちは・・・?

 

シュガ:ああ、彼女は(トーマス:晃司、気をつけろ!そいつは「氷の女豹」と呼ばれるほど狂暴なやつなんだ!そいつに近づいたら猛獣のようにお前を襲い食われるぞ!

 

晃司:Σ(◎Д◎;)!?

 

トーマスの言葉を聞いた晃司はバルサを見るとあの時の事が蘇り硬直してしまう。

 

ヘンリー:ちょ、トーマス・・・!(゚Д゚;)

 

ベン:また、始まった・・・。(~_~;)

 

バルサ(全く、あいつは・・・でもまあ、私がここに来たのは最初っからこいつだしな。)

 

そうため息を吐きながらもバルサは晃司を見つめていた。その晃司は目の前のバルサに怯えながら手に持っていた銃を構えていた。

 

ヘンリー:ちょっ!?晃司、バルサに銃向けてるよ!?Σ(◎Д◎;)

 

ベン:ま、まさか晃司、撃つ気か?(゚Д゚;)

 

ヘンリー:もう、トーマスが晃司にあんなこと言うから!!

 

トーマス:大丈夫さ!バルサならこのくらいがお似合いさ。そもそもそんなもん避け切れないようならば短槍使い失格さ!

 

ベン&ヘンリー(こ、こいつは・・・(~_~;))

 

 

バルサ:ほう、私に銃を向けるか・・・。だが、手元が震えている。それじゃあ、撃てる的もまともに撃てんぞ。

 

ドキューン!

 

 

バルサ:!!?

 

銃口から放たれた弾はバルサの目の前を突き進み、バルサはとっさに顔をずらし間一髪で避けた。

 

バルサ:くっ・・・!今のは危なかった・・・!!それにしても今のはまぐれなのか?それとも本当に的を得て撃ったのか?・・・わからんが、たしかにこいつには底知れない力のようなものがあるのは間違いなさそうだな。

 

バルサはおもむろに背中にある短槍を手に取り、前に出した。

 

タンダ:バルサ、お、お前何を・・・!?

 

バルサ:な~に、取って食いはしない。ただちょっと試すだけさ。

 

そういうとバルサはまるで虎のような眼差しで晃司を見ると、短槍を構え晃司目掛けて突進する。

 

ヘンリー:ば、バルサ!?

 

ベン:い、一体何を!?・・・ま、まさか・・・!?

 

ドスッ・・・!!

 

そして、バルサは晃司の体目掛けて短槍を突き出した。勢いよく突き出された短槍は晃司の胸に当たりそのまま貫通した。

 

一同(シュガ):・・・・・・!?Σ(◎Д◎lll;)

 

バルサのやった行動に一同は衝撃を受け、絶句した。ただ、シュガだけはまるでそうなることを予想してたかのようにあまり驚かず真剣な表情で見据えていた。

 

タンダは見ず知らずの行動をしたバルサに強く叱り始めた。

 

バルサ:私はもうとっくに人殺してるぞ?

 

タンダ:いや、まあ、それはそうなんだが・・・それにしてもいきなりやることはないだろう?相手は5歳も満たない子供だぞ?

 

バルサ:でも、不死身なんだから大丈夫だろう?

 

タンダ:ドクたちからの話聞いたろ?この子がロタに入ってきた瞬間訳も分からずに切り刻まれたせいで怯えてるって!見ろ!お前があんなこと急にし出すから怯えてるぞ?

 

指を指したタンダの先には晃司がバルサを見ながら息を荒げていた。

 

バルサ:それはトーマスが発破掛けたからだろう?

 

タンダ:だったらそれを裏付けるようなことをするなって言ってんだ!ロタを救うために晃司と仲良くするってのでにここ来たってのに逆に敵対させてどうするんだよ!?

 

バルサ:別に私は不死身かどうか試したかっただけだ。だが、本当に不死身とわかった今、こいつには修行が必要だ。

 

タンダ:修行?

 

怪訝な顔をするタンダを余所にバルサは晃司の元に近寄った。その一方、晃司は腰を抜けたかのように座り込んでいて、バルサを見ると震えながらそのまま後退った。

 

バルサ:先ほどはすまない。ただ「光の子」と呼ばれるお前のことがこのロタの中で持ち切りになっていたのでな、こいつらに説明したよう、お前が本当に不死身なのか試しただけだ。

 

トーマス:晃司!騙されるなよ!そいつはお前をたぶらかしてロタの奴らと一緒に光の子バーベキューにするつもりだ!

 

 ドスッ・・・!! トーマス:ぐほぅっ!!Σ(◎Д◎lll)

 

バルサ:貴様は少し黙ってろ!

 

怯える晃司に冷静な対応してなだめようとしたバルサを邪魔するかのように割って入るトーマスだったが、すぐさまバルサに腹を槍の柄の方でド突かれる。腹に強い一撃を喰らったトーマスはそのまま地面に倒れ込んだ。

 

ヘンリー:トーマス・・・。(¬₋¬;)

 

ヘンリーたちは空気を読まないトーマスに呆れかえっていた。

 

バルサ:ああ、すまない。こいつの言ってることは私に対してのおふざけみたいなものだ。気にすることはない。

 

先ほどの一撃でトーマスが地面に伏していることを見てさらに硬直してしまっている晃司を見て少し優しい言動で諭すバルサ。

 

 

ベン:修行ならさっきバルサたちが来る前にやってたけど・・・?

 

ヘンリー:うん、僕たちが射撃のやり方をね。もうマスターしちゃったけど・・・。

 

タンダ:へぇ~、射撃を。じゃあ、もう銃持ったら即撃てる感じ?

 

シュガ:ああ、どうやら学習能力がかなりずば抜けてるって感じでな、1つ使い方を教えただけでマスターした感じだ。この家々を直す時もだってほぼ晃司がやったようなものだしな。

 

タンダ:え?こ、これら全部その子がやったのか?

 

シュガ:ああ、どうも俺やトーマスのやる姿を後ろで見て覚えたって感じだ。

 

バルサ:なるほど、それも興味深いな。だが、私の言うことはそういうことじゃない。晃司、少しいくつか聞きたいことがあるんだが、いいか?

 

晃司:う、うん・・・。

 

バルサ:ドクたちが話す内容ではお前はロタで街の住民に身体を切り刻まれるという惨い仕打ちを受けていたと聞いたんだが間違いないか?

 

晃司:う、うん・・・。

 

バルサ:その後、どうした?

 

晃司:え・・・?

 

バルサ:その後、ドク達によりその仕打ちから解放されて森へ帰ったんだろ?その後、どうしたんだ?って聞いてるんだ。

 

晃司:え?う、うん・・・。

 

晃司は半分怯えた様子であの時の森へ戻った後のこと話し出した。

 

晃司:あの時、解放されたウチは近づいてくる3人・ドク達を見て思わず怖くなっちゃって村の方に向かって行ったんだ・・・。でも、戻ってみてみたら、村には大勢の人が倒れてて、誰も息している者はいなかった。しかも、そのほとんどがウチが知ってる人たちでみんなやられていた。

 

シュガ:やはり、全滅だったか・・・。

 

晃司:村のみんなが死んで独りぼっちになったウチは、もう死にたくなっちゃってて、近くに置いてあったナイフで刺したんだ。

 

ヘンリー:刺したってどこを?

 

晃司:いっぱいだよ。首とか胸とかお腹とか・・・でも、刺しても刺してもすぐに治っちゃって死ねなかった。医療所に置いてあったありったけの薬をほとんど飲んだけどどれも苦しくならないし、高いところに登って頭から落ちてみても地面が窪んだだけでなんともなかったし、水に身を投げてもなぜか水の中で息が出来るし・・・

 

タンダ:本当に不死身なんだな~・・・。

 

バルサ:で、何回自殺を図っても結局死ねなかったと・・・?

 

晃司:う、うん・・・、それでどうしようかと途方に暮れて、そのまま一晩過ごしてたら、森から人の声が聞こえて・・・

 

トーマス:それで俺たちとあった訳か・・・。

 

ヘンリー:僕たちが最初に出会った時、晃司すごく怯えてたもんね。

 

バルサ:なるほどな。で、今はどう思っている?

 

晃司:どう・・・って・・・?

 

バルサ:その体のことについてだ。再生する力・・・いわゆる不死身だ。その力を生まれ持ったせいで死のうと思ってても死ぬことが出来ないということがもう自分の中でもうわかっているはずだ。それでこの先どうするのか?って聞いてるんだ。まさか、ずっとこのままロタの輩から隠れて暮らすつもりか?

 

晃司:・・・・・・・。

 

そう聞かれた晃司はなんて答えたらいいかわからず、目線を下に俯く。コウジのその動作にバルサは諭すように言葉を続ける。

 

バルサ:私だったらこう答えるな。不死身と分かった以上、やれるべきことは一つ。それは強くなることだ!

 

晃司:強く・・・?

 

バルサ:そうだ!強くなってお前を襲う輩を見返してやればいい!

 

トーマス:いや、それさっきの俺たちと同じような考えだぞ?

 

バルサ:いや、お前らと私とじゃ趣旨が違う!私が言ってるのは強靭な体になるようにすればいいって言ってるんだ!

 

ヘンリー:強靭な体?それってどういう・・・?

 

ベン:もしかして、どんな痛みでも耐えられるような強い体にするってこと?

 

バルサ:ああ、そのとおりだ。さすがは学者と航海士の息子だな。こいつらのような馬小屋小僧や丸太ん坊とはまるで違う。

 

トーマス:誰が馬小屋小僧だ! 

 

ヘンリー:丸太ん坊って・・・ 

 

シュガ:ところで、バルサ?(バルサ:何だ、シュガ?)一応聞いておくが・・・何か晃司を強化させるために何か秘策を考えているのか?

 

バルサ:何かって簡単なことだ、こいつの身体にありとあらゆるダメージを叩き込んで慣れさせるに決まってる!

 

ヘンリー:だ、ダメージを・・・叩き込む・・・て?

 

バルサ:ああ、まずは体を切り刻むことから始めるか。

 

晃司&トーマス&ヘンリー&ベン:!!!? ⁉

 

バルサの発言にトーマスらは凍り付く。特に晃司は・・・。

 

シュガ:まあ、予想はしていた・・・。

 

タンダ:バルサは昔っから野性的だからな・・・。

 

タンダとシュガはバルサの性格上予想はしていたものの半ば呆れている。

 

バルサ:まあ、まず最初は手足からやった方がいいな・・・・・・よし!さっそくやるか!あ、待てよ?(トーマス:おい・・・)刃物はどうしようか・・・?(おい、)短槍はある

 

おい!!

 

 

バルサ:ん?どうした?

 

トーマス:どうした?じゃ、ねぇよ!お前、自分が何言ってるのか分かってんのか?晃司は一回そういう目に遭ってんだぞ!?

 

バルサ:だからどうした!言っただろ?こいつの身体にありとあらゆる痛みをとことん叩き込むって!そもそもこいつは不死身だ!体にどうこうしようと問題ない。

 

バルサの「晃司の身体を切り刻むという」発言に納得のいかないトーマスはバルサに猛抗議をした。しかし、そんなトーマスにバルサも負けず反論する。

 

トーマス:問題なくねぇよ!お前、ドクの話よく聞いてなかったのか!?見ろ!お前がそんなこと言うから今の晃司は戦慄が走ってる!

 

バルサ:そんなこと重々承知だ!これは修行だ!まあ、お前の言ってることはわかる。たしかにあんな出来事があってから人を警戒していることは今の彼から見て分かる。だが、だからと言ってこのままにしておくわけにはいかないだろう?それに私たちの本来の目的は今のロタを根本から覆すためだ!

 

トーマス:・・・・!?

 

バルサ:今ロタはイーハンの仇・ヨゴの支配下に置かれている。そして、今やつは自分の野望のためにそいつを利用し、終いにはこの国を売ろうとまでしている。

 

トーマス:んなもん、わかってる!だから、こうやって晃司の護衛を・・・(バルサ:本当に晃司を守れる気でいるのか?)・・・!?

 

バルサ:相手はあのヨゴだ!あいつには誰であろうとも逆らうことができない能力ちからがある。それがこのロタの現状だ。お前らもそのことについては十分にわかっているはずだ!

 

トーマス:んぐっ・・・!!  くそ・・・、知ったような口の利き方しやがって!

 

バルサにロタの現状を突き付けられ、トーマスは何も言えずまるで苦虫を噛み潰したように顔を渋くする。

 

ベン:でも、たしかにバルサの言ってることは正しいよ。人の心を操る見聞色の持ち主シュガでさえ適わなかったんだ。今の王ヨゴには人を言葉で操る能力があるし、理想を現実に出来る護衛士だっている。今の僕たちだけじゃ兵士ぐらいに勝ててもあの王には勝てない。例え王に能力から逃れる術を使って挑んだとしてもそいつの護衛士に捕まるのがオチだ。そうなれば、僕たちも無事では済まない。もし運よく死刑を言い渡されないとしても、晃司を自分の手元に置くか、もしくは僕たちに父さんたちと同じ命令を下されるか・・・

 

ヘンリー:そうなったら俺たちはもう二度と晃司守れなくなる・・・。

 

トーマス:くっ・・・!悔しいけど、そのとおりかもしれねぇ・・・。俺たちは晃司の他にロタの運命も担ってるんだ。

 

シュガ:ああ、けどやつの野望までの時間帯は俺たちにとってまだまだ時間が設けられている。

 

タンダ:ああ、たしか天竜人がここに来るのってたしか5年後なんだっけ?十分っていうか・・・なんていうかその、こんなこと言うのはなんだとは思うけど・・・ロタを売るまでの猶予が有り余るというか・・・なんていうか・・・。

 

バルサ:おそらくこいつ光の子の力をもっと引き出すためなのだろう。こいつには不死身的に肉体再生する再生能力の他に一目見ただけで習得するコンピューター並みの学習能力、そして覇王色の覇気というのも持ち合わせてるらしいからな。ただ、話で聞いたところではたしかこいつの放つ覇王色は威圧の力がかなりの強力で10人中9割の兵士が気絶を通り越してショック死したらしいが?

 

シュガ:ああ、そこについては本当だ。威力は巨大な爆弾並みとようだった。

 

タンダ:巨大な爆弾並み?

 

シュガ:晃司の放つ覇気には強いオーラのようなすごい爆風が飛び交った。晃司から4mぐらいの距離で離れてたんだが、そこからでも影響力は高い。

 

トーマス:ああ、その風のようなもんを受けただけでも意識が飛びそうだったからな。こいつヘンリーは意識が飛んでたけど・・・

 

ベン:晃司を狩りに来た十人くらいいた兵士たちもほとんどが死んでたし、その周りにある木々とかもみんな突風でも来たかのように吹き飛んでたり、枯れてたりしてたからね。

 

タンダ:それ本当に覇王色なのか?武装色とかじゃないのか?

 

バルサ:武装色のような覇王色か・・・。ただ、そいつはまだ無意識的に起こったものだろう?

 

シュガ:ああ、そこは俺も危惧しているところだ。これがもし、不意に起きたとなればもし晃司が街にいた時だった場合ロタの民たちも被害に巻き込む恐れだってある。

 

バルサ:それにこいつの持つが強力なのがわかった覇気は覇王色だ。そうであるなら他の覇気だってそうならない可能性もなくはないだろう。

 

シュガ:ああ、それについても同意見だ。まあ、覇王色の覇気は王の素質を持つ覇気と謳われる程、強い気迫力で相手を圧倒させる。それだけ強い力を秘めている極めて珍しい覇気だ。しかし、覇王色はどんなに強い覇気の資質を持つ者がいたとしても、大抵は相手を気絶させる程度のもので対象を気迫で圧倒死させるような覇気の資質を持つ者というのは極めて稀だ。だとすれば攻撃力・防御力を極める資質持つ武装色の覇気や五感を極める資質を持つ見聞色の覇気も例外ではない。

 

ベン:その2つの覇気ってたしか誰でも極めることが出来るんだよね?

 

バルサ:ああ。可能性はわからないが、もしそいつが目覚めて暴走してしまえばいくら私たちでも手に負えなくなってなくなってしまう。

 

タンダ:なるほどな。もしそうなってしまえば、ロタは天竜人が来る来ない関係なく滅んでしまう。

 

バルサ:いや、ロタだけじゃなだろう。そのまま世界へ進出すれば世界全体にどんな影響が及ぶか危険性がある!

 

トーマス&ヘンリー: ・・・・・・!!!! 

 

トーマスたちはそのバルサたちの言い分を聞いて再び驚いた。

 

バルサ:だから、そうなる前にこいつを徹底的に鍛えさせる必要がある。こいつには身体に傷が付こうがいくら一部や臓器が吹っ飛ぼうが必ず再生する不死身並みの能力を持つ。そんなやつに痛みなんて必要ないだろう。だから克服させる必要がある。

 

タンダ:いや、バルサ、率直に意見するけど、痛みを与えたからって痛みを失くすってのはどう考えても無理がある!

 

バルサ:タンダ、私は痛みを克服する・・・・とは言ったが!失くす・・・とは言ってないぞ?彼も一応人間なんだ。それぐらいの事は私にだってわかる。だからこそ痛みを慣れて欲しいと私は願う。

 

タンダ:・・・ん?・・・というと?

 

バルサ:まあ、その話は後で話す。てことでこいつのことは私が引き受けるが?シュガ、それでいいか?

 

シュガ:ああ、晃司の事はバルサに任せるよ!

 

シュガは信頼してるかのように快く了承した。

 

バルサ:よし!で?お前はどうなんだ?これでもまだ私に意見するか?

 

トーマス:ん~・・・、悔しいが今回ばかりはたしかにお前の方が正しい。晃司を痛めつけるのは腑に落ちねぇけどロタやこの世界の事を考えると仕方ない気がする。けど、これだけは覚えとけよ?(バルサ:うん?)もしこれのせいで晃司がますます俺たちの事を嫌いになったりしたら、その時は一生、アンタを恨み続けるからな?

 

バルサ:ふん・・・、肝に銘じよう。

 

トーマス:本当だな?絶対にだぞ?

 

バルサ:お前もこいつにもしいい成果が見られるような結果になったら、お前もそれ相応の罰を受けてもらうぞ?

 

トーマス:お、おう!いいだろう!そ、そん時は全裸でロタ中逆立ちで一周してやってやる!

 

ヘンリー:また、トーマスは・・・。 

 

ベン:後でどうなっても知らないぞ・・・?

 

バルサ:ほう、それは楽しみだ。

 

バルサの口車に乗せられたトーマスは自らペナルティを課した賭けで彼女に挑む。これまでにバルサに挑んだ結果、悲惨な目にあっているトーマスの末路を知っているためベンとヘンリーは性懲りもなく挑むトーマスに呆れていた。

 

バルサ:と、いうことだ。いいか?お前はこれから私と修行に付き合ってもらうことになった。修行内容は私が決める。泣き言・弱音は一切聞かん!その弱りきった根性を叩き直してやるから覚悟をしとけ!わかったか!

 

晃司:・・・・・・。 

 

バルサは晃司に大声でそう怒鳴りつけるが晃司は頷くどころかそんな彼女に恐怖した顔で見つめ身体が硬直している。

 

バルサ:よし、そうと決まればいくぞ!来い!  パシッ!

 

晃司:え・・・?あ、えぇ・・・!?

 

バルサは晃司の腕をつかみ、畑の近くにある広場に向かう。晃司は急に腕をつかまれたことに戸惑うが、そのまま引きずられるように強引にその場へと連れていかれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

バルサ:よし、準備完了だ!

 

タンダ:バ、バルサ・・・?お、お前本当にやるのか?

 

バルサ:ああ、もちろんだ!なんたってこれは修行だからな!

 

タンダ:修行って・・・これ傍から見ればどう見たって拷問だよ・・・。

 

タンダがそう言うのも無理はない。何せ地面には晃司があおむけの状態になっており、手足をそれぞれ四隅に打ち込んだ杭についたロープで固定。さらには胴体にも何本かの鎖で固定されているのだから。

 

バルサ:大丈夫さ、こいつは不死身だぞ!

 

そういうバルサの手には斧が握られていた。ちなみに晃司本人はこのような経験を体験しているため顔は真っ青だ。

 

タンダ:そ、それはそうなんだけどさ・・・。

 

バルサ:そんなに嫌ならあのガキどもと同じようにアジトに隠れていればおおだろう!さて、そんじゃあ行くか!

 

そういうとバルサは両手で斧を振り上げる。それを見た晃司は身を屈めようとするが、手足をひもで結ばれていて身動きが取れない。

 

バルサ:ノルマは1日・各腕足それぞれ100本ずつ!まずは右から!!せいやぁっ!!!

 

ダン!! 

 

晃司:・・・・!!!!  

 

うぎゃああああああ~~~~!!!!!

 

 

晃司は斧で切られた腕の激痛に悲鳴を上げた。アジト内にいたトーマスたちはその突然響き渡る大音量に思わず耳をふさいだ。

 

ヘンリー::う・・・す、すごい声だ・・・!耳の鼓膜が破れそうだよ!

 

ベン:うう・・・、どうやら始まったようだな。

 

トーマス:ぐう・・・!こ、これがあと100回続くのか?

 

ベン:いや、今やったのが1回だから残りは99回だ。でも、それは片腕だけの数だろうから合計400回くらいだよ。

 

トーマス:そんなにやんのか!?なんだよそれ?鬼か!?

 

ヘンリー:でも、バルサって結構自分にも厳しいところもあるから。

 

トーマス:そ、そうか・・・。けど、それにしてもこれ400回も続くのか・・・。

 

 

 

 

 

 

晃司:う、うああああ・・・・あああ~~~~!!!

 

腕を切られた晃司は紐で残りの手足を縛られながら大声を上げていた。しかし、切られた腕はその断面に光が灯り、そしてその瞬間、腕の切れ目から一瞬にして腕が復元される。

 

晃司:はあ・・・はあ・・・はあ・・・はあ・・・

 

晃司本人も激痛がなくなったのか、復元した腕を確認するかのように見つめ、呼吸を整えていた。

 

タンダ:ほ、本当に復活した・・・!けど、このままこれが続くとなるとなんだか哀れに思えて来るな。

 

バルサ:強くするためだ、このままいくぞ!ほら、腕を元に戻せ!

 

晃司:・・・・!!!?

 

しかし、晃司はバルサからの指示を聞いた途端、腕を身体にくっつけたまま硬直してしまう。

 

バルサ:どうした?それでは腕が切れないだろう?

 

タンダ:バルサ、いくらなんでもそりゃそうなるだろう。たとえ痛みに耐えることを前提にしたとしても、いざとなったら怖いだろう。

 

バルサ:私が晃司だったら耐えて見せるがな。

 

タンダ:晃司をお前と一緒にすんな!そもそもこれは始めたばっかりなんだ急に言われてできることでもないだろう!

 

バルサ:はぁ・・・  ならば仕方がない・・・ならタンダ、こいつの腕を無理矢理でも伸ばしておさえてくれ!それならばいいだろう?

 

タンダ:フゥ・・・  わかったよ!

 

タンダは渋々ながら引き受け、晃司の腕を持つと半ば強引に伸ばし始める。しかし、晃司もそれを拒むかのように抵抗しようとする。

 

タンダ:晃司・・・!少しの辛抱だ!すまないが、バルサの言うこと聞いてやってくれ!

 

晃司:ぐ・・・う・・・!

 

バルサ:まったく・・・しようのないやつだ!こうなったら奥の手だ。

 

 

ふん!  (((  )))ドクン!

 

 

 

バルサは未だに抵抗しようとする晃司に覇王色を放つ。

 

晃司:・・・・!!!? 

 

タンダ:よ~し!伸ばした!

 

晃司はバルサの気迫に驚き、タンダはその隙に晃司の腕を伸ばすことに成功する。その時のタンダの顔は何故か勝ち誇った感じだった。

 

タンダ:よし、さあ、まだまだ行くぞ!

 

そして、バルサは少し抵抗気味の晃司に覇王色を放ちながら右腕を切った。また晃司の大絶叫が響くが腕は何事もなかったかのように復活していく。そして腕が復活するたびにバルサは何度も何度も腕を切って行った。晃司は抵抗しようにもバルサの気迫とタンダによる腕の押さえつけにより思うように動けず、バルサのいいようにされるがままになっていた。

 

バルサ:ふん!( ダン!)ふん!( ダン!)ふん!( ダン!)

 

 

晃司:グワ~~~ッ!!ぐぎゃあああ~~~!!!おぎゃあああああ~~~~~~~!!!!!

 

 

 

トーマス:ぐう・・・こんなの聞かせられて俺たちまで気分がおかしくなる!

 

ヘンリー:俺もだ!もうかわいそうで見てられないよ!

 

ベン:でも、だからと言って退出しないわけにいかない。晃司はあれでもがんばっているんだから、僕たちもすこしぐらいは辛抱してようよ。

 

アジト内部にまで聞こえてくる晃司の悲鳴にトーマスたちも限界寸前であるものの必死に耳栓などをして必死に耐えていた。

 

 

 

 

 

 

バルサ:よし、次は左だ!

 

タンダは右腕が動かないよう手首にロープで固定した。そして左腕にも右腕と同じ鉄槌が繰り返された。

 

 

 

 

 

 

ヘンリー:ところで、切ったあの肉どうするだろう?

 

ベン:まあ、この工程が終わると400本ものの光の子の肉が出来上がるからね。

 

トーマス:うちで食べるか、ロタへ行って売り出すか・・・だな。

 

シュガ:まあ、今のロタはヨゴの命で光の子の肉を生活に取り入れることになってるから、いい方はいってるな。

 

ヘンリー:あ、そういえば晃司が自分の肉を食べたらどうなるんだろう?

 

トーマス:え?あ、う~ん・・・たしかに、あいつ、自分の食ったらどうなるんだろうな?

 

ベン:う~ん、あの肉はびっくりするくらいおいしいけど・・・う~ん、どうだろう?

 

シュガ:じゃあ、今日の夕飯で試して見ないか?

 

ヘンリー:うん、そうだね。あの肉の味で晃司に勇気づけられるかも知れないし!

 

ベン:僕もだ!晃司が自分の肉を食べてどう変化するか見てみたいし!

 

トーマス:だな!それじゃ、さっそく取り掛かるか!

 

トーマスたちは未だに鳴り響く晃司の声の辛さを忘れ、胸を躍らせる。ただ、トーマスとヘンリーに至っては晃司が肉を食べてどうなるかというよりもあの肉が再び食べられる方に入ってるようだった。その証拠は決断する直前に舌なめずりをしていたからだ。トーマスたちはさっそく準備に取り掛かる。

 

 

 

―一方、修行場では・・・

 

 

 

 ダン!

 

 

晃司:ぐっ・・・!!!!はぁはぁはぁ・・・・

 

 

 

 

バルサ:よ~し、右足終わり!最後は左足だ!

 

タンダ:なんか切っていく度徐々に再生が早くなって来てないか?

 

バルサ:それだけ痛みに慣れてきたのだろう?ほら、さっきまでの大音量はもうなくなりつつあるし・・・。

 

タンダ:それは多分大声出し過ぎて疲れたんじゃないのか?

 

バルサ:そうか?まあ、この足で最後なんだ。もうすぐ終わる。

 

タンダ:バルサ、まさかとは思うが楽しんでる?

 

バルサ:なんでそう思うんだ?

 

タンダ:いや、なんていうかその・・・まるで餅つきみたいでやってる感じがするっていうか・・・。

 

バルサ:そう見えるか?まあ、私は戦い好きだからな。

 

タンダ:いや、そういう感覚なのか?ところで、この手足はこの後、どうするつもりなんだ?

 

バルサ:ああ、まあ食うか売るかのどっちかだな。今のロタはこの肉を生活に取り入れるようになってるだろうし、私自身もこいつの肉の味に興味はある。それと(トーマス:バルサ!)うん?

 

バルサがタンダに語っている最中トーマスがアジトから飛び出し割って入ってきた。

 

バルサ:何だ?もう、限界か?

 

トーマス:バルサ、晃司の肉いくつか持って行っていいか?

 

バルサ:ん?あ、ああ!別にいいが、夕飯に使うのか?

 

トーマス:ああ!バーベキューに使うんだ! 

 

バルサ:薄情だやつだな・・・。もうバーベキューはしないんじゃなかったのか? 

 

トーマス:まあ、ちょっと実験をな・・・。 

 

バルサ:実験?ああ・・・、なるほどな。実はというと私も同じことを考えてたところだ!

 

トーマス:お!バルサもか!やっぱ女豹だな!

 

バルサ:女豹は余計だ!さっさと持っていけ!

 

トーマス:ああ、そうだな!楽しみに待ってろよ!

 

そう言うとトーマスは腕と足の肉を2本ずつ手に取るとアジトの裏へ持っていった。

 

バルサ:さて、やつらの準備が終わるまでこっちもさっさと終わらせるぞ!さあ、歯を食いしばれ!

 

そういってバルサは晃司の足に斧を入れ、再び切り続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

バルサ:ふぅ~、これで今日の修行はこれで終わりだ!

 

バルサは手足を固定するロープを切り、晃司を自由にした。自由を開放された晃司は起き上がるものの息が荒く呆然としている。

 

タンダ:だ、大丈夫か・・・? 

 

バルサ:まあ、気持ちが動転してるだけだろう。これを毎日やるんだ。時期慣れる。

 

タンダ:お、お前なぁ・・・。 

 

バルサ:ほら、夕飯に行くぞ!トーマスたちも手を振って待ってるぞ!

 

バルサは晃司をアジトの裏にある裏庭に連れて行った。裏庭にはバーベキュー用のコンロやテーブルが用意されてあり、トーマス、ベン、ヘンリーは席に付いていた。

 

トーマス:よう、晃司、修行どうだった? 

 

しかし、晃司は無言だった。晃司はそのまま席に付く。

 

ベン:トーマス、気軽に声をかけるものではないでしょ? 

 

ヘンリー:そうだよ。毎回処刑じみた修行しているんだから・・・。 

 

トーマス:あ・・・ははは・・・そ、そうだな。悪ぃ悪ぃ・・・! 

 

シュガ:お~い、焼けたぞ!

 

と、そこにシュガが肉を乗せた皿2、3枚をまるでウエイトレスかのように器用にトーマスたちのもとへと運んできた。

 

トーマス&ヘンリー:お~!(ヘンリー:待ってました!✋ )

 

トーマスとヘンリーはテーブルにやって来た焼肉をハイテンションで迎える。

 

シュガ:どうぞ!

 

トーマス:うっひょ~!そんじゃあ、いただきま(ベン:ちょっと待った! ✋)・・・てえ・・・え、え・・・? ❓

 

目の前に現れた焼肉にハイテンションになりさっそく食べようと肉を箸で持とうとするが、ベンに止められる。

 

トーマス:な、何だよベン!

 

ベン:目的忘れたの?その肉はまず最初に晃司がこの肉を食べてからじゃないと!

 

トーマス&ヘンリー:あ・・・。(゚Д゚)

 

トーマス:ああ・・・そうだったそうだった!たしか晃司が自分の肉を食べれるのかっていうのをやるんだった。

 

ヘンリー:いや~、久しぶりその肉が食べられるて思うとつい・・・。

 

ベン:まったく・・・光の子の肉が食べられるからっていうそのテンションはわかるけど、まずはこれがこの子の口に合うのかそうか確かめないと!

 

トーマス:そうだったな!てことで、ほい!

 

トーマスは晃司の目の前に焼肉の乗った皿を置いた。

 

晃司:ん?

 

トーマス:これ食えよ!こいつがお前の口に合うか試したいんだ。 

 

ヘンリー:別に好きじゃなかったらいいよ?俺たちが食べるから! 

 

ベン:へ、ヘンリー・・・。  

 

トーマス:まあ、不意に切られた肉を食うのは心苦しいかも知れんが、ここは騙されたと思って試しに食ってみりゃいいじゃねぇか!

 

晃司:う・・・?うん・・・。

 

トーマスたちに勧められ晃司は嫌とも言えず、箸を手に取ると恐る恐るそれを掴み口へと運ぶ。

 

晃司:あむ! (´~`)モグモグ…

 

トーマスたちは固唾を呑んで晃司を見つめる。

 

晃司:(´~`)モグモグ… うん・・・!Σ(◎_◎;)

 

トーマス:ど、どうだ!

 

晃司の反応にトーマスたちは身を乗り出す。

 

 

晃司:お、おいしい・・・!! 

 

 

 

トーマス&ベン&ヘンリー:・・・・・!!!!   

 

晃司の不意に出た味の感想にトーマスたちはふと安堵した表情になった。

 

晃司:こ、これがウチの肉、今までの中で一番においしいよ!!

 

そう言って晃司は笑顔になりながた肉を口に運ぶ。そして、晃司はシュガにお代わりを要求し、その後もパクパク食べだした。

 

ヘンリー:フゥー・・・、いや~、よかったよかった~!

 

ベン:うん。まあ、自分の肉を食べる光景はちょっとあれだけど、晃司が元気になったことはいいことだ。

 

トーマス:う~し!なら、俺たちも食おうぜ!

 

こうしてトーマスたちも同じく席に付くバルサとタンダも、それぞれ箸を取り、次々来る肉を食べ出した。

 

トーマス:うん、うまい!やっぱこれだよね~!

 

ヘンリー:うんうん!

 

バルサ:へぇ~、意外とうまいものなんだな!

 

タンダ:ああ、まるで海獣の肉よりも特上って感じだ!それにこれを食ってるとなんだか急にテンションが上がる!

 

シュガ:うん、たしかにうまい!ヨゴがこれを気に入るというのが分かった気がするな・・・。

 

トーマス、ベン、ヘンリー、シュガ、バルサ、タンダ、そして晃司はその後も意気揚々と焼肉を楽しむのだった。

 

 

 

 

―次の日の朝・・・・

 

 

 

 

バルサは昨日と同じく晃司のあおむけ状態に手足をロープで固定していく。

 

シュガ:なんか、こうしてみると本当に処刑でもするのかみたいだな。

 

タンダ:そう思うだろ?これが修行とは到底考えられないよ・・・。

 

そのシュガとタンダの話をよそに、バルサは地面に刺さった斧を取る。

 

バルサ:よし!今回も昨日と同じく100本ずつ行くぞ!

 

バルサは気合をいれるかのように晃司に声をかける。晃司は相変わらず怖がってはいるものの覚悟を決めたかのように今日はどこか大人しげだった。斧を持ったバルサは昨日と同じく晃司の右腕の前に来ると斧を構えた。

 

バルサ:それじゃ、今日も歯を食いしばれ!やぁ!!  ダン!

 

バルサの掲げた斧がいつもどおり振り下ろされ、腕が切断される。

 

晃司:うっ!!・・・・・・ん?

 

バルサ:うん?

 

晃司は相変わらずの激痛に顔を歪めるものの、何故か急に表情が無になり、叫びはしなかった。それに気付いたバルサも思わず腕を止める。

 

タンダ:ん?あれ?今日は叫ばないのか?

 

シュガ:ああ、昨日は切る度に村中響くほどの大音量で泣き叫ぶのにな・・・?

 

晃司:・・・・・。す~~~・・・・はあ~~!! 

 

晃司は切られた右腕をしばらく見つめ、深呼吸をし始めた。するとどういうことか、晃司が息を深く吸ったと同時に腕の断面が徐々に光り出し、そして一気に吐くと同時に切られた腕もタイミングを合わせるかのように復活したのだ。

 

シュガ&タンダ:え・・・?

 

シュガとタンダはあっけにとられ思わず、お互い一瞬だけ顔を見合わせる。

 

 

 

 

―ロタ城

 

 

 

 

ヨゴ:ニュースクーよ、これを世界中の海にばらまいて欲しい!特に海賊どもにな!

 

ヨゴは数十枚分のチラシをニュースクーのカバンの中に入れる。ニュースクーはそのままロタ城を離れ飛び去って行った。

 

ガカイ:しかし、光の子の狩りを海賊にやらすとは随分と思い切ったことをなさいますな!

 

ヨゴ:民だけでは面白くないのでな。まあ、どうせこの国をやつらに売るのだ。海賊くらい好きにやらせておけ!その日になったら海賊も一緒にあいつらに差し出せばいいのだから。

 

ガカイ:なるほど・・・。

 

ヨゴ:とは言えこれはあくまで自由参加だ、強制はせん。そのためそのチラシはお前に書かせているのだからな。私が書けば知らずとも“強制”になってしまうからなぁ!

 

ガカイ:あれま、陛下!いつもは気高いあなたさまがこれほどまでにお優しいとは!

 

ヨゴ:海賊は民とは別だ。あまり興味がないだけだ。まあ、その出会いがやつ光の子にどう与えるのかは見ものだがな!

 

ヨゴ&ガカイ:アッハッハッハッハッハッハ!!!! 

 

 

 

 

―そしてその頃、ロタの港では・・・

 

 

 

 

ロジャー:ここが気品あふれる貴族の国・ロタ王国か・・・。

 

レイリー:ふむ・・・だが、この国どこか臭うな・・・。

 

ロジャー:臭う?俺は何も感じねぇけど・・・?

 

レイリー:いや、いい!たぶん、気のせいだ!

 

ロジャー:そっか!そんじゃあ、光の子の肉を手に行くぞ!

 

レイリー:いや、俺たちの目的は船を手に入れることだぞ!

 

ロジャー:ししし、わかってる!それも含めてな!

 

そう笑顔で答えロジャーは悪魔の実を小脇に抱え漁船から桟橋へと降りる。

 

レイリー:まったく・・・ 

 

ため息を吐きながらもレイリーも船を降りた!

 

ロジャー:待ってろよ!光の子!

 

そして、ロジャーとレイリーはロタ王国へと入っていくのだった。

 

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