海賊大戦士 マスターコウジ 【序章】 光の子伝説 ~ロタ王国・反乱編~ 作:マスターコウジ
―ジョニーズ店
ジョニー:・・・・・・。☹
シュガ:アハハハハハハ・・・
ジョニーはシュガが引いている荷車の中身を睨めっこしており、黙りこくっていた。荷車には400弱の晃司の手足が大量に積まれていたからだ。
ジョニー:これ、晃司のだよね・・・?
シュガ:あ、アハハハ・・・ま、まあ・・・バルサが修行ってんで?
ジョニー:はぁ~・・・、やはりか・・・俺もあいつ苦手なんだよな・・・。あいつ心鬼にしてやるとなったら本当に鬼になるからな。
シュガ:ただ、晃司にも変化があってな・・・。
ジョニー:変化・・・?
―トルガル森
バルサ:せい!(ダン! )やあ!!(ダン! )とりゃあ!!(ダン! )
晃司:・・・・・・・・・。
バルサは相も変わらず晃司の腕や足を斧で切っていく。しかし晃司は昨日とは打って変わり、余裕綽々と深呼吸するだけでやけに落ち着いていた。
トーマス:お、おい、晃司?
晃司:ん?何?
トーマス:あの、こんなこと聞くのはあれかも知れねぇが、痛くないのか・・・?
晃司:うん・・・(ダン! )たしかに痛いこと(ダン! )は痛いけど(ダン! )そんなに(ダン! )痛くないってい(ダン! )うか・・・なんていうか・・・・(バルサ:要するに(ダン! )もう慣れた(ダン! )って感じだな?)う、うん、まあ・・・そんな感じ・・・!
トーマス&ベン&ヘンリー:慣れたぁ~~~!!!?
トーマス:おいおいおい、いやいやいや、待て待て待て・・・嘘だろ、おい!?もう痛み克服できたってのかよ?
ヘンリー:慣れたってたったの1日だよ!?普通離れないよ!
ベン:う~ん・・・昨日食べた肉の影響かな?
トーマス&ヘンリー:肉・・・・ ‼ それか!!
ヘンリー:え?え?え?じゃ、それじゃあ、肉を食べて痛みの耐久力が増した感じ?
ベン:う~ん・・・・・・まあ、そんな感じ・・・?
ヘンリー:やっぱ晃司ってすごいんだな~・・・!
ベン:まあ、通称“光の子”だからね!
ヘンリー:う~ん・・・ところで、トーマスは?
ベン:え?さ、さあ?どこだろ?
と、その時・・・
トーマス:ぐぎゃあああ~~~!!!?
ヘンリー&ベン:・・・・・ ⁉ ト、トーマス!?
突然アジトの裏からトーマスの悲鳴が聞こえ2人は急いで彼の元へ行った。するとトーマスの手に桐が貫通していた。
トーマス:い、痛ぇいでぇ~~~・・・・。
ヘンリー:と、トーマス、その手は一体どうしたの?
トーマス:どうしたもこうしたも、さっきベンが晃司の肉を食べると痛みに耐えられるっていうからやったってのに全然痛ぇいってぇじゃねぇか・・・!
それを聞いた2人は呆れ果てため息を吐いた。
ベン:トーマス、今のは憶測だよ。それにたぶん晃司が特別な身体だったからそうなったわけで、だからってみんながそうなるわけじゃないないか!
そんなトーマスたちの様子をタンダ、バルサは遠くで眺めていた。
タンダ:何だ誰しもそうなるわけじゃなかったのか・・・。
バルサ:そりゃ当たり前だろ?何だったらお前も晃司と同じ課目に挑戦してみるか?
タンダ:ば、馬鹿言うな!俺は不死身じゃないんだぞ!
バルサ:ハハハハハ!ま、そうだったな!今のは冗談だ!アッハハハハハハ!!
タンダ:全く、バルサは人が悪い・・・。
そう大きな声で笑うバルサをタンダは不機嫌そうに見つめる。
晃司:ねぇ、バルサ?
バルサ:ん?何だ?
晃司:どうせだったらさあ、もう手足はやめて腹とかにしてくんない?もう手足だけの痛みに飽きてもう暇で暇で・・・。
タンダ:いや、痛みに暇なんてあるのか・・・?ていうか痛みに慣れすぎだろ?
晃司:あ、あとこれ要らない!もう、逃げないから思う存分やってくれ!
バルサ:よ~し、いい度胸だ!そんじゃあ、遠慮なくいくぞ!
晃司:お~し!どんと来い!
果敢に攻めようとするバルサに晃司は強気で堂々と身を委ねる。タンダの目の前には修羅場であるはずなのに何故か楽しそうな2人の奇妙な光景が広がっていた。
タンダは思う・・・・・・
何・・・・これ・・・?
―
シュガ:・・・と、まあ、こんな感じ・・・。
ジョニー&ポニー:ま、マジすか・・・!?(;¬Д¬)
ポニー:し、信じられないわね・・・。あの子が痛みを克服したなんて・・・しかもたった一日・・で。
ジョニー:しかも、その鍵が「自分の肉を食べる」だなんてな・・・。
ドク:まあ、何にせよ。晃司が一段と成長したことに変わりないんだし。いいことなんじゃないか?
ジョニー:ま、まあ、そ、そうだな・・・。それにその方がヨゴの言葉にかかった俺たちにも利があることだし・・・。とにかくまあ、せっかく肉があることし、さっそく店に仕入れるとするか。
ジョニーはさっそく荷車に積み上げられてある手足の肉を店の厨房にある大型冷蔵庫へと移動させていった。ドク、ポニー、シュガもそれに乗じて手伝う。
―
一方、ロジャーとレイリーはロタの街並みを見渡しながらのんびりと歩いていた。
ロジャー:ほぇ~・・・それにしてもどこもかしこもスッゲェ~建物ばかりだ!
レイリー:ああ。どこを見ても立派な建物ばかりだ!ただ・・・きれいなのは外観だけのようだな・・・。
ロジャー:ん?何がだ?
レイリー:あれを見てみろ。
レイリーの指示で前を見るロジャー。すると目の前にいるのはボロ服を身に纏ったヤクザだった。
ヤクザ:おい、そいつ悪魔の実だろ?それ、俺に寄越せ!
ロジャー:ほう、この街の荒くれ者ってわけかい!だが、こいつは渡せねぇな。こいつは俺たちの船を手にするための金だ。
ヤクサ:船?てことは、お前らは海賊ってことか・・・・・・?だが、まだ船を手にしてないのを見るとさてはまだ海賊にはなっていないということだな。
ロジャー:いや、俺たちはもうすでに海賊だ。だが、この先の海へ行くにはれっきとした船を手にすることが必要だと思ってな。
ヤクザ:なるほど・・・。どうやら力尽くで奪わねぇと駄目のようだな?
そう言うとヤクザは懐からナイフを取り出す。
ロジャー:ほう、やるか?
ヤクザ:後悔しても知らねぇぞ?オラァ~!!!!
そして、ロジャーに向かって勢いよく突進し、ナイフを前に突き出す。
ロジャー:ふん!
ドカッ!
ヤクザ:ぐはっ!?
だが、ロジャーはナイフを紙一重で躱し、顔に一撃を喰らわす。ヤクザはその場でダウンした。
ロジャー:なんだ・・・この程度か・・・。
ヤクザ:んぐ・・・!!つ、強ぇ・・・!
レイリー:まあ、少しは相手を選ぶべきだったな。ところでお前「光の子」という珍獣ってのを知ってるか?今この国で流行りとなっているようだが・・・。
ヤクザ:フッ・・・珍獣か・・・。お前らもまさかそいつ食いに来たのか?
ロジャー:ん?食い物なのか?
ヤクザ:フッ・・・食い物・・・ね・・・。たしかに食えば頬下手が落ちるくれぇうめぇが、食うのには少し勇気はいるかもな・・・。
レイリー:勇気・・・?
ヤクザ:フ・・・ま、あまり期待しない方がいいかもな。すればきっと後悔することにな・・・ガクッ・・・!!
そう言い掛け、ヤクザは気を失う。
ロジャー:あ、伸びた!
レイリー:食うのに少し勇気がいる・・・か・・・。爬虫類のようなゲテモノみたいなものなのか・・・?
ロジャー:けど、食えば頬下手が落ちる程うめぇんだってな!なんかワクワクすんな!
レイリー:ああ、だが、こいつは期待すればきっと後悔するという。・・・なんか、ますますきな臭くなってきたな。
ロジャー:そうか?まあ、とにかく行って見りゃあいいじゃねぇか!肉屋とかに行けば売ってるかもしれねぇんだし!!
レイリー:うむ・・・そうだな。そうしてみるか?
そうして2人は通りすがる人に肉屋のありかを聞いて回った。そして、辿り着いたのは「ジョニーズ」という店だった。
レイリー:ここが、各世界の肉を取り揃えているという人気の肉屋・ジョニーズか。
ロジャー:よし、さっそく聞き込み調査だ!頼もう!
そう言うとロジャーは両手で突き飛ばすかのように勢いよくドアをバン!と開ける。
レイリー:頼もうって道場破りか・・・。
―その頃、一通り光の子の肉を全て冷蔵庫に入れ終えたジョニーたちは次はその肉の使い道を調べるため手と足の肉を1本取り出し、各部位ごとに解体していた。と、そこに・・・
ロジャー:頼もう!
ドアを勢いよく開ける音とともに客らしき人物の声が厨房から聞こえてくる。
ポニー:あ、お客さんみたいよ!
シュガ:もしかして光の子求めてか・・・?
ジョニー:え~?たった今肉の調査に入ったばかりなんですけど!?
ドク:だが、客を待たせるのも悪いだろ?それに第一まだ光の子目当てと決まった訳じゃないだろう。
ジョニー:しょうがない。一応出るだけ出てやるか・・・。は~い!
そう言い厨房を後にし、駆けつけるジョニーたち。
ロジャー:なあ、聞きてぇことあんだけどここに「光の子」っていう肉ってのを置いてるか?
ジョニー:光の子?ああ、たった今仕入れて来たとこだよ!
ロジャー:おお、そうか!俺たち海渡って来たんだけどよ。空からこんなもんが降ってきてよ。
そう言ってロジャーは航海中にカモメが落としたチラシを取り出しジョニーたちに見せる。
ジョニー:「珍獣・光の子」?何これ!?
ポニー:ちょっと待って?これ、自由参加ってなってるわよ?
ジョニー:それにしてもこれをどこで?
ロジャー:ああ。航海してる途中にな。
ドク:航海?ということは君、海賊か?
ロジャー:ああ。
レイリー:まあ、なり立てのルーキーってとこだけどな。
ポニー:まさか、海にこんなチラシをばらまくなんてね・・・。
ドク:僕たちロタの民らは昨日ヨゴの命令で晃司の肉を売りこの国の名産物にすることを義務付けられている。しかし、やつの命令を受けてるのに僕たちにその現れは出てない。
ポニー:そういえば昨日そんな命令を受けたってのに誰も森へ行く様子見ることないよね?
ジョニー:たしかに、肉屋を経営してる俺も強制的に森へ行かされると思ってたのに、その日またいでも身体に何の変化も現れないし・・・。
シュガ:とすると、たぶんやつの出した命は晃司を見つけ出して肉を仕入れろとは言うんではなく晃司を見つけ次第・・・・・捕獲し、その肉を手に入れろってことになる。
ドク:ああ、おそらくそうなのだろう。まあ、いわゆる肉の入手方法は僕ら民たちに任せるってことなんだろう。
ジョニー:でもそれでもこんなチラシをばらまくなんて・・・
シュガ:やつの狙いは天竜人を招くためだ。そのためにはたぶんこの名産物となるこの肉をこの海を通じて世界に行き渡らせなければならないと考えたんだとは思う。
そう意味深に会話するドク、ポニー、ジョニー、シュガの4人。
ロジャー:おい、何かチラシ見て話しこんじゃってるぞ?
レイリー:ああ、ただ、話の中で「晃司」という言葉が何度も聞くな・・・。
ロジャー:コウジ・・・?ああ、たしかに聞くな?
レイリー:おそらくあいつらのいう「晃司」というのはたぶん俺たちが今探してるその「光の子」の名だろう。
ロジャー:へぇ~・・・そいつに名前が付けられてんのか。ふ~む・・・「晃司」・・・か・・・。でも何かまるでヒトみてぇな名前だな。
レイリー:ああ、俺もそれに引っかかる。それにその会話の中に「天竜人を招く」という言葉も出ている。
ロジャー:天竜人・・・?ああ、たしか気分次第で人を虫けらのように殺したり、おもちゃのように乱暴に扱ったりするゲス貴族だったよな?そのやつらをここに招くってのか?
レイリー:さあ、それについてはわからんが。とにかくわかっていることはといえば、この国には何か最悪なことが起こっている・・・いや、起ころうとしてる・・・そのぐらいだ。詳しくは直接本人たちに聞いてみなければわからん。
ロジャー:そうか。そんじゃあ、さっそく聞いてみるとするか!
ロジャーは4人の会話の中を割って入る。
ロジャー:おいお前ら、さっきから一体何の話してんだ?
ジョニー:ん?・・・ああ、すまない。このチラシを見てつい・・・な。
レイリー:ところで今の話から「晃司」ってのを聞くが・・・そいつは・・・?
ジョニー:え?あ、ああ・・・そ、それは・・・だな・・・。(^_^;)
ドク:ああ、それはこのチラシにも載ってる光の子の名前だ。
ジョニー:へ?は?お、おい!?Σ(◎_◎;)
レイリー:やはりか・・・。
ドク:ジョニー、ここははっきり言っておいたほうがいい。
ジョニー:え?で、でもさ・・・。
シュガ:俺も賛成だ。こいつらはここにいる俺たちとは違ってついさっきここに辿り着いたものたちだ。だから、この国の事情のことは知らない。まあ、ヨゴの能力の影響受けているかどうかはわからないが・・・一応知らせておいて損はないだろう。
ポニー:そうね。でもまあ、この2人をどう見ても悪いことする人に見えなさそうだし。まあ、話すだけ話して様子を見てみましょ?もしなったらなったでその時に対処すればいいんだし。それに晃司はもう痛みに慣れてるんでしょ?
シュガ:ああ、もうすっかりな。
ドク:それに気になるものもあるしな。
ジョニー:気になるもの?
ドク:まあ、それはともかくまずはこの2人に光の子について説明しなくては。ジョニー、厨房から肉を取ってきてくれ!
ジョニー:え?あ、ああ、わかった。
ドクに言われるがまま、ジョニーは厨房へ行き、冷蔵庫から晃司の手と足の部分の肉を取り出す。
―
しばらく経ってジョニーが厨房から出て来る。
ジョニー:あれ?ドクは?
シュガ:ちょっと図鑑取ってくるって。
ジョニー:図鑑?
ポニー:それより持ってきた?例の肉。
ジョニー:ああ、持ってきたよ!手と足の両方をね!ほれ!
ジョニーの右手には晃司の手の部分の肉と足の部分の肉が握られており、ジャニーはそれらを店内のカウンターに置いた。
ロジャー:こ、これが、光の子の肉か・・・なんか随分と奇妙な肉だな・・・。
レイリー:あ、ああ、なんかまるで人間の手足のような・・・
ポニー:ええ、そうよ。これはあなたたちが思っているように紛れもなく人肉・・なのよ!
ロジャー&レイリー:・・・・!!!?Σ(◎Д◎;)
ロジャー:じ、人肉だと!!!?
それを聞いてロジャーとレイリーは驚愕した。
ロジャー:だとすると、その光の子ってのは・・・?
シュガ:ああ、紛れもなく人間の子供だ。
ロジャー:・・・・!!!?
レイリー:なんか訳がありそうだな・・・。
シュガ:ああ。
シュガ、ポニー、ジョニーの3人はロジャーとレイリーにこの国の経緯について順を追って説明した。
シュガ:―とまあ、これがこの国の事情だ。
レイリー::なるほどな。話をまとめると、昔は俺たちの知っている気品あふれる誇り高き国と謳われる程の貴族の国であったが、その自然を愛するイーハンというやつが王になったことによって自然豊かな国となったと。ところが、それを快く思わなかった弟のヨゴとその手下であるガカイによって暗殺され王の座を奪い取られてしまった。そして今この国はやつの支配下に置かれているってとこか。
シュガ:ああ、そうだ。
ロジャー:それにしてもそのヨゴってやつとんでもねぇやつだな!実の兄貴を平気で手にかけるなんてな!
レイリー:ただ、貴族としての気品や地位だけを好むもんからしたら自然を愛し、地位の低い人間を仲間として接する彼の行動に理解が出来なかったんだろう。そして、このまま彼を野放しにすればこの国は廃ってしまうと考えたんだろう。
シュガ:ああ、まさにその通りだ。それにこのロタは世界政府加盟国でもある。そのため地位や誇りのみを大事にするのはそれを維持するためだとも言われている。
ロジャー:だからって何も殺すことはねぇだろう?
ポニー:ここにいるやつらは世界貴族・天竜人に敬意を抱いてる者も結構多いのよ。
ロジャー:天竜人?そんな品のかけらもねぇやつらに憧れ抱いてんのか?
レイリーなるほどな。ここの王族や貴族らが自分の地位だけにしか興味がないのも、その影響か。
ジョニー:ああ、しかもヨゴに至っては誰よりもそいつらに憧れて、自分も天竜人の座を掴もうとするくらいだしな。
ロジャー:天竜人にだと!?なれんのか?
レイリー:だが、今はこの国を守る義務がある。今すぐにというのはないだろう?
シュガ:いや、やつは今すぐその座に就くつもりらしい。
レイリー:何?ではこの国の主を次の誰かに任せるっていうのか?
ポニー:ううん、どうやらあいつは天竜人をここに招き入れ、そのままこの国をやつらに献上するつもりらしいのよ。
レイリー:なっ!!!? け、献上・・・!?まさかやつはこの国を売るつもりなのか!?
ロジャー:う、売る!?じゃあ、ここにいるお前らや街の奴らはどうなるんだよ!?
ポニー:おそらく、そのままやつの奴隷として連れていかれるわね。
あまりの衝撃の事実を聞いたレイリーは一瞬言葉を失い、ロジャーは憤慨する。
ロジャー:そんなのあんまりじゃねぇか!なんで誰も反論しねぇんだよ?
ポニー:できるわけないわよ!彼の前じゃ誰も動けないわよ!例え反論できたとしても彼の言葉の能力によって振出しに戻るのがオチよ!
レイリー:言葉の能力?てことはやつは能力者か?
ジョニー:ああ。あいつはコトコトの実を食べた言葉人間。彼の口から出る言葉はどんなやつでも逆らうことが出来ない。
ポニー:それとあと、その側近のガカイってやつも能力者なの。リソリソの実の理想人間で自分のイメージしたものを現実化出来るという代物よ。シュガもそいつに暗殺を謀ってみたんだけど、ガカイの能力によって阻まれて失敗に終わったの。
ロジャー:え?お前、そいつを倒そうとしてたのか?やるな!
シュガ:え?あ、まあ・・・その後、城を追放されたんだけどね・・・。
レイリー:城を追放・・・?そんな軽い刑で済んだのか?
シュガ:ああ、その当時は彼があるものに目を光らせていたのもあったからね。
レイリー:あるもの・・・? ・・・!! 光の子か!
ロジャー:そういえばチラシに書いてあったんだが、流れ星に乗ってやってきたってのがあったんだが、あれ本当か?
ポニー:ええ、全部真事実よ。
レイリー:抜群の記憶力や驚異の再生力を持つというのも本当か?
シュガ:ああ、それも本当だ。俺とポニーの子供が釘を打つ仕草を一目見てすぐに出来たもんだったからな。
ジョニー:記憶力の方はわからないが、やつの再生力はこの目で見て来たからな。
ポニー:あれは半端じゃないってもんじゃないわよね?もう、なんていうか・・・あれは不死身よ!
ロジャー:不死身?
ポニー:ええ、そうよ。手や足、お腹、あと首をちょん切られたとしてもすぐ元通りよ。
ロジャー:マジかよ!?スゲェな!!
レイリー:え?え?いやいやいや、そこ関心するところじゃないだろ?てか、その光の子ってのは人間の子供なんだろ?手や足はもちろんだが、腹や首までも斬るなんて正気の沙汰じゃないだろ!?
ジョニー:ああ、あれはたしかに酷かったな・・・。まるで地獄絵図でも見せられてるようだった。
ポニー:ええ、あの光景は彼の言ってるとおり、私たちも正気の沙汰とは思えない・・・思うはずがないわ・・・。あの日起きたあの光景を思い出すと例え本人じゃなくても恐れしいわ・・・。
酷く頭を抱え、青ざめながらジョニーとポニーはそう言った。
ロジャー:どうやら何か訳があるみてぇだな。なあ、お前らの言う“その日”のことについて俺たちに教えてくれねぇか?・・・まあ、すぐじゃなくてもいいから・・・
ジョニー:いや、話そう。その方があの子のためになる。
ポニー:ただ、今話す内容はあまり気分にはなるものではないから覚悟して聞いた方がいいかもね・・・。
ロジャー:心配すんな。話ぐれぇで怖気づくんならとっくに海賊はやめてる!
ポニー:そう、じゃあ話すわね。そうね・・・一筋の光がトルガル村の丘に落ちて、その光から生まれたことは知ってるわよね?
ロジャー:一筋の光?・・・ああ!流れ星のことだな!
ポニー:まあ、一応あってるわ!で、それが起こったのはかれこれ一週間とちょっと前になるわね・・・。
レイリー:一週間?随分最近だな・・・。
ポニー:ええ、しかもその日はヨゴが王に就任してしばらくたった頃に起こった事なの。ああ、ちなみに生まれた時は既に3歳児のような姿だったそうよ。で、トルガル村の人たちはその子に「晃司」と名付けてしばらくはその村で過ごしてたの。
ジョニー:ただ、その時の様子はヨゴも城から見ていたらしくて、すぐガカイにその村に偵察に行くよう命令を出したみたいなんだ。
ロジャー:ほう、まあ、要するにそのガキの偵察といったところか。
シュガ:それもあるが、そのトルガル村という村というのは前の王・イーハンが自ら手掛けて開拓した村でそこには元々森に住む者やロタで貧しい生活を送っていた人々を招いて与えた地位も何もない普通の人たちからみて安らぎの場ともいえる所でもある。しかし、自然とは全く無関係であるとして忌み嫌っているロタ貴族にとってそこは邪魔で仕方がない場所でしかない。ヨゴが新しい王として就任してからすぐその村と国の境界を断ち切られ、トルガル村の者たちは二度とロタの地を踏むことは叶わなくなった。しかも、度々ロタの兵士が村へ侵入しては強奪や傷害など村人たちへの嫌がらせをする始末。
ロジャー:それはヨゴの命令でそうなったのか?(シュガ:ああ、おそらくな。)とんでもねぇ野郎だな。
レイリー:で、そんな時にその一筋の光がその村の丘に落ち、その晃司ってやつが生まれたと・・・?
ポニー:ええ、そうよ。噂は聞いたんだけど村の人たちは結構かわいがってたそうよ。
シュガ:しかも、その子と暮らしている内に治癒力や学習力も優れていることもわかったみたいで、村の人たちにとってはそれはかけがえのないものでしかなかったみたいなんだ。
レイリー:そうか。でも逆を裏返せば、それは村を大きく発展させ、いつの日かロタの国をひっくり返すようなことにもなりかねないということになる。
シュガ:ああ、村に偵察していたガカイもその報告を受けたヨゴも同じ考えのようだったみたいだ。ガカイに晃司を奪うよう指示し、ガカイは数十人兵と共に村へと向かったんだ。
ロジャー:村の奴らは当然抵抗したんだよな?
シュガ:ああ。だが、ガカイ率いる兵の力は圧倒的に強く村は抵抗虚しく滅ぼされた。しかし、晃司は村の長によってトルガル森を脱出、追手から逃れることに成功。
ロジャー:そうか。村がやられたことは残念だが、一応そのガカイというやつから逃げきれたことはよかったな。
ポニー:けど、そこからがあの子にとって地獄の始まりでもあるのよ。
ロジャー:え?
ジョニー:ああ、そうだな。まあ、あいつが森を抜けてこの街に入ってきた時が“あの日”の出来事の前触れみたいなものだからな。
そう言うとジョニーは皿を2つテーブルに置く。その皿にはステーキ肉があった。
ロジャー&レイリー:ん?
ジョニー:とまあ、その話はこいつを食ってみてからだ。
レイリー:こいつは、もしや・・・
ジョニー:ああ、光の子の肉のステーキだ!
ポニー:あら、おいしそう。
ロジャー:こいつが光の子ってやつの肉か・・・一見普通の肉と変わんねぇな?
レイリー:ああ。ただ人肉だと分かった今、これを食うには少し抵抗が・・・。
ジョニー:ああ、俺もこいつが売りに出された時は抵抗感はあったよ。けど、食ってみると意外とすげぇんだ!
ロジャー:そうなのか?まあ、ここは冒険として行こうぜ!なあ、レイリー!!
レイリー:まあ、仕方ないな・・・。ここの店主がここまで勧めるんだ。ここは騙されたと思って食ってみるとするか!
ナイフとフォークを手に取るとロジャーとレイリーはさっそく肉を切って刺す。
ロジャー:あむ!(レイリー:あむ!) (´~`)モグモグモグモグ…… ((´~`)モグモグモグモグ……)
そしてそれを口に入れ、よく噛み、味を堪能する。
ジョニー:・・・どう?お味は・・・?
ロジャー&レイリー:(´~`)モグモグモグモグ…………!!!!Σ(◎Д◎;)‼‼‼‼
ロジャー:な、なんじゃこりゃあ~~~~~~~!!!!Σ(◎□◎;)
ロジャー:うめぇ!!こりゃうめぇぞ!!
レイリー:ああ、なんて旨さだ!手が止まらねぇ!!
そう言いながらロジャーもレイリーもその肉の味の旨さに夢中になって食べ進んでいき、そしてあっという間に平らげてしまっていた。
ロジャー:ぷは~!あ~、うまかった!!!!
レイリー:ああ・・・・言葉にならないくらい美味かったな。
ジョニー:どうだ?病みつきになるくらい美味かったろ?
レイリー:ああ、一度食ったら無意識的に病みつきになってしまう程恐ろしい美味さだった・・・!これが光の子の肉というものなのか・・・。
ジョニー:ああ、しかもそれ食うと瞬時に力がみなぎってくる感じになるんだ。
ロジャー:ああ。たしかにこれ食ったらなんだかスゲェ元気になったような気分だ!
ロジャーは腕をぶんぶん回しながら言った。
レイリー:ところで、さっきこれを売りに出されたと聞いていたのだが・・・?
ジョニー:ああ、そうさ。この肉は街の中心の所でヤクザらが売っていたんだ。
ポニー:どうやら森を抜けて街に入って来た晃司を捕まえて無理矢理奪い取った者なのよ。
レイリー:無理矢理?
ジョニー:ああ、彼の話によればそいつらはこれまでのロタの主に対する不満を解消するために暴行を加えた所晃司の血の味に興味を持ち始めたらしくてな、始めは血を吸う程度だったんだが、血がうまければ肉もうまいだろうという発想が芽生えてからは、腕や足らを斧でぶった切られたらしいんだ。
ロジャー:酷ひっでぇなそりゃ・・・!!それってつまり何の罪もねぇ無抵抗のガキを捕まえてやってんだろ?
シュガ:ここの地に住んでるやつらはあまり裕福な生活を送るやつが少ないんだ。しかも今のヨゴのせいで治安はさらに悪くなっている。
ポニー:それに晃司に関してのことは目撃はしてないとしても噂として街に広まってたからね。
レイリー:そして満足するまでその子の手足を切った後、街の中心に行って売りさばいていたという所か。
ジョニー:ああ。そして最後にその子のいる情報を流してな。そこからだ、あの地獄絵図のような出来事が起こったのは・・・。
ロジャー:地獄絵図・・・?てことは、まさか・・・?
ポニー:ええ、そのまさかよ。光の子の肉を試食し味を占めてからは、その子の肉を手に入れるために手に斧やら槍やら持ちながらうろつく住民が出始めてね。まあ、私たちもその気でいたけど・・・。
レイリー:それで、その光の子が見つかった途端、肉を求めてやって来たもんらがそいつの身体の肉を取って行ったというところか・・・。
ジョニー:ああ、そんなところだ。本当酷い光景だよ。最初は手と足だったんだが次第に腹や内臓、ついには首をぶった切って胴体をそのまま持っていく始末だ。
ポニー:ただまあ、それでも普通に全快するんだけどね。ただ、それやる度に彼の悲痛な叫び声がロタ全体にず~っと鳴り響いていたわ。
ロジャー:酷ひっでぇなそりゃ・・・!!そいつら本当に人間か?
レイリー:まあ、この旨さを知って中毒性が強くなったのかはわからないが、とにかくその時のそいつらの意識はその光の子の肉を食うことへの欲のままに行動しているのようみたいだな。
ジョニー:ああ、俺らの声がかかるまで無我夢中でやってたからな。俺たちが止めに入ったらその人たちは我に返ったよ。ただそのせいで晃司は森に引きこもっちゃってね・・・。
レイリー:まあ、それは仕方がないか・・・。そういえばヨゴという王もそいつ肉を献上品として持っていくんだったな?
ジョニー:ああ、たしかそうだったな。どうも1人のロタ兵士がその中に混じって持ってきた肉をヨゴが食べて気に入ったらしくてな。
ポニー:そのせいなのかこの前、城の前で晃司の肉を仕入れ利用することを義務付けられたのよ。まあ、皆じゃないけどね。そこにいるシュガは森に行っていてたからヨゴの話を聞いてなかったし。
ジョニー:俺たちの息子たちも今森で晃司とともにいるからヨゴの声は届いていない。
ロジャー:ふ~む・・・まあ、要するにその光の子・晃司とかいうガキをそのヨゴという王から守ればいいってわけだな。
レイリー:晃司だけじゃなく国もだろ?そのガキごと売られちまうんだから!
シュガ:それもそうだが、俺たちが一番危惧しているのはその光の子・晃司の持つ覇気の力だ。
ロジャー:覇気?なんだ、そりゃ?
シュガ:覇気は俺たち人間の中に秘めた力、いわゆる潜在能力ってやつさ。
レイリー:聞いたことはあるな。たしかその「覇気」ってのには3つあって、その中の一つは王の資質を持つ者でしか与えられないという稀に珍しいものだと・・・。
シュガ:ああ、そいつの名は「覇王色の覇気」。強い気迫を発し周りを威圧する力だ。
ロジャー:王の資質を持つ覇王色の覇気か・・・。なあ、その力、俺にもあるかな?
シュガ:それはわからないな。覇気というものはいつどこで発動するかはわからない。まあ、残りの2つは鍛錬を重ねれば得られる方だがな。
ロジャー:ふ~む、そうなのか。
ポニー:まあ、資質があるかどうかは実際気迫を無意識的発せられるかどうかかしらね?
レイリー:で、その覇王色の覇気というやつを光の子・晃司が持っているということか?
シュガ:ああ、それも極めて異例な力を持ち合わせてる。
レイリー:極めて?
シュガ:覇王色を持つ者ってのは例えどんな強力なやつでも相手を気絶させる程度。しかし、あの子の覇王色は気迫で相手を8割程ショック死させる程の威力を持っている。
ポニー:けど、全部無意識的にやってるから、暴走してしまう可能性もあるの。そうなった場合、誰も手が付けられなくなる。
レイリー:なるほどな。まるで災害だ。
ロジャー:何かそいつを抑えるような方法はないのか?
シュガ:いや、覇気は鍛えることでコントロール出来る。だから今、森で鍛えさせているんだ。
ロジャー:まあ、なんとなくだいたいわかった。
ロジャーは腕を組みながら言った。と、ここで店のドアが開きドクが入って来た。その手には分厚い本を持っていた。
ポニー:あら、おかえり。
ジョニー:丁度今、晃司の事一通り話したとこだよ。
ドク:そうか。
ジョニー:ところで、何を取りに行ったんだ?
ドク:ああ、悪魔の実の図鑑さ。
ジョニー:悪魔の実?
ロジャー:ん?知ってたのか?
そう言うとロジャーは椅子の下から悪魔の実を拾って見せた。
ドク:そりゃあ、そんな堂々と持ってたら気になるだろう。
ロジャー:そりゃそうか!
ポニー:これが悪魔の実・・・?
ジョニー:スゲェ・・・初めて見た・・・!
ロジャー:どうだ、スゲェだろ!ついさっき海で釣れたんだ!
シュガ:てことは、まだ何の実かわからないってわけか。
ロジャー:そうだ!スゲェだろ!
レイリー:いや、そこは威張るとこじゃないだろう・・・。
ジョニー:ドク、どうだ?何の実かわかったか?
ドク:ちょっと待て。たった今調べているとこだ。
そう言いながらドクは悪魔の実の図鑑のページを一つずつ丁寧に素早く捲りながらじっくりと眺める。しかし、数秒、数分経っても図鑑のページと睨めっこでなかなか声がかからない。
ポニー:どうしたの?ページを捲ってるだけで一向に反応がないんだけど・・・?
ジョニー:もしかして見つからないのか?
ドク:ああ、ページを一つ一つ見ていったんだがなかなか見つからない。
そして、最後のページを捲ると表紙を閉じてため息を吐いた。
ドク:駄目だ。どこも載ってない・・・!
シュガ:とすると、こいつはもしや新種か?
ロジャー:マジかそいつはスゲェや・・・!
ポニー:ねぇ、1つ提案なんだけど、この悪魔の実で晃司を強化できるんじゃない?
ジョニー:おお、そいつは名案だ!
ドク:ああ、俺もこの悪魔の実を見てそう思いついたところだ。ただ、1つだけ問題がある。
シュガ:ああ、そうだな。これがまだ何の能力を持っているのかはわからない以上、無暗に与えるのは少し危険だ。
ポニー:それもそうね。動物系や自然系ならまだしも、超人系の場合は当たり外れが多いというのも聞いたことがあるし・・・。
ロジャー:まあ、それはなんとかなんだろ?
レイリー:お前なあ、もうちょっと考えろ!今この国は存亡の危機にさらされてるんだぞ?
ロジャー:いいじゃねぇか!存亡っつってもまだ5年先だろ?まだまだ猶予はある!
レイリー:そうだけどよ・・・。
ジョニー:ん?協力してくれるのか?
ロジャー:ああ、こいつを売って船買おうとしたんだが、今はこの実がどんなもんか知りたくてな。それに「困ったことがあればお互い様」って言うだろう?
レイリー:とか言いつつも、本音はただ光の子に興味があるだけだろう?
ロジャー:ししし、いいじゃねぇか!俺たちの手で光の子ってやつをこの国の守り神程度に仕立て上げる!こんな面白れぇもん今やらねぇでいつやるんだよ!
ポニー:なんか変わった人ね。海賊なのに人の手助けに入るなんて。
ロジャー:な~に、俺もそのヨゴってやつが気に入らなぇだけさ。それに海賊は自由が基本だ。俺のやりてぇことは俺のやりてぇようにやる!それが俺のモットーさ!
―
ザン! ザン! ザン!
晃司:♪~(´ε` )
トーマスたちはあっけにとられていた。それはバルサが晃司の身体をバッサバッサ切ってるのに対し当の本人はまるでまんざらでもないように口笛を吹いてるというなんとも珍妙な光景を目にしてるのだから。
トーマス:あ~・・・晃司?
晃司:うん?(。´・ω・)?
トーマス:あ~・・・いや、その・・・痛くはないのか?
晃司:うん!むしろ慣れた。
トーマス:ん!あ、ああ・・・そう・・・か・・・!慣れたか~!!!アハハハ・・・。
そう苦笑いして言うとベン、ヘンリーのいるところに戻り耳打ちし始めた。
トーマス:いや、慣れる訳ねぇだろ・・・。どう考えてもこの光景おかしいべ?
ヘンリー:うん・・・。身体を真っ二つされてるってのに別に何ともないような雰囲気出してるし。
ベン:わからないけど、やはり、あの肉を食べることと何か関係してるんじゃないかな?
トーマス:やっぱ、そうなのか?じゃあ、この先晃司が船出したとしても大丈夫だな!
タンダ:ああ・・・そうだな。例え遭難したとしても自分の肉を非常食にすれば何日も持つもんな。
そんなこんな話してる間にも荷車にある晃司の身体の肉は既に山積みの量となっていた。ちなみに今回は胴を真っ二つされているために中の具・が垂れている。
バルサ:よし!今回はこれくらいにするとするか。
晃司:バルサ!次は首から頼むよ!
バルサ:お?それは私に対しての挑戦状か?いいだろう!次はお望みどおりにしてやる!だが、今は違う科目をやる。お前にはこの国・・・いや、今後お前自身のために強くなってもらわなきゃならんからな!
その後、バルサは晃司に槍の使い方、これまでに会得した武術などを教えた。
―そこから1時間・・・・
ガツン! ガツン!
晃司とバルサは互いに棒を持ち、そして激しく打ち合った。
晃司:たあっ!
バシン!
バルサ:うあっ!?( カラン!)し、しまった!
激しい打ち合いの末、晃司の持つ棒がバルサの腕に当たり、その拍子にバルサの手から棒が零れ地面に落ちた。晃司はその隙を逃すまいと棒を首目掛けて一気に横に振る。
ガッ!
バルサは咄嗟に腕でガードしたことでそれを受け止めるものの、腕にその衝撃が響く。
バルサ:ふぅ・・・、今のは危なかった・・・!それにしても驚いたな。まさか、ここまで上達するとはな・・・!
タンダ:いや、上達のしすぎだろう!棒さばきといい、回避のよさといい、とてもこの短期間で初めてやったとは到底思えない習得ぶりだ・・・。
ヘンリー:もう、今見てるもバルサと互角に戦えてるもんね。しかも今、晃司が勝ってるし・・・。
タンダ:これも「光の子」の特徴なのか?
ベン:うん、たぶん・・・。
シュガ:お、やってるね!
と、そこへシュガが荷車引いて戻って来た。その後ろには悪魔の実を片手に持つロジャーとレイリーも同行していた。
トーマス:お、シュガだ!
ヘンリー:シュガ、お帰り!晃司の肉はもう置いてこれたの?
シュガ:うん、まあ、ほぼ全部、君のお父さんの所に置いてきたけどね。
トーマス:んで、それと引き換えに親トリオを持ってきたって訳か・・・。(¬₋¬;)
トーマスはシュガの引いている荷車を見て言った。荷車には両手両足を縛られた状態のドク、ジョニー、ポニーの3人の姿があった。
ポニー:な、何よその親子丼みたいな名前は・・・?
トーマス:てか、何だその恰好?まるで精肉に売られる豚・のようだぞ?
ポニー: グサッ! ぶ、豚・・・!?Σ(TロTlll)
ヘンリー:いや、例えが酷いよトーマス・・・。この場合は普通罪人・・でしょ?
ポニー: ドグサッ! ざ、罪人・・・!?Σ(TロTlll)
トーマスの言葉のナイフよりもヘンリーの言葉のナイフの方が深く刺さり、ポニーはその場に倒れ込む。
ベン:いやいや、ヘンリーの方がもっと酷いよ・・・。
ポニー:な、何とでも言いなさい・・・。どうせ今の私はどうせ醜いものにしか見えないわよ・・・。(´TωT`)ウゥゥ…
ジョニー:ま、ご愁傷さん・・・。
ポニー:ご、ご愁傷さんですって・・・?今の私はあんたのせいで心ズタズタよ!(ジョニー:い、いや~・・・そ、それは・・・)そもそも何でこんな罪人みたいな格好させんのよ!
ジョニー:仕方がないだろう!俺たちは今、晃司と対面すると何しでかしちゃうかわからないからそれお防ぐためにはこれしか方法がないんだろ!
ドク:僕もジョニーに賛成だ!ポニー、ここはヨゴの呪いが解けるまで我慢だ!
ポニー:むぅ~・・・・。もうちょっとましな考え方はできないわけ~・・・?
そうポニーはむくれる。
タンダ:相変わらず君たちの親たちは面白いな。
トーマス:う、うるせぇな・・・。こっちはこっちで苦労してんだ。
晃司:この人たちは・・・たしか・・・。
トーマス:ああ、俺たちの親たちだ。前に電伝虫でこいつらの声聞いたろ?
晃司:ああ~・・・!
トーマスの言いに納得する晃司。
ドク:まあ、前にも会ったとは思うが、改めて言っておこう。俺はドク。ベンの父だ。んで、その隣にいるの2人はトーマスの母親のポニーとヘンリーの父親で肉屋を経営しているジョニーだ。
ポニー:よろしくね!
ジョニー:ジョニーだ、よろしく!・・・てかドク、何で俺だけ店の名まで出す?
ポニー:あら、いいじゃない!宣伝として言ったって。
ジョニー:だとしても、こいつにとったら肉屋は唯一の天敵だぜ?それなのに何でわざわざ言うかな?
晃司:よろしく!
ジョニー:ん?ああ、よろしくな!
ポニー:こちらこそよろしく!まあ、本来なら握手をするんだけど、今、手後ろに縛られちゃってて・・・。
晃司:ふ~ん、でも、さっき話聞いたけど、それ必要ないと思うんだけど・・・。
ジョニー:へ?で、でも俺たち君を見つけたらすぐ君の肉を取る・・・つまり君をナイフとかで痛めつけなきゃならないっていう呪いにかかってるんだよ?晃司も知ってるよね?
晃司:うん、でも大丈夫だよ!ちょっと見てて!
トーマス:ん?晃司?どこ行くんだ?
というと晃司はくるりと向きを変え家屋の中へと入って行った。気になったトーマスも晃司の後を追う。
ジョニー:なんか今の晃司、なんかたくましくない?なんかすっごい元気っていうか・・・。
ポニー:そうね~。前はもっとビクビクしてたのに、まるで別人ね。
ロジャー:あれが、光の子ってやつかい?
レイリー:見た所普通のガキと相違ねぇな。
ドク:これもトーマスたちのおかげだよ。
しばらくして晃司は家屋を出ると再びジョニーたちの前に。その手にはナイフが握られている。
ポニー:ん?ナイフ?
すると次の瞬間・・・
グサッ!
晃司はナイフの刃を自分側に向け迷わず胸を突き刺した。
ジョニー&ドク&ポニー&ロジャー&レイリー:!!
ジョニーたちは衝撃を受けた。
ポニー:こ、晃司!?
ジョニー:ナイフで自分を!?
ロジャー:なっ・・・!?お、おい!あいつ、何やってんだ!?
奥まで刺したナイフをそのまま縦に切ると、ナイフを抜く。。
レイリー:い、痛くないのか?
ポニー:い、一体、何する気?
トーマス:ま、まさか・・・?
すると晃司はその傷口に自ら手を入れあるものを掴む、そして・・・
ブチッ!
ジョニー&ポニー&ドク&シュガ&ロジャー&レイリー&トーマス&ベン&ヘンリー&タンダ:!!!!
一気と引っこ抜いた。その瞬間胸の傷から血が滝のように流れる。手に持っていたのはなんと心臓だった。
ロジャー:し、心臓を自分で引っこ抜きやがった!?
ジョニー:し、しかも慣れた手つきで・・・。
目の前の光景に一同唖然となった。
晃司:まあ、こんなもんかな?
晃司は自分の心臓をまるでボールのように上に投げてはキャッチ投げてはキャッチを繰り返してそう呟くと息を深く吸った。すると血を駄々洩させながら開いている胸の傷がオレンジ色に光り、光の粒子となって消えた。
レイリー:傷が、消えた?
ロジャー:す、スゲェ・・・不死身ってのは本当だったのか・・・。
ジョニー:それにしても何この変わりよう・・・?あの時の面影はどこ行った?
バルサ:ああ、自分の肉食わせたらなくなったな。
ポニー:そんな単純な方法でこんな別人に変わる普通?
トーマス:いや、ぶっちゃけ言うと俺たちもかなりびっくりしてんだ。
ヘンリー:本当、この短期間で何があったんだと思うくらいにね・・・。
ポニー:ハハハ・・・そ、そうなの・・・?
ポニーとヘンリーは晃司のあまりの変貌ぶりとその真相にただただ苦笑いするしか他なかった。
ベン:ところで、そこにいる人達は一体?
ロジャー:ああ、俺たちか?まあ、何を隠そう海賊だ!
トーマス:はぁ!?海賊!?いや、てか何ちゃっかり海賊連れて来てんの?
レイリー:まあ、何、光の子を取って食うようなことはしねぇから安心せい!
トーマス:いや、安心せいって・・・てか、何で光の子のことを知ってんだ?
ロジャー:ああ、こいつで知ったんだ。
ロジャーは一枚のビラを取り出しトーマスたちに渡す。
トーマス:「珍獣・光の子」・・・まさかこのビラ・・・。
シュガ:ああ、どうもヨゴがニュースクーを利用してこのビラを配っているらしいんだ。
タンダ:世界中にか?海賊に晃司を狩らせるつもりか?
バルサ:おそらくやつの行動は天竜人に関心を引くためのものなのかも知れんな。
ヘンリー:そうなると天竜人がここに来るまでの期間が5年より短くなるんじゃ?
ベン:たぶんね。けど、そもそもあの王の言う「5年」ていうのはあまり当てにしない方がいいんじゃないかな?
ヘンリー:え?
ドク:ああ、ベンの言う通りだ。やつの言う「5年」というのは「5年以内・・・・」にという意味だろうしな。
ジョニー:え・・・・てことは、年内ってこともあり得るわけ?
ドク:ああ、また、翌日・・・いや、1ヶ月後ってこともあり得るかもしれない。
ジョニー&ヘンリー:な・・・!?
バルサ:だが、それはあくまで憶測だ。やつの企画は都合が好ければすぐに実行に移すだろうし悪ければ延期することだってあり得る。
ロジャー:なら、そいつのすることを片っ端から邪魔すりゃいいってわけだな。
レイリー:だが、問題はそいつの持つ言葉を操る能力だ。
ポニー:そうね。しかもその側近が理想を現実に変える能力者だから都合よく邪魔できるとは限らないしね。
トーマス:・・・て、何でその2人もちゃっかり話に入ってんだ?
ポニー:大丈夫よ!事情たら協力してくれるっていうし。
トーマス:いや、でも相手は海賊だぞ?海賊は裏切るのが当たり前なんじゃ?
ロジャー:まあ、海賊といっても俺たちはまだ端くれみてぇなもんだ。それにこいつらの話聞いてたらなんかそいつに腹立ってきちゃってさ、恨みはねぇが俺もそいつをぶん殴らなきゃ気が済まねぇ。
トーマス:ん、そうなのか?
ロジャーたちの事情を聞くも海賊のイメージだからかあまり信用ならないというように表情を歪めるトーマス。するとベンがトーマスに耳打ちするようにささやく。
ベン:トーマス、ここは協力してもらった方がいいんじゃない?
トーマス:ベン?
ベン:相手が海賊とはいっても、見たところあまり悪いようには見えないし。
トーマス:とは言ってもよ・・・。
晃司:ところで、おじさん。
ロジャー:おじさんって・・・俺か!?ふざけんな!俺はまだ20行ってねぇぞ!
レイリー:何、ガキ相手にムキになってんだ・・・。まあ、まだ自己紹介してなかったな。俺はレイリー。んで、こいつはロジャーだ。
晃司:ふ~ん、じゃあロジャー、ロジャーの持っているそれって何?
ロジャー:ん?これか?
晃司はロジャーの持っている唐草模様の白い果実を指さして言った。
トーマス:ん?・・・て、この唐草模様の実、まさか・・・
ベン:うん、悪魔の実だよ。僕はそれが気になってたんだ。
晃司:悪魔の実?
ヘンリー:たしか、悪魔の実って一口食べると不思議な力が手に入るんだよね?
バルサ:ああ、一生泳げないことと引き換えにな。
晃司:ふ~ん・・・。
と、そう返事すると晃司は悪魔の実を手に取りまじまじと見つめる。
タンダ:ところで、こいつは何の実なんだ?
ドク:いや、一応調べてみたんだがどこにも載ってなかったものでな・・・。
ベン:載ってない?種類とかも?
バルサ:ということは、新種か?
トーマス:へぇ~、新種の悪魔の実か・・・。ただ、これが何の能力がつくのかわからないんじゃパクつきようがないな。
ヘンリー:で、これを持ってきたってことは晃司にこれを食べさせる気だとか?
ジョニー&ポニー:オフコース!✨
トーマス:大丈夫なのかよ・・・。(晃司:ねえねえ、トーマス?)ん?何だ?
晃司:この実、思った程あまり美味しくないよ?
トーマス:ふ~ん・・・て・・・え?
トーマスは唖然とした。晃司が悪魔の実を一口食べていたからだ。
トーマス:てか、ちゃっかり食ってるし・・・。
ジョニー:で、どうだ晃司?何か身体になんか変な感じは?
晃司:ん~・・・あんまり変わらないかな?
タンダ:まあ、食べてすぐにってわけじゃないよ・・・。
バルサ:それにこの悪魔の実については私たちにもわからない。地道に調べるしか他ないだろう。
手足の縄を解き自由の身になったジョニー、ポニー、ドクの3人はと光の子の胴体の肉の入った荷車を手にするとトーマスたちにトルガル村を任せ、ロタの街へと戻って行った。その後、バルサと晃司は再び修行を開始、その他の者たちは暇なため森へ行き狩りをしたり、武器を作ったりした。夕食は再び光の子の肉(+取って来たイノシシ、ウサギ、魚肉)を焼肉にして食べた。
ロジャー:やっぱおめぇの肉は最高だな!
晃司:でしょでしょ!だから、もっと食べて食べて!
レイリー:こういうのを共食いというのか・・・?
ベン:う~ん・・・なんか違うような違くないような・・・・。
―そして、みんなが寝静まった夜のこと・・・
晃司は外のテーブルの所で悪魔の実の図鑑をまじまじと眺めていた。そこへバルサとレイリーが入って来る。
バルサ:ん?晃司、まだ起きいたのか?
晃司:うん・・・ちょっとね。
レイリー:これは、悪魔の実の図鑑か?
晃司:うん、ちょっとどういうものがあるかなってさ。結構たくさんあんだね。
バルサ:ちなみに悪魔の実には種類別があるのを知ってるか?
晃司:種類別?
バルサ:ああ。体の一部が変化するなど超人的な力を使う超人系パラミシア、体が自然物になってあらゆる攻撃を無効化する自然系ロギア、動物に変身しその力を得る動物系ゾオンの3つだ。
晃司:へぇ~。じゃあ、ウチの食べたのはどれに入るの?
バルサ:さあ、何せ新種だからな。どの分野に入るのかは体に現れてからだな。
晃司:ふ~ん・・・
そう返事するとページを捲る。次のページにはメラメラの実とアワアワの実のことが載っていた
晃司:メラメラの実、体を炎に変える能力。
レイリー:そいつもたしか自然系だな。
晃司:へぇ~、体を炎にか・・・
そう呟くと晃司は手を出し手から炎が出るように念じてみる。すると・・・
ボッ!
晃司:うわ!
突然手から炎が灯り出した。
バルサ:なっ・・・!?
レイリー:・・・こ、これは・・・!?
その光景に晃司はおろかバルサ、レイリーも驚いた。
晃司:え?火が出た?てことはこれ、メラメラの実?
レイリー:いや、これ新種の悪魔の実だろ?それに見た目的にさっきの実とページのとは全然違うぞ!
バルサ:これは一体・・・。晃司、今何やった!?
晃司:え?どうって・・・?
バルサ:今のその炎どうやって出したんだ?
晃司:え、え、え~っと、どうやってって・・・え~・・・たしかメラメラの実ってのはどんな感じかな~ってやって・・・
レイリー:イメージでやったのか・・・?
バルサ:だったら・・・晃司、この実をイメージしてみろ!
バルサは図鑑を開きペラペラ捲り一旦ストップすると、晃司に見せ、ページに掲載している「アワアワの実」という悪魔の実を指して言った。
晃司:アワアワの実・・・?う、うん・・・わかった!
晃司はさっそく目をつむり、心の中でアワアワの実の名を唱える。すると手の炎が消え、その瞬間、瞬く間に両腕から泡が噴き溢れた。
レイリー:体から泡が?
バルサ:やはりそうか。
レイリー:もしや、この悪魔の実ってのは・・・・?
バルサ:おそらく・・・そういうことだろうな・・・。
レイリー:へぇ~・・・、まさかそんなスゲェ代物だったとはな~。もし、あいつらに見せたらきっと驚くだろうな。
バルサ:ああ、それにこの能力はこのロタを救う手立てになるかも知れん。
レイリー:だな。
と、レイリーは笑いながら言った。
その後もレイリーとバルサは互いに図鑑を見ながら晃司に頼み、それに応えた晃司はゴムゴムの実、サルサルの実などいろいろな能力を披露していった。