海賊大戦士 マスターコウジ  【序章】 光の子伝説 ~ロタ王国・反乱編~   作:マスターコウジ

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ありとあらゆる悪魔の実の能力が使えるタシュタシュの実を手にした晃司は森にやって来たヨゴを迎え撃ちます。


第十一話 呪い消滅

―トルガル丘・麓

 

 

 

 

トーマス:え?悪魔の実の実態がわかったって?

 

バルサ:ああ。昨日、お前らが寝静まった夜にな。な、レイリー。

 

レイリー:ああ、あれは驚いたよ。本当、世界は広ぇなと思った程だ。

 

ヘンリー:え?そんなすごかったの?

 

トーマス:何で起こしてくれなかったんだ!

 

ロジャー:まあ、いいじゃねぇか!これからその成果見られるんだろう?だったら見せてもらおうじゃねぇか!

 

バルサ:ああ、そうだな。晃司、いいか?

 

晃司:うん、いつでもOKだよ!

 

バルサ:よし、それじゃ、まずは……

 

バルサは手に持っている悪魔の実の図鑑を開く。

 

バルサ:よし!まずはこいつをやってくれ!

 

バルサは晃司に図鑑のページを見せ、その中にある悪魔の実の絵を指して言った。

 

晃司:うん!

 

晃司はバルサの指す悪魔の実を見ると目をつむり何かを呟く。すると……

 

⚡バチバチ……!

 

一同:!!

 

晃司の手にバチバチと稲妻のようなものが現れた。

 

タンダ:こ、これは……!?

 

バルサ:ああ、体を雷と化することが出来る能力、ゴロゴロの実というやつだ。

 

トーマス:ゴロゴロの実か。スゲぇな!

 

ヘンリー:でもちょっと待って?晃司が食べた悪魔の実って新種の悪魔の実なんだよね?

 

ベン:たしかに、ゴロゴロの実は図鑑に載ってるから新種ではないね。

 

バルサ:フッ…… んじゃ、次だ!晃司、次は超人系のこいつをやってくれ!

 

晃司:うん。

 

トーマス&ベン&ヘンリー:え?

 

と、晃司は手に纏っている雷を消し、また何かを呟く。そしてその後晃司は腕を後ろに引き、トーマス達目掛けて一気に打ち出した。すると……

 

ビヨ~ン!!

 

トーマス&ベン&ヘンリー&タンダ&シュガ&ロジャー:!!!?

 

晃司の腕は異常なほどに真っ直ぐ伸び、トーマスの腕を掴んだ。

 

ヘンリー:こ、コウジの腕が……!?

 

タンダ:こいつは一体……!?

 

タンダ:そいつはゴムゴムの実。体がゴムになる能力だそうだ。んじゃ次は……

 

その後もウマウマの実やカゲカゲの実、ヤミヤミの実など……晃司はバルサの言う悪魔の実の名を聞き、数々の能力をトーマスたちに披露した。

 

ロジャー:いやぁ~、スゲぇもんだな。数々の悪魔の実を使えるなんてな。

 

タンダ:ああ、俺もさすがに驚いてるよ。悪魔の実の能力なんて1つしか得られないってのに……

 

シュガ:悪魔の実を複数使える能力か。いや、違うな。この世の全ての悪魔の実を支配出来る能力の方が良さそうだな。

 

バルサ:ああ。んで、この悪魔の実の名前なんだが、私は「タシュタシュの実」と呼んでいる。

 

タンダ:タシュタシュの実……なるほど。「多種多様」の「多種」を取ったような感じか。

 

シュガ:うん、悪くない。この悪魔の実に理にかなった名だ。

 

ロジャー:ああ、俺の賛成だ。ところで、こいつはどの種に入るんだ?

 

レイリー:いや、この場合は「混合種:ミックス」にした方がいいだろう。

 

ロジャー:混合種ミックスか……。よし、それでいこう!

 

トーマスたちもそれに賛同し、この悪魔の実の名前は「タシュタシュの実」種類を「混合種」と確定した。

 

 

 

 

―ジョニーズ店内

 

 

 

 

ドク:そうか!あの悪魔の実にそんなすごい能力が!いい情報をありがとうシュガ!

 

シュガ:いやぁ~、いち早く伝えたいと思ってね。まあ、電伝虫で伝えればいい話だけれどな……。

 

ポニー:でもタシュタシュの実、混合種か……。

 

ジョニー:この世の全ての悪魔の実を全部使える能力……さすがは新種だ!まさに究極といっていい!

 

ドク:悪魔の実は大抵一生に一度だけ、そのため使える能力も1つだけだ。

 

ポニー:それを複数も使えるなんて。本当、悪魔の実の常識を覆すような能力なのね。

 

ジョニー:でもその能力者が晃司でよかったね!あんなのがヨゴの手に渡ったってなると恐ろしくて仕方ないよ。

 

ポニー:でもヨゴの手に渡ったとして誰がその能力者になるの?

 

ジョニー:え?ああ…、それはだな……。

 

ポニー:ヨゴもガカイも能力者よ。他に誰がいるって言うの?あ!もしかしてヨゴを暗殺するための道具とか?(ジョニー:えぇっ!?)ま、なるにはなるわよねぇ~!悪魔の実ってたしか2つ以上食べると木っ端微塵になって死んじゃうって言うし、皿の上に悪魔の実……いや、そんまんまじゃ駄目か……。なら、悪魔の実入りのコロッケを置いて「今日の一品です!」とか言って食べさせるとか?

 

ジョニー:んなわけないだろ!  俺がそんなことする出来るか!  百歩譲って出来たとしても第一失敗すれば毒味させられて逆に能力者になっちまう!

 

ポニー:あら、でもそうなったらあなたはあらゆる能力が使えるのよ?

 

ジョニー:う……!けどバレれば即刻殺されるわ!

 

ポニー:冗談よ冗談!少しからかってみただけ。まあでも晃司にとってみればまさに3種の神器・・・・・ってやつじゃない?不死身でしょ?タシュタシュの実でしょ?そして、ヤバめの覇気!

 

シュガ:そうだな。どの能力も神がかってるものぞろいだし、晃司にとってふさわしいものかも知れないな。ただ問題なのは……

 

ドク:ヨゴか。(シュガ:あ、ああ。)うん、この情報は彼にとって美味しいものだからな。これを機に天竜人との交流の時期を早めるかも知れない。

 

ジョニー:まあ、それは大丈夫っしょ!こっちには海賊がついてんだから!それにバルサだっているし!

 

ドク:だといいんだがな……。

 

 

 

 

―その頃、ロタ城では…

 

 

 

ヨゴ:何、村が復活したと?

 

ガカイ:はっ、大罪人シュガをあの短槍使いとその薬剤師、肉屋らの息子らがあの光の子のアジトとして村を再構築しているらしく……

 

ヨゴ:ふ~む……で、光の子はどうなっている?

 

ガカイ:は、光の子は今、あの短槍使いやガキらとともに戦いの稽古をつけられているそうで……。

 

ヨゴ:ふむ、……なるほどの……。おそらくこの私からロタを取り戻そうとしてるのと見えるな。

 

ガカイ:は!私も同意です!それとあともう1つお伝えしたいのですが……(ヨゴ:何だ?)先日、その村に2人の海賊らしきものが現れ(海賊が……?もしや、私の撒いたチラシを見たか?)はい、おそらく……しかし、その海賊の者たちはシュガらと手を組んだらしく……

 

ヨゴ:何?シュガらと?

 

ガカイ:はあ、おそらく彼らの手に持っている悪魔の実が気になったかと……

 

ヨゴ:悪魔の実だと……?その海賊は悪魔の実を持っていたのか?

 

ガカイ:は!しかも、それが未だ図鑑にすら載っていない新種とのことで……

 

ヨゴ:新種か……。で、その果実を持って村へ向かったと?

 

ガカイ:はい!

 

ヨゴ:して、それを光の子に渡し食べさせたと?

 

ガカイ:はい!その通りでございます。

 

ヨゴ:で、何の能力が身についたのだ?

 

ガカイ:はあ、能力を発揮したのは夜中なんですが、どうもはっきりわからないのです。

 

ヨゴ:わからない……とは?

 

ガカイ:は、最初は手から炎が出たので炎の能力かと思ったのですが、しばらくするとそれが泡に変わっていったのです。

 

ヨゴ:炎が泡に?

 

ガカイ:はい、ですが、それだけではございません。体が馬になったり、積み木のように分解したり、体がゴムのように伸びたり……

 

ヨゴ:  ‼️ まさか、能力を複数使えるというのか?

 

ガカイ:は、おそらくは………!

 

ヨゴ:そうか。それにしてもそんな掟破りな能力ものが……フフフ、おもしろいではないか!それでこそ献上する甲斐があるというもの!

 

ガカイ:は、おそらくは………!

 

ヨゴ:そうか。それにしてもそんな掟破りな能力ものが……フフフ、おもしろい……!それでこそ献上する甲斐があるというもの……! 

 

ヨゴは城の窓枠に手を置き外を見ながら言った。

 

ヨゴ:ガカイ(ガカイ:は!)私は光の子・晃司についてますます興味が湧いた。

 

ガカイ:では、ご覧になりますか?

 

ヨゴ:ん?

 

ガカイ:陛下は光の子の存在を知ってるにしてもまだお顔は拝見しておりません。ご興味が湧いたとなれば一度拝見しておいた方がよろしいかと……

 

ヨゴ:ふむ……たしかに存在は知りはしても、その姿は未だ見ておらぬ……。お前の言うとおり、ここは一度確かめねばなるまい……。

 

ガカイ:しかし、確かめるとはいえ、ここへ連れてくるのはさすがに今は少し難しく……特にイーハンの義娘むすめ、バルサが……

 

ヨゴ:確かに………あの義娘は武装色の使い手で「氷の女豹」とも呼ばれている程の強さを持っているんだったな。しかもガカイをも圧倒するほどの……。

 

ガカイ:は!お恥ずかしながら……

 

ヨゴ:よいよい、そうかしこまらずとも…… となると私自らが森へで向かわなければならぬ訳か……。まあ、今の私であればあの女豹といえども怖くはない。よし、ガカイ!(ガカイ:は!)すぐ森へ行く支度をせい!私もそこへ向かう!

 

ガカイ:は!仰せのままに……

 

ガカイはヨゴの命令を受け、畏まる。ガカイの表情はうまくいったかのように笑みを浮かべていた。

 

 

 

 

―トルガル森・海岸沿い

 

 

 

 

ロジャー:ほう、森の外れにこんな海岸があるとはな……

 

トーマス:ああ、ここは俺たちとトルガルの村の者もんにしか知らねぇ秘密の海岸さ。

 

バルサ:ロタの者も少なからずいるが、ほとんどはトルガル村との親交が深い者だけだ。

 

タンダ:そもそもヨゴのようなロタの街にしか興味がないようなやつらがこういう森とかに来るやつは滅多にないからな。

 

コウジは波打ち際へ走るとそのまま海へ飛び込んだ。

 

コウジ:うわ、ペッペッ!   ここの水ってなんか結構しょっぱいんだね。

 

ヘンリー:そりゃあ海だからね。

 

ベン:ところでコウジ、そんなに入って大丈夫なのかい?

 

コウジ:え?何が?

 

ベン:いや、君、能力者だよね?なのに、そんな体が浸かるほど海に入って大丈夫なのかって聞いてるんだけど……?

 

コウジ:え?いや、別になんともないけど………?

 

ベン:え……?

 

ベンは拍子抜けた。

 

トーマス:そういや…コウジってもう能力者なんだっけか?

 

ヘンリー:そりゃあ、悪魔の実を食べてるからね。その後、ちゃんと能力使えてたし。

 

ロジャー:そんじゃあ、「悪魔の実を食うと一生カナヅチになる」ってのは、ありゃ嘘か?

 

バルサ:いや、それはないだろう。✋ ドン!

 

タンダ:おうわぁっ!?

 

バルサは思いっきりタンダの背中をど突き海方面へ吹っ飛ばした。タンダは勢いよく数メートル飛ばされ、そして海へと落ちた。

 

 ドッボ~~ン!

 

タンダ:ぶはっ!バ、バルサ!な、何を?

 

はすぐに水面に現れ手足をバタバタさせもがき始めるタンダ。

 

バルサ:な? 

 

ロジャー&レイリー:あ、ああ……。 

 

トーマス:な?じゃねぇだろ!やり過ぎだ!何もあんなとこまで吹っ飛ばすことねぇだろ!?  

 

バルサ:まあ……ちとやり過ぎたか……。 

 

トーマス:ちとじゃねぇよ!どうすんだよ!あいつ、カナヅチだぞ!

 

ヘンリー:トーマス!あのままじゃ沈んじゃうよ!

 

タンダ:バ、バルサ……、は、早く……助け……し、沈む……!  

 

トーマス:ええい、こうなったら泳いでいって助けるしかねぇ!

 

ベン:待ってよトーマス!いくら泳ぎの得意な君でもあそこに行くのは無謀すぎるよ!あそこの辺は潮の流れが速いこと知ってるだろ?

 

トーマス:だったらどうすりゃいいんだよ!あのままじゃ本当に死ぬぞ!

 

ロジャー:よし、そんだったら俺が行ってやろう!な~に、俺は海賊だ!これから偉大なる航路へ向かうってのにこんくらいの波なんかに怖じ気づいてたまるかってんだ!

 

そう言うとロジャーは海へダイブし、そのままクロールでずっともがき続けるタンダの所まで泳いでいった。

 

ロジャー:タンダ、待ってろ!

 

そして、ようやくたどり着き沈む寸前のタンダを捕まえ、自分の腕の中へと引き込む。

 

タンダ:ろ、ロジャー、すまない……。

 

ロジャー:な~に、いいってことよ!

 

その様子を見たトーマスたちはほっと胸をなで下ろす。

 

ロジャー:ん?何だ?

 

と、ここでロジャーが何かに気づいた。すると、ロジャーとタンダの前の水面に黒い影が現れた瞬間、巨大な何かが姿を現した。

 

 ザバーッ!

 

コウジ: !?

 

バルサ: !!

 

ヘンリー:トーマス、あれ……! 

 

レイリー:あれは、もしや……!?

 

トーマス:マジかよ!?近海の主じゃねぇか!  

 

近海の主は真下にいるロジャーとタンダを上からにらみつけ、しばらくすると「キシャ~~!!」という鳴き声で吠え、口を開けながら2人のもとへ迫って行った。

 

タンダ:う、うわぁ~~!!来た~~!!   うわっ!! 

 

近海の主は勢いよく襲いかかり口をバクンと閉じるが、ロジャーがタンダとともにとっさに海に潜りうまく躱したことで間一髪で難を逃れた。

 

タンダ:ぶはっ!  あ~~……助かった~~~………。  

 

しかし、近海の主は再び2人に狙いを定めると再び襲いかかる。

 

タンダ:て、うわぁ~~、また来た~~!!  

 

 ドスッ!!

 

 

近海の主:ウガァッ!?

 

と、その時近海の主の目に何かが刺さった。その目に刺さっているのは短槍だった。しかもその短槍は目の奥深くまで刺さっている。

 

タンダ:あの短槍は……バルサ!?

 

タンダの思惑通り近海の主に投げつけたのはバルサだった。バルサは迫り来る主の目を狙い投げ槍の勢いで放ったのだ。

 

バルサ:フゥ……間に合ったか……。 

 

近海の主:グルルルルル……… ️‍ ️ ️‍ ️ 

 

落ち着きを取り戻した近海の主は今度は槍を投げつけた方を向きその前を見据える。

 

ロジャー:ん?急に方向転換し出したぞ?

 

タンダ:ああ、だがやつが帰る方向とは違…… はっ!? ‼️

 

タンダは近海の主を見てあることに気づいた。

 

トーマス:あり?お、おい、あいつこっちを向いたぞ? 

 

ベン:うわ……!しかもあの目つき、怒りが頂点に達した時の目だよ!?  

 

ヘンリー:え、てことはこっちに襲いかかってくるんじゃ?

 

近海の主:キシャ~~!!!!  

 

ヘンリーの宣言通り、近海の主はさっきのとは全く違う怒りが混ざったような鳴き声を上げ、トーマスたちのいる海岸へと突進し始めた。

 

ヘンリー:う、うわ~!?そ~ら、やっぱこっちに~~!!  

 

トーマス:う、うわぁ~!?お、おい!バルサ、なんとかしろ~~!!   

 

バルサ:ふん、言わずもがな!シャボンディで新しく習得したこの魚人空手で仕留めてやる!

 

一方、晃司は目の前で起きている情景に理解が出来ず海に下半身を漬けながら眺めていた。

 

トーマス:お~い、晃司!何ボ~ッと突っ立ってんだ?早く上がれでないとお前もあの魚に食われちまうぞ!  

 

晃司:え?  ⁉️

 

トーマス:お前それだけじゃねぇ!ここにいる俺たちまとめて食うつもりで来てんだぞ!

 

トーマスの叫び声と目の前に迫り来る大きい怪物で晃司は周りの状況に理解が入った。そして、その理解はかつてロタの街で自分の身に起きたあのトラウマを思い出させた。

 

晃司:あんな思い……トーマスたちにさせたくない!いや、させない!“メラメラ”!

 

 ブオオオオォォォォ………!!!

 

晃司は体を近海の主へと向け、とっさになにやら呪文のようなもの唱えた。するとその瞬間、その体から炎が勢いよく拭きだし纏い始めた。

 

一同:!!!!

 

近海の主: ウガッ!?

 

トーマス:こ、晃司………!?

 

晃司:うおおおおぉぉぉぉ~~~!!!  ゴオォッ!

 

晃司は腕を炎に換えると大きく振りかぶりパンチでもするかのように突き出す。すると腕の炎は巨大化な火炎放射となって近海の主目掛けて飛んでいった。

 

近海の主:ウガァッ!?……ガッ!?( ゴオオオオォォォォ………!!!)

 

近海の主は巨大な炎に呑み込まれた。そして全身黒焦げとなった主は海に( ザブーン)と倒れ込んだ。一同は唖然となった。

 

レイリー:近海の主が一撃で!?(◎Д◎;)

 

トーマス:うお~~!!晃司、すげぇ!すげぇぞ!!( Д ;)

 

ロジャー:スゲェ~な、あれが悪魔の実の力か……!

 

ロジャーとタンダは無事波打ち際にたどり着くことに成功した。

 

トーマス:晃司、お前本当スゲェよ!

 

晃司:あぁ、いや……トーマスたちがあの時のようになっちゃうって思ったらつい……

 

トーマス:あの時?

 

ベン:もしかして、ロタで起きたあれ・・のこと?

 

ベンの問いに晃司はうんと頷く。

 

トーマス:なるほどな。まあ、あいつの場合は一気に丸飲みだろうからあの時のようなことにはならねぇよ!

 

ヘンリー:いや、それ運が良ければの話じゃない?もし悪かったら手足、最悪体半分が持ってかれることもあるだろうし……

 

トーマス:ん……!ま、まあ、取りあえず俺たちを守ろうとしてくれたんだろ?ありがとうな!

 

晃司:へへへ……! 

 

晃司は素直に照れた。

 

タンダ:はあ、はあ、あ~……もう、バルサ本当ひどいよ~、さすがに死ぬかと思ったわ……!  

 

バルサ:悪い悪い……、晃司以外身近に存在する能力者ってのはお前しかいなかったからな…。 

 

タンダ:だからって思いっきり素っ飛ばすことはないだろう……?せめて手加減はしてくれ……!

 

ロジャー:ていうか、そもそもこいつ、能力者なのか?

 

バルサ:ああ、彼はヤクヤクの実という悪魔の実を食べた調合人間さ。

 

ロジャー:ヤクヤクの実か。どういった力を使うんだ?

 

タンダ:あらゆるものと調合し混ぜ合わせることで様々な薬を生成することが出来るんだ。例えば砂糖と卵を調合すればどんな菓子でも美味しく出来る調味料となり、薫り高い花を火薬と調合すれば広範囲に香りづけられる香水となる。

 

レイリー:つまり、万能薬剤師てことか?

 

タンダ:万能は言い過ぎだよ…。調合するにしてもまずは材料に使うものの性質を知る必要があるし、それに調合して薬が出来たとしてもそれが思い通りのものなのか試さない限りわからないからね。

 

ベン:でも高確率で結構いい薬になるよね!

 

ヘンリー:うん、作った本人の想定通りのだったり、それ以上のだったり!

 

トーマス:だが、時たまにヤバぇもんが出来上がるから試される俺たちにとっては怖すぎてたまらねぇぜ……。  

 

バルサ:だが、そのおかげでタンダの薬はロタのやつらに好評得てるんだ。もっと胸を張ったらどうだ?

 

ロジャー:まあ、要はいろいろ作れるっことか。じゃあ、こいつの血とか肉とか使ったらなんかすごいの出来るんじゃねぇか?

 

タンダ:ああ、そこのところは俺も興味がある。だから今夜辺りからでも調べるつもりさ。

 

レイリー:ただまあ、今回もまたコウジの生態がまた1つ見つかったというわけだ!

 

バルサ:ああ、悪魔の実の能力者であるがカナヅチにはなっていないということがな。

 

ヘンリー:もしかしたら現・ロタ王の言葉も効かなかったりして!

 

ベン:う~ん、それはどうかな……けど、それが本当だとしたらこちらにとってとても有利なことになるよ。

 

トーマス:あ……てかそもそもコウジってたしか、水の中でも息出来るんじゃなかったか?

 

ベン:ああ、それはたしかに……!! ‼️

 

レイリー:ん?水の中でも?

 

トーマス:ああ、こいつ水の中でも普通に息出来るらしいんだ。最初に会ったときもこいつ川ん中で寝てたらしいんだ。

 

タンダ:え……か、川!? 

 

ロジャー:いや、魚かよ……。 

 

トーマス:ハハハ、俺も最初そう思ったよ。アハハハハハハ!! #

 

あっけにとられるロジャーとタンダを見てハイに笑うトーマス。

 

レイリー:悪魔の実の能力者は水中が苦手というが、まさかこんな掟破り……いや、それ依然か……。いやぁ……まさか開始早々こんなのに出会すとは……いや、世界というもんは広いもんだ……。(゜Д゜)

 

バルサ:ああ、私もさすがに驚いている。

 

シュガ:正直言うと俺もさ!だが、この特質は必ず俺たちの味方となる。それにこの島に生まれてきた以上、こいつはこの島、ロタの宝だ。絶対に誰にも渡さない……いや、手放してはならないんだ!

 

シュガの放つ言葉を賛同するようにバルサ、トーマス、ベン、ヘンリーは改めて頷いた。

 

トーマス:そんじゃ、ここはひとまずアジトに戻って悪魔の実の研究と行きますか!

 

一行はひとまず村へと引き上げって行った。

 

 

 

―一方その頃、ジョニーは近所にあるパンの店長ヨゼフからパンを受け取っていた。ちなみにヨゼフとはジョニーが店を構えた時からのなじみでドクやポニーと並ぶ親友である。

 

と、そんな時、遠くの方からなにやら馬の蹄やら複数の足やらの音などが聞こえてきた。

 

ジョニー:ん、何だ……!?

 

ジョニーとヨゼフは音のする方へと体を向けた。するとそこに現れたのはロタ王国の支配……いや、現国王のヨゴだった。ヨゴは馬に乗り前進しており、その横には護衛士・ガカイ、そしてその後ろには少数の歩兵らがいる。

 

ジョニー:あいつは……!!

 

ヨゼフ:待て、ジョニー!あまり前へ出るな!何されるか分からんぞ!

 

前進するヨゴ率いる部隊に驚き前に出ようとするジョニーだが、それをヨゼフが制止し、隠れるように店の中へと入っていった。ヨゴの部隊がヨゼフの店の前を通り過ぎていく。

 

ジョニー:一体、何故あいつが……?

 

ヨゼフ:わからん!だが、方面的に森に用がある模様だな。

 

ジョニー:森にだって……? まさか……コウジ!?

 

ジョニーは急いで電伝虫を手に取った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 シュウウゥゥゥ………!

 

ヘンリー:ほう、これが全ての干ばつさせる砂の能力、スナスナの実か。

 

トーマス:いざ見てみると恐ろしいな……。

 

トーマスたちは悪魔の実の能力について研究をしていた。まあ、研究とは言っても図鑑に載っているものをトーマスたちが選び、それをコウジに実演させるという言わば悪魔の実のショーみたいなものだ。ちなみに今はスナスナの実を調査していた所だ。

 

タンダ:まあでも肥料とかには使えるだろう。

 

ヘンリー:ただこれ、水には弱いみたいだよ?

 

トーマス:え?そうなん?

 

コウジ:水か……。

 

コウジは少し回りを見渡した後、近くにある水道の所まで行き、そして蛇口をひねって手を濡らした。

 

コウジ:よし……!

 

その後すぐトーマスの所へ戻りもう1本の木に触れ力を込める。

 

 シュウウゥゥゥ………

 

すると木はすぐさま痩せ細り枯れた。

 

コウジ:あれ?何も変わらないけど……?

 

ヘンリー:え?でも、ここには水に弱いって……

 

バルサ:それは体が砂になれないってことではないのか?

 

コウジ:体が砂に…?

 

バルサ:その能力はおそらく自然系・ロギアの類いに入るだろうからな。

 

一同(晃司除く):なるほど……。

 

晃司:ロギアって?

 

ベン:系種だよ。悪魔の実の能力には、超人系・パラミシア、動物系・ゾオン、自然系・ロギアの3つのタイプに分かれているんだ。

 

晃司:へぇ~。

 

トーマス:まあ、俺も能力のタイプが3つあるってのは知ってるんだが、実際見た事ねぇから、どんなのだかはあんま知らねぇんだよな~……。

 

タンダ:そうか。なら俺たちが教えてやるよ!能力者なら旅の合間に結構遭遇してるからな。

 

バルサ:ああ。それにこれを知っておけばコウジはもちろんのことお前達にとっても今後の役に立つかも知れんからな。

 

ロジャー:だったら俺たちも勉強させてもらうとしよう。別に能力者になるということはないが、これからうちに入る仲間や敵とか遭遇したときに役立つこともあるだろう。

 

タンダ:よし、それじゃあまずは自然系、ロギアから説明するとするか。

 

バルサ:いや、そこは順位的に考えて動物ゾオンの方がいいのではないか?

 

タンダ:え?う~む、たしかに……!!

 

バルサ:それと教えるなら晃司にいろいろやらせながらの方がいいのではないか?

 

タンダ:なるほど。たしか晃司は悪魔の実全て使えるんだったな。んじゃ、晃司、ちょっとお願いするけどいいか?

 

晃司:うん、わかった。

 

晃司は頷き悪魔の実の実演に買って出た。そして、バルサとタンダは晃司の実演のもとにトーマスやロジャーたちに動物系から順に教え始めた。

 

 

 

 

 

 

 プルプルプル……プルプルプル……!!

 

アジト内で晃司たちの様子を見つつ、書物の整理をしていたシュガに突然電伝虫の声が鳴り響いた。その音に気付いたシュガは一旦作業を止め、受話器を取った。

 

シュガ:はい、もしもし?

 

☎ドク:シュガか?僕だ、ドクだ。

 

シュガ:ドクか。

 

☎ドク:ああ、そっちはどうなってる?

 

シュガ:ああ、今は……晃司が龍になってる。

 

☎ジョニー:り、龍……?

 

☎ポニー:悪魔の実ね。

 

シュガ:ああ、そうだ。説明が悪かったね。今コウジはトーマスたちとともにタンダとバルサの悪魔の実の講習を受けてるとこだ。ちなみに晃司はその実演をしているってことさ。

 

☎ジョニー:なるほどね。今の晃司はどんな能力でも使えるもんね。

 

シュガ:ところで、そっちの状況はどうだ?何か不審なことはあったか?

 

☎ドク:ああ、そのことだが、ついさっきヨゴが森へ向かった。

 

これを聞きシュガの目の色が変わった。

 

シュガ:な、何だって!?それは本当かい?

 

☎ジョニー:ああ、。俺の店の前をロタ兵を少数連れて通って行ったよ。

 

シュガは自前の見聞色の覇気を発動させ、感覚を森全体へと研ぎ澄ませる。

 

シュガ:なるほどたしかに。村からはまだずいぶんと距離はあるが、それでも着々と近づいて来てる。

 

 

 

 

☎シュガ:状況はわかった。こちらもすぐ対応出来るようにしておく。こっちにはバルサもいるし、心強い海賊だっている。それにまだ講習中ではあるが、彼の能力を試すいい機会になるかもしれない。

 

ドク:そうか、わかった。だが、くれぐれも晃司を奴らの手に渡らせるなよ。

 

☎シュガ:ああ、もちろんさ。

 

 

 

 

 ガチャ!

 

シュガは受話器を置き、通信を切った。

 

 

―その時の外の様子では今、晃司は自然系ロギアの光体質になっていた。その体にタンダがバルサの短槍で切りつける。しかし、切り付けられた体からは傷が出なかった。

 

晃司:ん?痛くない……?

 

トーマス:マジでか!?切られてんのに?

 

ベン:たしか自然系ロギアの能力を持つ能力者はダメージを一切受け付けないんじゃなかった?

 

バルサ:正解だ。自然系の能力者は体全体を自然物そのものに変えることができる。自然化させた体には攻撃はおろか、触れることすらもままならない。

 

晃司:まあ、たしかに触られてる感覚もないね。

 

レイリー:なるほど。まさに「最強種」と呼ばれることはある。

 

トーマス:最強?てことは無敵ってことか?

 

タンダ:いや、ところがどっこい、この類のものにはちょっといくつか落とし穴があってね。

 

ヘンリー:落とし穴?

 

バルサ:ああ、さっきベンが言ったようにこの類の能力を使うものの体にはダメージを与えることはできない。ただ、無効化出来るのはほんの一部の攻撃だけ、全ての攻撃を完全に無効化することは出来ない

 

ベン:つまり、殴ったり、蹴ったり、剣で斬ったり、銃で撃ったりなどの攻撃だけが効かないってことだよ。要するに自然には自然なりの弱点があるってことだよ。

 

コウジ:自然なりの弱点?

 

ベン:火は氷や草に強いけど水に弱いとか、なんでも通す雷もゴムだけには通せなかったり(タンダ:砂は水分を含むと固まるとかもな。)

 

バルサ:他にも悪魔の実には少し似た系統があってなそれに従った上下関係もある。

 

ヘンリー:上下関係……。

 

タンダ:例えて言うなら……メラメラの実。ちょっとコウジやってみてくれる?

 

コウジ:うん、わかった。

 

 ボゥ! 

 

コウジはタンダの指示に従い、メラメラの実を発動。全身に火を灯し、メラメラと炎をまとわせる。

 

トーマス:まあ、メラメラの実が炎なのは分かった。さっきもやってたし。

 

タンダ:それじゃ、続いてマグマグの実だ。

 

コウジ:うん!

 

そう言いコウジは能力をマグマグの実に変換させる。すると全身に燃え盛る炎が高温のドロドロとした溶岩と変わり、そこから噴煙が立ち上った。

 

ヘンリー:う、うわぁ……な、なんかさっきよりもすごくなって来たよ? 

 

トーマス:あ、ああ…こりゃあさっきの炎の能力と比べ物にならないぜ……。

 

バルサ:ああ、そのとおりだ。

 

トーマス:ん?そのとおり?

 

バルサ:今、コウジがやっているマグマグの実はメラメラの実の炎を焼き尽くす威力がある。そのため例え普通の攻撃が効かない自然系だとしても、それを無効化できずダメージを受けてしまうことがある。

 

レイリー:つまりは相性ってことか。

 

バルサ:まあ、わかりやすく言えばそんなものだ。

 

ロジャー:なるほどな。だいたいはわかった。

 

タンダ:そっか。それじゃ、自然系ロギアのことに関してはこれくらいにして次は(シュガ:ちょっといいか?)ん?

 

と、そこにシュガがまるで話を中断させるかのように入ってきた。

 

バルサ:どうした?何かあったのか?

 

シュガ:ああ、どうやら国王がこの森にやって来ているみたいなんだ。

 

バルサ: ……!! 何!?

 

タンダ:ヨゴが?

 

シュガ:ああ、しかもジョニーらからすると、護衛士と少数の兵を引き連れているらしいそうだ。

 

それを聞いたトーマスたちも顔色が変わり、険しくなる。

 

トーマス:あいつ、またコウジを強奪するつもりか?

 

ベン:シュガさん、やつは今どこに?

 

シュガ:今は森の中腹に近づいているってとこだ。だが、村まではまだ十分時間はある。

 

トーマス:くっそ~!でも一体どうすれば……!!

 

ロジャー:なあ、1つ提案なんだが……ここはこいつの能力でやつを迎え撃つってのはどうだ?

 

ヘンリー:コウジの能力で?

 

ロジャー:ああ、せっかくの機会だ。悪魔の実の実践と実戦・・も兼ねてやってみればいいんじゃないか?

 

レイリー:ロジャー、今の掛けたのか?

 

バルサ:なるほど。いい案だ。

 

タンダ:だけど、それってちょっと危なくないか?シュガほどとは言えないけど護衛士やつの覇気はかなり強力だよ?下手に外したりすれば逆に攻められる危険性もあるんじゃ……?

 

バルサ:そこはなんとかなるだろう。あとはコウジの気力次第だ。行けるか?

 

コウジ:う、うん……。

 

トーマス:大丈夫さ、俺たちが全力でお前を守るから!!

 

トーマス、ベン、ヘンリーもそれぞれ武器を取った。ちなみにトーマスは剣、ベンは拳銃、ヘンリーは弓矢だ。

 

ロジャー:ま、やつの言葉をどうにかするには、耳栓しとけばいいな。

 

レイリー:理想を操るやつがいるだろう。それに全員耳栓なんかすれば味方の指示も聞こえやしない。

 

シュガ:それにやつの言葉は耳だけじゃなく目で通すだけでも効くんだ。

 

ロジャー:じゃあ、目を瞑りゃいい!

 

レイリー:バカかお前は!それじゃ何も出来ねぇじゃねぇか!

 

ロジャー:冗談だ。まあ、今はとやかく言ってもしょうがねぇ!ここは一か八か勝負に出てみようじゃねぇか!

 

シュガ:ああ、そうだな。俺もちょっと賭けてみたいことがあるからな。

 

タンダ:賭けてみたいって?

 

シュガ:うん、それはね―

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、ヨゴはガカイの手綱に引かれた馬に跨り少数の兵を率い森の中を突き進んでいた。

 

ガカイ:どうやら我らが攻め込んだことに気付いたみたいですな。

 

ヨゴ:ふむ、シュガの見聞色なのか、誰かが内通していたのか……ま、そこはどうでもいい。まずは目の前の獲物を手に入れることが先決だ。

 

ガカイ:はい、すべての能力を司る力を得る悪魔の実を食したとはいえ、まだまだ未熟者。狙うなら今しかありませぬからな。ま、唯一心配事があるとするならば例の海賊が何か悪知恵を吹き込んではいないかですかな?

 

ヨゴ:ほう、そちもか?実を言うとな、私もだ。

 

ガカイ:陛下もでございますか!

 

 

ヨゴ&ガカイ:ブハハハハハハハハ!!

 

 

 

ヨゴとガカイが大笑いしていると、目の前の向かい側から突然大きな炎が迫り込んで来た。

 

ヨゴ:ガカイ。

 

ガカイ:は。

 

ガカイは覇気を纏った剣で炎を打ち消す。

 

ヨゴ:やはり抵抗するか……。上等!もの共、かかれ!

 

ヨゴの命令で少数の兵は駆け足で前進した。

 

 

 

 

 

 

ロジャー:どうだ、やったか?

 

シュガ:いや、どうやら防がれたみたいだ。

 

あの大きな炎はやはりコウジだった。メラメラの実を発動させ放ったのだ。

 

シュガ:今は少数の兵がこっちへ向かってきている。

 

トーマス:要は様子見ってことか。よし、そんじゃ次は雷だ。

 

コウジ:うん。”ゴロゴロ”!!

 

コウジは能力をゴロゴロの実に変換し、手から高電圧の雷を放った。

 

⚡バリバリバリ!!

 

 

兵一同:うぎゃああああああ~~~~~!!!?

 

 

 

兵たちは雷攻撃を受け一瞬で全滅してしまった。

 

トーマス:どうでぃ!参ったか!

 

ヘンリー:いや、トーマスは何もやってないでしょ?

 

と、そこに……

 

 

 パチパチパチ!!

 

 

ヨゴ:マーベラス!!

 

 

 

と、突然大きな拍手の音ともに聞き覚えのある男の声が聞こえて来る。

 

一同: ……!!

 

目の前には馬に跨り拍手をヨゴの姿があった。その横には彼の護衛を担当しているガカイもいた。

 

トーマス:出たな!ロタの国を狂わせた張本人!

 

ヨゴ:言いがかりは辞めてくれないか?これでも一国の主だぞ。

 

コウジ: ……!! これが、ジョニーたちの言っていた……?

 

ヨゴとの面識はなかったが、かつてトルガル村を襲いモウムを含む村の人々を死に追いやった張本人であるガカイとトーマスの言動で彼がヨゴだと気付き、コウジにも緊張が走った。

 

バルサ:要はまたコウジを奪いに来たって感じか?

 

ガカイ:奪いに来たんじゃない。うちで預かりに来たのだ。

 

ベン:肉を売りさばくためにか?

 

ガカイ:ふん、貴様らに話す義理はない。ま、仮にそうだとしても貴様らが我らが主にどうこう出来るものでもないがな。

 

トーマス:ぐっ……!!

 

ロジャー:とんでもねぇ国王だな!! こんなのが一国の主なのか?

 

ヨゴ:そこの者、口を閉じろ!

 

ロジャー: んぐっ……!  

 

ヨゴがそう言い放った瞬間、ロジャーの口は唇と唇がまるで磁石のようにぴったりとくっつく。

 

レイリー:どうしたロジャー!?

 

ロジャー:うぐうぐうぐ……!!

 

手で無理矢理開こうとするが口を開くことは出来なかった。

 

バルサ:一言でこれか。随分と厄介な能力だな。

 

ヨゴ:そうさ。目の前にいるやつがどこの馬の骨のものでも私の口に逆らうやつは決していない!さあ、光の子・晃司よ!今すぐ私の所へ来るのだ!

 

コウジ: ……!?  

 

 

トーマス: くっ……!! 

 

 

ベン: ……!! 

 

 

ヘンリー: コウジ……!! 

 

 

ロジャー:んぐ……!?

 

 

タンダ:来たか……!! 

 

 

バルサ:やはりか……!!

 

 

シュガ:来い……!!

 

 

 

 

シーーーーーーーーン……

 

 

 

 

ヨゴ:うん?

 

しかし、ヨゴの命を受けたはずのコウジに反応は見受けられなかった。

 

ヨゴ:どうした、聞こえなかったのか?来るのだ、私の所に!

 

 

 

シーーーーーーーーン……

 

 

 

しかし、反応はない。

 

ヨゴ:私の声に反応しない……?(・_・;)

 

ガカイ:おそらく耳栓でしょう。であれば、ここは私が……

 

今度はガカイがコウジの動きを操ろうとリソリソの実の能力を発動させた。

 

 

 

シーーーーーーーーン……

 

 

 

 

……しかし、これでも彼の体は反応することはなかった。ガカイは困惑した。

 

ガカイ:こ、これは一体どういうことだ?

 

ヨゴ:どうした、ガカイ?早くやつを動かせ!

 

ガカイ:は、いえ……今それをやっている最中ですが、何故か全く反応しないのです……!

 

ヨゴ:何?

 

ヨゴは顔をしかめた。それと同時にバルサたちは確信したかのようにニヤリと笑った。

 

バルサ:どうやら、あんたの予想が当たったな。

 

シュガ:そうみたいだな。

 

ガカイ:どういう意味だ?

 

タンダ:お前たち、こいつがどんな毒でも効かないってのは知っていたか?

 

ヨゴ:毒?ほう、そいつは知らなかった。

 

タンダ:じゃあ、呪いも効かないってのは?

 

ヨゴ:呪い?

 

ヨゴは反応したかのように顔色を変えた。

 

シュガ:悪魔の実を食べさせたあの後、海へ行った。

 

ヨゴ:海?てことは、そいつを海に落としたのか?

 

トーマス:いや、自分から飛び込んだんだ。だけど、溺れるどころか普通に泳いでた。

 

ガカイ:泳いでた?悪魔の実の呪いが効かなかったとでもいうのか?

 

タンダ:そういうことだ。

 

ヨゴ:なるほど。毒も呪いも効かぬ体か……。

 

バルサ:確証はないが、おそらく一度警戒した相手の能力も呪いの類として認識しているのだろう。

 

ヨゴ:で、私やガカイの能力が効かなかったというわけか。まさか私の言葉が効かないとはな……。ふふふふ……フハハハハハ……(ガカイを除く一同:?)あ~っはっはっはっはっは!! 

 

トーマス:な、何だ?

 

ヘンリー:動揺するどころか……笑ってる?

 

トーマスたちは突然爆笑し出すヨゴに戸惑った。

 

ヨゴ:はっはっは……あ~、実に愉快だ!お前は私のはるか予想の上を行く!ますます気に入ったぞ!

 

バルサやシュガ、ロジャー、レイリーはさらに警戒を強めた。

 

ガカイ:しかし、私や陛下の力が効かないとはこれまた厄介ですな。

 

ヨゴ:ふん、知れたこと。効かないのはこいつだけ。なら、周りの者を利用すればいい。

 

シュガ: ……!!

 

トーマス:な、何!?

 

ガカイ:なるほど。名案ですな。

 

ヨゴ:それに例えこいつに数百の力を使える程の能力ちからを得たとしても、得たのはついさっき、まともに扱えるはずがないだろう?

 

ガカイ:ふむ、たしかに…… やはり陛下は頭が素晴らしい。

 

ヨゴ:おいおい、そうあまりおだてるな。……あ、今のは命令ではないからな?

 

ガカイ:ん?はい、わかってます。それは冗談で言ってるのですよね?

 

ヨゴ:うむ、だが、この力だけは冗談が通じぬからな……。

 

ガカイ:あ~、さようでございますか。

 

ヨゴ:最近時々、自分の力が恐ろしくなって来てな。

 

ガカイ:まあ、力あるものは誰にだって通る道でありますからそこは案ずる心配はないかと。

 

ヨゴ:そうだな。ま、こういう井戸端会議はあの光の子を手に入れてからにしよう。

 

ガカイ:御意。

 

バルサ:来るぞ!

 

ロジャー:ウムウム、ムグムグムグム$%&(’〒@……。

 

レイリー:お前、何言ってるかわかんねぇぞ?

 

シュガ:「おいおい、矛先は俺たちかよ……。」(レイリー:へ?)と言ってるそうだ。

 

ロジャー:ウムウムそうそう!!

 

ロジャーは首を縦に振った。

 

レイリー:あんた、スゲェな!

 

シュガ:まあ、俺は人の心を読むのが得意だからな。あんたの言葉は俺が通訳してやるよ。

 

タンダ:話を元に戻すけど仕方がないさ。やつらの能力が効かないのは晃司だけ、それ以外の俺たちはやつの言葉を聞けば、たちまちやつの従者に成り下がってしまう。

 

トーマス:くそ……!!何かいい手はねぇのか?

 

ヘンリー:時間稼ぎってことで晃司だけでもこの場から逃がすこと出来ないかな?

 

ベン:うん、あまりいい手とは言えないけど、この状況だと仕方がない気が……。

 

ヨゴ:今回は絶対逃すわけにはいかん!だからこうしてまで直々に出てきたのだからな。

 

トーマス:くっ……!晃司、今すぐここから離れろ!

 

晃司:……え?(゚Д゚)

 

トーマス:やつは俺たちに命令する気だ。やつの言葉を聞いちまったら俺たちはもうお前を守れなくなっちまう!だから早く!

 

トーマス≪モウム≫:逃げろ!

 

 

晃司: ……!?

 

今のトーマスの発言で晃司の脳裏にある光景が浮かんできた。それはかつてトルガル村を襲撃を受け、ガカイに倒されたモウムの叫ぶ姿だった。この時、晃司は何かを悟った。

 

ヨゴ:絶対に逃がさん!その周りにいる者たちよ、その光の子・晃司を捕らえるのだ!!

 

タンダ:うっ……!?

 

バルサ:くっ……!!

 

シュガ:くっ、しまった……!!

 

レイリー:ぬっ……、く……!体が勝手に!!

 

ヨゴの言葉を受けたトーマス、ベン、ヘンリー、バルサ、タンダ、シュガ、レイリー、ロジャーの体は徐々に動き始めた。

 

ロジャー:ムグ、ウググ……!!

 

シュガ:「くそ、と、止まれ……!!」と、言っている……!!

 

レイリー:いちいち訳さんでもわかるわ……!!

 

勝手に動き始める体を必死に止めようと悪戦苦闘する8人。唯一効果が表れない晃司はというとその異様な光景に戸惑い挙動不審になっていた。しかし、その踏ん張りも虚しく、ヨゴの命令通りに動いてしまう。

 

ヨゴ:抵抗しても無駄だ、愚か者よ!例えどんなに懸命に頑張ったとしても私の前では結局は無力なのだ!!フハハハハ!!

 

タンダ:だけど、少し……抵抗しさえ…すれば、動きを……少し……止められる……!!

 

シュガ:ああ、晃司……!! ここは一時撤退だ!!お前だけでも逃げてくれ!!お前は俺たちロタの民、いや……この国にとって唯一の希望だ!!そのお前があんな人間のにの字もない卑劣な奴になんかに奪われたくない!!だから、晃司!! ……晃司?

 

必死な勢いで叫ぶシュガだったが、晃司は何故か俯き無言で立ちすくんでいた。

 

ヨゴ:ふむ、怖気づいたか……それとももう私の所に着く決心でも付いたか?

 

トーマス:う、嘘だろ、晃司!?

 

ヘンリー:嘘だよね?絶対あんなやつの所なんか行くわけないよね?(晃司:いやだ……)ん?晃司?

 

ヨゴ:うん?

 

晃司:もう、あんなことになるのは嫌だ……。

 

ベン:晃司?

 

晃司:さっき、トーマスが言ってた。「早く逃げろ」って……。でもあの言葉、モウムのと少し似てた。

 

トーマス:晃司……?

 

晃司:モウムも言ってた。ガカイっていうやつにやられた時にそう叫んで、それでウチは逃げた。でも、その後村に来てみたらみんな死んでた……。

 

シュガ:晃司……。

 

晃司:だから……もう、ウチは…

 

逃げたくない!!

 

 

シュガ: ……!?

 

晃司の顔つきは真剣な表情へと変わった。するとその時晃司の体に何かオーラのようなものが噴き出した。

 

トーマス: な、晃司……!?

 

バルサ:あれは……覇気か!?

 

ヨゴ:力の覚醒か……?

 

ガカイ:はい、そのようで……。しかし、まさか、これほどとは……。ここは少し下がったほうがよさそうかと。

 

ヨゴ:うむ、護衛を頼むぞ。

 

晃司はまるでゴーレムのように無口になりヨゴのもとへと前進する。ガカイはヨゴの前に出ると大剣を構える。

 

ガカイ:あの方への献上品だ。あまり傷つけないのが得策だが、お前の場合はどう傷つけようが分断しようがどうせすぐ治る、問題はないだろう!!

 

バキーン!! ✊

 

 

ガカイ: んな……!? 

 

ところが、ガカイの大剣はその大剣を退けようと勢いよく振るった晃司の裏拳を受け。ガラス細工が割れるように砕かれてしまった。

 

ヘンリー:あの剣を一撃で!?

 

トーマス:ス、スゲェ~……!!( ゚Д゚)

 

ガカイ:バ、バカな……!?この剣は海獣が咬んでも砕けないといわれるほど頑丈なんだぞ!? ……はっ!?陛下!!

 

大剣を一撃で破壊されたことにしばらく動揺するガカイだったが、すぐに我に返る。……が、気づいた時にはもう遅く、ガカイの横を通り過ぎており、晃司は背後でヨゴへ前進していた。

 

ヨゴ:ふ、ふふふ……やはりお前は最高だ。いつも私を楽しませてくれる!

 

ヨゴもすこし動揺していたが、すぐに平静さを取り戻した。

 

晃司:…………。

 

ヨゴ:フフフ…いいぞ、私のところに来るんだ。そして、天竜人となった私の「家族・・」となるのだ!!

 

タンダ:この状況で何言ってんだろ?

 

バルサ:まあ、そう言ってやるな。あいつは自身の言葉で何もかにもやって来たやつだからな。それが今、得体のしれないものに破られてるんだ。ただ自分を鼓舞しているだけだろう。その偽りの感情が果たして保ってられるかどうかが見物だがな。

 

そう言いバルサはチラと晃司を見る。晃司は無言でゆっくり前進しており、その表情は怒りで満ちており、腕もまるで鋼鉄のように黒く変色していた。

 

ガカイ:陛下、お逃げください!危険です!

 

晃司:うおおおおおぉぉぉぉぉ~~~~~~!!!!

 

 

ガカイが叫んだ直後、晃司は駆け足になりヨゴに向けた前進のスピードが速くなった。

 

ヨゴ:フフフ、心配はいらん!このガキがいかにすごくともこの私が簡単にやられるわけではあるまい!

 

 

 ドゴッ!!

 

 

 

そんなヨゴを他所に晃司は鋼鉄化とした腕でパンチを叩き込む。しかし、パンチを叩き込んだのはヨゴではなく、馬だった。ヨゴがとっさに馬の上体を上げたのだ。

 

ヨゴ:フッ……たわいもな……( ドッ!)ぐっ!?

 

しかし、偉そうに口角を上げるも束の間、ヨゴの腹に突然の衝撃と痛みが襲う。

 

ヨゴ(な、何だ?この突き抜けるような重い衝撃は……!?)

 

ヨゴはチラッと晃司のほうを見やる。晃司は馬に拳をめり込ませながらもまだ攻撃の手を緩めなかった。

 

ヨゴ:まさか、やつの力が馬を貫通したとでもいうのか!? 

 

 

晃司:うおおおおぉぉぉぉぉ~~~~~~!!!!!

 

 

 

やがて、晃司の拳は馬の首を吹き飛ばし、ヨゴに命中。

 

ヨゴ:ぐごべら!?

 

晃司による重い一拳を受けたヨゴは断末魔のような声とともに背後の木々を砕きながら森の中へと飛んで行った。

 

ガカイ:陛下!

 

ガカイは折れた大剣を捨てると真っ先に吹っ飛んでいったヨゴの後を追う。そして、そのまま森の中に消えていった。

 

トーマス:うおっと!! お、自由に動けるぞ!

 

ベン:きっとヨゴの能力がキャンセルされたんだ。

 

ヘンリー:え、それじゃあヨゴはやっつけられたんだね!

 

バルサ:ああ、今のところはな……。

 

晃司:……ん?ウチは何を……?

 

晃司は我に返りきょとんとしていた。

 

トーマス:おい、お前スゲェぞ!あのクズ王をぶっとばすなんて!

 

トーマスは晃司にとびかかり抱きしめた。トーマスの一言により状況を思い出した。

 

ロジャー:ああ、本当にすごいやつだ!

 

レイリー:ああ、まさか子供が大人をぶっ飛ばすなんてな。

 

晃司;ほ、本当にウチがヨゴを……?

 

シュガ:ああ、完全に倒せたかはまだわからないが、今のところは俺たちの勝利だ!

 

シュガの言葉を聞き、晃司も笑顔を見せた。

 

タンダ:あ、そうだ。今ヨゴの呪いから解放されたんなら、もうロタの方も大丈夫なんじゃない?

 

バルサ:うむ、そうだな。

 

その後、バルサたちは悪魔の実の講座を再開させた。一方、シュガはこのことをすぐにジョニーズ店にいるジョニーたちに報告したのだった。この信じられないほどの・・・・・・・・・朗報を聞いたジョニーとポニーは舞い上がるように歓喜、ドクも新たな情報を手に入れられたことに喜びを覚えた。

 

シュガ:けど、まだ本当にヨゴの呪いが解けているのかわからない。だから一度晃司をロタそっちに連れていくつもりだ。

 

☎ドク:わかった。だが、くれぐれも気を付けて来てくれよ。

 

シュガ:わかってるさ。でも、あいつも前と比べて結構たくましくなったからたぶん平気だろう。

 

こうしてシュガたちは晃司をロタの街へ連れ出すことになった。

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