海賊大戦士 マスターコウジ  【序章】 光の子伝説 ~ロタ王国・反乱編~   作:マスターコウジ

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え〜……この度、この回の次を期待している皆様…大変長らくお待たせいたしました。誠に申し訳ございません

さて、今回はというと……前回、見事晃司達がヨゴ達を退ける事に成功し、ロタ王国全体にかけられた言葉の呪いがついに消滅。そして、ヨゴ打倒に向け作戦会議を開いてる最中、ロタの民達はこれまでの事を晃司に謝罪し、晃司はこれを受け入れ、一致団結を果たす。だが、その様子を知ったヨゴはガカイと天竜人をロタ王国に招こうと岳策する。果たして、晃司達、いやロタ王国の運命ははいかに……

そして、晃司が考案した突拍子もない策とは…!? どうぞご期待下さい!











第十二話 一か八かの賭け

第二次トルガル村襲撃から1日経った早朝、キングサイズのベッドに横たわっているヨゴがいた。

 

ヨゴ:……ん?

 

重い瞼を開かせたヨゴの眼には真っ白い天井が飛び込んできた。

 

ヨゴ:ここは……?

 

そうつぶやきながらヨゴはゆっくりと上体を起こす。

 

ガカイ:おお、ようやくお目覚めになられましたか!

 

気が付くと隣には少しやつれたガカイの顔が近くにあった。ガカイは上体を起こしたヨゴの体を支えるように彼の背中に触れる。

 

ヨゴ:寝室…?私はついさっき森の中にいたはずだが……?

 

ガカイ:覚えていませんか?あの時、陛下はあの光の子の重い一撃によってやられてしまったのですぞ

 

そのガカイの言葉をきっかけにヨゴはそのことの様子をフラッシュバックした。

 

ヨゴ:そうか……そうだったな……。あの時、やつの渾身の一撃を受けたのだったな。馬を刎ね飛ばすほどの…

ガカイ:はい、それによって陛下は森の端まで飛ばされてしまい、駆け付けて見たときはもう瀕死なまでに……

 

ヨゴ:何、それほどまでにか?

 

ガカイ:ええ、医者に診てもらったところ内臓や骨のほとんどに深刻なダメージを負ってるとのこと。

 

ヨゴ:なるほど、そうか。だが、その割にはそういう傷は見当たらんし、痛みさえもないが……? もしやあの槍女の側近の薬剤師か……いや、違うな。てことは誰が?……は!! 

 

ヨゴは何か気付いたのか急にガカイのやつれた顔をチラと見る。するとガカイは何か答えるように少し微笑む。

 

ヨゴ:まさか、お前の能力で……!?

 

ガカイ:はい、どの医者に診せても匙を投げる腑抜けが多く(ゴボゴホッ…!)時間があまりなかったもので……。

 

ガカイは少し苦しそうに咳をしながら言った。

 

ヨゴ: そうか……苦労を掛けたな。

 

ガカイ:い、いえ、陛下のためならばこのガカイ、いつでも命を差し出せる覚悟でございます!

 

ヨゴ:そうか。だが、勝手に死ぬことは許さぬ。私がここにこうしていられるのはお前のおかげなのだからな。

 

ガカイ:おお、こればこれは実にもったいなきお言葉、身に染みてございます!

 

優しく語り掛けるヨゴの言葉にガカイはかしこまる。

 

ヨゴ:して、話は変わるのだが……あの光の子はあの後どうなった?

 

ガカイ:その事なんですがね―

 

 

 

──────────

 

 

 

ジョニー:さあ、出来たぞ。ジョニーズ特製コロッケだ!

 

トーマス&ベン&ヘンリー&晃司:うわーーーーっ!!

 

ロジャー:うおーーーーっ!!

 

トーマス、ベン、ヘンリー、ロジャー、レイリー、そして晃司は各自コロッケに手を伸ばし、そして口に頬張る。ちなみにトーマス達が今いるのはヘンリーの実家であるジョニーズのお店。ヨゴの呪いが本当に解消されているのかを調べるため、晃司をロタへと連れ込み、このジョニーたちのいるこの店へとやって来たのだ。

 

ロジャー:う~ん、うめぇ~!!やっぱ、お前の親父さんのコロッケは最高だな!!

 

ヘンリー:うん、本当家うちに帰ってきたって感じがするよ!!

 

ベン:ただ、1つだけ違うのはこの肉使ってるのは晃司の肉ってことだけどね。

 

トーマス:かまうもんか!その当の本人だって普通に食ってんだしよ!

 

横目で見るトーマスを横目に晃司は次々とコロッケを頬張っていった。

 

ポニー:それにしてもよく食べるものね。自分の肉(・・・・)だって言うのに……

 

晃司:ああ、それはもう大丈夫!とっくにもうわかってるから!

 

ポニー:え、あ、そ、そうなの…?でも人の肉よ?平気なの?

 

晃司:平気も何も慣れ(・・)だよ。

 

ポニー:へ、な、慣れ……?

 

晃司:そ、慣れ!このようにね!

 

ズド!!

 

ポニー: ……!! ひ、ひぃっ……!?

 

レイリー:ん?……て、晃司!お前何やってんだ!?

 

トーマス:え?……て、はあ!?

 

レイリーの声でトーマスたちは晃司を見る。すると何故か彼は自らの手で胸を貫いていた。しかも、その表情は満更でもない様子だった。

ヘンリー:こ、晃司?な、何やってるの?

 

晃司:何って……心臓。

 

トーマス&ヘンリー:し、心臓?

 

晃司:うん。

 

ズボッ……!!

 

そう言い、晃司は胸の中に入れた手を掴んだ心臓ごと引き抜と、心臓に繋がる血管を無理矢理引きちぎった。その直後、胸からは鮮血が勢いよく飛び出る。その様子をぎょっとしたような顔で見るトーマスたち。しかし、晃司はそんなトーマスたちを余所に心臓を当たり前かのように口に運ぶ。

 

タンダ:す、すげぇな…あいつ、自分の心臓、トマトに見てぇに普通に食ってやがる。

 

レイリー:ただ、傍から見てる側からすると人間の心臓を食う化け物にしか見えんな。いや、そもそもこいつの体質どうなってやがるんだ?

 

ロジャー:ワハハ、それに付いては俺も同感だ。

 

ポニー:ていうか、あいつ、キャラ変わってない?

 

ジョニー:ああ、それは俺もそう思ってたとこだ。前はもうちょっとこう……弱々しかいっていうか、怖がりだったような……?

 

ベン:これも”肉”の影響なのかな?

 

シュガ:かもな。バルサのスパルタ形式も自分の肉を食べてからは即克服出来てたし。その晃司の体には自身の成長を促進させる成分でも入ってるのかもな。

 

レイリー:何だか聞けば聞くほどやつが不思議に思えてくるな。

 

トーマス:ああ、俺も短時間でここまで様変わりするとは思ってはなかったし、痛みもたった一日(・・・・・)で克服するなんてことそうそうねぇからな。でもだからこそ、晃司のことがもっと知りたくなってくる。…な!

 

ベン&ヘンリー:うん!

 

バルサ:ああ、私も同感だ。今回のように覇気は使えるが自由自在にとまでは行かないだろうから、これまでに得た技を含め全部叩き込むつもりだ。

 

トーマス:なら、俺たちは悪魔の実の研究だな。せっかく全種類の悪魔の実の能力を使えるようになったんだ。図鑑でいろいろ調べて実験すれば新しい技が出来るかも知れねぇし……な!

 

晃司:ん?……うん!

 

晃司は自分の心臓食べ終えた所をトーマスに返事を聞かれたため少し慌てた風に答える。

 

ジョニー:今後の方針はあらかた決まったな。

 

ドク:ああ、だが心配事は一つだけある。

 

ポニー:わかってる、ヨゴのことでしょ?

 

シュガ:ああ、そうだな。昨日、晃司のあの攻撃を受けて致命傷は受けたとしても、まだ辛うじて生きているって感じらしい…。

 

ジョニー:でも、それを聞くと大丈夫のような気するけど?

 

バルサ:いや、やつの護衛にはガカイという理想を現実に変える能力(ちから)を持つ剣士がいるだろう。

 

ジョニー:ガカイ……?ああ、あいつか。え、ちょっと待て、まさかとは思うけど理想で治療とかが出来るとか……?

 

ポニー:考えられなくもないかもね。あいつ、奴に対して忠義が厚いから……。

 

ドク:まだ定かではないけど、確証がないとは言い切れない。

 

レイリー:なるほどな。それがもし本当ならあんな大怪我食らったはずの王が次の日になったら普通にピンピンしてるのもありえなくはないって話か。

 

ロジャー:つまり、あのろくでなし(・・・・・)をやるにはまずはあの曲者をなんとかしなきゃならねぇってわけだな。

 

トーマス:くっそ~、何か手立てはねぇのかよ~!!

 

ベン:まあ、焦っても仕方ないさ。ここは出来るだけやるべきことをやろうよ。

 

ヘンリー:そうだね。天竜人が来るってのもまだまだ5年先なんだし(バルサ:いや、そうとは限らんぞ?)へ?

 

バルサ:やつのことだ。都合で予定を勝手に変更することぐらい訳ないだろう。

 

ヘンリー:あ、そっか。

 

トーマス;じゃあ、どうしろっていうんだよ!お先真っ暗じゃねぇか!

 

そんなトーマスたちの会話を他所に晃司はふとあることをタンダに話し始めた。

 

晃司:ねぇ、ガカイの能力ってたしか……?

 

タンダ:ああ、たしかリソリソの実って言ってたかな?

 

晃司:あ~、そうそう!それそれ!ふ~ん、リソリソの実か……。

 

そう呟き晃司はリソリソの実を発動させる。

 

晃司:で、リソリソの実って、どんなんだっけ?

 

タンダ:え?理想を具現化するんじゃなかったっけ?

 

晃司:理想を具現化?

 

タンダ:え?あ、う~ん、まあ、例えて言うなら「あの雲がわたあめだったらな~」とか「このコロッケが天ぷらがいいな~」とか……かな?

 

晃司:コロッケが天ぷら……?

 

タンダ:まあ、例えだよ例え!自分がこう思う!って思ったことがそのまま現実になるってことだよ!

 

晃司:ふ~ん、思ったことが現実に……か。

 

晃司は手に持っているコロッケを見つめ、そっとイメージを注ぎ込む。すると手に持っていたコロッケがクレープへポンっと変わった。

 

タンダ:うおっ!?コロッケが、クレープになった!!

 

晃司:こういうこと?

 

タンダ:お?おお、おお、たぶんそういうことだと思うよ、たぶん……。(ていうか、何故クレープ?)

 

晃司:へぇ~、そんじゃあ次は……

 

次に晃司が目に留まったのはジョニーの頭だった。晃司はジョニーの頭目掛けて手を伸ばし暗示をかける。

 

  ポン!

 

タンダ:ぶっふ……くっくっく……!!!(*`艸´)≡3

 

タンダは思わず吹き出してしまった。

 

レイリー:……!!? ……お前、その頭どうした?

 

ポニー:どうしたって何……て、ブフッ……!?(〃艸〃)

 

トーマス:プッ……!!?

 

トーマスたちもジョニーを見て思わず吹き出すが、その後必死笑いを堪えた。

 

ジョニー:え?何?どうしたの?

 

ポニー:い、いや……その、ぷっくっくっくっく……!!

 

ヘンリー:ていうかその頭、何?

 

ジョニー:頭?(ピヨピヨ!)……て、へ?ピヨピヨ……?

 

ジョニーは頭上から突然雛鳥の鳴き声が聞こえたため、思わず自分の頭を触ってみた。するとその感触はまるで違っていて、その上に雛鳥がいた。

 

ジョニー:は?へ?え?何で…雛鳥が?

 

シュガ:はい、鏡。

 

ジョニー:あ、ありがとう。

 

ジョニーはシュガから手鏡を受け取り見た。

 

ジョニー:え、な……!?

 

 

 

な、なんじゃこりゃ~~~~!?

 

 

 

一同:ブッハッハッハッハッハ!! 

 

ジョニー驚愕とともに一同は一斉に声を上げて大爆笑した。それもそのはず、今ジョニーのヘアスタイルは完全に鳥の巣になっていて、おまけに雛鳥が3匹いるのだから。

 

トーマス:あ、頭…頭が鳥の巣ヘアー……!! 

 

ポニー:し、しかも……その上に雛鳥が… プッ…アハハハハ!!!! 

 

ロジャー:ギャハハハハ!お前、最っ高~~~~!!!! 

 

ジョニー:な、何故だ……どうしてこんな……? 

 

晃司:あ、いやぁ、頭見てたらつい……。

 

ジョニー:お前の仕業かよ! ✋ 

 

タンダ:ぷっくっくっく……ジョニーさんそれ結構似合ってますよ?

 

 

 

ジョニー:笑いながら褒めるなああああぁぁぁぁ~~~~!!!!(TДT) 

 

 

 

ベン:ん?あれ?ねぇ、晃司が食べてるのって……?

 

ヘンリー:あれって、クレープ?

 

トーマス:お前いつの間にそんなもん。

 

晃司:え?あ、これ?リソリソの実で変えたやつだけど……?

 

トーマス:え?コロッケをか!?

 

ヘンリー:しかもリソリソの実ってガカイの能力じゃ……?

 

ベン:そうか!晃司は全種類の悪魔の実を使えるから……!!

 

レイリー:なら、そいつ使ってやつの能力について調べてみたらいいじゃねぇのか?

 

ドク:ああ、僕もそう思っていた所だ。その能力の性質を知れば、弱点もわかるし、今後の対策に役立てるかもしれない。

 

ポニー:そうね。にしてもコロッケをクレープにね。本当、理想で何でもできるのね。

 

バルサ:これだったらやつが翌日全回復したとしても納得はいくな。

 

ロジャー:だな。

 

トーマス:あ、じゃあさじゃあさ、ここ全体変えられる?

 

晃司:全体?

 

トーマス:ああ、この店全体さ!内装でもここの店自体でもいいしさ!

 

ジョニー:いや、店は困るよトーマスくん……。

 

ポニー:別に少しくらいいいんじゃないの?減るもんじゃないし。

 

ジョニー:こいつは……お宅じゃないからそんなこと言えるんだ!

 

ドク:まあまあ、後でそいつに戻してもらえばいいことだろ。

 

ジョニー:そうだけども……。

 

ヘンリー:僕も別に構わないよ。

 

ジョニー:お前まで……。はぁ~(*´Д`)≡3 しょうがないな……今日は特別だぞ、好きなだけ変えるといい。

 

トーマス:本当か?やったー!

 

ジョニー:ま、ぶっちゃけ俺も豪華な屋敷で優雅にレストランを開くってのが夢だったからな!

 

ポニー:な~にカッコつけてんの……?(¬₋¬)

 

トーマス:て、ことで晃司頼むよ!

 

晃司:う、うん……。

 

晃司は少し困り気味で答えた。そもそもレストランというものが分からないのとこういうことは初めてなので何に変えるべきかもわからないのだ。

 

シュガ:まあ、君が思うイメージでいいよ。

 

晃司:う、うん、わかった。それじゃ……

 

晃司は店の周りをキョロキョロと見渡す。

 

晃司(コロッケのお店か……じゃあ…)

 

晃司は壁に手を触れ、何かをイメージするように念じた。

 

 

 

  ポン!!   ポ、ポン!!  ポン!!

 

 

 

すると店の至る所が次々に代わって行った。

 

トーマス:うおっ、本当に変わった!!

 

ヘンリー:で、これは一体?

 

晃司:え?コロッケっていうから店全部をコロッケにしてみた。

 

ポニー:あ、そういえばお店全体に衣が付いてる!

 

レイリー:てか、これ本物のコロッケに付いてる衣じゃねぇか!

 

タンダ:まあ、コロッケというより店を丸ごと揚げてたって、感じだな。

 

ロジャー:おお、踏むとサクサク言うぞ!

 

ジョニー:まあ、見た感じはいいけど、これだと店中が脂っこくなっちまう。

 

ヘンリー:まあ、おいしそうではあるけどね。

 

晃司:じゃあ、もう元に戻すよ。

 

と言うとフッと指に息を吹きかける。すると店は元に戻った。

 

トーマス:あ、戻った。

 

ロジャー:スゲェな、こういうことが出来るのか。

 

シュガ:これがリソリソの実、周りの風景を自分の理想したとおりにすることが出来る力……ん?

 

シュガは見た瞬間、ふと気になった。それは晃司が背伸びした途端にオレンジ色に光っていたからだ。

 

シュガ:晃司、どうしたんだ?

 

トーマス:ん?晃司?

 

晃司:え?どうしたって?

 

シュガ:いやぁ、背伸びした時に光ってたからさ。あの光はダメージを回復する時の奴だろう?

 

ヘンリー:え?晃司、光ってたの?

 

晃司:え?ん~……まあ、ちょっと疲れたからかな?

 

トーマス:疲れた?

 

晃司:う~ん、この能力を使ったからなのか、何かこう……少し疲れるというか……。

 

そう言い肩をぐるぐる回す晃司。

 

ロジャー:ほぇ~、疲れも取れるのか。

 

レイリー:まあ、疲れも体のダメージみたいなものだしな。てかそれについては普通の俺たちも出来ることじゃねぇのか?

 

ロジャー:あ、なるほど。

 

バルサ:ん?ちょっと待て。晃司、その能力を使うと疲れるのか?

 

晃司:え?あ、う~ん……ウチも一瞬だったからあんまわからんかった。

 

トーマス:ていうか、お前だんだん口調変わってきてないか?

 

晃司:あ、でも何回か使うとなんかちょっと頭が痛くなったというか怠くなってきたというか……

 

ドク:なるほど。つまり、このリソリソの実というのは、どうやら理想を現実するには力を消費するということなのか。

 

ポニー:なるほどね。あ、てことはこれって量とか決まってるのかしら?

 

ドク:さあな。まあ、この能力を使うことで体に負担がかかっているのは間違いなさそうだ。

 

ジョニー:でも、あいつは護衛士だぞ?力も強いし、結構体力はあるんじゃないのか?

 

シュガ:まあ、たしかにあいつの体力でなら数十回程使ってもさほど効果は薄いのかも知れない。だが、病気や怪我を治療するのはどうだろうな。人の生命に左右する能力ってのはそれなりに体力や寿命が削られるというのを聞いたことがある。しかも今の主人はかなりの重傷だ。理想能力を使えば何とかなるかもしれないが、引き換えに自身の身体に相応のガタが来ているはずだ。

 

トーマス:てことは今のガカイは弱ってるってことか!

 

シュガ:ああ、だが安心はできない。彼の身体が弱ってたとしてもやつは計画を実行するはずだ。野望を持っている限りな。

 

と、その時、コンコン!と扉をノックするような音が聞こえた。ジョニーが扉を開けると、そこには頭にコック棒を被ったおじさんらしき男がいた。

 

ジョニー:ジェームズさん!

 

ジェームズ:ああ、話の途中だったかね? こりゃ…失敬。

 

ジョニー:あ、いえいえ……。で、ご了見は?

 

ジェームズ:あ、いや……その……ここに例の「光の子」と呼ばれる子供がいると聞いたのだが……。

 

しどろもどろに答えるジェームズだったが、「光の子」と聞いてジョニーはすこし動揺し、中にいるポニーやトーマスらもとっさに晃司の前に出て、守ろうと警戒し始める。と言うのもそのジェームズという男の背後にはロタの民たちが大勢いた。

 

ジェームズ:ああ、そんな敵意をむき出しにしたような警戒をしなくても……別に私たちはもうその子にあんな危害を加えることはしない! ……こんなこと口で言っても信じないか……。まあ、あんなことをしたんだ。だが、この誠意だけは信じてくれ!!

 

ジェームズは懺悔するようにつぶやきながら帽子を脱ぎとそう断言した。そして、ジェームズは、悠々と前進する。

 

ジョニー:え?あ、お、おい!おい!

 

ポニー:ちょ、ちょっと!あんたたち、一体何!?

 

ジェームズ:ポニー君よ。すまないが道を開けてくれないか?私はただそこの彼と話がしたいだけなんだ。もちろん彼に危害は加えない。

 

ポニー:い、いや、ちょ、ちょっとそんないきなり急すぎるわよ!! そんな……なんの前触れもなく…(ドク:ポニー。)そもそもあんたたちねぇ、前、あの子何したか忘れたの!?(ポニー!)あんたたちの勝手な欲望のせいで(ポニー!!)あ~!!もう、今抗議してるんだから話しかけないでよ!(ポニー!!!)はい!?だから何!?

 

ドク:通させてやれ!!

 

ポニー:だから通させてって……て、え!?

 

ドク:もう素直に道を開けてやれ。もうそいつらには敵意はない。

 

ポニー:え、何言ってるの?こいつらは……

 

シュガ:ドクの言う通りだ。俺の覇気で見てもその人たちに敵意はない、むしろあんな事をしたせいで晃司に罪悪感を抱いてるみたいだ。

 

トーマス:罪悪感……?

 

ドク:それに僕たちの敵はあくまで王族・ヨゴ。ロタの民ではないはずだ。

 

ポニー:それは……そうだけど。

 

タンダ:とりあえず話だけでも聞いてあげようよ。追い返すのはそれからでいいじゃないか。

 

バルサ:そうだな。そもそもこいつは不死身だ。危害を加えたとしたとしても死ぬようなやつじゃない。

 

トーマス:お前ぇはどっちの味方だよ!

 

バルサ:とにかくタンダの言うとおりだ。追い返す、責め立てるのはいつでも出来る。訳ぐらい聞いてやったらどうだ?

 

ポニー:ん……し、しょうがないわね。

 

バルサ:お前らもいいか。

 

トーマス:ああ、わかった。

 

ポニーとトーマスはしぶしぶ道を開けた。

 

ジェームズ:すまないな。

 

と言いジェームズとその後ろの男たちはそのまま奥へと進み、晃司のいる前へ辿り着いた。

 

ジェームズ:君が噂の「光の子」晃司か。

 

晃司:う、うん。

 

ジェームズ:そうか。君が……。

 

ジェームズは晃司の姿をまじまじとしばらく見つめると彼に触れようと手を伸ばし始める。晃司はあの時の恐怖が残っているのか少し怯え、目をぎゅっと瞑ったが、ジェームズは優しく彼の顔を撫でた。

 

ジェームズ:何が珍獣だ!何が神聖なる食べ物だ!よく見たら、どこにでもいるようなごく普通の子供じゃないか!

 

そう呟き、晃司から少し離れると深々と頭を下げる。

 

ジェームズ:すまない!

 

この光景に晃司はもちろん、トーマスたちも驚いた。

 

ジェームズ:あいつらに踊らされた、この国に不満があったとはいえ……いや、これは言い訳に過ぎないか……。とはいえ、私は君に酷いことをしてしまった!いや、酷いなんてもんじゃない……人間としてやってはいけないことをしてしまったんだ……!!

 

ジェームズの涙が目から床へと雨のように降り注ぐ。その後ろにいるロタの民の人たちも崩れ落ちたり、帽子を胸に当て嗚咽したりしていた。そのロタの民らを見たトーマスたちは何も言えなくなってしまった。

 

ヘンリー:これ、どうする?

 

トーマス:どうするったって……なあ…?

 

ベン:まあ、これでとにかく晃司に敵意はなさそうみたいだし、あとは晃司の返答次第った感じかな?

 

晃司:え?返答?

 

ベン:うん、今、この人たちは君に謝っているんだ。だから、それに対して君が許せるのかどうか応えるんだ。僕たちも聞きたいし。

 

ベンの言い分に晃司は床に土下座したまま嗚咽するコック帽の男を見た。だが、この男や後ろにいる男たちを見るとどうしてもあの時の記憶が蘇ってしまい、躊躇っていた。

 

タンダ:ま、そんな緊張しなくて大丈夫だよ。別に無理に答えてもらおうとかじゃないんだ。ただ、君の気持ちを知りたいんだ。

 

バルサ:ああ、お前はこいつらに暴力以上に酷い扱いを受けて来たんだ。許すも許さないもお前次第だ。

 

晃司:う、う~ん……。

 

晃司は困惑していた。こういった経験は初めてなのでどこをどうするのかがわからないのだ。しかし、この状況をどうにかしないとという想いもあった晃司はふと頭にある悪魔の実が浮上した。

 

晃司:”ハトハト”!

 

晃司は呪文を唱え、椅子から降りコック帽の男に触れる。

 

晃司: ……!! ………。

 

晃司は何かを感じ取り、しばらく黙り込む。そして……

 

晃司:わかった。ハトハトの実を使ってみたけど、ウチに何かするってわけじゃなかったみたいだし。

 

トーマス:ハトハトの実?

 

晃司:相手の心を感じ取る能力。

 

トーマス:へぇ~、そんなのが?

 

晃司:それにドクたちが言ってた通り、この人たちもあのヨゴって人に酷い事されてたみたいだったし。

 

ジェームズ:ということは私たちを許してくれるのか?

 

晃司:許すも何もウチはもうそんなこと気にしてないよ。もう慣れたし!

 

ジェームズ:慣れた?

 

晃司:うん、ほら!

 

そういうと晃司は手をズボッ!といきなり胸に刺し込み、中から心臓を取り出した。

 

ジェームズ&その他のロタ民一同:……!!!?Σ(◎Д◎;)

 

そして、出した心臓をガブリと噛り付きジェームズ達の前で食べて見せた。

 

晃司:ほらね!

 

ジェームズ一同:………(◎▯◎;)

 

しかし、ジェームズたちはまるでブリキの人形のように口を開けたまま呆然としていた。

 

トーマス:なあなあ、晃司、今のってスパスパか?

 

晃司:ああ、うん、そうだけど……?

 

トーマス:そうだと思ったよ!じゃなきゃ普通、いきなり胸に手ぇ刺せねぇって!

 

ベン:それはいいとして、晃司、もうその胸の傷早く閉じた方がいいと思うよ?

 

晃司:ん?ああ、忘れてた!スゥ―……。

 

トーマス:忘れてたんかい!(¬₋¬;)/

 

ポニー:いや、てか普通忘れる?その傷、尋常じゃないくらい痛そうだけど……?

 

晃司:大丈夫、もう慣れたから!

 

タンダ:慣れるか、普通?(~_~;)

 

ロジャー:やっぱ、こいつ面白れぇな!

 

レイリー:それはいいとして、あいつらどうすんだ?

 

ジョニー:だよな……。コウジが急に心臓を抉り取って食い始めた時点で思考停止状態になってるし。

 

バルサ:ということだ。わかったか?

 

トーマス:いや、わかるか!

 

ジェームズ:あ、ああ……な、何となく……。(;^ω^)

 

トーマス:いや、わかったんかい!(¬₋¬;)/

 

ヘンリー:いや、今のはあまり分かってないみたいだったよ……?

 

と、なんやかんやあったものの、ロタの民たちとの和解には成功した。

 

 

 

──────────

 

 

 

ヨゴ:何?そんなことが?

 

ガカイ:それ以来、光の子から肉を仕入れるのがより楽になったとのことで……。

 

ヨゴ:まあ、それは、実によいことだ。しかし、逆に考えれば今はロタ全員がやつらの味方。つまり、トルガル村の連中と化したようなものだ。このままでいけば私の立場も危うい。

 

ガカイ:はい、ロタの民だけなら私らの能力でなんとかなりますが、あの光の子・晃司には一切効かないですからな。

 

ヨゴ:そこなのだ、ガカイよ。何かいい案はないものか。

 

ガカイ:それならば、ここは天竜人を呼んでみるというのはいかがでしょう?

 

ヨゴ:天竜人を?つまり、視察を早めるということか?

 

ガカイ:は。天竜人がロタへ来るとなると、いくらあいつらでも下手な事はしでかさないでしょうし。

 

ヨゴ:なるほど。たしかに、天竜人は神の領域とも言われる程の世界貴族。もし、機嫌を損ねたり怪我させたりすれば、それは死を意味するからな。だが、下手をすればロタを売り渡すどころかこの私ごと滅ぼされかねんぞ?

 

ガカイ:陛下!決めれるのは今しかありませんぞ!このまま、光の子を味方につけたあのロタ勢が我らでも手に負えない程の力を増していくのを指をくわえて待つのか、それとも一刻も早く、天竜人に視察に来ていただいてロタ勢を売り渡すか。これは一か八かの賭けです、陛下!

 

ヨゴ:う~む……そうだな。たしかに、このままドブネズミ共をのさばらせておく訳にはいかん。よし!なら、今すぐ手配をしようではないか!ガカイ、光の子の肉の用意をせよ!あの肉の味なら絶対気に入るはずだ。

 

ガカイ:は!

 

ヨゴ:それと人攫い屋も手配しろ!全部売れるとは限らんのでな!まあ、殺されようとも痛くも痒くもないがな。

 

ガカイ:は!仰せのままに!

 

ガカイは礼をすると部屋を出ていった。

 

 

 

──────────

 

 

 

その頃、ロタの民らと和解した晃司は、一旦トルガル村に戻り、トーマスたちと悪魔の実の研究をしていた。

 

トーマス:え~、只今俺たちは晃司の内部へと潜入しています!

 

ベン:え~っと、トーマス?一体、何やってるの?

 

トーマス:え?何って実況。

 

ベン:まあ、見れば分かるけど、何故?

 

トーマス:な~に、雰囲気だよ、雰囲気!シロシロの実って体の中が城になるんだろ?だから、その探検と言う意味での実況だよ。

 

ロジャー:それにしても、スゲェ広い空間だな!これが晃司の中か?

 

今、トーマスたちがいるのは晃司の身体の内部に入っていた。と言うのもさっき、悪魔の実の図鑑の中に「シロシロの実」というものを見つけどういうものか試しているのだ。ちなみに晃司の内部へと入っているのはトーマス、ベン、ヘンリー、シュガ、タンダ、ロジャー、レイリー、ジョニーの8人だ。

 

タンダ:でも、まるで本当にお城の中にいるみたいだよ。ほら、豪華なテーブルとか椅子も蝋燭だってちゃんとある!

 

シュガ:ああ、ロタのお城とは違うけど、ゆったりくつろげるいいお城だ。

 

晃司:うん、たしかにすごい。

 

タンダ:ん?あれ?晃司、どうしてここにいるんだ?

 

トーマス:え?うわ!晃司、いつの間に!

 

晃司:え?あ、いや、ウチも中はどうなってるのか気になったから。

 

トーマス:気になったからって入れるか普通?

 

ジョニー:まあ、能力者本人だから入れるんじゃない?

 

ベン:たしかにこの図鑑には「自分の分身(アバター)使って探索することが出来る」って書いてあるし。

 

ロジャー:だが、不思議なものだ。この中は城の空間だってのに外見は普通の晃司の姿だ。

 

レイリー:しかも、小さな扉からどうやって入るのかと思ったらまさか自分たちが小さくなって入るとはな…

 

ロジャー:しかも、吸い込まれてな!

 

シュガ:…となると、この能力は収納系の能力となるかもな。

 

ロジャー:収納系か……。なあ、晃司。

 

晃司:ん?

 

ロジャー:この空間って変えること出来るのか?

 

晃司:空間って?

 

ロジャー:まあ、何だ?ここの部屋を広げたりとか、階段作ったり……とか、まあ、いろいろだ。

 

晃司:うん……やってみる!

 

と、晃司は何かイメージしてみる。すると床や壁が動き、階段が出来たり部屋がさらに広くなったりと、城の内部がいろいろと目まぐるしく変わっていった。

 

ヘンリー:す、すごい……部屋が次々と変わっていってる!

 

晃司:ま、こんな感じかな?

 

トーマス:スゲェ……スゲェよ晃司!

 

ロジャー:ま、さすがここの城の主って感じだな。やる事なす事全部自分一人で行うってな!

 

レイリー:いや、普通そいつは城主じゃなくて従者だろう?ただここの主がすげぇってなだけで……。

 

ロジャー:平たく言えばそんなもんだ!

 

バルサ:よし、お~いコウジ、やるぞ!

 

窓に顔をやって見るとバルサが短槍を担ぎながらこちらへやって来ていた。

 

晃司:うん、わかった。

 

晃司はすぐさま本体に戻った。

 

トーマス:いや、このまま行くのかよ!

 

ヘンリー:短槍と剣との殺し合い……

 

シュガ:まあ、実際はただの剣術の修行なんだけどね。

 

レイリー:だが、ここにいる俺たちも被害を受けないかが心配だな。

 

ロジャー:まあ、そこは試し用だろ。万が一ここがやられても俺たちはうまく逃げ回りゃいいことだし。

 

そして、晃司は剣を取り、広場でバルサの槍と対峙する。

 

 ガキィン!!  ギィン!  キン!

 

バルサは槍を振るい、または突きで強く攻め、晃司はバルサの攻撃を受け止め、弾いては、躱していく。辺りは短槍と剣がぶつかる音が鳴り響く。

 

トーマス:うおー、いつ見てもスゲェな!

 

ロジャー:まさに剣の達人だな!

 

シュガ:剣を少し教えただけなのにまさかここまで上達するとは………。 

 

タンダ:なんだかバルサを簡単に超えてそうな感じがするよ。 

 

バルサ:はああああ!!!

 

晃司:やああああ!!

 

  ガチィン!!

 

レイリー:それにしても、()があれだけ動き回ってるってのにこっちはなんともないんだな。

 

トーマス:ん?そういえばたしかに、あれだけ激しく動いてるなら中もすごいことになってるはずだけど、今はそんな感覚もない。

 

ベン:もしかすると、ここの部屋と晃司の身体は別次元の空間になっているんじゃないかな?

 

トーマス:別次元?

 

ベン:別次元……つまりは別の空間だよ。だから、今のように動き回っていてもここだと普通に保っていられるんだと思う。

 

 

 

──────────

 

 

 

晃司:ねぇ、ちょっと考えた技があるんだけど?

 

バルサ:技?

 

晃司:うん、名前はまだ決めてないけど、物凄い技。

 

バルサ:物凄い技か。おもしろい、見せてもらおう。

 

晃司:じゃあバルサ、思いっきり突いて来て!

 

バルサ:思いっきり……?カウンター技か?ならば……!

 

バルサは短槍を構え、物凄い速さで突進し、そして晃司目掛けて素早く突いた。ところが、晃司は構える所かくるりと翻し背を向けたのだ。

 

 ドスッ!!

 

バルサ: ……!? 何!?

 

バルサの短槍は晃司の身体を貫き、晃司は口から血が少し零れた。

 

トーマス:え?こ、晃司!?

 

ヘンリー:なんで向きを!?

 

タンダ:いや、もしかしすると、これがそうなんじゃないか?

 

トーマス:え?これが?

 

シュガ:みたいだな。その証拠に彼の表情は苦しんでいるどころかむしろ笑ってる。

 

シュガの言う通り、晃司の表情は何故かニヤついていた。そして、自分の剣の先を自分の腹に向け、勢いよく刺し込んだ。

 

晃司:ふん!!  ドスッ!!

 

バルサ:ぐっ!?

 

バルサは顔を歪めた。それもそのはず、剣は彼の腹といっしょにバルサの身体をも貫いていたのだ。

 

ヘンリー:自分でおなかに!?

 

レイリー:なるほど、不死身ならではの技か!

 

晃司は自分の腹に刺さった剣を懐刀から抜くようにして抜いた。バルサは腹のダメージのせいか、よろよろと後ろに後退った。この時、バルサは彼に刺さったままの短槍をから手を放してしまった。

 

タンダ:バルサ!

 

タンダは勢いよく城のドアを開け、バルサのもとへと飛び込む。この時、晃司の外へと出たタンダはもとの大きさに戻った。

 

タンダ:バルサ!大丈夫か!

 

バルサ:ああ、タンダか……。大丈夫だ……、ただのかすり傷だ。

 

タンダ:な訳ないだろ!晃司の腹といっしょに刺されてたじゃないか!見ろ!こんなに血が出てる!

 

バルサ:何だ……タンダも見てたのか!

 

タンダ:ああ、晃司の内部にいたからな。

 

バルサ:内部?……ま、そんなことはどうでもいいか。それにしても、まさか自分の身体を盾にするとはな。あれはいくら私でも面を喰らった。そして、その後のカウンター、そして止めの一撃。あれはよかった、晃司。

 

晃司:え?そう?

 

バルサ:ああ、その技は相手の隙を作りやすくする。相手からしたらまさか自分から刺されにいっているのだから、躊躇するのも当たり前だ。

 

シュガ:なるほど。それはたしかに……!!

 

トーマス:……でも、何故背中を向ける必要があったんだ?前でも出来ただろうに。

 

晃司:う~ん……それはなんとなく……?

 

ヘンリー:なんとなく?

 

ロジャー:要するにその方がかっこよさそうだったからだろ?

 

晃司:え?

 

トーマス:かっこいい?

 

ロジャー:こう…後ろからこう、ズバッてやった方がより見栄えがいいからだろ?な?

 

晃司:え?あ、そうそうそう!それそれ!

 

ロジャー:お前がやってた時のをみて俺はかっこ良かったと思うぞ!

 

タンダ:ん、まあ、たしかに晃司のあのシチュエーションは決まってたね。

 

トーマス:そう言われればそうかもな。

 

バルサ:ま、場合によるだろう。

 

一同:え?

 

一同:え?

 

バルサ:ま、なんとなくだ。よし、一旦休憩するか!

 

タンダ:いや、一旦って……。バルサ、晃司に腹刺されたばかりじゃないか!

 

バルサ:こんなもの唾付けとけば治る!

 

タンダ:治るか!!まったく、今薬作って来るから、バルサはアジトで体を休めてろ!当分修行も禁止だ!

 

バルサ:そんなことしてたら、体が鈍るだろう!

 

タンダ:死ぬよりはマシだろ!たくっ、ロタを何とかしなきゃならないってのに………。ああ、そうだ。晃司、少し血を分けてもらいたいんだが?

 

晃司:血?いいよ。”チョキチョキ”!

 

晃司は指をハサミに変え、片方の手の指をジョキっと切断。

 

ジョニー:こ、こいつ……なんの躊躇もなく普通(・・)に切りやがった……!!

 

ロジャー:不死身ってホント、スゲェんだな……!

 

晃司:はい。

 

タンダ:いや、欲しいのは血だけなんだけども……(-_-;) まあ、いいや。ありがとう。

 

タンダは晃司の指の一部を手に取り、作業台へ行った。晃司たちは再び悪魔の実の研究を引き続き始めていった。

 

シュガ:まあ、シロシロの実のことはなんとなくだけどわかったことが結構あったな。

 

レイリー:ああ、図鑑の通り、体の内部が城にすることが出来る能力。だが、それだけではなく。その構造は本人によって自在に変えられることが出来る。そして、本人がいくら暴れたとしても……中にいるモンに影響することはない。

 

ロジャー:つまり、要は晃司の中は絶好の隠れ家だってことだな!

 

シュガ:まあ、そういうことだな。(まあ、晃司だけとは限らないが……)

 

トーマス:よし、次へ行こう!

 

その次もモサモサの実、ビスビスの実、ククククの実、ニジニジの実と、次々と図鑑から指摘した悪魔の実を試していった。あまりに熱中しすぎたためか、気が付いてみるともう夜になっていた。晃司たちはじゃんけんで決まったトーマスの家に泊まることとなった。

 

 

 

──────────

 

 

 

トーマスの家は二階建ての木造建築となっており、その1階は馬屋となっていた。

 

トーマス:俺の母さんは元トップ騎手(ジョッキー)だったんだぜ!

 

ポニー:ちょっとやめてよ!あれはただ競馬の競技会場だったなんて知らなくて仕様でそうなっちゃっただけなんだから!

 

ロジャー:でも勝ったことは事実なんだろ?

 

ポニー:そ、それは……。

 

ロジャー:なら、いいじゃねぇか!もっと胸を張った方がいいぞ!んじゃ、晃司、次これ頼むぜ!

 

晃司:ん?何々?

 

ポニー:ちょっと、家に被害が出るのはゴメンだからね?

 

ロジャー:な~に!やるのは超人系(パラミシア)だ。自然系(ロギア)じゃねぇんだし、大丈夫だろ!

 

レイリー:いや、パラミシアでも危険なやつあるぞ?

 

ロジャー:そうだったか?まあ、今やるのはこれ、「ミラミラの実」って奴だ。

 

トーマス:「ミラミラの実」…鏡を操る能力か。これならそんな大事はならねぇんじゃねぇか?

 

ベン:うん、それにちょっと思い当たることもあるし。

 

晃司:ミラミラの実だね。わかった。”ミラミラ”!

 

晃司はミラミラの実の能力を発動。トーマスは鏡台に置いてあった手鏡を手に取る。

 

トーマス:ほい、晃司。

 

晃司:ん。

 

晃司はトーマスから素直に手鏡を受け取る。

 

トーマス:それで何か出来るんだろ?

 

レイリー:まあ、鏡って言うんだから、鏡で何かを映し出すみたいなことなんだろうけどな。

 

晃司:鏡で何かを?

 

レイリー:まあ、お前が見たいもの頭に思い浮かべたものを想像すれば、鏡もそれに応じて反応するってやつだろ。

 

晃司:ん~……なんだかわかんないけど、やって見る!

 

晃司は鏡に手をかざし、力を込める。すると、鏡に波紋が生じ、何かを映し出す。

 

トーマス: ………!!

 

ヘンリー:映った!!

 

レイリー:これは、もしやタンダか?

 

トーマス:相変わらず新薬の開発か?ご苦労なこって!ん?隣にいるのは……

 

コウジ:ん?

 

何かに気になるトーマスに気付いた晃司は徐に鏡を撫でる。すると鏡の場面がカメラの映像が横にずれるように動いた。

 

ポニー:あ、そんなことも出来るのね。なかなか便利な能力だ事。

 

ヘンリー:あ、バルサだ。

 

レイリー:やってるのは槍の手入れか。さすがは武人だ。

 

鏡の中の様子を見たベンはまるで確信が付いたような顔をして、晃司にこんなことを頼んだ。

 

ベン:晃司、その能力で奴の様子を観察できないかな?

 

晃司:奴?

 

トーマス:奴って?

 

ベン:ヨゴだよ。その能力で見れば、僕らが見たことは感づかれないだろうし。

 

ベンの言い分に晃司、トーマスらは感嘆する。

 

ロジャー:なるほど!そいつぁ名案だ!晃司、さっそくあの王の映像を!

 

晃司:うん!

 

晃司は再び鏡に手をかざす。トーマス、ベン、ヘンリー、ロジャー、レイリー、ポニーは晃司の後ろへと集まり、鏡の中を見る。鏡に波紋が広がり、中から城の外を眺めるヨゴの姿が映し出される。

 

 

 

 

 

 

ガカイ:陛下、準備が整いました。いつでも船を出せます。

 

ヨゴ:よし、出港を許可する。あの肉であの者どもを魅了してやれ!

 

ガカイ:は!

 

ガカイはヨゴに一礼すると、颯爽と部屋を出る。

 

ヨゴ:ふふ、このつまらん景色を見るのもそろそろ見納めか。私はもうすぐ神になる。そして、この領域は我が神々の巣窟となるのだ。フン、何も知らぬ愚かな愚民どもよ。我が神になるための糧になるがよい。

 

 

 

──────────

 

 

 

この様子を見たトーマスたちは驚いた……いや、愕然した。

 

トーマス:晃司の肉をどこに送るって……?

 

ベン:わからない。でも送り先はおそらくあそこ(・・・)だと思うよ?

 

ロジャー:俺たち……いや、ロタの連中の知らぬ間に事を進める気か?

 

ポニーは手持ちの電伝虫にてドク、ジョニー、シュガをこの事を知らせた。

 

シュガ:☎そうか。わかった。連絡ありがとう。

 

ポニー:いえ、別に偶然(・・)目の当たりにしたことを述べただけよ。

 

ジョニー:☎それにしても、すごいなその鏡の能力。まるで水晶玉みたいじゃないか!

 

ヘンリー:でしょでしょ!

 

バルサ:☎そんなことより、ヨゴの動きについてがまず先決だろ。

 

ジョニー:☎う……!ま、まあ、たしかにそれはそうだが……  それにしてもまさか俺たちの知らないことをいい事に晃司の肉を世界貴族に送ってるとはな。あいつ、俺たちに5年間何もしないんじゃなかったか?

 

ポニー:いや、5年内にこの国をいいようにするってだけで、何もしないなんてこと行ってなかったでしょう?

 

ジョニー:☎あ、あり?そうだったっけ?

 

ロジャー:まあ、その天竜人?っていうクズ野郎を呼び寄せることはないにしても密かに交流を重ねてるってこともあるだろうしな。

 

レイリー:いや、どうだろうな。

 

ロジャー:ん?何かあるのか?

 

レイリー:天竜人ってのは考えや行動が浅はかってくらい幼稚ってのが有名だ。もし、そんなやつらがその肉を食ってみろ?今すぐそいつを食いたいと直ちにやって来るはずだ。

 

ロジャー:はあ!?5年後に売り渡すんじゃないのか?

 

レイリー:それは口先だけでも出来るだろ。王がそれを宣言すれば民はその言葉を真に受ける。別に能力でなくてもだ。

 

ロジャー:じゃあ、あいつはこの国のもんらをずっと騙してたってのか?

 

トーマス:騙すも何も、あいつはもともとそういうやつだ。自分の身分がいいことに庶民のことをゴミ呼ばわりしてるほどだしな。ロタの連中だってあんなやつの信頼なんてこれっぽっちもねぇよ。

 

タンダ:☎まあ、あの王の言う「5年」ってのは「5年()」てこともあるだろうし、早くも準備を進めててもおかしくはないんじゃないか?

 

ロジャー:なるほど。たしかにそうかもな。

 

シュガ:☎いや、今回は違うだろうな。

 

一同:え?(☎ん?(ドク以外))

 

シュガ:☎多分焦ってるんだろう。だから一刻も早く、準備を進めているんだと思う。

 

バルサ:☎私もシュガに同意だ。ヨゴは晃司の力を身を持って感じている。それにおそらくロタの者と通じ合ってるってこともあいつの耳に入ってるはずだ。だから、やつはこれ以上晃司の力でロタが強くならないよう、トルガルの時みたくねじ伏せようとしているのだろう。

 

ポニー:ねじ伏せる……?…てことは、天竜人が予定日よりも早く来てもおかしくないってこと?

 

トーマス:早く?つまり、その天竜人ってのが明日来てもおかしくないってことか?

 

ドク:☎まあ、いくらなんでも明日はないとは思うけど、たぶん1ヶ月……1週間以内て可能性はなくはないかも知れないね。

 

ヘンリー:1週間!?そんなに早く?

 

ベン:いやヘンリー、あくまで可能性だよ?

 

トーマス:いやけど、100%ひゃくパーはねぇとしても、可能性としてはありなんだろ?だったら、ロタの民全員に話した方がよくないか?

 

シュガ:ああ。だから、明日みんなに話そうと思っている。

 

 

 

 

 

 

―そして、翌日、シュガはパン屋のジェームズを初め、理事会長のロック、魚屋のウィルソン、近隣の住民のブリアンやゴードンなど、ロタの者を「ジョニーズ」に集め、話した。

 

ジェームズ:やはり、あの「5年」ってのはまやかしだったか。まあ、端から気にしてなかったがな。

 

ロタの民A:だけど、どうする?天竜人…あの貴族がここに来るまで1週間、遅くて1ヵ月かからないんだろう?

 

シュガ:ああ、だからこうしてみんなと話してるんだ。

 

ジェームズ:まあ、あまり心配はいらないだろう。あの時はヨゴに屈するしか他なかったが、今は違う。俺たちにはあの「光の子」がいる!

 

ロック:そうだな、あの子は最近、全ての悪魔の実を扱えるタシュタシュの実を手に入れたらしいし、しかも兵を持って森に侵攻して来たヨゴを瀕死に追いやったとも聞いている。ま、そのおかげでこうしてやつの呪いも解け、不自由なく暮らしているが……

 

ジェームズ:その点も入ってるのかもな。ま、やつにとっては想定外だったからな。……で、今「光の子」……いや、晃司はどうなっている?

ポニー:今晃司は村で今も悪魔の実の実験を行ってるわ。バルサとの鍛錬も兼ねてね。

 

 

 

──────────

 

 

 

―トルガル村

 

 

 

晃司:………。

 

晃司はロタ王国全体が見える丘「光の丘」の上に立ち、無言で景色を眺めていた。晃司の表情はどこかともなく真剣だ。というのも理由はある。それは少し時間遡った時の事─

 

 

晃司:─そういえば、天竜人って何?

 

タンダ:え?

 

晃司:なんかよくトーマスやドクとかが天竜人天竜人っていうけど……。

 

トーマス:そういやぁ晃司、ここの世界の事あんま知らねぇんだっけか?

 

ヘンリー:まあ、晃司がここにやって来た時からてんやわんやあったからね。

 

タンダ:天竜人ってのは、そうだなぁ…。この世界の決まりを作ったとされる貴族のことかな?

 

晃司:世界を作った?

 

ベン:まあ、実際は世界中の王族、つまり国王が集まって出来た人たちの事だよ。つまり神様みたいな存在。

 

タンダ:だからみな、その人たちのことを敬い崇め奉ってるんだ。

 

晃司:へぇ~。 

 

トーマス:……まあ、て言っても、本気でそんなやつらを崇め奉る人なんてそんなにいないと思うけどな。

 

晃司:え?

 

バルサ:まあ、ヨゴみたいな自らの地位だけ主張する貴族(やつ)みたいなのはいるがな。

 

晃司:どういうこと?

 

レイリー:天竜人は世界最高クラスの権力を持った貴族たちで、それに触れることも傷付けることも許されない存在となっている。例え、俺ら海賊みたいなならず者はおろか、ドクやジョニーみたいな庶民、権力を持っているはずの貴族・王族さえでもな。

 

ロジャー:だが、彼らはその権力をいいことに好き勝手にやってるらしいんだ。今、ヨゴのようにな。いや、ヨゴ以上か?

 

晃司:ヨゴ以上?

 

トーマス:あいつらは自分よりも身分下のやつらをゴミだのカスだの言ってスッゲェ見下すんだ。

 

ポニー:それで、気に入らなければ、手持ちの銃でズドン!

 

晃司:………!!!? 

 

ジョニー:ま、気に入られてもそれはそれで大迷惑だけどな。

 

晃司:え?何で?

 

ジョニー:奴隷にされるからだ。やつらは自分以外の者もんには、その場に落ちている物、つまりおもちゃ(・・・・)かただの動物としか思っていないらしくてな。気に入った者がいれば自分の家(じぶんち)に持って帰っちまうんだ。んで、連れて来られた奴隷(やつら)は地獄の苦しみを味わうことになる。

 

晃司:え?例えば、どんなの?

 

ジョニー:え!?う~んと……どう話す?

 

ポニー:いや、どう話すって、そのまま話すんでいいでしょ?

 

ジョニー:え?でも、こんな子供にあんな話なんて……

 

ポニー:いやいやいや、普通の子供じゃないでしょ!まったく……。ねぇ、晃司、あの時のことあったわよね?

 

晃司:あの時の事?

 

ポニー:ええ、あなたが初めてロタへ行ったときに起きた……

 

ポニーの話であの時の事を思い出す晃司。

 

晃司: ……う、うん。

 

ポニー:実はあのような悲劇、天竜人の巣窟では毎回行われてるんだって!

 

晃司:え?ま、毎回?

 

ポニー:そ!私たちも噂で聞いた話なんだけどね……

 

その後のポニーの口から出る話は晃司にとって激震が走るような信じがたいものだった。晃司自身が受けた両腕、両足の切断や首刎ねはおろか、目玉を箸かなんかでほじくって潰す、悪魔の実のデメリットを利用し、2個の悪魔の実を混ぜ合わせたジュースを飲ませ「人間花火」と称して人を爆発させて遊ぶ、余興で人を生きたまま焼くなど様々… 晃司は絶句した。

 

晃司:そんな目に遭わされて攻撃とかしないの?

 

ロジャー:してぇならとっくにやってるさ!だがな、さっきバルサが言ったように、あいつらは気安く触ることも傷付けることさえも許されねぇくらいの硬ってぇバリケードみたいなのを張ってやがるんだ。もし、1つでもケガさせたり、機嫌を損ねたりすれば、そいつは即刻死刑対象となっちまう!

 

晃司:し、死刑!?

 

レイリー:それか運が悪いときにはバスターコールを発動させられることもある。

 

晃司:バスターコール?

 

レイリー:海軍が持つ大艦隊によって放たれる集中砲火のことだ。しかもその集中砲火は対象の島がなくなるまで浴びせ続けられる。つまり、全国・島の住民の処刑ってみたいな感じだな。

 

ロジャー:ま、海賊は別だろうけどな。国の法にも世界の法にも縛られねぇから。

 

レイリー:だが、面倒ごとは起こるだろう。俺たちだって天竜人(やつら)を攻撃すれば(海軍が)地の果てまで追ってくる!

 

ロジャー:名を上げるのにはぴったりじゃねぇか!

 

レイリー:その前に海の藻屑されるのがオチだろ!

 

晃司はしばらく黙り込んだ。そして、気分転換に外へ出歩き、今に至るのであった。

 

晃司:バスターコールか……。

 

そう呟き、前に広がる海を眺める。そこにシュガがやって来る。

 

シュガ:ここにいたのか。

 

晃司:あ、シュガ。

 

シュガはコウジの横に着き座る。

 

シュガ:どうだ、晃司?いい眺めだろう。

 

晃司:うん……。

 

シュガ:この丘の名前知ってるか?「光の丘」って言うらしいんだ。お前を乗せた光が丘に落ちて来ことからがそう名付けられたそうだ。

 

晃司:ふ~ん。

 

シュガ:天竜人の事か?

 

晃司:ん?うん、それもあるけど、今はバスターコールのことも考えてる。

 

シュガ:バスターコール?

 

シュガは見聞色の覇気で晃司の心の内を覗いてみる。

 

シュガ: ……!!

 

シュガは何か驚いたかのように目を見開き、額から汗を一滴流した。

 

シュガ:こ、これは……!! 

 

晃司:ん?

 

シュガ:な、なるほど……バスターコールを逆手にか……。だが…

 

晃司:え?

 

シュガ:ん?あぁ…!す、すまん!!なんか考えてそうだったから見聞色で…。

 

晃司:見聞色?

 

シュガ:ああ、俺の見聞色は相手の心の内を探ることが出来るんだ。

 

晃司:心の内?

 

シュガ:まあ、「心を読む」が正しいかな?つまり、相手が何を考えているのかが分かるってことだ。

 

晃司:へぇ~、悪魔の実食べてないのに?

 

シュガ:ああ。いや、ていうかそれって不死身の君が言えること?まあ、いいや。この世界には悪魔の実の能力者の他にも人間離れした者が多くいる。海賊もそうだが、海軍、魚人族、巨人族とかね。

 

晃司:へぇ~。

 

ロジャー:つまり、世界は広いってこった!

 

晃司:ん?ロジャー!

 

ロジャーもシュガと反対側の晃司の横に座る。

 

ロジャー:なあ、晃司。クリスってのを知ってるか?

 

晃司:クリス?

 

シュガ:クリス……まさか、伝説の不死身海賊、海賊大戦士・マスタークリスティーンのことか?

 

ロジャー:ああ、そうだ。お前も知ってるのか?

 

シュガ:ああ、俺たちはそいつに一回救われたことがあるからな。

 

ロジャー:そうか、俺はそいつに「海賊の王になれる素質がある!」と言われたんだ。

 

シュガ:海賊の王に……?

 

ロジャー:ああ、「そして、その素質は世界を大きくひっくり返すことになる」ってな!

 

シュガ:ひっくり返す……!?

 

ロジャー:まあ、本当にそうなるのかはわからんが。あいつにはそう言われた。

 

シュガ:そうか、「世界をひっくり返す」か。それは楽しみだな。

 

ロジャー:ま、お前晃司も気が向いたら海賊になれ。海賊はいいぞ。誰にも縛られず自分だけのルールで好き勝手出来る。言わば自由だ!

 

晃司:自由…。

 

ロジャー:ま、ここの件が終わったらだけどな!ガハハハハハ! 

 

シュガ:そうだ。晃司、その考え一度バルサたちに話してみてはどうだろう?

 

晃司:え?でも……  

 

バルサ:何を話してたんだ?

 

シュガ:おお、バルサか。丁度いい、晃司が「天竜人」と「バスターコール」てので、何か閃いたみたいでさ。

 

晃司:え?あ……いや、その……ええ!?  

 

バルサ:天竜人とバスターコール?気になるな。

 

晃司:え、ええ……でも……。  

 

ロジャー:俺も気になる。ま、今考えてたこと話せるだけ話してみろ!

 

晃司:え?あ、う、うん……

 

晃司はアジトに戻り自分自信が考えついたことをバルサたちにかくかくしかじかと話した。晃司の提案はトーマスたちにとってとてつもなく突拍子もないものであり、一部を除いてほとんどが唖然としていた。

 

晃司:―てことなんだけど……?

 

バルサ:……バスターコールを利用する、か…。

 

ヘンリー:うわ……、なんてものすごい発想……。  

 

バルサ:だが、悪くない案だ。

 

トーマス:いやいやいやいや、ちょっと待てちょっと待てちょっと待て!それロタ救うどころか滅ぼしちまうじゃねぇか?✋ 

 

バルサ:まあ、晃司のあの能力を使えば全ての民を救うことだって可能だろ。

 

トーマス:ま、まあ、そうだけど……。てか、何だ?お前、この案に賛成なのか?

 

バルサ:ああ、そうすればやつらに一泡吹かせることも出来るだろうし。それに私ならあいつらに引き渡されるくらいならいっその事滅びた方がいい。

 

トーマス:滅びた方がいいって……お前なぁ!

 

ロジャー:まあ、要するに一か八かの懸けってわけだ。俺は乗るぜ!なんか面白そうだし! ✋

 

レイリー:何を根拠に……!  だが、貴族に売られるか、国と共に死ぬかと迫られたとなりゃ、俺は迷わず、死の方を選ぶ。✋

 

バルサ:ふ、賛成か。お前らはどうする?

 

トーマス: う……!  む……しょうがねぇ、たしかにそれしか道はなさそうだし、何よりそれで上手くいけばヨゴだって墜とせるかも知れねぇ!だったら、ここは乗りかかった船、呑むしかねぇな!✋ お前らは?

 

ベン:僕も賛成だ。✋ とても危険なことだけど、晃司がいればなんとかなりそうな気がするし!

 

ヘンリー:俺も!✋

 

タンダも賛同し、これで満場一致となった。この案はもちろんドクたちにも伝えられた。

 

ポニー:ちょっと本気なの!?ロタの国をバスターコールでって!?

 

ドク:だが、その方が良いのかも知れないな。この国はどうあがこうにもやつに売られる方向へ進んでいる。なら、それを止めるためならば手段は選んでいられないだろう。

 

ジョニー:そうだな。それにあのシロシロの実を使えばなんとか避難出来そうだし。

 

ドクたちもこの案に賛同した。

 

 

 

──────────

 

 

 

―そこから数日経った日の夜のこと……

 

 

 

 

ガカイ:陛下!天竜人のゼウス聖と、ドンキホーテ一族の方々が是非に国へはぜ参じたいと……!

 

ヨゴ:そうか!来るのか天竜人が!

 

ガカイ:は……!

 

と、ガカイが待ちに待ったと言うような表情を浮かべながら頭を下げる。

 

ヨゴ:そうか。ようやく……この私が神になる時が来たのだな。いや、まだ己惚れるのにはまだ早いな。ここが勝負時!気を引き締めていかねば!

 

ガカイ:は……!

 

しかし、このやりとりを床屋の鏡越しに見ていた者たちがいた。

 

ドク:どうやら明日、天竜人が来るみたいだな。

 

ジョニー:決戦は明日か!俺たちも気を引き締めていかないと!

 

 

 

─こうしてロタ王国は運命の決戦日を迎えた。

 

 

 

ガカイ:来ましたぞ!陛下!

 

ロタ城の展望台から双眼鏡を覗きながら呼ぶガカイに応えるように顔を出すヨゴ。海側を見てみると海の水平線に海軍の大型軍艦が前に3~4艘、そして、天竜人数名を乗せた護送船と思われる軍艦の姿が見えていた。

 

ヨゴ:いよいよか!ようやくこの時が……!ところで、ガカイ。そちの体の方は大事ないか?

 

ガカイ:大事ないとは?

 

ヨゴ:そち、よく体から血を出してたり、口から吐いたりしておるではないか…

 

ガカイ:あ……まあ、少し能力を使いすぎたかも知れませんな。まあ、今日は陛下の晴れ舞台です。このガカイも申し訳ながら陛下のために尽力致しますので何卒お側に置いて欲しいと……。な~に、あのお方の前では粗相は致しませぬぞ!

 

ヨゴ:気持ちはうれしいが、もう少し自分の体くらい労ってくれ。私はお前かいないと心細くてのう。

 

ガカイ:ははぁ!陛下のお心遣い痛み入ります!

 

ヨゴ:まあ、よい。さっそく支度だ、ガカイ!

 

ガカイ:はは!

 

ヨゴはるんるん気分で展望台を後に城の中へと進む。ガカイも一礼すると、彼の後を追う。

 

 

 

 ✴️ピピピピピ………!!!!

 

 

 

ガカイ:うん?

 

しかし、ガカイは突然足をピタッ!と止める。

 

ヨゴ:どうした?

 

ガカイ:いや、何ていうか、どこか音が……。

 

ヨゴ:音?

 

 

ガカイは辺りを確かめるようにロタの辺りをキョロキョロと見渡し始める。と、その時だった。

 

 

 ✴️ピピピピピ……… ピシュン!

 

 

 

 ドーン!

 

 

 

突然、背後から激しい爆発音が鳴り響きいた。突然の音に思わず振り向いてみるとロタへ迫る軍艦は真っ赤な太陽のような激しい爆炎と化していた。

 

ヨゴ:な、何だ!?何事だ!?

 

ガカイ:あ、あれは……たしかゼウス聖など多くの天竜人方々が乗っておられる……

 

 

 ドーン

 

 

ガカイ&ヨゴ:……!?

 

 

 

 ドーン! ドーン!

 

 

 

✴️ピシュン! ✴️ピシュン!

 

 

     ガガガガガガ……!!

 

 

その後もロタの街の至る所から砲弾やレーザー、火災弾などが飛び交い、軍艦を攻撃していく。

 

ヨゴ:こ、これは……一体どういうことだ!?

 

カガイ:わ、分かりませぬ!ただ、これはあの野郎どもの反撃のものと思われます!

 

ヨゴ:くっ……!やめろ!攻撃をやめろ!!このクソドブネズミ共めが~~!!!これが何をしてるのかわかっておるのかぁ〜〜〜!!

 

激高したような声で攻撃の中止を叫ぶヨゴ。だが、砲撃や銃撃の音に掻き消されているのか、彼がいくら叫んでも、攻撃が止むことはなかった。ヨゴは今ただ火の手が上がる護送船をただ単に呆然と見つめることしか出来なかった…

 

 

 

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