少年は泣いていた。愛する家族が亡くなったのだ。ある日の晩、黒い神がやって来た時、得体の知れない不安に襲われ追い出そうとしたが、義母に止められそのまま寝かされた。すると翌朝には義母も叔父もいなくなり、残ったのは義母が編んでくれたマフラーだけだった。いつかは帰ってくれると信じ待っていた。しかし現実は残酷だった。
「ベルよ・・・アルフィアとザルドは死んだ。もう諦めろ」
少年は神でもある祖父から二人が死んだのを教えてもらった。少年は神を憎んだ。二人止めてくれなかった
「少年。こんな所でどうしたんだい?」
少年は今日までのことを順番がチグハグでありながら答えた。中には少年の心の叫びがあった。
「お義母さんとおじさんが死んじゃった」「神々が憎い」「一人にしないで」
痛々しい少年の心の叫びを理解した女性は頷いてこう言った。
「なら、私の所に来ないかい?」
女性は少年に手を差し伸べる。それは少年にとっては心の救いであった。少年は迷わず手を取る。
「私の名前はマーリン。君は?」
「ベル・・・ベル・クラネル・・・」
「それじゃあ、ベル君早速私の家に行こうか」
「・・・うん」
マーリンはベルの手を引き、彼女の
「ベル君、実は君に頼みたいことがあるんだ」
「・・・頼みたいこと?」
「うん。これはベル君にしか頼めないこと」
それを聞いたベルは嬉しかった。彼女の役に立てると、迷わずベルは頷いた。
「うん♪ありがとね、ベル君。これは君の為でもあるから」
マーリンはベルの手を引きながら建物に入る。長い廊下を歩きながら周りをキョロキョロするベル。そしてある部屋の前に着くと、マーリンはポケットからカードを取り出して扉の横にある装置に読み込む。すると自動で扉が横にスライドして開く、それにベルがぎょっとしているとマーリンは笑いながら、部屋に入りベルもそれに続く。
「・・・此処は?」
「私の実験室だ。此処で君に頼みたいことってのはね・・・」
「?」
「君を改造することなんだ」
ベルはその言葉を理解出来なかった。マーリンは続ける。
「君に力を与えると言っても良い。私は神々がもたらす恩恵無しでモンスターを倒せる様に、色んな所で実験していたんだ」
マーリンから語られる経緯。その経緯の中に神の言葉が入ったことで、ベルの顔は少し険しくなった。そして力を貰えると聞いて興奮した。
「だけどね、君はとても苦しむことになるそれでも「いいよ」っ・・・」
ベルは故郷から飛び出す際に唯一持ってきた義母のマフラーを見ながら言った。
「お義母さん達がやっていたことは理解している。だから僕は・・・その罪滅ぼしをしなくちゃいけない。だからお願いします」
「・・・まさかこっちから頼むはずが、そっちから頼まれるとはねぇ・・・わかった。叶えてあげるよ、君の願いを」
「ありがとうございます」
「それじゃあ早速始めようか。言っておくけど、死ぬほど痛いよ?」
「構いません。覚悟は出来ています」
「それじゃあ準備するから、このテーブルで寝てて」
マーリンが指差す方向にある白いテーブルに仰向けになるベル。時間が経つとマーリンが道具を持ってくる。
「それじゃあ始めようか。我慢だよ、ベル君」
「はい・・・グアァアアアアアアアアアアアアアア!?」