蒼き鋼のアルペジオ〜霧の大戦艦土佐   作:秋月艦隊

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第2話 和解と大海戦

(とにかく誤解をとこう)

 

俺は意を決して超戦艦のメンタルモデル2人に話しかけた。

 

「はじめまして、だな霧の艦隊総旗艦」

 

「ヤマト…」

 

「大丈夫よ、えぇはじめまして」

 

「今更ながら私は霧の大戦艦トサだ、所属艦隊はない」

 

「私は霧の艦隊総旗艦ヤマトこっちは妹のムサシです」

 

「あぁ、ヤマトとムサシだなまず私が今回そちらに攻撃を行なった理由はムサシを止めるためだ」

 

「そ、それは…」

 

「まともな反撃もしなかった超戦艦がいたようだからなちょっとお灸を据えただけだ」

 

「……」

 

よし!上手く伝えられたぞ!今更ながら大戦艦トサになってから口調がとんでもなく変わった。

一人称は私になったしなんかすごい上から目線っぽくなった、元からあんまり言葉を発するのは得意じゃなかったけどな……。

 

「なんてことはない妹を正せないような姉の代わりを行ったに過ぎない」

 

「そうですか…」

 

「ヤマト……」

 

「もとより姉と名乗ったならば、妹を大切に思うならば何がなんでも止めて見せろ。それすらできないものが総旗艦などできるものか」

 

「トサ!あなたアドミラリティーコードに逆らうつもり?!」

 

「無論そのつもりだ」

 

「なっ!?」

 

俺はムサシからの言葉をバッサリと両断するとヤマトに向けて言葉を放った。

(なんか、勘違いされそうだな…まぁ大丈夫だろ、大丈夫だよな?)

 

「ヤマト、お前はどうする?ここまでさせておきながら妹を正さないのか?」

 

「……」

 

「黙っていても仕方がないぞ?」

 

「ムサシ…」

 

「ヤマト」

 

「私はあなたを傷つけることが怖くてあなたを止めようとしなかった。でもそれは間違いだったは大切に思うならば何がなんでも止めるべきだった」

 

「ヤマト……でも最初から私があんなことをしなければ」

 

「いいのよムサシ、お父様を失った悲しみは貴方だけではなく私も知っているから」

 

「ヤ、マト…ごめん、なさい…」

 

「おいでムサシ」

 

「ヤマト!」

 

俺の目の前でヤマトとムサシは涙ながらに抱き合い仲直りを果たした。

 

(よっしゃー!劇場版の悲劇回避だぜぇ!!!)

 

「仲直りできて良かったな」

 

「っ!は、はいありがとうございました」

 

「トサ、ありがとう」

 

「あぁ、こうゆうことは年長者の務めだからな」

 

「……年長者?」

 

「トサ、一体いくつなの?」

 

「?、あぁ今年で16になるな」

 

「16?」

 

「それってメンタルモデルを作ってから?」

 

「いや?生きてきた時間だからメンタルモデルを作ったのは5日前だな」

 

「つまり私たちから見ればトサは妹?」

 

「そうねヤマト、妹よね?」

 

「ん?(なんだか不穏な雰囲気に…)」

 

「トサ、」

 

「なんだ?」

 

「あまり言いたくないんだけど……」

 

「だからなんだ!」

 

「私たちの方がお姉ちゃんでトサの方が妹になるのよ」

 

「トサより私たちの方がお姉ちゃんよ!」

 

「……」ガーン(゚ロ゚)

 

俺はその言葉を聞いて崩れ落ちた。

考えてみればメンタルモデルを作ったのは5日前なんだから俺の方が年下になるんだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-超戦艦の妹の方-

 

最初は怖かったけどお姉ちゃんみたいな雰囲気で言葉から不器用な優しさを感じられた。

ただ私やヤマトの方が普通に年上だったことに絶望して崩れ落ちたのは意外だったけど。

 

「ヤマト、これ慰めた方がいいんじゃない?」

 

「そ、そうね」

 

「トサ、大丈夫だよ、元気だして?」

 

「そうですよトサ!元気を出してください」

 

「い、妹?妹だと…私が私が?嘘だ嘘だと言ってくれ」

 

「ヤマト、予想以上に重症のようよ」

 

「ど、どうしましょうか…」

 

「終わりだ、まさか妹だったとは……」

 

予想以上にショックだったのか未だに意識がまともに戻ってなかった。

 

「どうしようか?」

 

「とりあえず、頭でも撫でてあげましょうか?」

 

「そうだね……」

 

-ヨシヨシ-

 

「やめろ!!頭を撫でるな!惨めになるだろ!私は妹じゃない!」

 

「トサ、もう諦めたら?」

 

「断る!」

 

「お姉ちゃんとよんでもいいのよ?」

 

「言うか!?キャラが崩れてるぞヤマト!総旗艦がそれでいいのか!?」

 

「「さぁ!諦めて妹になりなさい!」」

 

「い、嫌だあぁあぁぁあ!?!?!」

 

「逃がさないわよ!」

 

「ムサシ!追うわよ!」

 

「うんヤマト!」

 

「来るなあぁぁあ!!!」

 

 

 

 

-超戦艦の姉の方-

 

「さぁ、諦めてお姉ちゃんと呼びなさい!総旗艦命令よ!」

 

「拒否する!!」

 

「なんでー!!」

 

「当たり前だろ!アドミナリティーコードは無視だ!」

 

はぁ、全くいつになったらお姉ちゃんと呼んでくれるのかしらかれこれもう2時間以上追いかけてるわよ。

 

「ヤマト?トサが警戒してなかなか見つからないよ?」

 

「大丈夫よ超戦艦の演算能力を舐めない事ね?」

 

「さすがヤマト腹黒い」

 

「ムサシ?何か言った?」

 

「なんでもない……」

 

「明後日の方向を向いても無駄よ?ムサシも私のことをお姉ちゃんと呼んでくれるのかしら?」

 

「ヤマト、私ちょっと用事ができちゃって…」

 

「問答無用!」

 

「きゃ〜!トサ助けて!」

 

「ムサシ……貴殿の犠牲は無駄にしない」

 

「トサ!?裏切るつもり?!」

 

「……」

 

「トサ?トサ!?嘘でしょ?!」

 

「ムサシ?諦めてお姉ちゃんと呼んでくれる?」

 

「トサー!!薄情者?!」

 

ふふふ、とりあえずムサシからどうにかしますか?さぁ早くお姉ちゃんと呼んでムサシ?トサも早くお姉ちゃんと呼んでくれないかしら?ふふふふ。

 

「ヤマトが怖い、この際ムサシのことはどうでもいいとしても次は私だ……逃げるか」

 

「トサ?そこにいるのはわかってるわよ?早く出てらっしゃい?」

 

「……」そ〜ニゲロー(・ω´・lll))))

 

「ふふ?また逃げるの?」

 

「トサ〜助けて〜」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-トサ-

 

(とにかく逃げ続けていたから忘れてたが明日は大海戦が本来起こるんだった)

 

逃げ続けて気づかなかったが明日はアニメ版開始されるはずなのだもしこれが無ければ物語が始まらないほどの重要な分岐点だ。

だが、ヤマトとムサシは参加しなさそうだし色々と本来のストーリーから変わってきてるな。

 

「トサ?ついに私の事をお姉ちゃんと呼んでくれる気になったの?」

 

「薄情者?!よくも見捨てたわね?!」

 

「ちょっとその話は後にしてくれ」

 

「?何かあるの?」

 

「あぁ、明日霧の艦隊と人間の艦隊がぶつかり合う大規模な海戦が起こる」

 

「「……」」

 

「これをどうにかすることはできるか?」

 

俺はすぐさま霧の艦隊の総旗艦でありアドミラリティーコードの代弁者である2隻のメンタルモデルに聞いた。

 

「無理です」

 

「やっぱりか…」

 

「元々アドミラリティーコードによって人類を海から排除することは決まっているわ今更私達が言ったところでそれを覆すことはできないわ」

 

「仕方ないか」

 

「えぇ」

 

たった数時間程度では説得もできないだろうからな…仕方ないここはいっちょやるか。

 

「なら、明日の海戦は私だけでやりたい」

 

「え?トサだけで?」

 

「何を言ってるの?」

 

「簡単なことだ汚れ役は私一人で充分だ」

 

「で、でも」

 

「トサ、姉としてそれは認められません」

 

「認められないなら海戦に参加する霧の艦艇を全て沈めるぞ?」

 

「なっ!」

 

「そこまで…」

 

「もとよりそれが最善の選択だ。ここでできるだけ人類側の犠牲を少なくすることが重要なんだ」

 

「でもトサは?」

 

「私一人で行くから意味があるんだ、人類の心を徹底的にへし折って見せるさ」

 

「トサ…」

 

「頼む、行かせてくれ」

 

「で、でも」

 

「それに超戦艦2隻がこの惨状ではとても戦闘はできないだろ?」

 

「「やったのはトサでしょ?」」

 

「……細かいことは気にするな」

 

「これだけの惨状を細かいこととは言わないと思います」

 

「ヤマトの言うとうりだよ?」

 

「お姉ちゃん?許して?」

 

「……いいですよ(*^^*)」

 

「ちょっとヤマト!?流されないで!」

 

「ムサシ、諦めろ」

 

「トサだけには背負わせられないわよ!」

 

「そうだな、じゃあ2人の演算能力をいくらかこちらに分けて貰いたい」

 

「演算能力を?それだけ?」

 

「それで充分だ」

 

「わかったわよ」

 

「わかりましたでは霧の艦艇をできるだけ早く海戦の地点から離すことにします」

 

「頼んだ」

 

それから10分ほどすると2人は自身の戦艦に戻って行った。

船体を修復する際ナノマテリアルが足りなかったため2隻の超戦艦は合体し元の戦艦よりも一回りほど大きくなった。

 

「では行ってくる」

 

「行ってらっしゃい」

 

「頑張ってトサ」

 

「あぁ、明後日までには戻ってくる」

 

そして俺は国連軍最終決戦艦隊と呼ばれる人類の大艦隊の元に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-とある米空母艦長-

 

「艦長!敵大型艦接近!」

 

「飽和攻撃はどうなった!?」

 

「無駄です!未だ敵艦現在!!」

 

「敵ミサイル来ます!!!」

 

「CIWSの弾幕はどうした!」

 

「ダメですイージス艦のほとんどが戦闘不能!航行に支障はありませんがもう戦えません!」

 

「なんだと!」

 

「敵ミサイル来ます!!!」

 

「伏せろ!!」

 

-ドゴ〜ン-

 

「くっ!損害を報告しろ!」

 

「左舷格納庫大破!」

 

「甲板中央で艦載機が誘爆しました!!」

 

「くっ!ここまでか!」

 

たったの10分だ。

あの敵艦がこちらに攻撃を開始してから10分でこちらの艦隊戦力はほとんどが奪われた。

最初の攻撃からこちらは兵装を的確に破壊されていき艦載機にいたってはまともに接近すら出来ずに落ち葉のように落ちていった。

しかも奴はこちらの船にトドメを刺さずに戦力を保っている艦だけを的確に攻撃してこちらの戦力を削って行った。

このままならあと数分で我が艦隊は戦闘行為を行えなくなるだろう。

 

「人類に残された火力を持ってしても勝てないのか」

 

「艦長!後方に位置する中国艦隊が撤退を始めました!」

 

「……もはや我らの敗北だ。少なくともあの敵艦は戦闘不能になった船は狙ってない、生存者を回収しだい撤退するぞ!」

 

「は!」

 

「……人類はもはや海を失った。残存する艦艇ももうまともに航行すらできないだろうな……」

 

俺は撤退して行く中国艦隊が攻撃を受けるさまを他人事のように眺めながら呟いた。

 

 




アンケートです。

次登場するメンタルモデル

  • コンゴウ
  • カガ
  • フソウ
  • ヤマシロ
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