時系列はトサが目覚めた時よりも前、大海戦の11年前に前世のクラスメイト達も転生を果たしていた。
皆白い空間で男に願った通りの能力や特典をしっかりと持った上での転生だった。
あるものは美しい容姿、またあるものは経済的な優位そして魔法やスキルと言った物理的な力。
人の範疇に収まる程度の能力とは言え普通の人間や既存の兵器からしてみれば十分すぎるほどのチートであった。
だが、皮肉なことにこの世界は【蒼き鋼のアルペジオ】つまるところ生身の人間では絶対に勝てない(同じ霧の船を使うことでやっと戦える)霧の艦隊が大量に世界の海を覆い尽くす世界だ。
いくらそんな能力を持っていたとしてもミサイルの飽和攻撃や超重力砲の制圧攻撃で一瞬で死に至るだろう。
つまるところ、人間の中では最強だろうが所詮は人間の中、井の中の蛙大海を知らずとはよく言ったものだ霧の艦隊からしてみれば誤差に過ぎなかった。
だが、皮肉なことに転生してから10年程度は霧の艦隊の存在は影も形もなく彼らの多くは増長した。
地球温暖化と言う問題はあったが所詮それだけ個人としての問題はほとんどない。
そう彼らは考えた、大海戦から始まり人類から海が奪われていく時まで彼らは自分は選ばれた人間だ優れた存在だと付け上がって言った。
傍から見れば慢心にほかならず正気には見えないが皆そう考えた。
そして、霧の艦隊が目覚めた時彼らは自分が井の中の蛙だったことに気づいた。
だが時すでに遅し、霧の艦隊は大海戦の終了後あっとゆう間に勢力を拡大した。
転生後、彼らはあらゆる手段を使い転生者だけで特殊なネットワークを形成していたがそのネットワークもあっとゆう間切断され次々と孤立して行った。
また、1部の人間たちは集まり霧の艦隊に攻撃を仕掛けたが魔法やスキルといった強力な能力も霧の艦隊には大して聞かず、クラインフィールドで防がれる始末だった。
ここまでなら良かったが霧の艦隊はこの攻撃に大してミサイルによる飽和攻撃を開始転生者達はすぐに逃亡したため攻撃を受けることは無かったが霧の軽巡洋艦の攻撃により港町は文字通り地図から消滅した。
そこに住む7000人程の人々と共に、これを気に転生者達は霧の艦隊への攻撃を中止し全員の合流を第一目的とし横須賀に集結することになった。
日本国内にいたもの達はすぐに集まることに成功したが海外にいたもの達は海を完全に閉鎖されてることもあり合流を断念海外は海外で近くのものたちで集まることになった。
逆に孤立したものたちは悪戦苦闘しながらも自らの転生特典を最大限活用し横須賀に向かった。
-光希-
「で?どうするんだ光希?」
前世でクラスの担任を勤めていた秋山先生が俺に聞いてきた。
俺は今では同じ年になってるとは言えこの人のことが苦手だ俺が言う正義を真っ当から否定して悪人(本当は悪くない)を庇うこの先生が嫌いだった。
だが、今はそんなことを言ってる暇はない。
横須賀に集まってる転生者達はみんな俺の言葉を待っている何がなんでもこの状況を打開しなければ行けない。
「それにしてもこの世界にあんな無茶苦茶な存在がいたなんて……」
俺は手元にある資料に視線を移した。
霧の艦隊
第二次世界大戦の軍艦の姿をした兵器達。
その中身はオーパーツの塊であり現存する兵器では一切傷を付けられない。
艦種は上から
超戦艦級・トサなど
大戦艦級・コンゴウ、ヒエイ、キリシマ、イセ、ヒュウガ、ハルナなど
海域強襲制圧艦級・アカギ、カガ、ショウカク、ズイカクなど
重巡洋艦級・タカオ、アタゴ、マヤ、チクマ、アシガラなど
軽巡洋艦級・ナガラ、オオヨド、テンリュウなど
駆逐艦級・カゲロウ、フブキ、アキズキなど
潜水艦級・多数
が確認されている。
現状実際に大規模な海戦を行ったのはトサのみで大海戦の際は単艦で人類の艦隊を殲滅した。
他の船とは小規模な争いを繰り返しおりほとんどがすぐさま沈められるため戦力把握は現状不十分。
戦力としては重巡洋艦級1隻で国ひとつを落とせる程で人類ではどうやっても反撃は不可能である。
「……こんな無茶苦茶な存在にどうしろと?」
「たしかにな…」
「それこそ宇宙戦艦でも持ってこなきゃ無理だぞ?」
「そんなもんある訳無いだろ?」
「だよな…」
「こうゆう時にこの世界について知ってる人間がいれば良いんだが土佐は転生してから一切連絡が取れないからな……」
「それにしても超戦艦はどれ程の力を持ってるんだ?」
資料の中に書かれてる超戦艦の能力としては手加減した上で人類最大の艦隊を殲滅、いくら攻撃を受けても傷一つつかない。
少なくとも地形を大幅に変えるレベルの攻撃力を保有している。
「とてもじゃないがどうこうできる存在ではないな」
「それをどうにかするために集まってるですよ!」
「そう言われてもな……」
俺としても心苦しい。
何も出来ない自分を不甲斐なく思ってしまう。
だが、これほどの存在で対話は現状不可能、さらに明確な欠点がないと来た。
こんな存在をどうしろと?俺の転生特典は勇者の力だ、強力な魔法や聖剣を持ってして敵を打ち砕く力だ。
やろうとすればイージス艦を真っ二つにできるがそれでも霧の艦隊の船たちには大した損害を与えられないだろう。
「光希!」
「どうするんだ!」
「俺たちどうすれば?」
「みんな落ち着いてくれ。今から言うことをよく聞いてくれ」
そして俺は前世のクラスメイト達に霧の艦隊の戦艦や能力について語った。
反応はだいたい3種類に別れた。
霧の艦隊を恐れ絶望したもの、逃げようとしたもの、そしてどうにかして戦おうとするものだった。
俺はみんなに向けて言った。
「みんな!俺は戦おうと思う!」
「み、光希?でも霧の艦隊は私たちの転生特典よりも強力なんだよ?」
「それでもこの世界の人々が傷ついてるなら戦って少しでも多くの人を救って現状を良くするべきだ!」
「た、確かに」
「苦しいのは俺たちだけじゃないしな!」
「私は光希について行くよ!」
「やってやるよ!」
「みんな…」
みんなの反応はほぼ全てが好意的に受け止めてくれた。
だが、それに反する意見もあった。
「光希、それは俺たちに戦って死んで来いってことか?」
「なっ?どういうことだい?」
「文字通りだ、霧の艦隊の力は強力だ。それと戦うってことは死ぬ覚悟がないととてもじゃないが無理だぞ?」
「だ、だけど、苦しいのは俺たちだけじゃ、」
「それで俺たちが死んでどうするつもりだ?」
「そ、それは……」
「ちょっと先生!光希を責めてどうすんですか!」
「俺は責めてないただ辛い現実を見せてるだけだ」
「で、でも……」
「とにかく俺は降りるぞ。とてもじゃないがお前たちに付き合ってたら命がいくつあっても足りん」
「先生!」
「なんだ光希?」
「先生がどう思おうと俺はやってみせます!そして先生の考えも正してみせます!」
「……そうかよ、ならまず土佐が姿を見せない理由を考えたらどうだ?少しは成長できるぞ」
「土佐?なんで彼が出るんですか?」
「それも分からないうちは無理だな、じゃあなまたいつか会おう」
そして先生は去っていった。
残された俺たちはしばらく唖然としていたがすぐに気を取り直して戦うための話し合いを始めた。
結局、ほとんどは軍に所属して人類のため霧と戦うことになった。
その第1歩として士官学校に通い軍の士官となって人々を率いることになった。
さらに1部は政治の道や兵器開発に進んでいくことになり俺たちの霧への反攻作戦が始まった。
「俺たちの戦いはこれからだ!」
「「おぉぉおお!!!」」
次登場するメンタルモデル
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コンゴウ
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カガ
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フソウ
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ヤマシロ