特訓後のベルのステイタス
Lv1
力 :SS1114→SSS1392
耐久:SSS1333→SSS1463
器用:SSS1251→SSS1392
敏捷:SSS1410→SSS1500
魔力:A880→S1086
《魔法》
【ファイアボルト】
・速攻魔法
《スキル》
【妖精恩寵クロスシィ・グレイス】
・早熟する
・想いを紡ぐ限り効果持続
・想いを紡ぐほどに効果向上
・条件を満たせばこのスキルは昇華される
ベル・クラネル
Lv2
力 :I0
耐久:I0
器用:I0
敏捷:I0
魔力:I0
幸運:I
《魔法》
【ファイアボルト】
・速攻魔法
《スキル》
「ほら、これが今の君のステイタスだよ」
「すいません。神様も疲れているのに…」
「いやいや!僕は君がこうして起きてくれただけで満足だよ!……まあ、起きて最初の一言が『ステイタスを更新してくださいっ!』だったのはちょっと驚いたけどね…。もっと休んでいいんだよ?」
ベルが気絶してから約二日。その昼時にベルの意識は回復した。あの壮絶な負傷から二日で回復したのはベルの耐久力か、それとも仲間たちの必死の献身あってが故か。
「それにしてもランクアップかあ……。早いねぇ……」
どこか焦点の定まっていない目で天を仰ぎ見るヘスティア。まあ天には
「まあまあ、それだけ君の見る目があったって事どうだろう」
「オベロンくん…」
ゆっくりと台所から姿を現すオベロン。その手には
「何から何まで本当にすいません…!」
「はは、いいよいいよ。それよりも、二人共ランクアップ初心者だろう?ここは先達として色々とレクチャーしてあげよう」
「は、はい!お願いします!」
久しぶりのご飯を口に運びながら、何故か隣に座る神様と共に聞く姿勢に入る。
「まず、ランクアップといえば器自体の昇華が主な効果だね。スキルや魔法とか、色々と要因を除けばレベル差というのは絶対的なものなんだ。例えば、恩恵を貰う前に鍛えに鍛えた人間と、まっったく何もしなかった人がいるとしよう。それが恩恵を受けて、全くおんなじ道筋を辿って同じアビリティになった。そしてこの何もしなかった方が先にランクアップしたとしよう。さてベル、どっちが勝つと思う?」
「えっと、普通なら、先に鍛えてた人の方が強いと思うんですけど……その言い方だと違うんですよね」
「そう。そうなんだよ。だから基本的に自分より上のレベルに歯向かう冒険者はいないし、皆貪欲にレベルを上げたがるんだ」
オベロンさんはどこか複雑そうな顔で指揮をとる。なるほど、文字通りレベルが違うのか。と内心で納得する。
自分より格上の冒険者には山程出会ってきたけど、その指標までは実はよく分からなかったのだ。こんなことをエイナさんに言ったら今度こそ丸一日勉強タイムになってしまう。
そこでふと、ある疑問が頭を掠めた。
「あれ、でもそれならそのレベルの時のアビリティって意味ないんじゃないんですか?だって、レベル1の時にステイタスで勝ってても、先にランクアップされたら全部ひっくり返されちゃうんじゃ……」
神様に渡された写しに目を落とし、全てのステイタスが0になった事を指して言う。それなら自分をただ鍛えるより、レベルアップに最低限必要なくらいに鍛えて、レベルアップ出来そうな所に連れ出してもらえれば、それこそ大手派閥なら強い冒険者を輩出できる。
「いい着眼点だ。そう、ランクアップは基本の自力は非常に増すんだ。だが、注目してほしいのは増す、という部分だね。君のステイタスは全て0になっているからそう思うかもしれないけど、実は前のレベルの時のステイタスはそのまま引き継がれるんだ。これはもっと先のレベルになっても同じ事。だから戦力に余裕のある派閥なんかはランクアップ可能になってもそのまま鍛える…なんてのもあるよ」
な、成程……。ただただランクアップをすれば追いつけると思っていたけど、実際はもっと目に見えない力が関係してるのか…。
「はいはい、それじゃあ次。といってもこれが最後なんだけど、『発展アビリティ』の発現だ」
発展アビリティ。それは既存の『基本アビリティ』に加えて発現する能力だ。
発現するタイミングは【ランクアップ】時。レベルが上がるたびに【ステイタス】に追加される可能性がある特殊な能力の事だ。あくまで可能性がある、というだけでそれに足る経験を積んでいなかったら追加されない事もあるらしい。
「僕のは『幸運』ですよね。『耐異常』と『狩人』は知ってましたけど、これってどんな効果なんでしょうか?」
「さあ?」
「さあっ?て君…」
僕は神様やオベロンさんの助言、見たことがないというレアアビリティらしいこれを選択したが、結局の所効果は分からないらしい。……やっぱり、直接戦闘に関わる方がよかったかな…?
「ま、まあ冒険者に必要なのは幸運だからね。クエストでも依頼品は運頼みのドロップアイテムや希少種が多いからね。他にも……ほら、生き残る運とか…かな?」
「せめてちゃんとフォローしてくださいよぉ…」
それと同時、お粥のようなものも食べ終わり、寝たきりだった事による身体のだるさも軽くなってきた。
「そうそうベルくん。ランクアップしたのはギルドに報告しなきゃいけないんだけど……今から行くかい?僕もついていってあげようか?」
「そう……ですね。早めがいいと思いますし、今から行ってきます。神様も、出来れば一緒が嬉しいです」
「!おお、ベルくんが積極的に…!よし!さあさあ今すぐ行こうじゃないか!!」
何故か興奮した面持ちで僕を引っ張って行く神様。オベロンさんに視線で助けを求めたが、にっこりと笑ってスルーされた。くそぅ!
「…行ってきます!」
「ああ、いってらっしゃい」
ヤケクソになって投げかけた言葉にも、彼は優しく返すだけだった。
◆◆◆◆◆
「ベル様ー?いらっしゃいますか?」
「おや、君はベルのサポーターの…」
「…こんにちは、オベロン様」
ベル達が出てからほどなくして、小柄な
この少女はベルによって救われ、その成り行きからファミリアに隠れてベルのサポーターとして活動している。そして狼人というのも、元ファミリアの仲間にバレないように魔法で姿を変えているだけだったりする。
「ベルなら少し前に覚醒してギルドに行ったよ。聞いて驚かないでくれよ?なんとランクアップしたんだ」
「ランクアップですか!?い、いえ。確かにベル様はレベル1にしては強すぎると思っていましたが……そうですか」
驚嘆と同時、ほっと安堵した様子で胸を撫で下ろすリリルカ。やはり心配だったのだろう。
「ところで君、時間は大丈夫なのかい?確か居候しているところでの仕事があったと聞いているけど」
「あ、それは大丈夫です。今はベル様の介抱のためにと時間を作ってもらいましたから」
「それはすまない。貴重な時間を取らせてしまったのにね」
「いえ、オベロン様が謝ることではありません。それに、ベル様が起きたというのなら喜ばしい限りです。更にはランクアップもしたとなれば。宴会にはぜひリリも呼んでください」
そう言って、もと来た道を引き返そうとするリリをオベロンは引き止めた。
「まあまあ、折角来てくれたんだ。ここは一つ、お茶でもどうかな。……ここだけの話、【ソーマ・ファミリア】の動向がキナ臭い。君にも注意を呼びかけたくてね」
「っっ…それは!……分かりました。では、お言葉に甘えます」
早速とばかりに席を用意し、最近買い直したばかりのティーカップに紅茶を注ぐ。たちまち温かい湯気が昇り、紅茶独特の風味豊かな香りが地下室内に立ち込める。
狼人の種族特性である鋭敏な嗅覚で以ってそれを嗅ぎつけると、僅かにだが顔を歪めた。
「おっと、紅茶は苦手だった?」
「……いえ、嫌いではないです。ただ、あまりその様な機会がなかったもので…」
顔を伏せ告げる。その雰囲気に何かを感じ取ったのか、オベロンは黙って着席する。
「それで、【ソーマ・ファミリア】のことなんだけど、彼らの行動指針が変わり始めているのは知っているかな?」
「いえ……。それが、どうしたのですか?」
「君も知っての通り、あのファミリアは実権を団長のザニスが握っている」
ザニス・ルストラ…。【ソーマ・ファミリア】をあんな肥溜めにし、弱者を甚振り甘い汁を吸う男。あの下卑た笑みを思い浮かべるだけで当時の記憶が、汚い冒険者の所業がありありと思い浮かんでくる。刷り込まれてしまった恐怖をなんとか抑え込み、何てことない風に受け流す。
「彼等、といってもザニスとその取り巻きだけしか知らない事だけど……
「なっ…!?」
「落ち着いて、まだ可能性だ。最近、モンスターをどこかへ売りさばこうとする意思を見せ、そのブローカーもいると話していた。ああ、どこで聞いたのか、とかは詮索しないでね。それで探ってみたら…当たり。似たような動きを見せていたのは【イケロス・ファミリア】だ」
「【イケロス・ファミリア】…?」
聞き覚えのない派閥名に首を傾げる。いや、実際には聞いたことはある。だが活動記録はなく、注目するほどのものではないと思っていた。
「今の若い人たちはあまり知らないか。【イケロス・ファミリア】はかつて探索系ファミリアとして名を馳せていてね。なんとレベル5の団長とレベル4の構成員がいる。過去には深層にだって乗り出したこともある、名実共に一級のファミリアさ。でも最近は拠点も蛻の殻だし、活動記録もない。ギルドも疑っている所のが現状だよ。……ただ、ギルドの定めている等級はBだけど……多分、いや確実にA相当はあるだろう。そして一番肝心な部分。この【イケロス・ファミリア】はまず間違いなく闇派閥と懇意になっている」
「な、何で…!?」
思いもよらない大物の影がちらつき始め、その驚異に驚き戸惑うことしか出来ない。
そしてもし、リリが【ソーマ・ファミリア】所属というせいで、ベル様にその被害がいったらと思うと……。
見る見るうちに青ざめるリリにこれはマズいと思ったのか、あくまで予想だと重ねて述べる。
「すまない。怖がらせすぎてしまった。安心してとは言えないが、ザニスの独断だということは分かっているし、まだ事に移してはいない。それに…これは幸いと言っていいのかは分からないけど、多分【イケロス・ファミリア】は【ソーマ・ファミリア】なんてどうでもいいと思ってる。行方をくらましている君や、ベルが巻き込まれる。なんてことはまず無いよ」
そうは言うが、可能性があるだけでも警戒に値する。そして、どうしてこの男はこれほどまで知っているのだろう。今の台詞から、ギルドですら把握していない情報の筈。ましてや闇派閥と関わる極悪ファミリアの現状を知っているのも、そしてそれを何故リリに言うのかすら分からない。
まさか、この男は闇派閥の――
「いいや、それはないよ」
「っ!?な、なんで」
にべもなく否定される。顔を上げ目と目が合う。その瞳の輝きは不思議な魔力を放っており、さながら神達のような超越存在か何かと勘繰る。
「いやいや、今の君の顔を見たら誰だって分かるさ。ともかく、僕は闇派閥じゃないよ。神にも誓える。なんならヘスティアの前で言ってもいい。君に言った理由は僕なりの親切心ってやつだよ。……まあ、余計に疑わせてしまっただけに終わってしまったけど」
どこか憂いを帯び、淋しげに伏せてしまった目に、リリでは計り知れないほどの歴史を感じた気がした。
「とにかく、頭の片隅にでも置いてくれれば嬉しいよ。あの二人は甘過ぎるきらいがある。あ、いや、悪いとは言ってないけどね。現実は物語みたいに都合のいいことばかりじゃない。今の所、君がそのストッパーになれるだろうからね。そういう
「は、はい。分かりました」
「うん。良い返事だ。僕は経験だけは一丁前だと自負しているからね。君のような清濁併せ呑む人がお人好しには必要なのさ。それに、どうしようもないくらいに困ったら、ベルも言ったようにこのホームにくるといい。これでもコネは結構持ってるのさ!」
ヘスティア様と同じく、隠しきれない優しさを滲ませて微笑むオベロン様。どこかあどけないような笑みを、大人の雰囲気を身に纏う不思議なヒト。
(リリの杞憂……でしたね。ベル様のお仲間を疑うなんて、少し疑心暗鬼になりすぎていたようです。だって、あれほどまでベル様たちのことを気にかけているのですから)
「では、失礼しましたオベロン様。お紅茶、美味しかったです。ベル様にはリリが祝っていたとお伝え下さい」
「ああ、さようならリリルカ。また来るといい」
手を振ってリリを見送り、その姿が完全に見えなくなったところでオベロンは溜息をついた。その顔はただひたすらに無。何の関心も興味も抱いていないそれであった。
「いやあ、まさか鼻のいい狼人の姿とは思わなかった。そうと知ってたら無臭のを用意してやったのに」
まあ、あんなのどうでもいいからね。
面白かったら是非遠慮なく感想評価を投げてくださいませ。モチベが上がります。
道具作成:A+
なんにちもなんにちも何もたべていない虫がいました。虫はずっと我慢していたのです。そんな虫の目の前に、美味しそうなお菓子が入ったバゲットがありました。虫はどれくらいたべたのでしょう?
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たべていない
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