腐れろ夢よ。終われよ世界よ   作:食卓の英雄

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You Tubeに卑猥認定されたアーチャー来ました!
モレーちゃんはシテ塔に埋めてもいいらしいですね。
アンケートは本日18:00に投票終了です。
……イベント、してました。はい。スマホ投稿なので、書きながら周回とか出来ないんですよね。はい。

・追記
この話は前話から少し時間が飛びます。理由として、怪物祭ではベルがシルバーバックを普通に倒してしまうので…。つまり見所さんが皆無なんですよね。オベロン関わってませんし。


嫉妬と殺し合う者

 暗い部屋だった。

 光源は壁にかけられた小型の魔石灯一つのみしかなく、隅には影が溜まっている。石の香りも匂う陰湿な室内を彩るのは金属とともに加工された水晶の品々。壁や天井から伸びるそれは仄かな光を反射して時折蒼く輝いていた。

 蝋燭の火のような微弱な光に照らされるのは、赤い絨毯、木編みのかご、小棚に、粗末な作りの寝台だ。

 

 その壁に明かりに照らされた虚像が浮かび上がる。

 影の正体は女。男ならだれしもが飛びつきたくなるほどの美しい曲線を描く体。張りのある大きな双丘は劣情をかき立て、くびれた腰となだらかな臀部も含め、男の理想を詰め込んだ様な肢体を持つ女だった。

 

 女の側にはもう一つの影が伏しており、引き締まった体の屈強な男だった。周囲には男の物と思われる衣服と装備が転がり、同じく裸を晒している女と見て、褥を共にしている様にも見えよう。

 

 しかしこれはそのような男女の甘い話ではない。

 男の首にはくっきりと女の細い五指の跡が残されており、座りのない頭部から、完全に折られている事が確認出来る。男の状態からしても、碌な抵抗が出来なかったのは明らかだ。

 燃えるような赤い頭髪を持つ女は、たった今縊り殺した男の死体にも目もくれず部屋の隅へ向かう。

 

 そこにぽつりと安置してあるのはこの男の荷物(バックパック)。無遠慮にこじ開け、しばらく中を漁っていると……女の手は止まった。

 

「……ない」

 

 忌々しそうにそう呟いた後、ちッと大きな舌打ちを放つ。

 強く歯を噛み締め、ギロリと男の亡骸を睨みつける。女は湧き上がる苛立ちを抑えもせず、乱暴に死体へと歩み寄っていく。

 もう一度強く鋭い視線を男に送り、そして――

 

――グシャッ。

 

 男の頭部が柘榴の様に弾け、鮮血と脳髄を撒き散らし、部屋を真っ赤に染め上げた。

 

 女は癇癪を起こした様に立ち上がると、もうこの場に用はないと歩を踏み出す。その拍子に男の遺品である黒いフルフェイスの兜が床に転がる。

 その先に、いつの間にか新たな人影が現れていた。

 

「いやぁ、派手にやったね。君らしくない」

 

 女は突然現れたそれに警戒の色を示すも、すぐに正体を把握。しかし嫌悪と苛立ちまでを抑える気はないらしい。

 

「……貴様か」

「待った待った!僕はちょっと手伝いをしようかなと思ってるだけで」

「何…?」

「君は宝玉を回収しにきたそうだけど、この様子じゃやっぱり失敗してる様だ。そりゃそうさ。大事な代物を一人に預けるのも馬鹿らしい。勿論、一強者が厳重に警備をするってのもあるけど………。まあ、この程度(レベル4)じゃあね」

 

 中々本題に入らない男に苛立ちを強める女。並の者ならば泡を吹いて卒倒しても可笑しくないそれを飄々と受け流す。

 

「そうだね。うん。本題に移ろう。今現在僕は宝玉の位置と所有している人物も把握してるさ」

「ならばそれをさっさと…!」

「まあ待って。続きがある」

「チッ…早く言え」

「冒険者の中、ロキ・ファミリア所属、レイピア使いの金髪の女剣士。彼女は『アリア』だ」

「―――ッ!?」

 

 女の目が今初めて驚愕に剥かれ、怒号と共に真偽を問おうと掴みかかるが、外が騒がしくなってくる。

 

「……っ!…仕方ない。今はお前の思惑に乗ってやろう」

「はは、そうしてくれると有り難い」

 

 男を放すと、再びローブを被り直した女は急いで出口へと向かい、猛スピードで駆け出した。

 残された男は服の皺を手で伸ばし、男を一瞥する。

 感情を灯さないその瞳は無言で死体の側に立つ。除くように屈み込み、変貌。

 左腕が異形の様相を見せ、一貫。深く突き刺さった腕を引き抜くと、赤黒い何かが抜き取られた。

 

「まぁ、お土産程度にはなるかな」

 

 つまらなそうに呟き、今度こそ男の姿は消え去る。最早彼らがいたという痕跡すら残ってはいない。

 ただ、頭部を潰され心臓の無い死骸と、血で鮮やかに彩られた部屋が残されただけだった。

 

 

 

 

♢♢♢♢

 

 

 

 

 今年の怪物祭から二日。

 モンスターが逃げ出し、都市の東方面が阿鼻叫喚の騒ぎになったというのに、街は既に元の雰囲気を取り戻しつつある。

 それは勿論冒険者たちも同じ事。

 今日も今日とて冒険者たちの足が途絶える事はなく、それに応じてギルドの手も休まらない。

 

 纏めてしまえば、冒険者関係は概ね普段どおりと言う事だ。

 それは当然、都市最大規模の派閥【ロキ・ファミリア】とて同じ事。

 

 先日のフィリア祭で壊れたアイズの武器の為だ。第一級冒険者が扱う武器ともなると下手な家よりも高価になる。それ程の額を効率よく稼ぐとなると、やはりより深い層での冒険しかないだろう。

 よって、仲間を集っての個人的な迷宮探索(ダンジョン・アタック)。メンバーは団長のフィン。副団長でハイエルフのリヴェリア、ヒリュテ姉妹にアイズ。最後にレフィーヤだ。

 レフィーヤ以外は全てLv5以上という豪華なパーティーとなっている。そのレフィーヤも、魔法攻撃力ならばレベル以上のポテンシャルを持っているので、一概に格下とも言えない。

 

 18階層、『迷宮の楽園(アンダーリゾート)』とも呼ばれる安全階層(セーフティポイント)。一行はより深くもぐる為にここ、リヴィラの街に立ち寄っていた。

 

 水晶は美しく輝き、幻想的な空気を醸し出しているのに対して、街は冒険者たちの粗暴な野次や喧騒に塗れ、その様な静謐さとは無縁の騒々しさに溢れかえっていた。 

 

 というのが、普段の様子なのだが……いついかなる時もえてして事件というものは起きる。

 リヴィラの街にて、殺人事件が発生。頭部を潰され胸に穴が空いた無惨な死骸となった被害者はオラリオでも有数の上位派閥【ガネーシャ・ファミリア】の団員。名はハシャーナ・ドルリア。レベル4の第二級冒険者だった。

 そこからの判断は早い。街の元締めであるボールスやフィン達の呼びかけが行われ、今やリヴィラの街は容疑者を確保し、逃さないための檻と化す。

 

 そんな折、アイズはこの場から離れていく犬人の少女を捉える。その顔は恐怖と焦燥に満ちており、ひっそりと逃げ去るさまはいかにもといった様子。

 

「――行こう、レフィーヤ」

「は、はいっ」

 

 その不審の身を放置する選択肢はない。

 声をかけ、急いで少女を追いかける二人。―――後から追い来る影には、未だ気づいていないらしい。

 

 

―――…

 

 天井の中央に生える無数の白水晶が発光を止め、共に周囲の青水晶が光量を抑える。今までが真昼のように明るかった景色は鳴りを潜め、僅かな青い燐光を纏う暗闇に覆われようとしていた。

 

 結果として、少しのチェイスの後にアイズとレフィーヤは件の少女を捕まえた。彼女達の勘は見事的中し、ルルネ・ルーイと名乗った少女が事件の鍵となるアイテムを所有していた。

 胎児のような不気味な依頼品を預かり、フィン達の元に戻ろうとした途端、街から長大な影が姿を現す。

 

「あ…あれは…」

「な、なんだよこれ」

 

 白と青の水晶の煌めきを放つ街並みが、モンスターの群れに蹂躪されていく。モンスターはあの時の食人花。最早数えることが億劫になる程の数が一斉に攻め入っていた。

 街の壁もにゅるにゅると登る食人花にはなんの効果も成さず、黄緑色の壁がもぞもぞと蠢いている。

 

「街が、モンスターに襲われてる」

 

 普段から感情の希薄な顔に険がつく。

 冷静に見ると、都市内の冒険者はうまく連携して手際よく応戦しており、時折突出した銀のきらめきはきっとティオナ達だろう。

 

 努めて冷静に思考し、広場へと戻る事にした。激戦地ではあるが、間違いなくそこが最も安全に違いない。レベル6が二人に、レベル5が二人。冒険者の数も多い。これが突破される様な場所であれば、そもそも殆どの冒険者は死に絶えている。

 

「わ、私達も合流…っ!?」

『オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!』

 

 しかしそうは問屋が卸さない。彼女達を阻むように食人花が進撃。大木が蛇の様に蠢く。濁流さながらの勢いで迫る緑色の体。

 大口を開け、進行方向の全てを噛み砕かんという食人花は、飛び出したアイズにより止められる。

 気がつけば他の食人花も迫りつつあり、レフィーヤは撤退を余儀なくされる。

 

「はっ!…行って、レフィーヤ」

 

 アイズを残していくのは悔しいが、この食人花のモンスター達の能力値はLv3クラス。更には魔力に反応して襲いかかる生態のせいで、純粋な魔導師型のレフィーヤがこの場にいたところで、詠唱の開始と同時に、生け簀に投げられた餌の如く貪られてしまうであろう事は想像に難くない。

 勿論、その方がアイズの負担は重くなってしまう。残されたのは、アイズでは運べない重要参考品を一刻も早く届け、支援の可能な街中での戦闘である。

 

「はっ…はっ…!」

 

 悔しさに顔を歪ませ、ルルネを連れて走る。入り組んだ水晶に二人分の足音が響き、薄明るい燐光が仄かに彼女達の顔を照らす。

 

「なっ!何だ!?爆発!?」

「あれは…リヴェリア様の!」

 

 大爆轟が立ち上る。蒼然とした闇に包まれてたリヴィラの街の上空が真赤に染まり、夥しいほどの火花が降りしきる。

 直後、冒険者たちの歓声も上がり、自らの師が多くのモンスターを撃破したことを悟る。

 

 街が、空が燃えるように緋色に染まる中、自分たちの視線の先、水晶の路の中央に一つの影を発見した。

 手足の先から胸元までを厚い黒鎧に包まれた、男性冒険者。首にはボロ布の様な襟巻きをし、頭には兜を被っている。

 

「とっ、止まってくださいっ!?」

 

 その冒険者に、レフィーヤは薄ら寒いものを覚えた。咄嗟に杖を翳し、注意を促すものの、黒鎧の冒険者は一切の反応もせずにゆらりと近づく。

 瞬間、姿がブレたかと思えば喉元を掴み取り、軽々と持ち上げる。相手に対する思慮など欠片もない乱雑なそれは、刻一刻と息の根を止めにかかる。

 

 レフィーヤは藻掻くが、まるで地面奥深くにまで根を張った大樹を引いているかと錯覚させる程だ。レフィーヤの抵抗は首を絞める力を緩める事は出来ず、相手の気を害し、より一層の力で握りつぶそうと食い込んでいく。

 

 正気を取り戻したルルネが飛びかかるも、反対の腕で薙ぎ払われ、鞠の様に吹き飛んだ。

 

「あ…か、ひゅっ…」

 

 喉から吃音が漏れ、視界が明滅する。宙を掻いていた腕は抵抗する力を失い、真下にだらりと垂れ下がる。

 

――銀色の風は未だ来ない。

 

 悲痛に拡げられた眦からは涙が伝い、何かを訴えようとする口は泡を吹き始めていた。キツく締め上げられた首にはくっきりとと五指の跡が刻みつけられ、彼女の赤いスカートにじわりと染みを滲ませる。

 

 もう終わりかと、(ハシャーナ)にそうした様に、レフィーヤの首を粉砕する。

 

「させない」

「――――!?貴様っ、何もがっ!??」

 

 突然隣に現れた存在、自らの腕を掴んでいるそれに目を剥き、瞬間、右腕に走る激痛。

 

(馬鹿なっ…!)

 

 ゴキリと、握り潰される腕。誰がどう見ても折れていると判断できるそれは痛々しく腫れ上がり、まるで新たな関節が増えたよう。

 

 今まで保っていた余裕をかなぐり捨て、咄嗟に跳ぶ冒険者。否、今の行動により顔の生皮は剥がれ落ち、本来の端麗な顔立ちと赤い頭髪があらわになる。

 女――怪人レヴィスは灰ローブの下手人を睨みつける。しかし、当の灰ローブはこちらの事など眼中にないかのようにレフィーヤの状態を確認する。

 

「ごっ…!げほっげほっ!はっ…はっ…!」

 

 何度もえずく様にしてレフィーヤは意識を取り戻す。気分としては最悪だが、助かった。涙で歪んだ視界の中、灰ローブの人物を見る。その姿はこれでもかというほどに隠されており、目元まではフードで覆われ、青いマフラーで口元も隠され、僅かに露出している鼻先も覆面で伺えない。

 その人物は倒れたルルネへと近づき、へたり込むレフィーヤの側へと下ろす。

 

「あ、あのっ…あなたは一体…」

「………」

 

 ローブの人物は答えない。ただ無言で首を振るのみだ。

 そこに、猛烈な勢いと共に躍りかかるレヴィス。最早邪魔な黒鎧は脱ぎ捨て、自らの最高速を保ち、渾身の力を込めた一刀を振り下ろす。

 

「危ないっ!」

 

 レフィーヤは咄嗟に警告する。しかしその声が届いた時には既に肉薄しており―――

 

「…何…だと……!?」

「………」

 

 レヴィスに出せる現状最大の一撃。対する相手は防御姿勢を取るまでもなく、ただそのままに刀身を掴みとっていた。それだけで勢いは殺されたのである。

 いち早く驚愕から立ち直ったレヴィスは剣を抜こうとするが、全力で引いても微動だにしないそれはさながら大地の様な力強さを想起させる。

 

「くそッ…グアッ!?」

 

 引き抜けない事を悟り、手を離した時にはもう遅い。裏拳が眼前に迫り、いくつもの水晶塊を割りながら真横に吹き飛ばされていった。

 

(…強い)

 

 近接戦闘に明るくないレフィーヤにも理解できた。今の赤い髪の女は最低でもレベル5以上のポテンシャルはあった。恐らく件の事件の犯人である事は疑いようもない。

                                         

 あれほどの力の差、恐らく最低でもレベル6以上。しかし、自分の知っている実力者の誰とも一致しない。

 …ならば、この人物はナニモノか。

 

 そこまで至り、次の瞬間にズタズタにされた緑黄色の触手と、金髪の剣士が舞い降りる。

 

「レフィーヤ!」 

「ア、アイズさん!」

 

 文字通り飛び込んできたアイズに、レフィーヤは破顔する。安堵したのも束の間、ローブの人物への弁護を図ろうとし、その人物が消えている事に気付いた。

 

「これは、一体…?」

「殺人鬼が出ました!多分、ハシャーナさんを殺した人です!」

 

 アイズは瞠目する。何故封鎖してある筈の街から逃れる冒険者がいたのかと、第一級冒険者にレフィーヤは無事なのかと。

 それを問おうとすると、瀕死だったはずの食人花が吠えた。

 道と水晶ごと三人を捕食しようと進撃し、アイズは魔法(エアリアル)を使用。二人を抱えて回避する。ここで迎撃したとして勢いまでは殺せず、気絶しているルルネに被害が及んでしまうからだ。

 

 しかし、それが良くなかった。

 

『オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!?』

 

 既に死に体だった食人花が絶叫を上げる。

 吹き飛ばされた先が悪かったのか、長駆の一部に刻印の様に取り付くのは依頼物の胎児。食人花と同化するようなそれはやがて変化が始まった。

 

 その異様な光景に言葉を失う。

 肉が隆起し、変化していく食人花は悶え苦しみながら地面に躯体を叩きつける。神秘の筺であるダンジョンにおいても、常軌を逸している。

 戦慄の眼差しで見つめる最中、胎児が寄生した箇所から何か、人の身体のような物が盛り上がる。それはさながら羽化する蝶々の様で、体皮を突き破り現れる。

 

『―――――オオォッ!!?』

 

 食人花、いや、食人花であったそれは絶叫を上げ二人へと襲いかかる――。

 

 

 

―――…

 

 

 阿鼻叫喚の渦の中、紅く染まった空を影は空を翔ける。天井に生える水晶を足場に、一歩ごとに踏み砕きながら地上を俯瞰する。

 

 探すは赤髪の怪人。自らの手で吹き飛ばしたそれはしかして、致命傷を与える事は出来なかったであろう。殴り飛ばした手に伝わった感触から、咄嗟に自らの攻撃に身を任せて離脱したのだろう。

 水晶や森林、入り組んだ地形のせいで見失ったが、まだこの階層にいると、そう予測しているが為の行動だった。

 影の狙いは女の持つ異形の宝玉。オベロンより知らされているのはまだ早いという事。

 曰く、今の段階であれの正体が衆目に晒されると、却って都市全体を危険に晒すらしい。かといって、アレを相手に渡す道理もない。こちらで処分するつもりだ。しかし、みすみすと逃してしまった。焦りを訴える心を抑え込み、あらゆる方位を隈なく見つめる。

 

 早急に見つけないと…。

 

『―――――オオォッ!!?』

 

「っ!」

 

 絶叫が上がり、見つめたのは先程までいた地点。変貌しつつある食人花のその姿。

 あの様相から勝手に判断していたけど、()()()()()()()()()()()()()()()()――!

 

 急いで進路を転換し、郡晶街路(クラスターストリート)を目指す。

 

「―――ぐっっ!?」

 

 一直線に現場へと飛び出した影は、結果として阻まれる事となる。

 地上から放たれた五つの火炎弾は的確にローブの人物を捉え、視界を奪うと共に自らの身体を吹き飛ばし、地面へと叩き落とす。

 

(魔法!?何処の、誰が!?)

 

 落ちたのは湿地帯の一角、濁った水を全身に被り、僅かに顔を顰める。

 バシャリ、水の跳ねる音。咄嗟に振り返ると青いローブの男が立っている。

 

「………何者?」

「あん…?そうだな……。グリム。賢人グリムとでも呼んでくれ。んで、お前の名前は?」

「…………」

 

 男は軽薄そうに笑うが、纏う空気は紛れもなく戦士、それも弩級のものだ。自らを補足し、的確に撃ち落とした技量、その風格、いずれも侮っていいものではない。

 今初めて、その影は剣を抜いた。手に握られるのは深層モンスターのドロップアイテムを削り、大聖樹を柄に用いた魔法石の嵌め込まれた一品。見るものが見れば荒削りながらも一種の武器として完成したそれに目を巻くことだろう。

 抜き身の直剣を油断なく目の前の男に向け、戦闘態勢をとる。

 

「へえ…やる気かい?―――オレは割と手強いぜ?」

 

 混沌と策謀渦めく18階層にて、知れず、新たな戦いの狼煙が上がる。

 

「―――いくぜ!」

「―――あああぁあっ!」

 

―――2つの影が、交差した。




高評価、感想待ってます(血涙乞食並感)。
してくれたら謎の染みがついたあるエルフのパ○ツ差しあげるので…

この中で好きなキャラは?(一位のキャラは登場し、最下位は愉悦展開にする予定)

  • アーディ・ヴァルマ
  • フィルヴィス・シャリア
  • レフィーヤ・ウィリディス
  • シャクティ・ヴァルマ
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