三次創作 とある装蹄師に自覚と反省を促す取材記録 作:zenra
突然の取材に快く応じて頂き、大変に感謝しております
早速ですが、件の装蹄師の先生とのエピソードをお聞きしても?
「はい。中央に在籍していたのは短い間でしたが、先生には良くして頂きました」
具体的にはどのような?
「ええと、前置きから話させていただいても?」
勿論、是非お聞かせください
「私は、自分で言うのも何ですが、名家の出だったんですよ」
ええ、一族の方々にはG1バも居られるのは存じております
「当時の私は家の名前の重さに色々抱え込んでしまって、無理が過ぎてしまって、クラシックに入る事無く終わってしまったんです」
存じております、その時の貴方は専属トレーナーも無く、チームにも所属しておられなかったとか
「はい、トレーナーの絶対数が足りないという現実にまず阻まれ、模擬レースを繰り返してやっと掴んだチャンスだったんですが、ね(苦笑」
「その時にしょっちゅう蹄鉄とシューズを駄目にしてしまって…先生に心配を掛けてしまったものです」
と、申しますと?
「普通、幾ら仕事でも連日同じ様に駄目にした物を持ち込まれれば良い気はしないものでしょう?」
「なのに、先生はきちんとケアはしているのか? 道具はいくらでも手入れが出来る、替えも効く、だけどお前の脚は替えの利かない大事なモノなんだからな、と」
それはまた、こう言っては何ですが、少々気障な面もあったようで
「あ、いやいや、そんな事は無いです、というか寧ろデリカシーが足りてないというか、鈍感というか…ええ、本当に」
「時々、変に気が回らないというかですね…自己評価が低いのか、蹴っ飛ばしたくなる事を言われた時もありましたよ」
中々に愉快なお話が飛び出してきそうですが、ここは話を戻して頂いても?(笑
「あ、すいません。 ええと…デビューは出来たんですけど、どうしても勝てなくて…無理をして走って、結果は故障」
「日常生活には問題ないんですけどね、レースで走るには不安が残る。そこで一度心が折れてしまって…」
思い切り踏み込めなくなってしまった、というお話は…
「はい、事実です。治ってる筈、そう聞いていても、また故障してしまうんじゃないか…今度はもっと、取り返しのつかない事になるんじゃないか」
「そんな事ばかりが脳裏に張り付いてしまって」
「それで中央を辞める事を決めて、お世話になった先生に御挨拶くらい、と顔をだしてみれば」
「先生、私に気づきもしないで真剣に鉄を叩いて、造蹄してたんです」
「何故か眼が離せなくて、仕上げまで見ていたら…その蹄鉄、私のシューズに合わせられてたんですよ」
「もう、走らないかもしれない私のシューズに」
その理由は、何だったんですか?
「レースじゃ走れないかもしれないが、お前が走るのを辞める理由にはならないじゃないか、と」
「これからも生きていくんだ、なら気分転換に軽く走るくらいするかもしれない」
「そして、お前達が走るのに不安を抱かなくていい、不安を減らせるようにするのが俺たち大人の仕事で、義務で、カッコつけたいところなのさ」
「そんな事を言いながら煙草に火をつけて、あ、すまん。子供の前で吸うもんじゃなかったなとか言っちゃう人なんですけどね」
成程、先程おっしゃられていたデリカシー云々は…
「ええ、事あるごとに子ども扱いされましたので」
そうですか、ですが良いお顔で話されておられますので、嫌な思い出と云う訳ではなさそうですね?
「…そう、ですね。大事な思い出です。今の私があの言葉で形作られたとも言えるかもしれませんね」
貴重なお時間と大切な思い出をありがとうございました
何かあれば、また取材を受けて頂けますか?
「はい、喜んで。今度は駄目なお話も暴露しちゃいますよ(笑」
それは楽しみです!
それでは、マイネルライズさん、ありがとうございました
美しい芦毛を長く伸ばした、非常に小柄な女性、マイネルライズさん
彼女はメイクデビューを含む4回のレースで故障、中央トレセンから地方へ転出後、サポート課へ編入
卒業後も外部委託としてトレセンのサポート課で後輩達へ指導をする傍ら教員を目指しているそうです
次のインタビュー予定は…
次のインタビュー相手は
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90年代後半がモデル
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90年代前半がモデル
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80年代後半がモデル
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80年代前半がモデル
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むしろ2000年以降がモデル
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私にいい考えがある(推薦したいウッマが