三次創作 とある装蹄師に自覚と反省を促す取材記録 作:zenra
いやぁ、流石にこんな場所でお話を伺うことになるとは思ってませんでしたよ…
ここ、産婦人科の待機室じゃないですか…
「いや、妻が産気づいたもので…」
「ドタキャンも悪いかな、と」
レオダーバンさん、第二子ですか…
「無事に生まれてきてくれれば、それで良いんですがね」
「二度目とはいえ、落ち着かなくて」
「なので、思い出話をしますんで、それを聞いててください」
「多少は落ち着けると思いますんで」
はぁ、それはまぁ、構いませんが
しかし、思い出話ですか
「えぇ、先輩と同級生のアホとの思い出話…というか、バカ話ですかね」
と、言いますと?
「いや、学生時代は誰しも失敗ってあるじゃないですか」
若気の至りってやつですね、わかります
「えぇ、それで先輩のクルマがヒデー事になった話があったなぁ、と思い出しまして」
酷いというと、事故とかですか?
「ある意味事故というか…」
「まぁ、順を追って説明しますよ」
はい、ではお願いします
「当時は成人したばかりだったんですけどね、私と先輩は結構つるんでたんですよ」
「と言っても、先輩がクルマ出してくれるから、一緒にドライブって感じだったんですけどね」
「あの日は、先輩と私と、同級生のアホでドライブに行ってたんですよ」
アホ、ですか?
「アホです(真顔」
「普段は全力でバカなことやって、でも憎めないヤツなんで…ただ、酒が強かったんですけど、一定以上呑んだら悪酔いするんですよ」
「まぁ、その悪酔いの結果が今回の話です」
なるほど、まぁ、いますよね…
「えぇ…じゃ、話戻しますけど、まぁ、飯行くかって話になって」
「隣の県に旨い店見つけたってアホが言いはじめましてね」
「まぁ、それならそこ行ってみるかって感じで、先輩がクルマ出してくれたんですが」
「確かにいい店だったし、飯もスゲー美味かったんですが…」
「アホが店の常連客らしき人と意気投合しましてね、飲み比べ始めたんですよ」
「私も先輩も止めたんですけどね…まぁ、それで止まらないからアホなんですが」
「で、結果だけ言えば飲み比べには勝利したんですが泥酔しましてねぇ」
えぇ…厄介事の匂いしかしないじゃないですか
「えぇ、まぁ、そうですね」
「泥酔してた割に大人しくしてたんですよ、最初は」
「で、帰り道も半分くらいを過ぎて、今回はセーフかなぁ、とか思い始めた矢先」
「トイレとか騒ぎ出すわけですよ」
「民家も店もなにもない場所でそんな事言われても、となったんですが」
「先輩は、仕方ないからそのへんで済ませてこいってクルマ止めたんですよ」
あー…
「そしたら気持ちわりーとか、もう俺はここで死ぬからお前ら帰れ!とか良いはじめまして」
た、たちが悪いですね
「えぇ、ホントに…道路の真ん中で、夜中とは言え大の字で寝転がってですね…」
「先輩と一緒に抱えてクルマに載せようとしたら、偶々通りがかった人が、心配してこっちに来たわけですよ」
「当然、クルマに乗ってた訳ですが、それが軽トラックだったんですがね」
「アホが突然跳ね起きて、軽トラックの人に掴みかかりに行ったんですよ」
えぇ……
「当然、私と先輩は一瞬の間を挟んで取り押さえに行きました、嫌なことに慣れてましたから」
「で、軽トラックの人の胸ぐら掴んでた手を、二人がかりでどうにか引き剥がしたら、まぁ、逃げますよね」
「善意から声をかけたら胸ぐら掴まれたら、そりゃ逃げますよ、普通に私だって逃げると思いますし」
「そしたら、アホが、走り出した軽トラックに並走してドアを殴りまくってるんですよ」
チョット待ってくだい
「はい?」
並走?
「はい、パニックになったのか、ローギアで走り出してギア上げてなかったですけどね」
それでも30Kmくらいは出ますよね?
「軽トラックは普通に40Kmくらいまでは出ますね」
並走?
「えぇ、100メートルくらいですかね」
「そのくらいドア殴りながら並走してたアホの姿が急に消えましてね」
「呆気に取っられてた私と先輩も、慌ててクルマ動かして見に行ったんですよ」
あの、すいません
その人、人間ですか?
ウマ娘じゃなくて?
「人のドラ息子だとは思いますけど」
えぇ…なにそれ怖い
「話、戻しますね」
「で、消えたと思ったら、アホはまた道路に寝転がってたんですよ、転んだとかじゃなくて」
「で、大丈夫か?って聞いたら」
「手がいてぇとか言うわけですよ…因みに拳には剥がれたドアの塗料がついてました」
…怪我は、無かったんですね
「何故か、無傷でしたね…あぁ、いや、少し赤くはなってましたけど」
いや、おかしいですからね?
さっきから何一つ普通じゃないですからね?
「ですよねぇ…」
「で、まぁ、大人しくなったんなら丁度いいかとクルマに積み込もうとしたんですよ」
「そしたら何事か叫んで海岸側に飛び降りたんですよ」
「あ、道路から海岸までは高さ5メートルくらいあったんですよね」
「で、下は砂浜でヤブみたいな感じになってたんですが」
いやまって、おかしい
なんで飛んだんですか
「アホだからです」
Oh…
「で、それなりの飛距離が出て着地したと思ったら、そのまま海側に駆け出してですね」
高さ5メートルなんですよね?
「最低でもそれくらいはありましたね」
着地?
「所謂ヒーロー着地を決めてました」
繰り返しますけど人間ですか?
ウマ息子とか言いません?
「残念ながら人間ですね」
そうですか…
「それから海まで走っていったと思ったら、つめてー!とか叫びながら戻ってきまして」
「仕方ないから、迂回して降りれる場所からアホ確保しにいくかって先輩と相談してたら」
「アホがおーいとか言い始めてですね」
「何事かと思って先輩と一緒にアホを見てたら」
「助走つけて、三歩で駆け上がって来ました」
えぇ…えぇ……
「で、流石に力尽きたのか大人しくなったんで、クルマに放り込んで、シートベルトつけさせて」
「やっと帰れると思ったんですがねぇ…」
「もう少しで市内まで帰れるってタイミングで気持ち悪いとか言い出して」
「リバースしました、盛大に」
「吐きながら窓開けて窓からも垂れ流すとかやらかしやがったんですけどね…吐ききったら、今度は超ローテンションで謝り始めたんで」
「大急ぎでアホの家に送り届けて、ご家族にパスして」
「知り合いの居るガソリンスタンドで、先輩と二人で大掃除ですよ」
うわぁ…ご愁傷様です
「シート外してカバー外して、車内のはずせるものは片っ端から外して綺麗に洗って消臭剤ぶちまけましたけどね、臭い取れなくてシートは処分しましたよ」
「で、徹夜仕事になって私も先輩もハイになっちゃいましてね…コンパネ周りも全部いじろうぜ!ってなりまして」
「そのままその日の夜まで掛けて盛大に弄り回しましたよ…えぇ、廃車置場巡りしてシート探したり…」
わ、若さですかね…?
「まぁ、今では笑い話にできてるんで、これはこれで思い出かなぁと思わなくは無いですね」
そうですか…
しかし、それなりに話し込みましたね
「ですね、自販機で飲み物でも…」
あっ、看護師さんが…
「無事に生まれましたか!? 妻は!?」
「そう、ですか…良かった…頑張ったな、レオ…」
あの、こちらはもう良いですから、早く顔を見せて上げてください
「良いんですか?」
はい、面白い話をありがとうございました
レオダーバンさんにも、お子さんにもよろしくお伝え下さい
「ありがとうございます!それじゃあ、今度は先輩とも話せたら話しましょう!」
あ、思わず走り出して怒られてら…
お子さんが元気に育つと良いですね…
うん、お幸せに
これ、何の話だっけ(錯乱
ほほう…タレコミですか
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膝の上が指定席だった…?
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添い寝までした…?
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襲い掛かって正座させられて叱られた…?
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一緒に御風呂…?(戦慄
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全部乗せ…?あっ(察し
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ほほう、あーんと食べさせた…ねぇ
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弟子入り懇願して却下された…?
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父親になって欲しいと土下座していた…?