三次創作 とある装蹄師に自覚と反省を促す取材記録   作:zenra

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実に個人的な印象なんだが…
障害競走の斤量青天井ルール、アレの狙い撃ち感
そして、強く、速く、人馬一体にて勝利を掴んだ者に無制限にハンデだけを課し続けるとか、JRA上層部って…
ディープの時も酷かったけど…

まぁ、そんな上の意向に左右されてしまう現場って、在るよね…


File  10

 

 

 

どうも、今回は誘導バのお仕事で忙しい中のインタビューとなりましたが、受けていただいてホッとしてます

 

 

「いえいえ、近年は誘導バとして、レースを引退したウマ娘がターフに戻るケースも増えてますからね」

「結果として、仕事も増えた分増員もされましたから、問題はありませんよ」

 

 

そう言ってもらえると、気が楽になります

最近はパドックからの先導のみならず、バ場の巡回やアクシデント対処、ゲートでのトラブルでの対応要員としての側面も出てきましたね

 

 

「えぇ、最近ではレース場でのイベントの際、観客の入場を出迎えるリーディング役や、パレードや楽隊等にも参加したり、その先導をしたり」

「本当に、やり甲斐のある仕事です。 色んな衣装も着れますしね」

 

 

あぁ、最近では着物を着て誘導したレースもありましたね

今後は他にも仕事が増える可能性があるとか

 

 

「えぇ、現在はまだ構想段階で、現実的にはどうなるのか、どうするのかを話し合っているそうですが、決まれば、また一つ大事な仕事が増えることになりますね」

 

 

なるほど

では、公表されるのを期待して待ちましょう

ところで、現役時代から変わらず身につけてらっしゃいますね、それ

 

 

「? あぁ、この編込みの飾りですか?」

 

 

えぇ、編み込みの節一つ一つに菫色の花飾りが実に美しいですね

それに、尻尾にも同じように花飾りをあしらったリボン

他のウマ娘の方は、尻尾に何かつけるというのは好まないようですから、珍しいなと

 

 

「あんまりジッと見ちゃ駄目ですよ?(苦笑」

 

 

ハハハ…すいません、どうにも気になって

 

 

「もう…これ、貰い物なんですよ」

「深い意味も、考えもなくて、すみれといえばこの色だよなって言ってましたけどね」

 

 

えぇ…紫のスミレの花言葉を知らずに贈るとか…

しかも身につけるものでしょ…?

 

 

「貰った時はどんな顔すれば良いのかちょっと悩みましたよ」

「嬉しかったのは嬉しかったんで、笑顔でお礼を言えましたけど」

 

 

なるほど…

ところで送り主の事は聞いても?

 

 

「そこは秘密で(笑」

 

 

秘密なら仕方ないですね(笑

 

 

「まぁ、貰った経緯はお話しますよ」

「なんでも、古い知り合いに頼まれて、鉄で造花を作れないか試行錯誤した結果らしいですよ」

「出来上がった試作品を相手に送ったら、相手が試作品に合わせたリボンとかを返送してきて、これに合わせるから3セットお願いと言われて作ったそうです」

「完成したら、送りつけた試作品はオマケで貰った、と言ってましたね」

 

 

随分とまぁ、器用というか…無駄に無駄の無い洗練された無駄そのものと思える技術で仕上げてますね…

いや、無駄にはならなかったんでしょうけど…

 

 

「で、偶々それを持て余してる所に居合わせまして」

「すみれ、好きだったよな…? それ、やるよって軽く言われまして」

「彩色まで済んで綺麗な仕上がりだったから、眺めてた所にそれでしたから嬉しかったんですけど、ね」

「まぁ、深い意味も何もなく、思いついたから言ってみただけなのが解ったのが…」

「それはそれとして可愛いから喜んで貰ったんですがね」

 

 

それもまた、巡り合わせですかね

 

 

「そうですね、結果として良いものを貰えましたし」

 

 

そういえば、現役時代の勝負服にもスミレの意匠がありましたね

あの蒼いキャップにワンポイントで

 

 

「あら、よく見てましたね?」

 

 

そりゃぁ、障害競走での活躍には心躍ったものですからねぇ

平地競走ほど扱いは大きくないですけど、あれほど躍動する姿をみれば…

ただ、障害で怪我をする子が後を絶たない、というのが個人的には難しい問題かなと

 

 

「えぇ、障害レースの宿命とも言えますけどね…」

「全力で走って、跳ねて、時速40~60kmを超える速度で繰り返すんですからね」

「そりゃあ、ただでさえ足回りの故障が多いウマ娘の脚部に、さらなる負担がかかる競技ですもの、一瞬の判断の遅れで転倒することも少なくない…そんな厳しいレースです」

 

 

単純にやることが増えてますからね

それだけに、平地競走と比べてどちらが格上という事も無い筈なんですが…

 

 

「いやぁ、見る分にはどうしても、ね」

「クラシック三冠やトリプルティアラ、シニア三冠の大レース程の盛り上がりは出せませんよ、障害レースでは」

 

 

しかし、貴女が制した障害レースでもある、中山大障害は見応えのあるレースでしたよ?

 

 

「…そうですか(苦笑」

 

 

え、えぇ

 

 

「私が、デビュー当初、というかシニアに上がっても勝てない日々だったのは御存知ですね?」

 

 

そりゃ、勿論

シニア一年目、5月の未勝利競争から実に9ヶ月ぶりとなる勝利

東京特別障害を制してからの勢いは、驚嘆に値するものでしたよ

 

 

「ふふ…私は、本格化が非常に遅かったようで…」

「シニアの10月くらいから、ですかね。 やっと身体と感覚が揃って来た感じがあったんですよ」

「それまでは、これが普通なのだろう、と思っていたズレが」

「他の子は本格化を迎えて馴染んで消えるものだと知った時の衝撃は…」

 

 

それは、中々…

有名所としては、メイショウドトウさんも本格化が遅かったそうですね

 

 

「らしいですね」

「シニア一年目で16戦、自分でも急ぎすぎたかな、と。 今なら、そう思うペースで出走を繰り返してましたからね」

「その中で段々と馴染んでいく感覚が嬉しくて、楽しくて」

「勝てない悔しさも忘れて走り回ってた時期ですね」

 

 

それは…トレーナーさんも相当やきもきしていたのでは?

 

 

「えぇ、引退を決めた時に散々愚痴られましたよ(笑」

「そして迎えた二年目、三年目、私は後のG1である中山大障害を連覇しました」

 

 

えぇ、春の二連覇、春秋連覇、合わせて三連覇ですからね

 

 

「その三連覇が良くなかったんですけどね…」

 

 

と、言いますと?

 

 

「当時は、斤量があったんです…所謂、ハンデですね」

「しかも、このハンデが生まれた理由が、たった一人のウマ娘の連勝を止めるためだというのだから…」

 

 

えぇ…?

あっ、もしかして!

 

 

「はい、当時の障害レース最強の呼び声も高かった、グランドマーチスさんです」

「ハンデのウェイトがどんどん重くなるのに、それでも勝ち続けたものだから、ハンデの重量増加ルールが変更されたほど、といえばどれだけの強さだったか想像できますか?」

 

 

確か…記録は4連覇で、健康状態の悪化と故障の発生で引退、と聞き及んでますが…

 

 

「その一因がハンデウェイトにある、と私は思いましたね」

「実際、近年改定されるまでは当時のルールのままでしたから、私もハンデウェイトを着けて走ってます」

「本当に、走りづらいんですよ…しっかり固定出来ないとずれるし、固定出来ても身体の動かし方に違和感も出る」

「競技人口そのものが平地競走とは比べるべくもない、というのもあって、強すぎる存在には枷を着けたいというのは解らなくもないんですけどね」

 

 

実際に走る側としては、ということですか

 

 

「はい、それだけに改定されてよかったと思います」

「まぁ、グランドマーチスさんが強すぎたというのも在るんでしょうけど…色々やりすぎでしたし」

 

 

やりすぎ、ですか?

 

 

「ハンデウェイト、当時は上限ナシだったんですよ」

 

 

えっ?

 

 

「5連覇を賭けたレースでのウェイト、凄かったですよ…ホント…」

 

 

いつの時代も、居るんですね…そういう飛び抜けた存在って…

 

 

「えぇ…まぁ、話を戻しましょうか」

「シニアで中山大障害の連覇が途切れたものの、また勝ちたかった私は、調整をしていたんですが…骨折して休養、レース中に障害で怪我をして休養、最終的には、本格的な休養…というか、療養が必要な程、疲労が蓄積してしまって引退」

 

 

それほど肉体を酷使する、厳しいレースなんですね

 

 

「そうですね、厳しいレースです」

「コースも、ライバルも、障害も、全てが自分に牙をむく相手です」

「何よりも、自分自身との戦いである、と私は考えていました」

「ですが、それでも私は障害レースが好きだった」

「もっと走って、勝って、喜んでほしかった…」

 

 

そうですか…

ん? 喜んでほしk

 

 

「今のナシで」

 

 

え、いやでも今

 

 

「ナシで」

 

 

アッ、ハイ

(耳をしぼって軽く前掻きしてるからガチだ…)

 

 

「ええと、まぁ、それで」

「引退して、療養に入って…ゆっくり過ごしてたんですよね」

「トレーナーさんも、偶に顔をだして、私が現役の時の愚痴を言って帰ったり…」

「そうやって、数年ぶりにゆっくりと過ごす日々で、お医者様からももう大丈夫、とお墨付きを貰って…」

「誘導バにスカウトされました、推薦までついてきたのは驚きましたけど」

 

 

いきなり話が飛びましたね

 

 

「元障害バだけに?」

 

 

ハハハ…(記者のやる気が下がった)

 

 

「冗談はさておき、ありがたいお話だったので、即座に返事を返しましたね」

「レースで走れなくても、もう一度…ターフに戻れるなら、良いかなって」

「そして、今に至る…というところですかね」

 

 

そうですか…

今回は貴重なお話ありがとうございました

今後も誘導バのお仕事頑張ってください、ポレールさん

 

 

 

 

平地14戦1勝

障害35戦8勝

最優秀障害バ受賞

 

歴戦の障害バ、何気に春の天皇賞にも出走していたり、と波瀾万丈な経歴です

 

 

 

 

 

勝利を重ねるたび、枷は増えた

勝者となるたびに、錘を下げた

 

それでも北極星は、空に輝いた

 

ポレール

中山大障害、三連覇

 

 

北極星の輝きは、今もここにある

 

 




ウマ娘世界の斤量の扱いが謎だったので、障害だけハンデウェイトという扱いにしてみた…


ところで、メジロパーマーの障害転向が家出扱いなわけだが
障害にメジロ冠名は結構出てるんですが、それは…?

家出娘が量産される名家とか…

ほほう…タレコミですか

  • 膝の上が指定席だった…?
  • 添い寝までした…?
  • 襲い掛かって正座させられて叱られた…?
  • 一緒に御風呂…?(戦慄
  • 全部乗せ…?あっ(察し
  • ほほう、あーんと食べさせた…ねぇ
  • 弟子入り懇願して却下された…?
  • 父親になって欲しいと土下座していた…?
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