三次創作 とある装蹄師に自覚と反省を促す取材記録 作:zenra
「おまたせしました、今日はよろしくおねがいします」
はい、お忙しい時期にすみません
どうしてもお話を伺っておきたくて…
「構いませんよ、先生の話を聞きまわってるという噂は流れてきてましたし」
そうですか、では、改めてありがとうございます
それでは早速お話をお願いします
「はい、御存知の通り私はG1での勝利はありませんし、重賞でなんとか勝てたくらいのウマ娘です」
御謙遜を…
G1に出走出来る一握りに入っただけでも相当なものですよ?
「ふふ…先生と同じ事をおっしゃるんですね」
というと?
「ダービー、菊花賞と惨敗を喫した私に、先生は…あの人は同じ言葉をかけてくださいました」
「一年の休養を挟んでの富士Sに挑む前日に、なんてこと無いようにあの人は言いましたよ」
「勝つためだけじゃなくて、走るのが好きだから戻ってきたんだろ? なら、精一杯楽しんでこい。」
「なぁに、お前さんはG1に出たくても出れない奴らの先を走ったんだ、相当な奴だって知ってるよ」
「なんて言いながら私の頭を撫でるんですよ? 緊張してたのがバカみたいで(苦笑」
それはまた、イタリア人ですかね?
「その割には最後まで子供扱いでしたけどね」
おや、そうなんですか?
「ええ、私は見ての通り、結構スタイルには自信があったんですけど」
「あの人、私と話すときはいっつも目をちゃんと合わせて話してくれたんですよ」
「流石に一切意識されなかったのは、ちょっと…いえ、かなり悔しかったですけど」
えぇ…今は少し伸ばされているようですが、当時はショートカットだった鹿毛とクッキリした目鼻立ち
加えて均整の取れたボディラインはモデルの話もあったと聞きますよ?
「あー、たしかに有りましたねぇ。断りましたが」
「私は走る為に日本に来たんだから、って」
確かに
現役時代の貴方は闘走心の塊みたいなレースをしてましたからね
特にトーセンジョーダンさんやナカヤマフェスタさんとのレースは激しかった…
「あ、あのレース観てくれてたんですね、ありがとうございます」
「あのレースは何が何でも勝ちたい!って我武者羅だったんですよね。デビューはいい勝ち方が出来たんですが、続くいちょうSでは4着でしたから」
「私は脚部不安を抱えていましたから、蹄鉄もシューズも既製品をかなりカスタマイズして使ってたんですが、あの人…先生にお願いして結構攻めたモノを用意してたんですよ」
ほう?
彼は装蹄師ですからカスタマイズはわかりますが、用意、ですか?
「ええ、一応所属上の上司って事でシューズ関係にも話が通せるからって、私の願いを聞き届けてくれたんです」
ははぁ、甲斐性がありますねぇ
下心ナシでそれって、逆に凄いですよね…
と、話がそれましたね
攻めた、といいますと?
「強く踏み込んで思いっ切り走る、シンプルにそれだけ追求してもらったんです」
それはまた、納得というか、潔いですね…
「結果はクビ差でしたけど手応を感じましたね、続く朝日杯FSで馴染んで、NHKマイルCでは念願の勝利を掴ませてくれた、良いシューズと蹄鉄でした」
ははぁ、つまりその辺りで彼にお世話になっていたと
「ええ、もう通い詰めてました(笑」
「ただ、御存知のようにダービーでは惨敗してしまいましたし、その後も結果は奮いませんでしたが」
いやいや、朝日CCで二着取ってますよね?
それで奮わない結果というのは…
「あー…そう、ですね。悔しい負けだったのでどうしても…」
「まぁ、今のは少々自虐的でしたね、スミマセン」
いえいえ、お気になさらず
では最後に、言い辛いかもしれませんが、復帰戦が引退戦となってしまった富士S
あの時の貴方は何故笑っていられたんですか?
痛みなり、違和感なりあったのではと思うんですが
「ええ、違和感は有りました。痛みも。」
「それでも、いえ、だからこそ、私はキチンとレースを走り切れたことが嬉しかったんです」
「内心、もう走れないな、と思っていたのは事実ですけどね(苦笑」
それでは、何故?
「走れない事と走らない事は同じじゃない、先輩があの人に貰った言葉を私も知っていたのと…」
「なんとなく、レース前からですけど、これが最後かなって感じてたんです」
「それで不安と緊張を抱えてた私にさっきの言葉をあの人がくれたんですよ?」
「無事に、笑顔でレースを終えないと、あの人泣いちゃうんじゃないかって(笑」
「結果としてレースでは走れなくなりましたけど、軽く走るくらいならできますし、ね」
「私はあの人の手が守ってくれたからだって勝手に思ってます(穏やかな笑顔」
そうですか…
それでは長々とありがとうございました
「いえいえ、私も当時を思い出して結構楽しかったですよ」
あ、すいませんもう一つだけ良いですか?
「? ええ、いいですよ」
引退後、リハビリを終えてからの進路がカートレーサーだったのは何故なんです?
「ああ、それはですね」
「やっぱり、場所は違えどレースで競い合いたいと思ったのが一つ」
「あの人が気分転換にと連れて行ってくれたサーキットで、モーターレーシングに惹かれたのが一つ」
「あの人が、クルマが好きだから、というのが最後の理由ですね」
「これ以上は黙秘しまーす(笑」
おおう、最後にぶっこんできましたねぇ…
ともあれ、ありがとうございましたブレイクランアウトさん
少し癖のある鹿毛をセミショートにまとめた、所謂モデル体型のブレイクランアウトさん
10戦2勝とはいえG1出走経験を持つウマ娘でしたが、残念ながら復帰レース後に右浅屈腱不全断裂を発症、引退されました
引退後は厳しいリハビリも乗り越え、カートレーサーに転身、現在は世界チャンピオンを狙ってシリーズ挑戦準備中とのこと
次のインタビューの予定は…
次のインタビュー相手は
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90年代後半がモデル
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90年代前半がモデル
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80年代後半がモデル
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80年代前半がモデル
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むしろ2000年以降がモデル
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私にいい考えがある(推薦したいウッマが