あるジェダイが世界を変える為に命を掛けて戦う話 作:スッパーン//
引用 弟子の言葉
[クッソ!!テメェよくも白猫を!!]
[フン、人の心配をする暇があるのか?魔術講師]
[畜生!!]
激昂し、歯噛みするグレンと、淡々と何の感情も無いテロリスト、なんとも対局的な二人だ。学園でテロリストが襲撃してきてからおおよそ40分、アーサーがその内の一人を始末し、グレンは学園に来る前に一人と、システィーナを強姦しようとした屑を撃退した後、その次の刺客が召喚術を駆使し、グレンを襲い掛かるがグレンはそれを大技を使用して、何とか対処した。がその後すぐに術者がグレンとシスティーナを襲い掛かってきた、そよ余りの対応の速さに、虚を突かれた二人は一気に畳み掛けられ、システィーナは戦闘不能になり、グレンは満身創痍になりながら、どうにか捌いているが、もうそれも限界に近い、そして動きが鈍った瞬間、一気に空中に浮遊する剣でグレンに畳み掛ける、捌く、捌く、捌くが....死角から来た一撃を浴びてしまう、そして体勢を崩した瞬間、無数の剣がグレンに向かって....
[これで終わりだ]
その剣は、グレンに刺さる前に止まった...テロリストは疑問の表情を浮かべる、どうして剣が止まるのだ?と、意図的に止めた訳では無い、動かせないのだ、そして廊下の向こう側からカツンカツンと足音が鳴り響く。姿を現したのは、ゆっくりと手をかざしながら歩いてくる、仮面を付けた男、アーサーことレイブンであった。
[悪いがその男を殺させる訳にはいかない]
そう告げると、空中に浮く剣が、ゆっくりとグレンからテロリスト方に向くそして次の瞬間、子供が限界まで後ろに引いて離すと勢いよく動く玩具のように凄まじいスピードでテロリストに向かって飛んでいくが、男はそれを紙一重で避ける、レイブン(アーサー)は悪態をつきながら、ゆっくりとグレンの横に行く。
[チッ、内腿の動脈くらいは持っていけると思ったんだがな]
[お、お前は何者だ?]
[俺はレイブン、安心しろ、アンタの味方だ]
[味方って、そんなんいきなり信じろって言ったってよ]
[悪いが言い争いして暇は無い、あんたが俺を信じなくても結構だ、だがここを切り抜けるには、力を合わせないと不可能だ、それを解らない程アンタはマヌケじゃ無いはずだ]
[お前俺の何を知って....チッ、背に腹はかえられねぇか]
グレンは渋々提案に乗り、仮初の共闘がここに成り立った。
[話はもう良いか?もう十二分待ってやった]
テロリストが腰を上げる、戦闘の構えを取る、辺一体が凍てつく程の濃厚な殺気が漂う。グレンは少したじろぐが、アーサーは冷静に状況を読み、グレンに治癒魔術の籠った魔術結晶と、回転式銃を渡し、作戦を説明する。
[アンタはコイツの方が好みだろ?大丈夫、軍時代のアンタの仕様に近いから使いやすいはずだ。頼むぞグレン、俺は何とかしてあの厄介な剣を無力化する]
[何故それを!?.....いや今はそんな事気にしてる暇は無いか....正直お前の事は信用ならねぇけどよ、行くぜレイブン切り抜けるぞ]
[あぁ]
気のない返事と共に二人は戦闘態勢に入る、流れる静寂、静寂、達人同士の剣士が、出方を見るように、睨み合う.....そして次の瞬間、空中に浮く、剣が一気にレイブン(アーサー)に襲い掛かる。彼は魔術で応戦する
[《力よ無に帰せ》ッ!]
ディスペル・フォースを唱え、どうにかして剣を無力化しようとするが、、
[チッ、やはり出来て一本か...]
テロリストの空中に浮遊する剣が、いきなり力が抜けたように地面に突き刺さる、それを見たテロリストは鼻で笑う。
[フン、5本の内一本しか解術出来ないか、先程の戦闘と、結界を無力化したのが響いているのではないか?]
先程の戦闘と生徒を逃した一部始終を使い魔か何かで見ていたのかようだ、そこでアーサーは一つの疑問が浮かぶ
[見ていたのか?ならばどうして仲間に応援を出さなかったんだ?どうしてあのまま野放しにしていた?]
[我々の目的はルミアティンジェルの確保だ、それ以外の事の為に無駄な時間を使う訳にはいかんのだ]
[ハッ、お前達にとって仲間は目的達成の為の唯の駒だって事か?]
[当たり前だ、それ以外に何の価値があるというのだ?]
[....確かに合理的だ、目的の為に仲間を捨て駒に使い、ゴミの様に使い捨てるって訳だ....ハッ反吐が出るな]
[フン、アブレイユの奴を殺しておいて何を言うか]
アーサーはテロリストに睨みを効かせながらその目を離さず、フォースで無力化した剣を引き寄せ、その手に収めた。その光景にグレンとテロリストは訝しでいた。
[な、なんだよ、今の?重力系の魔術でも詠唱したか?いやでも今、ルーン文字の魔術式が出てこなかった、よな??]
[貴様、今どうやって、剣を引き寄せた?時間差起動の類では無いな?...ますます貴様は何者なのかわからなくなってきたぞ]
[さぁ?何だろうな?魔術師がわざわざ教えると思うか?]
そう言うと、アーサーは剣を、弓取りが矢を引き絞る様な見たことの無い独特な剣の構えをとった。
[妙な構えだな、今までこの国にあるありとあらゆる剣術を調べ研究してきたが、その様な構えは見たことが無い、フン、唯の我流と言った所か、それで私に本気で勝てると思っているなら、思い上がりも甚だしいな]
[それはどうかな?グレン...援護を頼む]
そう言うと迫りくる4本の剣を迎え撃つ、何重にもくる剣撃をまるで武芸者がやる演舞のように、軽やかに流れるように全てを受け流した、テロリストはさらに追撃しようとするが、グレンからの小さな隙間すら通す精密な援護射撃もあり一度後ろに下がるとアーサーが口を開く。
[成る程....その剣右の二本は達人並みの剣捌きなのに対して左の二本は魔術師とは思えないが剣士としては並みレベルだな、恐らく貴様のその空中に浮遊する剣は、術者の自由自在に操る事ができるのと剣の達人の技を複製してそれを自動で戦うだとかそんな所だろう?]
[ご名答....手練の剣士の技を複製した所で、自動化された剣術は死んでいる、そして仮に5本動かせた所で私は所詮魔術師、真に迫る事は出来ない、3本の自動剣と2本の手動剣、、これが幾たびの実戦で導き出した最適解だ。]
[サラッと言ったけど、それめちゃくちゃ高度な技術だぞ?どうする?レイブン?]
[する事は変わらん懐に入って仕舞えば良い]
[簡単に言うぜ全く]
平静を保っているように見えるが、アーサーは額に汗をかき、焦燥感に駆られていた。
(まずい、この状況はかなりまずい!奴の攻撃はいなす事はできる、でも懐に全然入り込めない、これではドンドン長期戦になってしまう、そうなるとこっちはジリ貧だ、グレン先生は既に満身創痍、俺も正直息が上がってる、力が戻ってないのに、フォースを短時間のうちに使い過ぎた。このままだと押し切られる)
フゥーと一度息を吐き、もう一度構える。
現在アーサーが使用しているフォームⅢソレスは、未来予知による先読みによって、防御と強力なカウンターに重きを置いたフォームで、一対多数での戦闘で絶大な効果を発揮する、そしてこれを極めれば無敵と言われ、囲まれていようがなんだろうが攻撃が当たる事が無いと言われている、しかしその反面、防御型であるが為に、自らが攻めに行くフォームではない為受動的になるのと、カウンターだけでは決め手に欠けてしまう為、長期戦になりやすい事が挙げられる。
アーサーは今一度、弓を引き絞るような構えをとったと思うと、テロリストが攻撃をしてくる瞬間に構えを左下に変え、マナが底をつくのを覚悟して
[《光あれ》!!]
黒魔 フラッシュ・バンを唱え、テロリストが一瞬怯んだ瞬間フォースを身体に込めてとてつもないスピードで突っ込んで行った。
[フゥッッッ!!]
[...クッッッッ]
テロリストは慌てて迎撃するがグレンの援護射撃もあり間に合わず素早く鋭い斬撃をモロに貰ったしまった。先程の受け身なフォームから打って変わって攻撃的なフォーム、アーサーはあの一瞬でソレスからアタルに無理矢理変えたのだ。この初見殺しがバッチリハマり、斬撃を喰らわせ
[やれるぞ!!レイブン!!畳み掛けちまえ!!]
そうグレンが言うと、レイブン(アーサー)は最後の一撃を食らわせようとするが....
[なっ!!]
先にやられたのは、剣の方だった。
・・・
[なんたる僥倖!!運はまだ私を見放してはいなかった]
刀身が斜めに欠けてしまい、もはやそれを剣と呼べる物では無かった。そしてこうなってしまっては懐に入っていようがなんだろうが関係無く危険、アーサーは慌てて引こうとするが、その瞬間を見逃してくれる程相手は優しくない、逆に一気に畳み掛けられてしまった。フォースプッシュをテロリストに当てて、なんとか命までは持ってかれなかったが、切られた箇所は服の下からでもわかるほどじわりじわりと出血していて傷は深く痛々しい。
[ハハッ、畜生....これは本気でヤバいな、グレン...逃げろ]
[てめぇ置いて逃げるとか!んな事出来るわけねぇだろ!!]
[意地張って無いで早く逃げろ!!]
[意地とかじゃねぇよ!!俺は仲間を見捨てておいおい自分だけ逃げるなんて事死んでもしたかねぇよ!!]
[よく言うぜ、さっきまで悪態ついてた癖によ]
[んな事忘れた!!立て!立つんだレイブン!!まだ終わってねぇ!!]
そう言ってアーサーを奮い立たせようとするグレン、その姿に何処か懐かしい事を思い出した。
[ハハッ、ゴボッゴボッ、アンタはそう言う人間だったな忘れてたよ]
アーサーは仮面越しにニヤつきながら自らの体に鞭を打ち、無理矢理立ち上がった。
[頼むが司令塔、作戦は?]
[アイツを油断させる。アンタはどうにかしてその隙をつけ、これ以外方法が無い。]
[油断させるって言っても、奴が二度も同じ手に引っかかるほどマヌケに見えるか?]
[頼むグレン、俺を信じてくれ]
アーサーの言葉は不思議と力があり、グレンもそれに賭けてみたくなった。
[....わかった、お前を信じる]
[何をしようともう無駄だ諦めたらどうだ?]
テロリストが諦めるように促すと、血をダバダバ流しながらアーサーがそれを一蹴する。
[悪いな、俺は昔から諦めが悪くてな、それが俺の唯一誇れる所なものなんで]
そう言うと、今度はアーサーが後衛に回り、グレンのサポートに撤する、グレンとアーサーは互いに満身創痍、死神の鎌に捕まっている状態だ。この状態で正攻法で戦っても負ける事は目に見えてるが。
[喰らえ!!]
そう言うと手をかざしてフォースプッシュを連発、最初はテロリストも吹き飛ばされていたが、段々軌道が読めて来たのか、全てを避けられていた、グレンも耐えてはいたが4本の剣を今の状態では守りきれず、切り付けられ、壁に叩きつけられ気を失っていたそして最後には。
・・・・・・・
[《力よ無に帰せ》フン、やはりな貴様のその技やはり魔術であったか、重力系の黒魔術であろう、それを貴様のパーソナリティーと掛け合わせたオリジナルと言うわけだ、種が分かれば例え起動する瞬間が見えなくても、手をかざした瞬間に唱えれば良いだけの話だ]
[畜生....]
[私をここまでよく追い詰めた、そこは賞賛に値する、だが運に見放されたな、これでトドメだ]
そう言って剣をアーサーに向けて振り抜こうとすると、アーサーが手をかざした。
[無駄な足掻きを....]
[無駄な足掻き?そいつは違うぜ?俺はこの時を待っていたんだ]
そう言うとアーサーは手を相手にかざすのでは無く、自分の方向に何がを引き寄せるように手のひらを向けた、すると無数の硝子の破片がこちらの方向に飛んできた、テロリストはやれやれと言った表情でディスペルフォースを唱える....硝子の勢いは止まらなかったそして男の背中に全
・・・・・・
て突き刺さる、苦渋の表情を浮かべ一瞬意識が逸れる、その瞬間アーサーは叫んだ!
[今だ!!!グレン!!!]
[うぉぉぉぉぉ!!!]
そう言うと先程まで壁で力無く気を失っていたグレンが、鬼神のような形相で一気にテロリストに肉薄する、急いで迎撃しようとするが、アーサーがそんな事させない、フォースで回転式銃を引き寄せ、空中に飛来する剣に発砲する、テロリストが魔術を使おうとするが
[遅えぇぇ!!]
愚者の世界を起動して魔術を封殺し、テロリストの目の前に落ちていた欠けた剣で、テロリストの心臓に突き刺した、男は力無く仰向けに倒れた。
[貴様...何故?ディスペルされなかった?]
[悪いな俺の力は厳密には魔術じゃ無い、だからディスペルフォースは効果が無い]
[成る程貴様異能者か...その線を考えなかったな私の落ち度だ、そして貴様らは芝居を打ちまんまと私は引っ掛かったと言うわけだ]
[そう言う事になるな、殆ど賭けみたいな物だったがな]
[俺も気絶するフリをして、チャンスを待ってたんだ、でもお前の援護が無かったせいで何秒かは本当に気絶してたけどな]
[ぼやくなよ、勝てたんだからな]
[フン...貴様らのコンビネーション見事であった...これからの貴様らの行く末あの世で見ておいてやる]
[そうだなあの世でゆっくり見るといい、来世では良き友として出会いたいな]
[フン...世迷言を....ッ]
[俺はお前とは二度と会いたくねぇ....よ]
そう言うと男は事切れた、そして二人は脳内麻薬が切れたのか、その場に倒れ込んだ。
[....んん、あれ?ここは?そうだった!先生!!倒れてる!!大丈夫ですか??2対1なんて卑怯な奴ら!!急いで先生を保健室に連れて行かないと!!]
戦いの一部始終を見ていない、システィーナはアーサーを敵と勘違いして、グレンだけ保健室に連れて行き、アーサーをその場に置いていくのだった。
続く