あるジェダイが世界を変える為に命を掛けて戦う話   作:スッパーン//

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何度も弱音を吐きそうになったが、今も苦しんでいる仲間を想うと、そんな事言ってられなかった。





ある戦士の言葉


不運な男

[すげぇな俺達!!下馬評を覆して今トップだぜ!!このまま行ったら優勝だぜ!!なあアーサー!]

 

[あ、あぁ、そうだなカッシュ....それはそうとカッシュ,...頼むから俺の首を締め上げないでくれ]

 

顔を真っ青にしながらアーサーがカッシュの体をバンバンと叩くと、カッシュがあ、っという顔をしながら肩組むを外す

 

[あ、悪りぃ]

 

[ぁあ、ゲホゲホッ大丈夫....ぁぁ〜死ぬ所だった]

 

現在アーサーのクラスは快進撃を続けている、飛行部門はトップ3に名を連ね、魔術狙撃ではぶっちぎりのトップ、そして暗号解読の部門ではまさにウェンディの独壇場彼女の為に用意されたが如く、バッタバッタと問題を解いていく、神話級の言語すら読み解いてみせた、このまま順当に行けばぶっちぎりの1番になれるだろう。

 

[次の問題!!この文章の間違いを訂正して訳せ!]

 

司会のアナウンスと共に出てきたのは、基礎が出来ていれば直ぐに訳せる簡単な問題で正直点取問題だった。それを読んだカッシュはアーサーに肩をポンと置きすまし顔で質問した。

 

[アーサー、お前なんもわかんねぇだろ]

 

[ハッハッハッ、わかる訳ねぇだろ、お前は?]

 

[わかる訳ねぇだろ]

 

[だよなぁ〜]

 

[[アッハッハっ]]

 

そんなやり取りをするアーサーとカッシュ、そのやり取りを見ていたシスティーナは手で頭を抱えてため息混じりに答えを教えた。

 

[これの答えは、《我・天より結ばれた知恵を・得る者成り》でしょうが貴方達これ古文とか考古学の分野では常識レベルの問題でしょ]

 

[そんなの考古学オタクのシスティーナが答えても、説得力無いです〜]

 

[そうだそうだ!]

 

[はぁールミアもなんか言ってやって]

 

カッシュとアーサーがこの時だけ呼吸を合わせてシスティーナに文句を言うと、ルミアが苦笑いしながら

 

[うーんとね、これ結構常識問題だと思う....よ?]

 

[[え?マジ?]]

 

[うん、マジ]

 

[ていうか貴方達普段どうやってルーン語読んでるのよ、結構古文の知識使うのよ?]

 

呆れながらシスティーナが言うと、アーサーとカッシュがドヤ顔をしながら

 

[[才能とセンス]]

 

[ドヤ顔で言うな野生児達!!なんでこういう時だけ息ピッタリなの?貴方達]

 

システィーナがまたぎゃいぎゃい説教を始め、それをさっきから黙って見ていたグレンがようやく口を開ける

 

[お前ら!!クラスメイトが頑張ってんのにアホみたいな事したんじゃねぇ!ウェンディの出番終わっちったじゃねぇか!!]

 

アホなやり取りをしてる間に競技が終わってしまったようだ、当たり前のように一位だったが、あそこまでやったのだから当然と言えば当然だその後ウェンディはお立ち台も済ませて、颯爽とこちらに帰ってきた。

 

[ご覧になりましたか?私の活躍!]

 

明らかに褒めてほしいオーラ全開のウェンディに対して褒めないと面倒くさいと思ったグレンは褒めまくった。

 

[凄かったな!お前の独壇場だったじゃねぇか!]

 

それに続いてルミアとシスティーナも

 

[うんうん!流石はウェンディって感じだったよ!]

 

[貴方ならやってくれるって思っていたわ!]

 

他のクラスメイトからも褒められて満面の笑みとなったウェンディ、大分調子に乗ったのか、アーサーとカッシュの野生児二人組に目を向ける

 

[あら?お二人は私に何か言うこと無いのですの?]

 

そう言われるとアーサーとカッシュはふざけた顔をしながら棒読みで賛美?を送る

 

[知ってた]

 

[いいぞー決闘の部門、ドンくさいって理由で落とされたやつ〜]

 

[ムッキィ!!なんて事言いますの!!普通そこはもっと別の言い方があるでしょ!!]

 

ウェンディが青筋を立てながら憤慨すると、グレンもアーサー達の物言いに説教をする。

 

[お前らな、頑張った奴を貶すとかそれは無いぞ普通に]

 

グレンが言うと、アーサーとカッシュは心底不思議そうな顔をする

 

[?いや俺は貶したつもりは無いですよ、ウェンディなら普通に一位取れると初めから思ってたし信じて疑いませんでしたよ?]

 

[んな、普段からがむしゃらに黙って努力してるウェンディがあんな奴らに負ける訳ないっすよ、俺たちは端っから勝てると思ってたんで]

 

[そ、そうゆう事ならそれでいいですの]

 

顔を赤くしてプイっとそっぽを向くウェンディ。どうやらあの言動はウェンディに対して全幅の信頼を置いているが故の言葉だったようだ、それでもどうかと思うが、システィーナとかも大した反応も示さない辺りいつもの事のようだ、お互いがお互いに信頼し合う、改めてグレンはこのクラスの仲の良さというか結束力の強さに驚いた。

 

[次の競技は精神防御です、参加者は準備をお願いします]

 

会場アナウンスが流れる、次は精神防御のようだウチのクラスからはルミアが出る、彼女なら大丈夫だろう、あの子は常人とは一線を隠すメンタルの持ち主だ負ける筈は無い。

 

[よし、次はルミアだな頑張ってこいよ!]

 

[はい!任せて下さい]

 

グレンが激励を送るとルミアもそれに笑顔で応える。クラスメイトもそれに続き最後にアーサーも激励を送った

 

[頑張れルミア、君ならトップ狙えるよ]

 

[ふふっ、ありがとうアーサー私頑張ってきちゃうね]

 

笑顔でガッツポーズをしながら応えると、そのまま会場の方に向かって行ったのだった。しかし今回も余裕だろう、まずルミアが負ける筈は無い勝ったな!と思っていたのだが.....

 

[おいおいなんだよ五組のジャイルって奴、歴戦の戦士ですが?伝説の傭兵か何か?一人だけ場違いがいるんだけどどうゆう事?ていうかなんというか出る所間違えて無い?]

 

[言えてるぜ、なんか画風違うしな、ルミア大丈夫かな?ギイブルに聞いた話だと、この競技かなり危険らしいぜ、精神汚染攻撃をされるのをマインドアップだけで耐えるんだろ?危険だろ?毎年病院送りになる奴がいるって話だぜ?今からでも変えた方が]

 

[そこは平気だろ、ルミアの精神力は俺達なんかより何千倍も上だっての....問題はジャイルって奴がその上を行く可能性があるかもって話だ]

 

[さぁーー!精神防御の競技開始だぁーー!では今年も今年とて我が校の講師でもあり、精神作用系の魔術の権威ツェスト男爵だぁぁ!!]

 

会場のスポットライトがツェスト男爵に当たる格好は紳士そのもので、階梯も第六階梯であり精神作用系の魔術に関しては世界でも5本の指に入るレベルの魔術師だ、だがこの男一つ欠点がある、誰にだって欠点の一つや二つある者だがこの男は少し...というか大分、度が過ぎてるのだ....

 

[紳士淑女の皆様ご機嫌よう....まずは小手調に睡眠魔術から始めよう]

 

そう告げると長い杖を挑戦者達に構え、魔術を詠唱する

 

[《体に憩いを・心に安らぎを・その瞼は落ちよ》ースリープサウンドー]

 

それに応戦して、対抗魔術を詠唱する。

 

[我が御霊よ・悪しき意志より・我が識を守り給え]ーマインドアップー]

 

 

白魔 マインドアップこの技は元々精神力が強ければ強い程効果を発揮する、しかし精神的に脆い人間には効果がない為...

 

[あーあ]

 

[完全に捨て駒扱いかよ]

 

アーサーとカッシュが苦笑いしながら呆れる、何故なら一発目で一組が脱落したからだ、これには司会も思わずハーレイに苦言を呈した。

 

[おおっと!!一組いきなり寝たぁ!完全に捨て駒だぁ!やる気なさすぎでしょハーレイ先生!]

 

精神力が弱い人間がマインドアップを詠唱しても大抵こうなる、焼石に水なのだ、ましてや相手が格上だと秒殺だ。それにこの競技自体一位以外は点数が入らない為大体他のクラスはやる気が無い、なので殆どのクラスが主力を温存して、捨て駒として成績が低い生徒を出す傾向にある。

 

[前回一位のジャイル君はともかく、今回は紅一点のルミアちゃんが気になりますね男爵]

 

司会の生徒が質問すると、男爵は杖を舌でベロリと舐めてはぁはぁと荒い息をし顔を赤らめながらでとんでもない事を言った。

 

[ふ...そうだな可憐でいたいけな少女の心をどう汚染し尽くしてやるか、実に楽しみだ...ふひひひ]

 

[へ、変態だぁぁぁぁ]

 

そうこの男ドがつく変態なのだ、いついかなる時もエロいことしか考えていない、思春期の少年が一番行ってはいけない方向に行ってしまいそのまま大人になってオッサンになったような男だ。

 

[はぁーなんであのオッサンクビにならないんだろうな?]

 

[言えてる、アレそのうち捕まるだろ、でもアーサーwお前何かとあのオッサンと縁があるんだろ?ww]

 

[...やめろ言うな思い出したくない]

 

カッシュがアーサーを茶化す、そうアーサーとツェストは何かと縁がある...勿論下の方で....

アーサーも男だ...何かと我慢が効かない事もある、そうゆう時に闇市に古本が売っている場所を尋ねるのだ...所謂あっち系の代物を探しに...

そして毎回アーサーがその、致す為の代物を探している時に出くわすのだ...はぁはぁ荒い息をしながら物色しているツェスト男爵に、そしてその手には毎回その...ロリ系の薄い本を数冊抱えているのだ、一度目が会ってしまった時は思わず戦闘態勢を取ってしまうほど程血走った目をしていて、ガチの性犯罪者かと思う程だった。そんな事を思い出していると、カッシュがニヤつきながら下の話を切り出してきた

 

[なぁなぁアーサー、お前普段どんなやつで致してんだ?]

 

[なんだよ藪から棒に]

 

[まぁ良いじゃねぇか、お姉さん系か?]

 

[違う]

 

[それとも貧乳系が好きなのか?]

 

[違う]

 

[じゃあ巨乳系か?]

 

[....違う]

 

[あ、今間が空いたな?アーサーは巨乳系が好き..っと]

 

[お前何メモってんの?]

 

[よし、じゃあ次に〜お前ルミアみたいな金髪とか好き?]

 

[ちょっと集中して試合観ようぜカッシュ!もうルミアとジャイルとか言う奴しか残ってないんだし]

 

[おい!うやむやにして逃げんな!ってマジじゃねぇか]

 

カッシュとアーサーが目を向けると、そこにはもうルミアとジャイルしか居なかった他は脱落したらしい、一騎討ち状態だ、観客もまさか可憐な少女がジャイル相手にここまでやるとは思っていなかったのか、異様な盛り上がりを見せているようだ。

 

[ここまで粘るとは思ってなかったわ]

 

[ルミアが?]

 

[いやジャイルが、正直ぶっちぎりでルミアが勝つと思ってたのに、まさかまさかのって感じ]

 

[ここからは体力勝負って事か]

 

[あぁ、持久戦になるだろうな]

 

アーサーとカッシュの言う通り、試合は持久戦に突入した、ルミアもジャイルも一歩も譲らず、気づけば第31ラウンドまで行っていた。

 

[恐らく次で決まるな...]

 

[マジ?...なあアーサー掛けしないか?]

 

[何言ってんだお前...友達の試合で賭け事する奴がいるか]

 

アーサーがため息混じりに言うと、カッシュが金は賭けないと言ってきた

 

[じゃあ何を賭けんだよ?]

 

[購買の期間限定のフルーツスムージーで]

 

[はぁーガキの賭け事じゃねぇんだから....まぁ良いよ乗った]

 

アーサーは若干呆れながらも、カッシュとの賭けに渋々乗った、賭けの内容はルミアとジャイルどっちが勝つかと言う物だった、アーサーは迷わず

 

[んなの決まってんだろ、ルミアしかいないだろ]

 

するとカッシュは俺もルミアだと言ってきた。

 

[それだと賭けにならないだろ]

 

[じゃあ、じゃん負けがジャイルの方賭けるって事ではい、最初はグージャンケン]

 

[はっ?え、ちょっと]

 

----- ------

------------|

----|--.---------|--

 

[はぁーマジかよ、無駄な出費だホントに]

 

[まだ言ってんのかよ?アーサーく〜ん?〜]

 

(マジで一発殴りたい)

 

アーサーの手には二つのフルーツスムージーがあった、一つはイチゴでもう一つはミックスらしい、先程のいきなりすぎるジャンケン勝負に見事に敗北したアーサー...案の定ルミアが勝ってしまい(?)カッシュに奢らされるハメになった。

現在は午前の部が終わり一時間程休憩の時間となった、生徒はそれぞれ友達とだったら家族とだったらと楽しそうにご飯を食べている、アーサーはと言うとギイブルには断られ、その他いつものメンツもそれぞれ他の人と一緒に食べるらしく、頼みの綱のカッシュも俺の馴染みの無い友人達と食べるらしい、一応誘われたが、やんわりと断った、そのため現在、学院を上げた大きなイベントで一人で飯を食うというこの世の地獄が確定している状況だ。

 

[ホントにいいのか?アーサー?一緒に食わなくて]

 

[あぁ、話したことのない奴らと飯を食うのは気疲れしちまうからな]

 

 

[そっか、でも来たかったらいつでも来いよ!俺はいつでも歓迎だからな!]

 

[ありがとう]

 

アーサーはそのままカッシュとは別れ、一人で廊下を歩いているとふと、外を見ると

 

[アレは...ルミアか?どうしてあんな落ち込んでんだ?]

 

ルミアが木の影で休んでいた。でもその顔は何処か曇っていて落ち込んでいる様子だった。

 

[.....そっとして置いてあげた方がいいか.....いやでも.......うーむやらないで後悔するよりやって後悔した方がいいか....]

 

アーサーは一度購買に戻り、女性に人気なスムージーを買うと、直ぐにルミアの元に向かった、するとルミアが首に掛けてあるロケットを何処か悲しげに見つめていた、それを見ていたアーサーは何処か焦燥感に駆られ、ルミアに話しかけた

 

[....浮かない顔してるな]

 

[!?アーサー?どうして!?]

 

ルミアは心底驚いた様子だった。

 

[なんだ?俺じゃない方が来ると思った?グレン先生とかさ?]

 

[ち、違うよ、私は、むぐぅ!?]

 

ルミアが真っ赤になって何か言う前に彼女の口にスムージーのストローを挿れた

 

[しけた顔してないで、これでも飲んどけ、美味しい物飲んだら少しはマシになるだろ、話はそれから]

 

[う、うん、あ、これ美味しい]

 

[だろ?あそこの甘い系のやつは美味しいからな、それも気にいると思って]

 

アーサーが優しい笑顔で言うと、ルミアも少し微笑み彼に感謝の言葉を述べる

 

[..,ありがとうアーサー]

 

少しの間一緒に飲みながら他愛の無い話で談笑するアーサーとルミア。飲み物を飲み切ると切り出したのはルミアだった。

 

[....アーサーって、大事な人を許す事って出来る?]

 

[そうゆう回りくどい言い方しなくてもいいよ、ルミア...いやエルミアナ王女]

 

アーサーから出た驚愕すぎる言葉にルミアは狼狽え動揺した。

 

[な、なんでその事を!?]

 

アーサーは淡々とした口調で

 

[あの時テロリストが学院に襲撃してきた時に、奴らの口から聞いたんだ、直接じゃ無いけどな]

 

と、説明するとルミアも納得した様子だった。

 

[....ルミアの気持ちもわかるよ、想像を絶するよな親に捨てられるなんてさ、憎しみとか悲しみとか色んな感情に苛まれるよな]

 

アーサーが肩をポンとやりながら語りかけると、ルミアの心の何かが爆発したのかアーサーに当たってしまう。

 

[....わかんないよ!アーサーには!!!私の気持ちなんて...あなたには!!誰も私の気持ちなんて...]

 

[いいよ、全部吐いちまえ全部受け止めてやるから]

 

アーサーは優しくルミアを宥める、暫く彼の胸の中で泣くと、少し治ったのか、ルミアがアーサーに両親の事を聞いてきた。

 

[...アーサーってご両親と喧嘩した時、どうやって....仲直りしてた?]

 

[うーん、そうだな言いたい事全部言って、それから謝るかな?あ、でもその場から逃げるのは禁止!!なんてね!.....取り敢えず言いたいことは...後悔しない方を選ぶ事、どうせ後悔するならやって後悔した方がいいでしょ?]

 

そう言ってアーサーは首に掛けてあった、蝶の模様と何処かの家の家紋の入ったペンダントを手に取り、それを見つめた。

 

[綺麗なペンダントだね...]

 

[だろ?母さんの形見なんだ、ずっと付けてる。一緒にいてくれるような気がしてさ]

 

[!?アーサー...貴方のご両親って....]

 

[死んだよ、両方とも事故でね。]

 

[.....]

 

[俺の家は元々一人親でさ、母親が女て一つで必死に俺を育ててくれてね、良い人だったよ、よく言う良妻賢母って奴かな、元々は魔術師かつ教師でもあったらしくてさ、村の教師やりながら良く俺に色んな知識を優しく時に厳しく教えてくれたんだよ、でもある時些細な事で喧嘩しちまったんだよ、なんで俺には父親がいないのとかなんとか言ってね、そのまま家を飛び出しちまった訳....そんでさその日に事故で死んじまった...俺は謝る事も出来ずに喧嘩別れしちまったて訳、ちゃんちゃん]

 

自らを自嘲し戒めるような口調で自身の過去を語ると、ルミアは悲痛な表情を浮かべるとアーサーが

 

[そんな顔するなよ、別に今は前を向いて歩いてるつもりだよ、だからここまで語っておいてなんだけどそんなに気にしなくてもいいよ]

 

[...アーサー]

 

[まぁ何が言いたいかって言うと、後悔しない選択をしてねって話だよ君には俺と同じ轍を踏んで欲しくない、言えるなら面と向かって言いたい事ぶつけてこい!!てね]

 

アーサーが優しく微笑むながら言うと、ルミアの雲が晴れたのか、いつもの表情に戻った。

 

[ありがとうアーサー、私頑張ってくるね!!]

 

ルミアの覚悟の決まった表情を見たアーサーはニコリと笑うと、サッと立ち上がり、ルミアの手を取る

 

[では参りましょうか王女様。なんてね]

 

[ふふっ、からかわないでよアーサー]

 

そしてそのまま戻ろうとして歩み掛けた瞬間....アーサーに電流が走る、フォースがここにいては危険だと、警報を鳴らしているようだった。

 

[アーサー?どうしたの?]

 

ルミアが不思議そうに顔を傾げるのも気にせず、周りを一心不乱に見渡す、するとそこにいたのは、5人の王室親衛隊だった。奴らはアーサーとルミアを囲った、アーサーはルミアを守るように自分の後ろに守るように置く。

 

[おうおう、物騒な格好してどうしたんすか?求人募集なら他所でやってくれませんか?それとも別の用?]

 

アーサーの言葉をガン無視して、連中は剣を抜き、その刀身を二人に向けると淡々ととんでもない事を告げる

 

[ルミア=ティンジェルだな?..,傾聴せよ、我々は女王の意志の代行者である....ルミア=ティンジェル、《貴様は恐れ多くも陛下を亡き者にしようと密かに画策し国家転覆を企てた、不敬罪及び国家反逆罪そして陛下の勅命により....即手打ちとする!!》

 

[わ、私が...陛下の暗殺を企んだ....!?]

 

ルミアは狼狽え

アーサーは思わず困惑する、どうゆう事だ?と、どうしてルミアを殺しに来る?しかも女王側の人間が?アーサーは頭の中で様々な可能性を考える。恐らく無駄だが取り敢えず説得してみる事にした。

 

[タチの悪い冗談だ....この子がそんな事した証拠がどこにある?]

 

[貴様に開示する義務は無い、その物言いを改めなければ不敬罪が成立するぞ?]

 

[横暴だな、俺はただ交渉がしたいだけだ]

 

[貴様と交渉する必要は無い、早くその娘を渡せ]

 

アーサーはため息を吐くと、もう少し話を伸ばす。

 

[なぁ頼むぜ、この子を殺す必要なんて無いだろ?]

 

[くどい!!早くその娘を渡せ!!二度は言わないぞ!!]

 

[こんな性格の良い美少女を見捨てろなんて、俺の辞書には書いてないんでね国家反逆罪にでも何にでもしろっての!こんな美少女と一緒に指名手配とかお釣りが返ってくるレベルのご褒美だわ〜ww]

 

アーサーがふざけた口調で言うと堪忍袋の尾が切れたのか

 

[貴様も死にたいようだな..,ならば覚悟せよ]

 

親衛隊の連中が戦闘の構えを取ると、アーサーはルミアの耳元で囁くように作戦を伝える

 

(ルミア、俺が奴らの注意を引くその隙に君は逃げるんだ!いいね?)

 

(あ、貴方はどうするの?)

 

(どうにかする、いいかい?俺が斜め後ろの奴を蹴り飛ばす、そしたらあの門まで走れ!んでこれから来る奴に乗れ!)

 

(これから来る奴って何アーサー?)

 

返答する前にアーサーが一瞬で斜め後ろにいる親衛隊の連中が持っているレイピアを弾き飛ばすとルミアが通れるスペースを開けるとルミアを投げ飛ばした、アーサーも一度飛び上がり宙に浮くルミアをフォースで優しく着地させ、自分も少し後ろに下がり、ルミアに向かって叫ぶ。

 

[走れ!!ルミア!!もういるはずだ!!]

 

[何がいるの!?]

 

[!?ルミア!!!!危ない!!]

 

[あ、、、]

 

門の前で親衛隊の人間と肉薄し、レイピアを突き刺されそうになるルミア。彼女は思わず目を瞑り走馬灯のようなものが走る、しかし数秒経ってもその時が来ない、そして恐る恐る目を開けると、そこにいたのは、アーサーの愛馬と狼だった。横には思いっきり突き飛ばされたのか親衛隊が失神していた。

 

[ワンワン!!]

 

[間に合ったか...ルミア時間が無い!!グリントに乗れ!!君が止まりたい時以外は手綱は掴まなくて良い!!とにかく振り落とされないようにしがみつくんだ!!いいね?さぁ行くんだ!!]

 

[ありがとう、アーサー、どうかご無事で]

 

[あぁまた後で会おう、さぁ行けグリント!!]

 

アーサーが叫ぶと、グリントがヒヒーンと声を上げて猛スピードで走り去って行ったウルフもそれを追って消えていく。残ったのはアーサーだけ、彼はとにかくこの状況を打開する手段を考えていた、ここで本気で殺し合えば、多勢に無勢、いくら実戦経験豊富なアーサーでもタダでは済まない、そして仮にフォースなどを駆使して全力で戦えば、正体もバレる、こうなれば全て水の泡....つまり今アーサーが使ってはいけない技は軍用魔術全般、フォース(変装していないため)そして帝国式軍隊格闘術、そして学生離れした剣術、殺傷武器禁止....そして使えるのは、二年までで習ったすべての知識、技術....それで勝てるだろうか...否やるしか無い。取り敢えずこの場にいる人間だけでも無力化しなければいけない

 

[さぁーてと、たった5人で俺を殺れるのか?]

 

[いつ5人だけと言った?]

 

親衛隊の一人がそう言うと、4方向からアーサーを囲うようにゾロゾロと連中の集団が現れた。

 

[あーもしかして俺大口叩いちまった?]

 

アーサーは冷や汗をダラダラ掻きながら、この状況をどうにかする策を考えていた、学生レベルの知識と技術で?親衛隊(精鋭)をどうにかするって??しかもざっと50人くらいいるのに???....アーサーが導き出した答えは....

 

[うぉぉぉぉぉ《三界の理・天秤の法則・律の皿は左舷に傾くべし》!!!逃ぃげるんだよぉおぉぉぁ!!!後ルミアの方追っても無駄だぞ!あれにはスキャンキャンセラーついてるから追跡不可能だからな!俺を追った方が早いと思うよ!!、]

 

逃走だった。なんとも情けない、アーサーはグラビティコントールを使って屋根を登り一気に猛ダッシュ脱兎の如く逃げる、それを追うように親衛隊の連中も

 

[奴をおぇぇぇぇ!!全勢力を掛けておぇぇぇぇ!!!]

 

全部隊総出で、追いかけっこしてくれるらしいなんとも嬉しく無い。

 

(これでルミアが逃げれる時間も稼いだ、後は俺がなんとか逃げられれば!!!)

 

後ろをチラリと見ると、血走った目でこちらを追う鬼(親衛隊20人程)ゆっくりと顔を前に向き直すと心の中で悲鳴を上げた

 

(いやぁぁぁ後ろみなければ良かったぉぉぉぉ!!マジで誰かヘルプ!!!ヘルプ!!!今日はなんなんだよ!!カッシュにはたかられるし親衛隊には殺されそうだし!!なんてついてねぇんだぁぁぁぁぁ)

 

こうして親衛隊との、命を賭けた仁義なき鬼ごっこが始まるのだった

 

 

続く

 

 




グレン先生とは別の視点にしてカッシュとアーサー視点にしてみた話だったけど伝わっただろうか...
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