あるジェダイが世界を変える為に命を掛けて戦う話 作:スッパーン//
あるジェダイの言葉
前回のあらすじ 親衛隊と50対1の鬼ごっこ(命懸け)をなんとか学生ができる範囲の技を駆使して逃げ切った(撃退)したぞ⭐︎しかしその代償として、致命傷レベルの傷を負い一時は心停止したが、システィーナの状況判断とセシリア先生の必死の治療とセリカさんのバケモノレベルの魔術でなんとか三途の川からバタフライで帰還したぞ☆
その後大事をとって保健室にて一度包帯を体のあらゆる箇所に巻いてもらい痛み止めの薬を処方してもらった後、セリカさんからお呼び出しをもらった。
「おぉ、来たか」
「セリカさん。お待たせしました、それでご用件はなんでしょうか?」
学院の門の近くで腕を組んで待っている大人びた金髪の女性、魔術の世界では知らぬものはいない、彼の有名な魔術師セリカ=アルフォネアが、ただの学生の為に時間を割いているのだ、何かと身構えていると、返ってきた答えは、今回の事件の全貌についてだった。
「そう身構えんなってアーサー、今日お前が巻き込まれた事件についての説明するだけだから」
「そうだった!ルミアは無事ですか!?グレン先生は!?」
どうやらアーサーは死にかけたせいか一部記憶が混濁していたのか、ルミア達の事を忘れてしまっていたようだ。
「全員無事だよ、お前のお陰でな。ホントに今回はマジで驚いたよ、親衛隊の連中を引きつけるだけならまだしも、相手の誘導を逆手に取って条件起動式で全員拘束するなんてな、ホントに10代のガキかよ?って思ったね」
セリカが明るい口調でアーサーを褒めちぎると、彼も照れくさくなったのか顔を赤くする。
「あ、あはは。たまたまですよたまたま、それより、今回どうしてルミアが狙われたのですか?」
「あぁ、今回の事件は簡単に言えば女王暗殺計画って所だ、未遂に終わったのが幸いだったけどな」
アーサーはその事を聞いて少し驚くが、直ぐに頭をリセットして少し推理する。
まず今回の事件は、帝国の内部の人間の謀反では無い、何故なら王位継承権の無いルミアを狙うなんて回りくどい事をする意味が無い、仮に自分の娘をだしに使われたとしても女王は止まる事は無いだろう、あの人はそういう人だ、時に非情な選択ができる人間だ、俺にはわかる。それに女王を暗殺するメリットというものが存在しない、トップの暗殺というのは、殺した後の事後処理の方に重点を置かなければならない。
アーサーの知る限り、新聞やら情報媒体で陛下をさも邪智暴虐の暴君のように仕立て上げ民衆を扇動などは行われていない、つまりこの状態で暗殺し、女王の御子息全てを根絶やしにした後、別の人間をたてようものなら、女王を慕い忠誠を誓っている国民は間違い無く各地で武力による反乱を起こすだろう。そして仮に反乱を鎮圧したとしても、兵が疲弊してる状態なのを、長年いがみ合ってる、お隣の国レガリオン王国が狙わないはずも無い。直ぐに宣戦布告して電撃戦で一気に帝国は焦土と化して、間違い無く国は滅び、アルザーノ国民は根絶やしにされるだろう。このような結末は容易に想像できる、相当な愚か者で無ければこのような事はしない筈だ。
つまり、最初から女王暗殺は目的では無かった?目的はルミア?では何故即手打ちなんて事をする必要があった?普通生捕りにするものでは無いのか??取り敢えずわかったのは例の天の知恵研究会の犯行であろう事だ
「それってこの間、学院に襲撃してきたテロリストと同じグループに所属している人間の犯行ですか?」
「鋭いな、流石はアイツの教え子、そうゆう事だ...天の知恵研究会....長年帝国が影で戦い続けてる、倫理観の欠如した屑人間集団だよ」
「成る程、となれば最初から狙いは女王では無く、ルミアだったって訳ですが.....」
「ん?ちょっと待った、普通に話進めてるけどお前もしかしてルミアの過去とか知ってる?」
「あ....」
アーサーまたしてもやらかす。何かに夢中になると、全ての設定をフル無視してしまう症候群が再発、自分が学生という事を忘れてしまい、安易にルミアについて言及してしまった。ここは言葉を選んで冷静に対処しないとならない、変に正体が割れては困る。ここは一呼吸置いてからカバーストーリー通りに
「えっと、その、あの!あれっすよ、る、ルミアがあ〜、女王の娘さんって事はその〜あの〜捕まってる時にテロリストからちょろっと聞いたというかなんというかハイ、そんだけです....」
全部失敗した。ものの見事に全てやらかした、呂律が回らず、目が泳ぎながら説明しても怪しさ満載である、見てくれあのセリカさんの表情を過去一怪しんで、訝しんでるよ。どうするれば良いのかわからない。
「ふーんアーサー本当の事言え、言ったら楽になるぞ?うん?」
今のセリカはさながら、署で優しめの口調で尋問してくる警邏官そのものだ、今にもカツ丼を机の上にポンと置いてきそうだ。
(やっべぇぇ、この圧やばいって!ガン詰めしてきてるよいや、待て俺ここでこの圧に屈したら終わりや、なんとか対抗するんじゃ!!)
「ほ、本当のこ、こ、こ、事言ってます〜嘘なんかつつつつついてません。」
アーサーが掠れた口笛を吐吹きながら、誤魔化そうとするがお構いなしにセリカが詰めてくる
「本 当 は ?」
「ちょっとだけ...」
「ち ょ っ と だ け ? な ん だ ?」
(うん完全に屈したわ、うん、ちょっとこの圧に敵わないわ。つうか絶対絶命だわ、この場から逃げたいわ、と思ったら腰抜けたわ。どないしよこの状況マジで、もうあれやな、うん、もう神頼みしか無いわ、おぉぉぉぉぉお願いします!!神様!!日頃の行い悪いけどこの状況なんとかしてぇぇぇぇぇ)
アーサーがこの状況を打破する手は、神頼み以外無いようだ。何とも滑稽である。最早ここまでか、と思った時、後ろの方からセリカに気品あふれる声で喋りかける女性がいた。後ろを振り向くとそこにいたのは...
「少しいじめ過ぎですよ?セリカ、その子が困ってるではありませんか」
「んだよ、アリス早いっての、もう少しアーサーをいじめて楽しもうととしてたのに〜」
「え?女神降臨した?って女王陛下!!!!な、なんでここに!!」
「元々お前をここに呼び出したのはアリスだからな、お礼がしたいんだと」
「ふふっ、そうゆう事です。改めてエルミアナを救って頂き本当にありがとうございます、感謝してもしきれません何かお礼を...」
アーサーに対して深々とお礼をする女王に、アーサーがあたふたしながら
「いやいやいや!!こんな唯の平民風情にお礼なんてしなくても良いで!頭上げてください!!ルミアを助けたのはなんというか成り行きなんで!!」
「貴方は成り行きで命をかけられるのですか?」
女王がアーサーに問うように質問する。明らかに試されているそう感じたアーサーはある人の言葉を引用した
「...何というか、あの時色んな事考えるより先に体が動いていたんですよ、この子を助けろって、唯それだけです、私の尊敬している人の言葉を使って表すとすれば、誰かを助けるのに理由なんて要らないってやつですね」
「....それって」
陛下はアーサーの言葉を聞くと思わず目を丸くしたのと同時にある人とアーサーを重ねてみる、顔や背丈こそ似ていないものの、雰囲気が何処か面影があるように見えた。陛下は思わずアーサーに聞いてしまった
「アーサー君、貴方ハンク....ハンク=ジェスターを知っておられますか?」
「え?はい、知ってますけど...もしかして知り合.....あっ、、、」
アーサーまたしてもやらかす、前にハンクの学生時代の写真を見せてもらっていて陛下とは同級生で親しい間柄かつ前は軍関係者で、何か唯ならぬ事情があって辞めた事を知っていて、かつ女王の話をするといつも顔が曇るハンクの事を知っていながら、ハンクの言葉を引用して使ってしまった。
(やっば!要らん言葉使って、二人の問題に首突っ込もうとしてるんだけど!!アカン何聞かれるかわかったもんじゃない、どうしよこの事バレたらハンクさんにしばかれる!!あの人怒るの怖いんだよ!!)
内心ビクビクしながらも、陛下は普通の事を聞いてきた
「ハンクは元気ですか?あの人いつもだらしないから...」
「え、えぇ元気ですよ、今は街の外れで鍛冶屋をやってますよ。俺はまだまだ現役だぁぁって言っていつもナンパして玉砕してますけど」
「ふふっ、相変わらずですね...そうですか鍛冶屋を....」
表情こそ笑っているものの、何処か悲壮感の漂う声色だった。何とも言えない空気が立ち込めると、陛下が無理矢理話を切り上げた。
「そう言えば、エルミアナが貴方にお礼がしたいと言っていましたよ、恐らくクラスの皆さんとパーティしてると思うので行ってあげてはくれませんか?」
「は、はい!行って参ります!では失礼します!」
アーサーは天に駆ける勢いで、その場を走り去った。陛下も少ししたのち護衛と共に立ち去った、そして残ったセリカはというと
「うん?ちょっと待った、二人して置いていくの酷くない?待ってくれ!アーサー!私もパーティ参加する!グレンとパーティしたい!!」
そう言ってアーサーの後ろを追うのだった。
-------
---------
-----------
「なんか後から入るのって気が引けるんだよな〜皆んなの注目集めそうで、でも女王陛下に言われたからな〜ふぅー....入るか」
意を決して入ってみると目の前にはテーブルの上に半裸で頭にネクタイを巻きながら一升瓶をラッパ飲みするグレンと、それに便乗しながらベロンベロンに酔ってるクラスの面々がいいぞもっとやれーやら何やら言ってるこの世の地獄みたいな光景だった、貸切にしておいて本当に良かったと思うアーサーだった。
「おい!皆んなみろぉぉ!このクラスのM V P !アーサー=モーガン殿だぞぉぉぉぉ!!下々の者たち!丁重にもてなせぃぃぃ」
グレンがクラスのメンバー全員に王様気分で命令すると、全員酔っ払っているのか、あの女子達ですら完全にアーサーをロックオンしてる
「ちょっと待った!!皆んな!!落ち着け!!落ち着いてくれ!!待ってホンマに!血走った目でこっちをロックオンしないで!!お願い頼む!!」
「「ウェェェイ!!!」」
「ギニァァァァァァァァ!!」
アーサーの元になだれ込んでくるクラスメイト達、最早アーサーには如何なる手を打っても対抗する手札は無く唯身を任せるしか無かった。
(本当にごめんなさいアーサー、助けて貰ったのに恩を仇で返すなんて(
唯一この場で酒に酔わなかった者は唯一人ルミアだけだった、彼女は何杯注がれても酔うことが無い酒豪だった。しかし酔ったふりをしてこの場を掻い潜らなければあのようにオモチャにされるからだ、その為犠牲になったアーサーには同情の心と共に後日必ず謝罪をしようと誓ったのであった。
なんやかんやあった魔術競技祭、取り敢えずは一件落着と言った所であろうか、後日グレンには地獄みたいな請求額と、アーサーはハンクからマジモンのお説教を食らうとはこの時は知る由もなかった。
-------
-----------
--------------
「ふぁー暇だな〜アーサーも今頃クラスのメンツと打ち上げてもしてんだろうな〜いいね〜学生の頃に戻りてぇわおじさん、なぁウルフ」
ウルフは不機嫌そうにしながらもハンクに撫で撫でされていると、ハンクが弁解してきた
「悪いな今日、多分なんかあったんだろうけど少し手が離せなくて、ウルフ達に任せちまった、本当なら行くつもりだったんだけどな悪い」
ウルフは何とも言えない表情でそっぽを向いたと思うと、人が来たのか、しっぽが上がり玄関のほうに向かう。
「どうした?ウルフ?お客さんでも来たか?」
ハンクもソファーから立ち上がり、玄関に向かうと、2回ノックする音が聞こえドアを開けるとそこにいたのは、フードを被った、お淑やかな淑女だったでもハンクはその人を知っていた。
「お久しぶりですね....ハンク....」
「アリシア?どうしてここに?」
アリシア女王陛下だった。少し神妙な出立ちでハンクを見つめていた、彼はと言うと、驚きのあまり一周回って冷静になっていた。
「あー、立ち話もなんだ中でコーヒーでも....飲むか?」
「では...お言葉に甘えさせて貰いますね」
中に入ってコーヒーを淹れ、2つのカップを机に置いたハンクだったが、この場の空気は吐くほど重かった
「........」
「.......」
とてつもなく重い空気が二人の間を流れる、その空気たるや先程までいたウルフすらその場を気づかずに立ち去るレベルだ。取り敢えずハンクが口を開く
「....えーっと、15年振りくらいか?俺達もすっかり歳食ったな」
「....そうですね」
「あー今日はどうしてここに来たんだ?同窓会の招待状届けに来た訳じゃ無いよな?.....悪い忘れてくれ」
「ええ、招待状を渡しに来た訳ではありませんよ。貴方のお弟子さんに居場所を聞いてこっちに来ただけですから」
「もしかしてアーサーか?」
「はい、そうです。中々優秀な弟子ですね、魔術の腕も戦闘技術も貴方が手ほどきしたのでしょ?」
「いや、アイツに戦闘技術とか教えた事は無い、教えたのは鍛冶の技術だけだ、まぁ鍛冶屋だからな。」
「!?では全てあの子が元々持っていた技術なのですか?」
「あぁ、そうゆう事になる、アイツには何も教える事なんて無かったよ、全て完成されてる、いつも冗談を飛ばしたりするけど、冷静に状況を見定めるし隙がない、無茶しやすいのが偶に傷だけどな」
ハンクがそう言うとアリシアが何処か懐かしむように笑う
「何かおかしな事言ったか?俺?」
「ふふっ、いえ、昔の貴方みたいだなって思って」
「俺は任務の時に冗談なんか飛ばしたことなかったろ?」
「冗談こそ飛ばしませんでしたが、いつも無茶をして危なっかしい、自分の身を顧みず誰かを救おうと必死なる人でしたわ」
「そうゆう君は昔は何処か抜けてたけど、気高くて凛とした美しい女性だった、アイツには勿体ないくらいのな.....」
学生時代の楽しかった頃の思いを馳せる二人、先程の重々しい空気は嘘のようだ
「懐かしいですね、学生の頃3人でよく色々な所に行きましたよね....」
「俺たちは幼馴染で家族みたいなもんだったもんな.....」
「.....ハンク...今一度私の元に戻ってくるつもりはございませんか?」
アリシアに問われると、ハンクは何処か悲しげな表情となりアリシアの願いを拒否した。
「.....悪い....俺にはもう....君の元に戻れる覚悟は無い、それにもう俺は国に忠誠を誓う事は出来ないんだ」
「あの時の事を未だに....」
「俺はあの時....あの時の事を未だに後悔してる...どうすれば正解だったかも分からない、俺があの時の止められれば俺は...」
目から涙を流し自責の念にかられるハンクの背中優しくさするアリシアハンクの未だ拭えないトラウマを掘り返してしまった事に酷く後悔しているようだった。
「すみません、今日はいきなり訪ねてしまって。帰りも馬で送ってもらって」
「いいんだよ、あ、あれ親衛隊の連中じゃねぇか?」
親衛隊の近くでアリシアを降ろすと、去り際にハンクが言伝をアリシアに伝える
「バーナードに...いや親父に宜しく言っといてくれ」
「ふふっ、わかりました伝えておきます、ではお元気で」
「あぁ、そっちもな」
そう言って馬でその場を走り去るのだった。
続く