あるジェダイが世界を変える為に命を掛けて戦う話   作:スッパーン//

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ジェダイは光も闇も共に学びバランスを取るべきだ






あるジェダイと言葉


稽古

燦々と晴れた朝、今日もこの街フェジテは和気藹々と賑わい活気が溢れている。そんな日に珍しくアーサーは寝坊もせずに、普通の時間に学園の近くについていた、怪我はだいぶ癒えたのか、包帯は殆ど外れていた。

 

「今日はいい朝だな〜誰にも邪魔されずにゆっくり学校に行くとしよう」

 

のほほんとした腑抜けた顔でリラックスしていると、後ろからドンと衝撃が走りその方向に向くとそこにはカッシュがいた

 

「おっ!これはこれは、途中でバックれたと思ったらいきなり死にかけたアーサー君じゃあありませんか〜今日は珍しく随分早いじゃねぇか?」

 

リラックスして行くと言った瞬間にこれだ、アーサーの平穏な時間を過ごす予定は一瞬でぶち壊されるのであった。

 

「一言余計だよ...おはようカッシュ」

 

その後もアーサーを揶揄うカッシュ、すると横から何処か呆れ顔のシスティーナとルミア達がやってきた。

 

「カッシュ!朝から騒がないの!!みんなの迷惑になるでしょ!」

 

「だぁー!!うるせぇうるせぇ、なんで朝っぱらからお前の甲高い声聞かなきゃならねぇんだよ!」

 

「何ですって!!」

 

「はぁ〜ま〜た始まった」

 

アーサーが呆れた口調で喋る。毎度恒例のシスティーナとカッシュの言い争いだ、何かといちゃもんをつけるシスティーナと、それに反応するカッシュ、最初こそ止めていたが、以前どの会社のペンが一番とかいうクソしょーもない口喧嘩をして以来馬鹿馬鹿しくなって止めるのをやめた。そしてアーサーがその口喧嘩を尻目に先に進もうとしたところで、アーサーの横にひょこっとルミアがついてきた

 

「おはようアーサー!傷は大分治ったみたいだけどまだ痛む?

 

「お陰様で、にしてもずっと君に看病されっぱなしだね。頭が上がらないよ」

 

アーサーはあの競技祭以来一カ月程ずっと付きっきりで看病してくれたのだ、最初は自分で何とかするから平気だとそこまでしなくて良いと何度も言ったのだが、ルミアは一切引かずにアーサーを押し切って、利き腕の補助やら何やらをしてくれた。

 

「そんな事無いよ!私の方が頭上がらないよアーサー、あの時私を助けてくれたし、色々お世話になってるし」

 

「そこまでしなくても良いのに、まぁ取り敢えずみんなで行こうか」

 

「うん」

 

アーサーがそう言うと、先程まで言い争いしていた二人もこっちにきて4人で学院に向かう、後ろにはあいもかわらず言い争いする二人と前には仲良くやましい気持ちなどは無くただ純粋に友人として、笑い合うアーサーとルミア。

 

(こんな日々も悪くない)

 

そう心の中で思うアーサーだったが、何処からとも無く声が聞こえてきた

 

——お前にそんな事をする資格はあるのかアーサー?——————-

 

バッと後ろを振り向くと今まであった景色は街並みはまるで幻かの様に崩れる様に消え去る。周囲はまるで彼自身の記憶の断片を繋いだ様なものが展開されていた

 

「なっ!?みんな!?おい!!なんだここは?幻術?魔術の類か?それとも!?」

 

余りに急な事に冷静さを掻いてしまうアーサーだったが、次の瞬間更に血の気が引いてしまう

 

 

「あり得ない.....」

 

「久しいな....アーサー...我が弟子よ....」

 

アーサーを弟子と呼んだ男は長身痩躯で黒髪だったが、髪が伸び切り髭は顔の半分を完全に覆っていた、目は据わっていて幾つもの修羅場を潜ってきた事がビリビリと感じる程だ

 

「マス...ター?どうして?」

 

「お前は何故?普通の生活なぞ望んでいる?何の為にここにきた?使命を忘れたのか?」

 

「俺は...」

 

「聞け...アーサー」

 

「うぐぅあ!!」

 

師はアーサーにフォースを使い宙に浮かせると

 

「...近いうちにお前に闇が近づいてくるだろう、最早避ける事は出来まい、これは忠告だ我が弟子よ....闇に怒りに呑まれるな....」

 

「うっぐぅマスター....うわぁぁぉぉぁ」

 

そのまま勢いよく地面に叩きつけられ、目を開けると寝室の天井が見えた、慌てて周囲を見渡す、体からは大汗をかき動悸が止まらない様子だ

 

「ハッ!!はぁ、はぁ、はぁ、ここは?俺の部屋?」

 

まだ周囲は暗く隣からはハンクのうるさい息吹が聞こえる、どうやらまだ夜中の様だ、そして先程の事全て夢であった。

 

「やっぱり夢だったか最近こうゆう夢多いな....マスターが忠告してくれたのか...ははっ、いや待て、あれは本当にマスターの意識だったのか?それとも俺の幻覚か?取り敢えず言えるのは、近いうちに暗黒面の戦士が来る......準備をしなければ...」

 

そう独り言を呟くと、ベットから上がり、いつも身につけているネックレス(首飾り)を淡々とつけると、机の上に置いてあった額縁に目をやった、そこにはクラスで撮った集合写真があった、仲の良い女子達がピースをしていたり、アーサーを含めたクラスの男子が肩を組んでいたりと和気藹々とした写真だ、それを虚な悲しげな目でで見つめると、震える腕でパタリと写真の見えない向きで額縁を置き、一度写真の方向を見た後、何処か覚悟の決まった表情で部屋を後にした。

 

 

 

ーーーーーー

ーーー

ーーーー

 

一人深夜の道を凄いスピードで走るアーサー、必死な形相て何かを誤魔化そうとしている、1時間程走ると一度立ち止まり星々を見上げながら小言の様に呟く

 

「俺は何故普通の学生みたいな生活を夢見てんだか...夢は覚めるものだ、思い出せ俺がここに来た理由を.....ふぅー戻さないと戦闘の感覚を...今のままでは殺られる....」

 

鋭い眼光で夜空を睨むと

 

「まだまだ...足らない、もっとやらないと...」

 

そう言って走り出すのだった。

 

---------

----

夜が明け、朝日が昇る頃に185くらいの大きな体格の男がのっそりとベットから這い出てくる、ハンクだ。

 

「ふぁー、ねっみー今5時くらいか〜朝の運動でも...」

 

「ハンクさん、丁度良かった少しお話を」

 

「うぉっ!!びっくりした!!アーサー??どうしたその手!?喧嘩でもしたのか!?」

 

アーサーは手は何かを殴ったのか血だらけで擦り切れていた。何かあったのかとハンクが驚くのは至極真っ当だ、だが彼は淡々としていた。

 

「喧嘩では無いので気にしないで下さい、それよりお話を」

 

「あ、あぁいいぞ、聞かせてくれ」

 

「衣食住に学費まで支払ってもらい、鍛冶の技術までご教示して頂いているのにこれ以上お願いするのは、無礼で卑しいと叱責されてもしょうがないとわかっています、ですがどうかお願いです、私に戦闘の稽古をつけてください!!」

 

「稽古?鍛冶のか?」

 

「いえ、戦闘方です....」

 

あまりに意外な事を言われて、ハンクは思わずキョトンとしてしまう、アーサーは基本ハンクとは戦闘の稽古はしない、裏ではしっかりとやっているであろうが、ハンクが誘ってもまずキッパリ断ってくる、ハンクは一度理由を尋ねた。

 

「どうゆう風の吹き回しだ?アーサー?今の今まで誘っても一度もこなかったじゃねぇか?何で今いきなりなんだ?」

 

「本当に失礼だとはわかっています、今まで断っていたのにいきなり自分の都合でやってくださいなんて言うのは...ですがもう一度自分を鍛え直さないといけないのです....」

 

「何故だ?アーサー?今のままでもお前は十二分強い、並の相手なら容易に...」

 

ハンクがそう言うとアーサーがそれに被さる様に言葉を紡いだ

 

「そうです、並の相手なら簡単に倒せるとは思います...ですが....」

 

「ですが?」

 

「ですが...恐らく私は、このままで、腑抜けの俺のままでは、これから戦う敵には到底勝てない....だから今一度自分自身を鍛え直さないといけないと思ったまでです...」

 

「わかった、でもアーサー自分自身を鍛え直す...ここまで言ったからには加減はしない、わかったな?」

 

アーサーの想いを受け取ったハンクは稽古つける事を約束した、しかし彼の脳裏に一抹の不安がよぎる。

 

(アーサーがここまで焦る程の相手とはどのレベルの奴だ?俺も鍛え直さないといけないかもな....ともかくアーサー...無理だけはするなよ、死んじまったら元も子もないからな)

 

こうして、ハンクとアーサーの地獄の稽古が始まる。

 

2週間後

————

—————

フェジテ郊外の森林地帯ここは大きな川が通る場所な為、自然豊かで鹿や猪の他に数多くの動物が生息している地帯でもある、そして立地も良い場所や、迷ってしまうほど森が深い場所があったり、危険な崖や足場の悪い場所もあるため、訓練にはもってこいの場所だ。そして今日も今日とて二人組が爆炎を上げたり、風を吹き上げたり、一面雪景色にしたり、落雷を落としたりと忙しい様子だ、片方は肩から息をして膝をついているが、もう片方は息すら上がっていない。

 

「ゼーッハァーッッ、、ハァ、ハァ、ハァ」

 

「どうした?アーサー?その程度か?随分と期待はずれだな?まだ俺から一本も取れてないぞ?取れたら終わりだぞ?出来ないのか?」

 

「クッ...まだまだ!!」

 

この稽古のルールは簡単、銃を含めた全て道具有りの実戦形式でアーサーが一度でもハンクから一本取れれば勝ちその日は終わり、取れなければエンドレスと言うルールだ。

これをかれこれ二週間やっているが、全くと言っていいほどハンクから一本を取れない、アーサーはぶっちゃけそこら辺の魔術師には絶対に負けない、仮に左手のハンデがあったとしても負けない。ここアルザーノに来てからも少数精鋭とばかり戦っている、それでもアーサーは勝ってきたしかし、ハンクには剣を取っても射撃においても魔術においても、何をやっても勝てない。

 

「ぐぅぅぅぅ!!」

(正直分かってはいたが...やはりこの人強い....今まで戦ってきた中でもトップクラスだ.,..流石は裏では名が知れている男って訳か!)

 

アーサーは地面に叩きつけられ、意識が朦朧としながら、心の中で呟いていた。

 

「こんなもんか?また気絶して朝起きてやるか?かれこれ二週間無断欠席中だぞ〜?」

(ちゃんと担任には伝えてるけど〜)

 

 

「まだ!!」

———-

————

それから役2時間ぶっ通しでハンクに挑むが、何度も何度も何度も何度もあしらわれ、最早アーサーの体はボロボロ、見かねたハンクは一度剣を鞘に入れると

 

「はぁー、、もうやめようアーサー」

 

「まだです...,」

 

「まだやんのか?明らかに力の差は歴然...これ以上やっても体を壊すだけだ、明日からはメニューを変える、お前も一度仲間達に顔出して..」

 

ハンクがそう提案すると、アーサーがそれを激昂と共に拒絶した

 

「舐めんな!!!!!!!!俺はそんな甘ったれた思いでアンタに稽古を頼んだ訳じゃねぇ!!!!アンタから一本も取れずに帰れだって??俺はそんな腰抜けじゃねぇ!!!抜けよ!!もう一度剣を!!!」

 

「わかった....」

 

アーサーは最早極限状態、目は血走り今にも喉笛を噛みちぎらんばかりの形相で睨みつけてくる、ハンクは一撃で終わらせようと剣を上段に構える。対するアーサーはその形相とは裏腹に呼吸は何故か平常でリラックスしている様な呼吸だった。

 

「???どうゆう事だ?先程まで荒れきっていた呼吸が整っている??ヤバい....何かヤバい」

 

ハンクは構えを本能的に、軍時代の下段に構える型に変えた。対するアーサーは左手に持っていた刃を右手に持ち替え先程の弓を引き絞るような型とはうって変わり、顔の上を少し覆う様にし、刃を少し斜めにする上段の構えを取った。そして...一閃

 

「あ.....」

 

ハンクは一瞬反応に遅れた、それ程にとてつもない程素早くアーサーが踏み込んで来た、そして上段から大地すら切り裂くのでは無いかと錯覚する程の剣撃が振り下ろされた。

 

(こいつは防御出来ない!避けないとただでは済まない!)

 

体から危険信号が流れますハンクは、急いで横に飛ぶが凄まじい風圧がハンクを襲う。

 

「ハハッ、とてつもない威力したら〜」

 

ハンクは震えた声で呟く、アーサーの縦方向の斬撃は本当に大地を引き裂き、一直線に数十メトラ程森を破壊した、アーサーはのっそりと剣を持ち上げハンクに向ける。

 

「本気で来い....ハンク、全ての手段を用いて俺を倒してみろ」

 

ハンクは少しニヤリと笑うと腕を前に出す

 

「《来い》」

 

ハンクは持っていた剣と腰に吊ってある鞘を投げ捨てると。魔術を用いて召喚した、辺りには粒子の様な物が散るとそこに現れたのは、極東の地で広く普及している剣、名は刀、そしてハンクの持っている刀は刀身は深い黒で、黒い雨の様な模様の鞘に収まっていた、見るからに業物の様だ。

 

「コイツの名は黒雨。軍時代から世話になってる....友人から貰った大事な太刀でな、今からコイツで相手してやる....かかって来い」

 

ハンクはニヤリと笑いながら刀身を完全に出してにアーサーに向ける、対するアーサーは何かが吹っ切れたのか逆に冷静さを取り戻していた。

 

(ハンクの装備は右腰に拳銃を吊り、左には刀の鞘が吊ってある、後ろには投げナイフ右太腿にはサバイバルナイフ、左腕の中には特殊なマーキングの付いた暗具、右手には刀。対する俺は、剣が重いのもあって片手で振ると不利だから両手が塞がる、右腰には拳銃、ホルスターには六発、予備の弾薬も少ない。その下にサバイバルナイフ、腰の後ろにはハンクと同様に投げナイフ、装備自体は変わらない。だが俺にはフォースがある、でもハンクには魔術やブラットアーツの他にもアレがある。気をつけて行かないと)

 

「さぁどう来る?アーサー?」

 

「ツェァァァ!!」

 

アーサーがハンクに飛び掛かり、鞭のように関節を使った素早く剛打の斬撃を繰り出す、がハンクはそれを図体に似合わない程軽やかな足運びで避けるそして反撃に転じる

 

「行くぞ...アーサー...コイツを受けてみな《剣技..五月雨》」

 

ハンクは剣技を繰り出した、無数の雨すら全て切り裂くのでは無いかと錯覚する程の素早い乱撃が下段から這うように放たれる、アーサーは慌てて、フォームを防御向きのソレスに切り替えて迎撃するが、その余りに細かくテクニカルな斬撃に耐えきれず防御を崩される。

 

「チィ!!」

 

アーサーは斬撃を受けまいと体が後ろに倒れ込みながら投げナイフをハンクに向けて投げ受け身取り立ち上がるがそこにはハンクは居なかった。

 

(クソ!!またか!!何処からくる!!感覚を研ぎ澄ませ!俺!!フォースを感じ取れ!!)

 

アーサーは拳銃を手に取り一度目をつむり、感覚を研ぎ澄ます研ぎ澄ます研ぎ澄ます。そして脳裏に電流が鳴る様な感覚に従い、アーサーの右斜め上に銃を向ける

 

「ここだぁぁ!!」

 

「まずい!」

 

ハンクはアーサーの発砲と共に空中での防御は無理と判断し、瞬時にその場から消えた。

 

「チッ、一本取れたと思ったんだけどな」

 

「やるな、これを見破られるとはな」

 

ハンクが息を切らしながら苦笑気味に言う

 

「アンタのその半径20メトラ以内を瞬間移動する魔術、厄介だけど、随分と消費が激しいな?そして20メトラ以上は飛べない、だろ?」

 

「半分正解だ、俺のオリジナルをここまで分析するとは驚きだでも少し違う、俺のオリジナル、テレポートの移動範囲は無限だ....理論上だがな」

 

「なに!?」

 

その瞬間ハンクは50メトラ離れた木に瞬間移動した、そして数十秒後にアーサーの後方60メトラに瞬間移動した。アーサーは何処か納得した表情でポツリと呟く

 

「成る程な....」

 

ハンクは以前余裕綽々と言ったところか

 

「さぁ?どうくる?アーサー?」

 

「こう行く!!」

 

アーサーは剣をフォースを使った身体強化で人外並みのスピードでハンクに投げつけ拳銃をホルスターから取り出し四発高速で発砲する、ハンクは投げつけられた剣を頭容易く捌くと、四発の銃弾を全て切り裂いてみせた。

 

「おいおい?そんなもんか?」

 

「本命はこっちだ」

 

アーサーはハンクに近づきながら強力な《フォースプル》を使って高速で剣を引き寄せる、ハンクに剣が突き刺さると思った所で

 

「オイオイ、アーサーそりゃないぜ、わざわざ俺の間合いに入ってくるなんてよ」

 

彼は一瞬で姿を消したと思うと、アーサーの背後に瞬間移動していた!

 

「こいつで終わりだ」

 

ハンクが日本刀を振り上げると

 

「その油断が命取りだぜ?」

 

アーサーは体を半身にして逸らすと、前方から高速でアーサーが引き寄せた剣が飛んできた、ハンクはその場から飛ばずに刀で剣を弾くように無理矢理逸らすが、足元を掠った。

 

「15秒....だろ?」

 

15秒と言う数字はハンクが二度目のテレポートを使うまでの所要時間だった。

 

「アンタのテレポート、一度目はなんのモーション無しで瞬時に飛べる、二度目は15秒待たないと使えない、そして2回使った後は直ぐに飛べても30秒だろ?そしてさっきアンタが俺に見せつけるように、50メトラ先の木に飛んだろ?そこは25回目の戦闘が終わった時にアンタが休む時に腰掛けていた木だった、そしてそこの岩には42回目の戦闘の後にアンタが座っていた。そしてさっき使い魔を戦闘中に出して見たんだけどよ、、妙な紋章が木と岩に付いてたのよ、んで同じ紋章をここら辺一体で探してみたのよ、そしたら至る所にあったわけ、それでさ、これ唯の考察なんだけど、アンタのテレポートって20メトラ以内は何もせずとも何処にでも飛べて、それ以降は何かマーキングしないと飛べない技なんじゃ無いか?」

 

 

「ハハハッ!!完全に見破りやがった!!ヒントをちょろっと教えたらすーぐ見破る、本当に嫌な観察眼持ってるわ〜。この技お前と初めて会った時に一度だけ使って以降は、使わなかったし、お前との戦闘の時も意識を刈り取る時以外使わなかったのによ〜」

 

ハンクは腹の底から心の底から笑う、対してアーサーは表情を変えずに淡々としていた。

 

 

「んで?どうすんの?種がわかったところでお前に勝つ算段はあるの?」

 

「あぁ、あるよ」

 

アーサーは言うと同時に音速で踏み込む、そのスピードは最早弾丸のようだった。

 

「更に速くなってッッ!!」

 

ハンクはそのスピードになんとか対応して防御の体制を取るが、アーサーの重すぎる斬撃に刀を持ってかれる、堪らずハンクは一度目のテレポートを使用する。40メトラ先の木の上に瞬間移動するが、その移動先を見計らっていたかのように剣が飛んでくる。

 

「チィ!!!」

 

ハンクは剣を弾き飛ばすが何故か一人でに剣がもう一度、宙に浮かぶと彼に襲いかかる。

 

「なに!?遠隔操作だと!?」

 

ハンクは驚きながらも的確に斬撃を受け流すと一度開けた場所に降り、剣を力ずくで掴むと術者に投げ返す、アーサーは右手をかざすと剣はその勢いを無くしてゆっくりと彼の手の中に収まる。

 

「お前のそのヘンテコパワー厄介だな、ホントにおじさん嫌になっちゃうぜ」

 

「俺からしたら貴方の方が厄介だ、筋肉脳筋ゴリラなパワー系な癖して、戦い方は匠で繊細、銃も剣も魔術も体術も非の打ち所がなくて、まるで隙がない」

 

「嬉しい事言ってくれるじゃない」

 

2人が時間稼ぎを始めた、二人ともわかっていた次で決まることを。お互いに消耗し過ぎた、アーサーは見ての通りボロボロ、脳内麻薬ドバドバとは言え、あまりに長時間戦い過ぎた。ハンクは余裕そうに見えて、年のせいで体力の消耗が激しく、今にも膝をついてしまいそうだ、それでも互いに相手から目を逸らすことは無い。

 

今ある力を振り絞り、先に仕掛けたのはハンクだった、スモークを前に投げると、素早くホルスターから銃を抜き、それを撃ち抜くと、辺りに煙が立ち込める。アーサーは慌てず、フォースを使って感覚を研ぎ澄ます。

 

「はぁぁ....視覚に頼るな、フォースに従え....」

 

研ぎ澄ます研ぎ澄ます研ぎ澄ます、全ての音、気配などの情報がアーサーに濁流の如く流れこむ、そしてその中からハンクの音と気配を手繰り寄せた!

 

「ここだ!《雷精よ・我が手に集え》!!」

 

黒魔 ショックウェーブを地面に放つと、アーサーの手から直線状に地面に這うように紫電の波が押し寄せて来る、ハンクは雷撃を避けたが、その位置にあったのは炎系の魔術ルーンだった

 

「何も仕込めるのはアンタだけじゃ無いんだぜ?」

 

アーサーがニヤリと笑う、先程ハンクと話していた時に使い魔を介して設置しておいたのだ、勿論だカモフラージュをして

 

「これはやっべぇ」

 

ハンクは堪らずそこから瞬間移動した、だがアーサーには見えていた、ハンクが瞬間移動する時に一瞬だけ、静電気のように一瞬だけ魔術で繋がった線のような物が見えるのだ、だがそれは常人には見ることは出来ないだろう、だが今の感覚を極限まで研ぎ澄ましたアーサーなら見えるのだ。アーサーはハンクが瞬間移動し、無防備になる一瞬を見逃さずにフォースを使って、ガッチリ掴むとそのまま引き寄せた。

 

「あーやばこれ」

 

ハンクは最早抵抗出来ない、何かの凄く大きな手で掴まれているような感覚だったそしてその衝撃で刀を落としてしまった、ハンクは引き寄せられながらも、なんとか右腿にあったナイフに手が届くと、ありったけの身体強化を施し、アーサーの目の前にいくと、歯に仕組んでいた毒針を吹く。

 

「チッ....」

 

アーサーは舌打ちしながらそれを止めるとハンクがナイフで突き刺そうとしてくるが、アーサーはナイフの刃を左手で無理矢理押さえ込むと、右手で胸元に触れる。

 

「オイオイ万事休すってか?アーサー、このままナイフを引けばお前の指は落ちるぞ、そんでここで仕留められなかったのがお前の敗因だ、でも見せて貰ったぜお前の意地、お前はやっぱり戦士だな」

 

「まだ....負けて無い」

 

「いいや、負けだよ」

 

ハンクはつぶやくと同時に瞬間移動し背後につくと、アーサーの首筋にナイフを突きつけようとした次の瞬間、信じられない事が起こった、何故ならハンクがアーサーに後ろを取られナイフを首筋に向けていたからだ。驚愕しているハンクを他所にアーサーは淡々と呟く

 

「もうアンタは30秒間、瞬間移動は使えない、完全に後ろを取ってアンタの頸動脈にナイフを向けてる、何をしてもアンタの負けだ、俺が勝った」

 

「は?アーサーお前何をした??どうしてお前が後ろにこれる?」

 

ハンクは驚きのあまり酷く動揺しながらアーサーに尋ねると淡々と答えた

 

「俺はアンタが瞬間移動する一瞬だけ、アンタの心臓近くで何かが光っていた、まるで神経が電流を流して体を動かすみたいにさ、ここいらの至る所にあったマーキングポイントと繋がっていた、さっきはその一瞬流れる魔力を目で追って予想した、そんで俺はそれが魔道具だと確信した、アンタはこの瞬間移動を魔道具を介して行っているとな、そんで俺のオリジナルを使ってそいつを読み取った、んで使用した、終わり」

 

「ちょっと待ったぁぁぁ!!なんだそれ!?オリジナル?お前の?あのヘンテコパワーがお前のオリジナルじゃ無いのか?」

 

ハンクが叫ぶとアーサーが耳を塞ぎながら答える

 

「あれは違う、オリジナルじゃ無い。素質さえ有れば誰でも出来る芸当だ、知らなくても無理ないか、こっち来てからはあんまり使って無かったな、俺の魔術パーソナリティは《複製と模造》俺は何者にもなれないけど、何者かを真似る事は出来る、何かを生み出さなくても、何かを真似る事は出来るそれが俺のオリジナル「写し鏡」だよ」

 

「すげぇなそれ、何にでも真似し放題って事か!?」

 

「俺の魔術要領で足りる物なら何にでも、1日3回までが限界それ以上は使えない、それに発動するには術者に20秒以上微動だにせず掴まり続けないといけない」

 

「それを差し引きしても十二分すげぇじゃねぇか!!」

 

手放しで褒めるハンクだったが、アーサーは只々無言だった、何故ならこれが酷くコンプレックスだったからだ、これがある以上、自ら何か偉大な事は成せない、質の良い贋作は作れても、質が悪いオリジナルは作れない、これがアーサーの魔術的特性だ天才には成ることが出来なかったアーサーらしいといえばそうだ。

 

(何かを真似る事は出来ても、それは結局唯の真似事で、新たな物を作り出す天才には叶わない、世の中そんなもんなのだ)

 

アーサーは心の中で思いながら意識を失うのだった。

 

続く

 

 

 

 




だいぶ遅れました、すいません。
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