あるジェダイが世界を変える為に命を掛けて戦う話   作:スッパーン//

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確かに、俺は腰抜けだった。だが恐怖よりも強いものを知った。遥かに強いもの、フォースだ。その強さを今見せてやる

引用 名もないジェダイ


魔術学院入学前
リアルな金銭事情


アルザーノ帝国。北セルフィード大陸の北西に位置する、冬は湿潤し夏は乾燥する海洋性温帯気候下の地域に国土を構える、豊かな帝政国家。

その南部にはフェジテと言われる巨大な都市がある。フェジテの特徴は何よりアルザーノ帝国魔術学園が設置されたこの一点に尽きる、この都市は学園と共に発展したと言っても過言では無いのである。そんなフェジテにアーサーは約二年旅しながらやってきたのだ、道中様々な事があったが、それはまたいつか話すとする、やはりというか当然というか、二年の月日もあればあの小狼...ホロケウ事ウルフは成獣と言っても過言では無いほど大きくなった、最初はあんなに小さかったのにここまで大きくなるとは感慨深い物を感じたが。

 

「ぶっちゃけ今そんな事考えてる余裕がない...どうしよう....学費を完全に舐めてた、ていうか帝国物価高すぎじゃね?いや俺の感覚がバグってんのか?」

 

そう今一番ピンチなのは学費などの金が絡む問題であった、入国審査やアルザーノ帝国国籍を取る事自体は難なく行く事ができた、国籍は一週間くらい審査が必要で面倒くさいが我慢した、そしていざアルザーノ帝国の入学説明会!と意気込んで行った、最初こそ授業はこうゆうのをやって〜やら長ったらしく学園の良い所紹介などをした後学費の話をされアーサーは思わず目を疑う、入学金だけで[50リル5クレス]4年間の学費は[800リルかかるときた]※(日本円で合わせて800万越えだと考えて下さい)

これを一階の人間が払える額な訳も無く、なくなく帰ろうとするが最後に特待枠は奨学金が出るという事を聞いて耳を立てる。

 

「私達の学園では成績優秀者に特別奨学金が出るシステムになっていますので経済的に余裕の無い方でももしかしたらがあるので、最後まで諦めずに頑張って下さい」

 

そうゆう事を聞き、過去問やワークなどを買ってきて早速勉強に取り掛かるが、今までやってきた所が専門的な分野ばかりやってきたせいか、魔術分野は完璧なレベルだが、考古学や歴史、数術に関してはボロボロ、百点満点中合わせても40もいかない悲惨さ、それを残り2ヶ月弱でボーダーまではいけるだろうが...特別奨学金対象者にはなれないだろう。

 

「今俺の手持ちは200リル半分くらいしか無い、困った...実に困った、奨学金を借りるか、なんかしないときつい...こうなったらフォースで不正...いややめておこう」

 

フォースマインドでも使えばいくらでも不正できると思うが...フォースを利己的な目的のみに使用するのはあまり褒められた事では無い為断念した、入学自体はできるであろうが、その後の学費が問題なのだ、アルバイトだけで稼げるものでも無い、ウルフやホワイトグリントのご飯代この部屋の家賃もあるのだ、やるとしたら勉強そっちのけで、働かざるを得ない、このままではかなりヤバイ

 

「クッソ!ええい!こうなったら、どっかに住み込みで家賃とか光熱費とか諸々負担してくれる場所探すしかねぇぇぇぇ!」

 

思い立ったら即行動、アーサーは求人募集中の物を血眼になって探しまくり、好条件高待遇の場所を探すが、そんな都合の良い場所は無く、ただただ時間だけが過ぎていき、そしてとぼとぼと帰路につくが....途中で道に迷った、だが時間もあるし、街の事をもっと知るのも悪く無いと思い、とりあえず進んでみることにした。

 

「あれ?ここ何処?なんか怪しい物一杯だな...」

 

アーサーは気づけば闇市にいた、闇市といえば非売品や骨董品珍しい物品が大量にある、ここも同様であった、そしてこうゆう場所には情報屋がいるってのがお決まりだ、もしかしたらがあるかもしれないと踏んだアーサーは情報屋を探しに辺を探ったら、人に聞いてもそう簡単に出てはこない

 

「そう簡単に見つかる訳ないか...探すだけならフォース使ってもいいよね?うん、多分大丈夫だ、使おう」

 

そう言って自分を正当化した後、ふぅーと息を吐き、集中する、そして目を瞑り、何か悟りを開いたかのようにじっとしている、と思ったら、何かを感じ取ったのか、導かれるように、手をかざしながらゆっくりと進んでいく、一見すれば異様な光景だ、目を瞑り手をかざしながらゆっくりと進んでいる人間、そんな物を見たら人々は注目するであろうが、そんな事は無くまるでそこに元々あった物のように、当たり前かのように、横を通り過ぎて行く、暫くすると路地裏で足が止まり目を開ける、そこには40代くらいに見える、小汚い服を着た物乞いの男がいた。

 

(こいつがそうなのか?唯の物乞いにしか見えない)

 

そう思っていると、それを感じ取ったのか物乞いの男がこう口を開く

 

「お前さん、人を見かけで判断してはいけんぞ」

 

「失礼、大変無礼な事を言ってしまっ....あれ?口に出ていましたか?」

 

「いんや、なんとなくわかるよ、まぁお前さんは口に出さないだけマシな方よ、此間のやつなんて最初から罵倒してきたからなハッハッハまぁそいつには首を突っ込んだら死ぬような情報を掴ませておいたがなハッハッ」

 

男は取ってつけたような笑い声を上げ、そしてすぐさま切り替え仕事の話に移る、その異様な雰囲気の男に要件は何だと聞かれ、アーサーは、そいつに金を払い仕事の条件を答えると、男はまた笑い声をあげる。

 

「ハッハッハッ、そんな高待遇の場所ある訳ないだろ、あるとしたらルチアーノ家の配下にでも着くんだな笑」

 

「ルチアーノ家?なんですかそれは?」

 

「知らないのか?裏社会のボスだぜ?この闇市を仕切ってるのもルチアーノ家の連中だぜ?まぁでもそいつらが守ってくれてるおかげで変なチンピラとかに絡まれなくて済むけどな」

 

ルチアーノ家は裏社会のボスらしく、裏の世界で彼らの名前を知らない人間はいないと言われるほどで、その力は絶大であり、この国の女王陛下に忠誠を誓い、代々伝統的に騎士の称号を与えられ、帝国最高決定機関たる円卓会にも席を持つ大家らしい。

 

「それってつまり、マフィアとかそっちの部類の人間ですよね?」

 

「あぁそうだな、それがどうかしたか?」

 

「いやいやいやいや、流石にそっちの世界にはいけませんよ!!」

 

情報屋曰く、マフィアにでもならない限り、そんな高待遇の働き口はないらしいが、個人的にマフィアにはいい思い出が無いため絶対にそっちのお世話になるのはごめんである、何より一番の問題は、自分の目的に集中する事が出来ないのだ、その為他に何が無いか聞いてみるが、男は困った顔をしながら、少し悩んだ後、苦虫を噛むような顔である提案をしてくる。

 

「一つだけある、街外れに腕の良い加冶屋が名前はハンクって言ってな、そこに弟子入りすれば良い、だが一つだけ問題があるそいつは堅物の極みのような奴なんだ..曲がった事が嫌いでな、顔の怖さも相まって、あそこに住むやつの恐怖の対象になってるんだわ、だが良いやつなんだ凄くな」

 

アーサー二つ返事で行きますと承諾し、情報屋に感謝の伝え、急いでその場から去る、鍛冶屋はフェジテの東の外れにポツンとあるらしいがもう夕暮れ時、そこまで行けば夜になるだろうと考え後日きちんとした格好と菓子折りを持ち尋ねることにした。

 

 

 

--------

後日、ピシッとした正装でグリントに跨り菓子折りを荷台に詰める、その顔はまるで死地にでも行く兵士かのような面構えだ。窓からはではクーンと言う鳴き声と共にウルフがこっちを見ている。

 

「悪いなウルフお前は留守番だ」

 

理由は単純、コイツはよく色々な場所にマーキングするからだ動物の本能だ仕方がない、だがもし加冶屋の方の工房などでされたらたまったもんじゃ無い、粗相がないように仕方なくだ。

 

「ふぅーよし行くか!」

 

緊張した面持ちで、グリントを走らせる、市街地な為、スピード厳守だが、歩く人達がこっちをみるくらいには飛ばしている、事前に地図を読み把握していた為、最短ルートも頭に入っている、後はそれを実行するのみ、ギリギリ走れるような道幅だろうがお構いなしに、地面を蹴り飛ぶように走る、馬と男その姿はまるでレースでもしているようだった。

 

20分もしないうちに、東地区に入る事ができ、あと少しで着くと言うところで、突然近くの銀行でズドンという銃声とキャァァァァと言う声が辺を木霊した、銃声の方向からは悲鳴と共に人がなだれ込んでくる、アーサーは一度道の端でグリントから降り、何かあった時の為用意していたガンベルトを腰に装着して、銃声が聞こえた方向に向かう、アーサーは人々の恐怖を感じとり、バレないようにチラリと窓から覗くと、するとそこには、人質数名と覆面を被った、何かの作業着のような服を着た3人組の強盗がいた。

 

「自動小銃か..()()()だが一端の犯罪者にしては良いものを持ってるな...これは何か裏にいそうだが、まぁ良い、ここはさっさと...あん?何やってんだあのオッサン」

 

アーサーの目に写ったのは、30代半ば程だろう男だ、身長は高く、体はガッチリとしていて顔立ちは整って見えるが、眉間の皺と、ナイフのように鋭利な目つきのせいで台無しだ、頬には何か鋭利な者で切られた後がくっきりとあるそんな男が、強盗に占拠されている店に普通に入って行ったではないか、しかも普通に受け付けは何処だ?どれくらい待てばいい?と言う始末、強盗集団は笑っていた、アーサーはあまりの出来事に頭の中がフリーズしていた。

 

「おいおい、案内する順番の番号くらい渡してくれたって良いじゃないか?ねぇお前ら?」

 

男がそう言うと、強盗集団の一人が笑いながら銃口を男に向ける

 

「何言ってんだオッサン状況見えてないのかw腹いてぇ〜、まぁいいやそこの人質集団の中に入れよ」

 

「人質?なんの話をしている」

 

なんとそこにいたはずの人質が忽然と消えているでは無いか、アーサーも強盗集団も気づかなかった、あったのは微かに魔術を使用した痕跡のみだった、あの一瞬で転移系の魔術を発動したというのか!そんな事が可能なのか!とアーサーが驚愕していると、今度は男が強盗犯に警告する。

 

「これは警告だ、その銃を下ろしてさっさと降伏しろ、従う意思を示さなければ....わかるよな?」

 

底冷えするような声色と恐ろしい殺気を帯びる男に、強盗犯は後退りするが、一人が半狂乱になったのか小銃を男に向かって発砲する。

 

「こここ、こっちは今まで綿密に準備してきたんだ!今更ひけっかよ!それに相手は一人で俺達は3人!それにこっちは最新の小銃も持ってんだよ、負ける訳ねぇ!」

 

それに感化されたのか一斉に男に牙を剥く、これは不味いと思ったアーサーは窓を破り一回転しながら回転式銃を二発発砲する、一発はハズレもう一発は手の甲を貫く、強盗犯は悲鳴を上げながら銃を乱射しながら倒れる、つくづく人質がいなくて良かったと思う、確実に犯人を射殺しなければ、跳弾した弾が人質に当たっていた可能性があった。そして男の方は、近くにいた強盗犯を流れるような動きで近距離格闘術を繰り出し、戦闘不能にすると、共犯者がテーブルの向こう側から銃を乱射してくるので。射線が切れる柱に隠れ魔術を詠唱する、すると近くに鏡のような物が浮遊したと思うと、一節詠唱で軍用魔術の《ライトニングピアス》を起動する、そして鏡に反射し共犯者を貫いた。

 

(錬金術の鏡を用いた高いテクニックこの人は一体...)

 

「てめぇ....なにもんだ..,」

 

強盗犯がそう吐き捨てると、男が真顔でこんなことを言った。

 

「通りすがりの黒トカゲ星人だ」

 

「はっ...なんだそりゃ」

 

男がそう言うと強盗犯の意識を失った。そしてその後くるっと体の向きを変え、アーサーの元にやって来た。

 

「キミ..さっきは助かったよ、外にいたのはわかってたから...窓側にいた敵を任せた、期待通りの仕事をしてくてありがとうな」

 

「あはは、気づいていたんですか..何か声をかけてくれても良かったのに」

 

そんな談笑した後、警羅隊がきて事件の処理と、人質が何処に行ったとか、犯人を二人で対処したのか、などの事情聴取された後改めて二人は自己紹介をする。

 

「私はアーサー=モーガンと言います、宜しくお願いします」

 

「俺はハンクという者だ、今日は助かったよ、仮が出来たな、俺のできることならなんでもするぞ」

 

「!?ハンクさん.,ですか?」

 

なんとアーサーは奇しくも、お目当ての人に出会ってしまったのだ、なんという偶然だろうか、いやこれもフォースの意思なのかもしれない。

 

「ハンクさん!俺を弟子として加冶屋の見習いとして雇って下さい!!」

 

「先程急ぎの予定が有ると言っていたが、まさか俺に弟子入りとはな..キミのような人材は是非とも欲しい...だがその前に俺に弟子入りするなら、あるテストをやってもらうよ、それに合格すればキミを弟子として見習いとして雇うとしようか」

 

「テスト...ですか?」

 

アーサーがそう聞き返すと、ハンクは少し笑いながら、これを作ってもらうと、ナイフを取り出してきた。

 

「コイツを作ってもらう、14日以内にだ、やり方は一回だけ教えてやる、後は何も教えないからな、後やっちゃいけない事は調べることや魔術を使うこと、自分で考えて作ってみるんだ、期待してるぞ、因みに不正は一発でわかるからやるなよ」

 

そう言ってテストをするのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

続く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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