パールハーバーで行われる共闘遊戯会に招待され、ハワイに向かう大和型大型直接教育艦武蔵と陽炎型航洋直接教育艦磯風。その行く手を阻むかのように湧き出てくる黒い雲。
「艦橋1番報告!前方に積乱雲発見!」
予報になかった積乱雲の接近に動揺する艦橋。それを落ち着いた状況で対処するもえか。
「非直の子も総員配置について。時化に備えましょう」
「了解!総員配置につきます」
「磯風に連絡。距離を4キロに設定。連絡を密に」
(こんな天気……今まで見たことが無い……)
武蔵からの連絡に、蜂の巣をつついたように動き出す磯風の艦内。
「演習弾が飛んでくる前に台風ですって!」
「こんな話なかったのに!」
文句をたれながらも配置につく磯風の乗組員たち。
「艦長、総員配置につきました」
艦橋で報告する副長の声にも緊張の色が見える。
「季節外れの霧が出てきたわね……目視による監視を厳に……」
磯風艦長が命令した瞬間、耳を疑うような言葉が電探室から飛んできた。
「電探室より艦橋……水上レーダーに反射波なし……武蔵を……」
電探員の声は震えていた。
「どうしたの!?はっきり報告しなさい!」
思わず声が大きくなる艦長。
「武蔵をロストしましたぁ!」
「き、消えたぁ?そんな訳あるか!出力最大で探して!!」
だが、電探室の返答は同じだった。
「
「ダメです!霧が濃くて何も見えません!」
「通信!」
「完全に沈黙しています!」
艦長は頭を抱えたくなった。
(まさか武蔵が沈没?……いや、そんなはずは無い)
すぐに顔を上げると指示を出した。
「総員全力を挙げて武蔵を探せ!」
しかし、磯風の捜索虚しく武蔵に繋がる手がかりは無かった。先ほどまで確かにいたはずの武蔵の姿が忽然と消えてしまったのだ。まるで神隠しにあったかのように……。
■西暦20XX年8月某日
武蔵失踪数日後、横須賀女子海洋学校総力を挙げた捜索が開始された。
もちろん晴風も例外ではなかった。明乃が先陣を切って捜索する姿が他の乗組員の目に映る。
晴風はほぼ不眠不休で捜索した。
「モカちゃん……」
日に日憔悴していく明乃を裏目に、武蔵に繋がる手がかりはついに見つからなかった。
武蔵の捜索が打ち切りになった日、明乃はましろに心のうちを明かした。
「シロちゃん……私……どうすればいいのか分からないよ……」
「艦長……」
「私は艦長だし……みんなをまとめないと……だけど……だけど……」
「大丈夫です。私に任せてください……」とはましろは言えなかった。
「岬さん……今は落ち着いて休んでください……その間、艦のことは私が……」と何とか声を絞り出して言うのが精一杯だった。
「だけど……」
「今ここであなたが無理をする事より、あなたが立派なブルマーになることを知名艦長は望んでいると思います……」
こんなことしか言えないなんて……とましろは思いつつもその日はずっと明乃に寄り添い続けた。
そして2年後。3年生になった明乃たちは卒業航海のためにパールハーバーに向かうことになった。
物語はここから始まる……
なんか、あれですね……ハイ
こんな感じで進めていきます。よろしくお願いいたします。