ジパングフリート(改)   作:キョン提督

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航跡2 出港でピンチ! 後編

「一体……一体何が起きているんだぁ!!」

 ましろがそう叫んだ瞬間、晴風が雷鳴と共に光に包まれた。

「野間さん!大丈夫!?」

 見張り台の野間を明乃が心配する。同時にましろは艦内のダメージを報告させる。

「こちら野間、異常ありま……」

「どうしたの!?」

 マチコの手に舞い落ちた白い結晶……。

「雪……雪だ!雪が降っています!」

「雪?今は6月でしょ!?」

「Oui……」

 すると電探室の慧から報告が飛んでくる。

「電探に感あり!晴風の全周に艦が!!概算40を超過、大艦隊のど真ん中にいます!!」

「私たち、迷子になっちゃたのかな……」

「そんなはずないだろ!」

 鈴が泣き出す。

「アメリカのブルーマーメイドが出張ってきたのかもしれないね……ツグちゃん!」

 電探室で鶫が通信機器をいじくるも何の反応もない。その代わりに慧から戦艦クラスの艦が接近してくると報告が飛んできた。

「野間さん!何か見える!?」

 明乃はマチコに伝声管で伝えながら双眼鏡を覗く。そこには艦首に菊の紋章を着けた大きな戦艦が向かってきていた。

「戦艦……武蔵!?」

 野間が伝声管を通して艦内に伝わる。

「武蔵って!!」

「行方不明になっていた武蔵ッスか!?」

 艦内に動揺が広がる。

「武蔵……いえ、不明艦より発行信号!」

 マチコからの報告に明らかに動揺する明乃。

「艦長、まだ武蔵と決まった訳じゃ……」

「分かってる……分かってるよ……」

 そしてその発行信号をマチコが読み上げる

「『キカンノショゾクヲジョウコクしてテイセンセヨ』との事です!」

「艦長、どうしますか?」

 ましろはブルマーなら晴風のことを聞くはずがない。この武蔵は一体なんだと思いながら命令を訪ねる。

「……本物の武蔵ならそんなこと聞かないよ!リンちゃん!」

「逃げることなら任せて!」

 ましろは鈴のことを信じることしかできなかった。

「最大戦速!取舵20度!」 

 鈴がはきはきと命令を下すと機関室から了解の意が飛んでくる。

「右舷より駆逐艦接近してきます!距離500!」

「左舷からもです!」

「どうする!?撃っちゃう!?」

 まゆみと秀子から飛んでくる報告にも逃げ逃げ精神の鈴は冷静だった。撃て撃て魂の芽依は興奮気味だった。

「機動性随一の晴風ならかわせるよ!」

 鈴は取舵をとって一瞬左に艦を向けると、即座に面舵を取るというフェイントをかけ接近してくる駆逐艦の間のど真ん中を突っ切る。そして、そのまま艦隊から離れていった。

 

 

 

「対空、対水上レーダーに感ありません」

「ソーナーにも反応ありませんわ」

「見張り台、何も見えません……」

 一通りの報告が終わった後、艦橋では麻侖と美海も含めて軽い議論が行われていた。

「6月の雪、通信不能、僚艦の失探。それにあの艦隊の出現……。我々の身に何が起きているのだ?」

「あれはどう見たって武蔵ですよ!46㎝のどでかい主砲にあの艦橋!間違いありません!」

「大和型だから武蔵以外の可能性も捨てきれない」

「それに、武蔵……いや、学校の大和型なら私たちに向かってあんな内容の発行信号を送ってこないでしょ」

「Oui……」

「なら!ハリウッドが大金をかけて映画を撮ってるんですよ!『皇国の興廃はこの一戦にあり!各員一層奮励努力せよ!』」

「だったら無線封鎖なんてしないんじゃないかな……」

 謎が深まる一方であった。

「ねぇシロちゃん、あの艦隊には大和型のほかに何がいたのかな?」

「野間さんに聞いてみます」

 そして呼ばれたマチコが見張り台から降りてくる。

「艦橋形状から推測するに、大和型戦艦以下『長門』『陸奥』『扶桑』『山城』『伊勢』『日向』と続いていました。しかし、いずれの艦も海洋学校を示すエンブレムもカラーラインも入っていませんでした」

 マチコの報告の後、一瞬の沈黙が艦橋に流れる。

「きっと、異世界の艦隊が私たちの世界になだれ込んできたんですよ!『我々はこれより敵対勢力の討伐に当たる!』『全艦!第一種戦闘配置!』」

 やはり口を開いたのは幸子であった。

「なんでぃ?そりゃ?」

「だと良いのですが……逆ではないでしょうか?」

「どういうことだ?野間さん」

 ましろが疑問を呈する。

「昨日の月齢を覚えてますか?満月でしたよね……」

「まん丸お月様だったじゃねぇか」

「それが1日で変わるものなんでしょうか……?」

 艦橋にいる全員が空を見上げる。

 

 

 

 

 

 

「は、半月!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「つまり、我々が異世界に来てしまったのではないでしょうか……」

 またもや艦橋に沈黙が流れる。

 そして、数分が経過した後、ましろが口を開いた。

「艦長、どうしますか……」

「……」

「学校からの命令変更は受け取っていないしね……このままパールハーバーに行けばこの世界のことがわかるかもしれない」

「了解しました。対水上、対潜警戒を厳となせ!」

 そして晴風は再びパールハーバーに向けて動き出した。

 




各キャラの個性を出すのが難しいですね。タマちゃんなんか「Oui」しか言ってないし……。頑張ります
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