あああああウインディちゃんが可愛いんじゃああああ 作:ガラクタ山のヌシ
ここは東京レース場。
いやに晴れた青空の下、オレは今日ここで開催されるユニコーンステークスに参加するウインディの控え室に向かう所だ。
「ふぅ〜……」
関係者用出入り口を通ると、途端にため息が出てくる。
オレ自身が走る訳でも無いのに、やけに緊張してきたなぁ〜…。
ウインディは大丈夫だろうか?
ピラリ、と手にしたポスターを見る。
G3 ユニコーンステークス。テレビにだって映る伝統あるウマ娘のレース。
そう、G3とは言え、これがオレ達の初の重賞。
それ以下のレースを遊びと断じるつもりは無いが、これまでとは明らかに格が違うレース。
ここが…オレとウインディの、ダート重賞の入り口。
「ここだな…」
『シンコウウインディ様控え室』
そう印刷されたドアを見つけてオレは取り敢えず一安心。
ウインディは…プレッシャーに押し潰されてはいないだろうか。
ウチのウインディにはジュニア級の頃から期待されている。
まぁ、それはインタビューの時の強気な発言も間違いなく原因の一つなんだろうけども。
それを、それらを、重荷に感じてはいないだろうか?
オレは、意を決して扉を開け…。
「のだ?」
「……ウインディ?」
そこには、いつも通りの見慣れたウインディがいた。
「のだっ♪トレーナー♪まってたのだ〜♪」
座っていた椅子から立ち上がり、こちらに歩み寄ってくるウインディ。可愛い。
「よしよしよ〜し。遅れてゴメンなぁ〜?ウインディ〜」ナデナデ
「エヘー♪これでウインディちゃんはムテキなのだ〜♪」
あくまでも自然体なウインディ。
普段の落ち着きのなさとはまるで正反対の姿に驚く。
そして、悟った。
ああ、そうか。
この子は信じている。
信じてくれている。
オレとのトレーニングの日々を。
そして、この子自身の頑張りを。
ならば、改めてオレも覚悟を決めなければ。
「そうだな。ウインディ」
「のだぁ?」
オレたちはまだ重賞レースの入り口に立ったに過ぎない。
その中には、この大舞台で結果を残せず涙を飲んだウマ娘とトレーナーも決して少なくない。
だからこそ、オレも今一度信じなければならない。
ウチのウインディは誰よりも強いウマ娘だと。
ウチのウインディは誰よりも速いウマ娘だと。
今日、今、この日、この時までで、オレに出来る限りのことはしてきた。
時にトレーナー学校で培ったノウハウを活かし、時に偉大なる先輩方のトレーニング法をこの目で盗んで。
それを初担当であるものの、どうにかこうにか落とし込んで、ウインディに合う形にしてジュニア級の頃から馴染ませて来た。
それだけのことを、ウインディには教えて来たつもりだ。
もちろん、それは他のトレーナーも同じだろうが…。
「トレーナー?」
いや、違うな…。
「トレーナー!!」
だからこそ…。
「ウヴ〜ッッ…」
負けられな…
「ガブ〜〜〜〜ッッッ!!!」
「あ痛ったぁ〜〜!?」
え、ちょ、なに?なんで?
「ど、どうかしたか?ウインディ?」
「トレーナー、むつかしいカオしてたのだ!!」
う…バレてたか…。
「ダイジョーブなのだ!!トレーナー!!」
不敵にニッと笑うウインディ。
「まず一勝、勝って来るのだ!!」
「ああ!!信じてるぞ!!」
カッコイイな、キミは。
◇
ふっふん!!
トレーナーはむつかしくかんがえすぎなのだ〜。
だから…。
ウインディちゃんがかてばいいのだ〜♪
やっぱりウインディちゃんがNo. 1なんだよなぁ…。