あああああウインディちゃんが可愛いんじゃああああ 作:ガラクタ山のヌシ
まぁ、余程高性能でもなければウインディちゃん貯金は崩す予定は無いですが。
オレはその日、朝から参考資料として様々なウマ娘のレースを見ていた。
取り分け驚いたのは去年の帝王賞。
「やっぱりすごいな、この子は…」
内ラチギリギリを攻める度胸、スピードに比例して強まる遠心力に耐えうる足腰にバランス感覚、関節の柔軟な動かし方、そして勝負勘、どれを取っても並のそれではないのが見て取れる。
コーナーをフルスロットルで駆け抜け、後続が釣られて速度を上げるも、それゆえに最後は脚が残らず、結果すり潰すように逃げ勝つ。
気がつけば一着でゴール板を踏んでいた彼女の…『スマートファルコン』のコース取りは正しく芸術的と呼ぶに相応しい。
二着に一秒以上の差をつけて、なお笑顔で客席に手を振る様は彼女の言うウマドルの理想そのものだろう。
そのどこまでも自然体なありようは或いは勝って当然、センターを取って当然。
その自信の表れゆえか。
少しでも多くの情報を書き出してウインディのためのヒントにしなければとメモを取る手が止まらない。
これだけのこと、一朝一夕で出来るとは思えないが、それでも何もしないよりはマシだ。
圧倒的実力差は明らか。
『砂の隼』は未だ、誰にも止められないのだろう。
だが、それでも…
「ウチのウインディだって着実に成長してるさ」
ふいに口をついて出た言葉だが、オレに…いや、オレ達に驕りはない。もちろん焦ってもいないつもりだ。
これを見たのもウインディのための今後のレース研究のためと、何よりオレ自身が初心を忘れまいと己に喝を入れるためだ。
あの時スマートファルコンに「期待している」と言われたのだから、油断も慢心も出来ようはずもない。
カラン…とコップの中の氷が鳴る。
注いで置いたアイスコーヒーは最早コップの底の方に心もとなく溶けた氷で薄まった分しか無い。
「さて。もうちょいしたらいったん休憩を…」
コーヒーを淹れ直そうと、立ち上がったその時………
ドタドタドタドタドタドタドタドタ…。
うん?この何やら久しぶりな足音は…。
「トレーナー!!ウインディちゃんと探検するのだ〜〜!!」
バァン!!とトレーナー用宿泊施設の扉を開けてそう言ってくるウインディ。
その格好は麦わら帽子にジャージ姿、手には虫取り網と、おまけに背中には大きなリュックを背負い、今にもワクワクという擬音が聞こえてきそうなほどだ。可愛い。
「うん?ウインディ、急にどうしたんだ〜?遊びに行くんなら行ってもいいんだぞ〜?」
今日はトレーニングもお休みでウインディには好きにしていいと前もって伝えてもある。
トレーニング漬けの日々故に、休息もまた大切なことだ。
「エヘー♪だからトレーナーと遊びにいくのだ〜♪」
ニコニコとそう言うウインディ。
まぁ確かに、同級生ちゃん達のトレーナーとは別々の宿泊施設だし、そもそもあの子達は走るの芝だから予定も合いにくいのもあるのかもなぁ…。
いやでも、今日はレース研究をしたいし…。
「いや…オレは…」
「のだ?何見てるのだ?」
ウインディは気になったのかヒョイと画面を覗き見ようと身を乗り出す。
まぁ、別に見られて困るものでもないからいいんだけども…。
「うん?ウインディも見るか?」
オレは椅子に座ったまま横に移動し画面を見せる。
そこにはウイニングライブで歌う準備をしているウマ娘達が写っていた。
「………………」
あれ?ウインディちゃん?
急に静かになったなぁ?
「ヴ〜〜……」
「ウインディ?」
何でそんなに唸って…。
「ガブ〜〜〜!!」
「あ痛ァァァっ〜〜〜!!」
その後、ウインディの機嫌を直してもらうのに小一時間を要したのはナイショだ。
◇
ふんなのだ!!ふんなのだ!!
あんなステージで踊ってたようなれんちゅーよりウインディちゃんの方がスゴいのだ〜〜!!
…でも、かんだのは後であやまるのだ〜…。
新キャラが増えるのは良いんですよ…。
ただ、ウインディちゃんが実装のタイミングを毎回流してるのを見てると、こう…思うところをある訳で。