あああああウインディちゃんが可愛いんじゃああああ 作:ガラクタ山のヌシ
オレはウインディが用意してくれたチョコの片方に手を伸ばし、箱を開ける。
中身は、ちょっと不恰好なトリュフが一個だけ。
付属のプラスチックフォークで刺して、口に運ぶ。
「うん。美味しい」
その声にウインディが観念したかのように、そ〜…っと目を開ける。
「のだっ!?なんでウインディちゃんの…じゃなくて、ハズレ選んでるのだ!?」
「え?何でって、オレにはこっちの方が当たりだからだよ?」
驚愕と、困惑の混じった表情を浮かべるウインディに、オレはそう答える。
「のだ?でも…高いのに比べたら味も…量だって…」
徐々に小さくなっていく声。
おおかた、予想より出来上がった量が少なかったのか、それとも試食しすぎたのか…。
いずれにせよ可愛い理由だ。
「大事なのは量とか値段じゃなくて、こもってる気持ちだろ?」
オレは未だ困惑しているウインディにゆっくりと近づき、その頭をくしゃりと撫でる。
「別に高いものがいけないってことじゃなくてさ。単純にオレが、ウインディが作ったチョコの方が食べたかったってだけの話だよ。だから気にしないで」
「のだぁ〜…」
何かいいたそうにしてるウインディ。可愛い。
「どうした〜?」
「その…それ…」
ウインディはチョコの入っていた箱をおずおずと指差す。
「うん?」
「ホントに、おいしいのだ?」
いつになく不安そうな声で質問してくるウインディ。
きっと精一杯作ったんだろう。でもだからこそ、作り終えて気が抜けてしまい…ついつい食べてしまったんだろう。
それほどに気持ちがこもったチョコが不味いはずがない。
「ホントだぞ〜?」
「ホントの、ホントに…か?」
「ホントのホント」
「ホントのホントの…」
「よしよし…」
いつもの勢い任せのナデナデでは無く、小さな子にするような控えめなナデナデだ。
「ウインディ?」
「…のだ?」
オレはウインディとそっと目を合わせる。
泣きそうになってたせいか、少し潤んでいたが。それでもウインディは真っ直ぐにこっちを見つめ返してくれた。
「こんなことで、オレがウインディに嘘ついたことあったか?」
不安そうにしているウインディに、オレはできる限りゆっくりと…それでいて優しく声をかける。
「…………」ふるふる
ウインディは勢いよく首を横に振る。
「ね?だから大丈夫。こないだウインディも言ってくれたろ?」
「のだ…」
ぐしぐし…と制服の袖で涙を拭くウインディ。
苦笑いしながらハンカチを渡すと、ひったくるように勢いよくオレから受け取り、ゴシゴシと顔を拭う。
そして、現れた表情は…。
「そうだな!!ウインディちゃんらしくなかったのだ!!」
今度は無理をしてない、いつもの快活な笑顔だ。
「そうそう。ウインディは元気すぎるくらいでちょうど良いんだよ」
「エヘー♪それじゃ、トレーナー!!」
「うん?どうした〜?」
ウインディは大きな方のチョコの箱を手に取ると、シュルル…と包装を解き…。
「高級チョコ!!せっかくだから、ウインディといっしょに食べるのだ〜!!」
そう言って、お高いチョコをひとつこちらに差し出して来たのだった。
◇
ふふ〜ん♪
ウインディちゃんのチョコ…おいしかったのか…。
それじゃー、来年もそのさきも…。
ずっとず〜っと!!
チョコを作ってやるのだ〜!!
エヘー♪
曇らせなんて、ウインディちゃんには似合わないよね!!