あああああウインディちゃんが可愛いんじゃああああ 作:ガラクタ山のヌシ
ストーリーキー使おうか悩んでますよ…。
府中駅から電車に乗ってオレとウインディが向かうのは、東京レース場だ。
お目当てはもちろん、今年G1に昇格したフェブラリーステークスだ。
今日の予報によれば天気は雨。
レースの時刻には止む予報だが、降水量がかなり高い。
「ウインディ、調子はどうだ?」
オレは隣に座る担当ウマ娘に声をかける。
「のだ?ウインディちゃんはいつでもぜっこーちょーなのだ〜♪」
「そっかぁ〜、それは良かったなぁ〜」ナデナデ
「のだ!!だからトレーナーは安心してウインディちゃんの活躍を見てるのだ〜♪」
電車で約十分という短い間、オレとウインディは他愛無い話をする。
選手控え室に入る時も、ウインディはかなり落ち着いていた。
耳にも、しっぽにも違和感は無い。
「ゴールのとこで待ってるからな。オレを目掛けて駆けて来い」
「ふふ〜ん♪りょーかいなのだ〜♪」
メンタルケアのためにも、その後二、三話して控え室を後にする。
もちろん、本番前のストレッチも忘れずにやってもらった。
後は、トレーナーであるオレには見守ることしか出来ない。
「あぁ〜…緊張してきた〜…」
いつものようにカメラの三脚を組み上げ、望遠レンズの調整をする。
ウチのウインディは…八番ゲート。
可もなく不可も無く、と言ったところか。
やがて刻限になり、ひとりひとりパドックに出て来る。
やはりというべきか、皆かなり仕上がっている。
ともあれ、意外なのはビコーペガサスの出走だ。
彼女はなかなか勝ちきれていないようだが…ダートに路線を変更するのか?
確認しようにもビコーペガサスのトレーナーは近くにいない。
当然ターフは重バ場の発表。
それでも、ダートウマ娘達は飛沫を上げて疾駆する。
己のプライドのため、G1勝利という名誉のため、或いはかけがえの無い誰かとの約束のために…。
G1フェブラリーステークス。
昇格したばかりのその舞台の足元は悪く、もはやターフというよりは田んぼと言い換えた方がいいくらいだろう。
しかし、案外そのくらいの方が彼女には似つかわしいのかもしれない。
「各ウマ娘、バラついたスタートとなりました!!」
はじめから小綺麗に勝とうだなんてオレもウインディも微塵も思っちゃいない。
ダートの玉座はいつだって泥まみれで、一見荘厳とは程遠い。
だが、だからこそ皮肉抜きで彼女らにはよく似合う。
「ハナを進む四番ドラグーンスピア、そのすぐ後ろにはエフェメロンがつけています」
そんな中で、ウチの担当ウマ娘…ウインディはその悪路の中でこそ、輝く脚を持っていた。
踏み込みを力強く、泥の底の底にまで届くように。
その分脚への負荷もかかるが…なに、そのためのトレーニングだ。
ぬかるみに刻まれた蹄跡は、誰よりも深く。
顔に跳ねた泥が跳ねても目に入らなければ問題は無いと言わんばかりに拭うこともなく、ゴール板だけを目指して駆け続ける。
オレはそんなダートウマ娘に魅せられ今日まで生きてきた。
レースの運びは…ウチのウインディはまずは三番手から四番手、良い位置どりだ。
何度も何度も併走やレースで体に叩き込んだ戦術が生きている。
「先頭を行く二人の逃げウマ娘も思いのほか脚を取られてる。かと言って、下手に減速すれば再加速にかなり手間取るだろうな…」
「ああ…だが、それは後続も同じ。1600メートルを加速し続けて勝つなんて、よっぽどスタミナに自信があるか、もしくは決して長くは無い距離を、途中まで速度の微調整を続けるような繊細さが必要になってくるだろう…この足場の悪さではな…」
なるほど。
観客は足場の悪さを、そのまま不利になると思っているようだ。
それは一般的には正しいだろう。
だが、それもウチのウインディには…メリットになるんだよなぁ。
「あっと、シンコウウインディ!!最終直線残り200メートルで距離を詰める!!わずかにシンコウウインディリードか!!しかし後続も巻き返して来ている!!」
流石にG1、やすやすとは勝たせてはくれない。
だけど、だからこそだ…。
ぎゅっと握った掌に汗をかいているのが分かる。
「よ〜し!!そのまま!!勝てる!!イケる!!ウインディ〜!!」
半バ身ほど抜け出す泥まみれの栗毛、いつものイタズラに失敗した時のような、或いは落とし穴を掘って出られなくなってしまった時のような、そんな可愛い担当ウマ娘の真剣な表情が、オレの中の何かを射抜いたんだ。
◇
のだ〜…思ったよりドロが跳ねるのだぁ…。
でも…ウインディちゃんはゼ〜〜〜ッタイに!!
負けてやらないのだ〜〜!!
ちょっと駆け足過ぎた感。
書き直すかも。