あああああウインディちゃんが可愛いんじゃああああ 作:ガラクタ山のヌシ
ピリリリリリリ………
かけていたデジタル目覚まし時計が鳴る。
朝である。
とは言え、外はまだ暗いが。
寝巻きを脱ぎ、シャワーを浴び、いつもの格好に着替え、その後コーヒーを淹れるために、お湯を沸かしている間にバターを食パンに乗せてトーストを焼く。
ちんまいサラダや使いかけのジャムを冷蔵庫から取り出して食卓の上に置き、順々に出来次第、トーストやコーヒーも置いていく。そしていただきますもそこそこに朝食を平らげて、パソコンを広げ、出勤時間までデータと睨めっこするのがオレの平日朝の日課だ。
そんな最中である。
ピンポーンとインターホンが鳴る。
こんな早朝になんの用だろうと不思議に思い、出てみると先輩トレーナーが立っていた。
「岡本くん?ちょっと良いかな?」
そういう先輩は困り顔である。
何でもウマ娘が訪ねて来ているとか。
「だーかーらー!!トレーナーを呼んで欲しいのだー!!」
「だからどのトレーナーかな?」
「ウインディちゃんのトレーナーって言えばわかるのだー!!」
「って言われてもなぁ……」
何やら可愛らしい声がトレーナー寮の一階の方から聞こえるではないか。
因みにオレのトレーナー寮での部屋は階段のすぐそばだ。
「まあ、そういう訳なんだよね」
先輩は苦笑いである。
「すぐ行ってあげてもらえる?とりあえず相手してくれてる警備員さんにもお礼は忘れずにね」
そう言うと先輩は自室に戻って行った。
すぐに階段を降りて玄関に向かうと、今にも中に入りたそうなウインディと慌てた様子の警備員さんが入れろ入れないのやりとりをしていた。
オレに気づくとウインディはパァッと明るい表情になり駆け寄ってくる。可愛い。
オレは警備員さんにお礼と会釈をすると事情を聞く。
「ウインディ、こんな早くからどうしたんだ?」
「トレーナー!!トレーナーはコイを食べたことあるのだ?」
「?なんで鯉?」
ちゃんと泥を落とした鯉は美味いと聞くが、そういえば食べたことはないな。
「実は……」
「うん」
□
「ねぇねぇ、みんなはコイの味って知ってる?」
「えー、まだそういうのは早いんじゃないかなぁ?」
「そうかなぁ?知っといて損は無いと思うけど」
「で、でも誰とでもって訳にはいかないよね?」
「まぁそうだけどさー」
「のだ?」
「うーん、ウインディちゃんにはまだちょっと早いよねー」
「うん。まぁ確かに」
「それでさー…………」
□
「ってことがあったのだー」
ざっくりとだが、話の流れはわかった。
まぁ、確かにクセが強そうで大人の味って言われればそんな気もするなぁ。勝手なイメージだけど。
「うん。なるほど、それは分かったけどなんで朝っぱらからトレーナー寮に?」
その日の放課後にでも言ってくれれば良かったのにと思う。
「最初はあまり美味しくなさそうだなって思って、でもやっぱり食べたことないから気になっちゃったのだー……」
なるほど、それで寝付けずにこんな早起きをしてしまったと。
まぁ、オグリキャップやスペシャルウィークと比べれば目立たないがウマ娘の例にもれず、ウインディも健啖家だしなぁ。
普段頑張ってるご褒美として、ちょっと良い料亭に行くくらいは良いかなぁ。
でもヘンに舌が肥えて、トレーニング用の食事メニューを食べてくれなくなるのも困るしなぁ。
「トレーナー、たべてみたいのだー」うるうる
「あ、もしもし?今度の日曜日なんですが、ウマ娘と男性の二名で予約したいんですけど…」
うん。オレは間違ってないな。
可愛いウインディが泣く方が間違っているのだ(断言)。
◇
今度コイの味を知ることになったのだー♪
いつ?って今度の日曜日なのだ。
?みんな、なんでざわついているのだ?
勝負描写を描いた後だと、無性に日常回を書きたくなるのは何故だろうか?