あああああウインディちゃんが可愛いんじゃああああ   作:ガラクタ山のヌシ

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あれ?ウマ娘作品なのにレース描写が全然ないぞ?
ゴメンネ!!


あ〜ダメダメ可愛すぎます。

 

ある秋の日の夕方。

ウチのウインディは今日の分のトレーニングメニューを終え、着替えに向かうところだ。

「のらぁ〜」フラフラ

少しキツイ内容にし過ぎただろうか。

これまでのトレーニングだと退屈だと豪語していたから少しばかりトレーニングのレベルを上げてみたのだが。

疲労のため、おんぶしているウインディに聞く。

「ウインディ、大丈夫か?」

「う〜、へっちゃらなのらぁ〜」

疲れからか語尾が若干舌ったらずになっている。可愛い。

「そんなキミに疲労回復の薬をあげようか。何礼はいいよ。今のところはね」

うわでた。今グラウンドに誰もいなかったよな?

「あー、アグネスタキオンさん?そっちはそっちでトレーニングなり作戦会議なり、なんなりあるんじゃ無いの?」

オレは気になったことを問う。

出る出ないは別として、もう時期的に天皇賞秋やジャパンカップと言ったG1が目白押しなのだ。出走はしないまでもデータ集めにこれ程適したレースもないだろうに。まず間違い無く出るだろう有馬記念が決して遠くない時期にもあるという大事な時期に彼女のトレーナーが見当たらないのはどういうことだろうか。

「ああ、なんだそんなことか。その辺りの調整は問題ないよ」

「そりゃまたなんで?」

「まあ、ウチにはそこそこ優秀なモルモット兼助手がいるからね」

アグネスタキオンは、すこしニヤニヤしながら意味深にそう言う。

「それ、もしかしなくてもキミのトレーナーのこと?」

「まぁね」

少し、いやかなり意外だ。

「なんだ。なんやかんや言いつつ、キミも自分のトレーナーを信頼してるんだな」

「やれやれ何を言い出すかと思えば、そんなことは当たり前だろう」

そう言いつつ実験自慢なのか、後輩への叱咤なのか色々とないまぜになっただろう言葉を彼女から聞く。特に彼女のトレーナーに関しては「卒業してからも世話をしてもらう」発言などはもう遠回しに気に入ったモルモットだと言っているようなもので、どんだけ研究好きなんだよと思うが。

まあ、趣味嗜好はウマ娘それぞれ。事情も知らずに第三者が好き勝手に否定の言葉を喚き散らかすのは違うと思うし、そもそもの話、彼女とトレーナーの関係性についてオレがとやかく言うことでも無いだろうし。

歩きつつ話していると、目的地である更衣室前に着く。

「ウインディ、待ってるから着替えて来な」

「分かったのらぁ〜」

ウインディが背中からのそのそと降りて更衣室の中に入る。

言いたいことを言ってスッキリしたのか、アグネスタキオンは例の疲労回復薬を渡すとさっさと帰って行ってしまった。曰く「新たな可能性の探究」とのことだ。

特にできることもないので更衣室前のベンチに座って待っているとガチャリとドアが何度か開く。

着替え終わったウマ娘達が出て来る度にウインディかなと思ってチラリと見るが違う顔と知ると、なんの気無しに夕焼けの空を見上げる。

覗きだと思われても嫌だしね。

すると少しして「あのっ、ウインディちゃんのトレーナーさんですよね?」

と声をかけられる。

視線を落とすと、そこにはウインディのクラスメイトちゃん達がいた。

オレと目が合ったのを確認すると彼女らはおもむろに少し寂しげな顔をして

「ウインディちゃんのこと、大事にしてあげてくださいね」

「ウインディちゃん、少し…いや結構アホの子だけど、トレーナーさんなら安心できるよね」

「トレーナーさんがついてから、ウインディちゃん結構丸くなったしね〜」

そう言うクラスメイトちゃん達は、なんだろう。

ウチの姉貴(ヒト娘)の結婚報告の時の姉旦那(エリートサラリーマン)に対するウチのお袋と同じような顔をしていたような……。

…………気のせいだな!!

クラスメイトちゃん達はそれだけ言うとタタタっと駆けて行った。

まぁ、確かにウインディはオレにとって大切な人生初の教え子だが。

ほっとけないし、可愛いし可愛いし可愛いし(大事なことなので三回言いました)。

そもそも学園にとって大事な生徒であるウマ娘とそんなことになっていればまず間違い無く理事長やたづなさんの耳に入るハズ。

しかし、そのどちらからも今のところ通常業務外でのやり取りはない。つまりはそれほど気にする必要もないということだ。

…………今のところは。

何の気無しに改めて空を見上げる。というか、ここではそのくらいしかできることが無い。

仕事道具のパソコンもトレーナー室に置いてあるし、携帯の充電も残りわずかでいじる気にもならない。仕事のメールでも来ない限りは。

とは言え、別に物悲しい思いに耽っていた訳ではない。

栗に芋にブドウ。キノコに秋刀魚と、この時期は美味いものが多い。

それをウインディと食べるとなおさら美味い。

栄養バランスは考えるが、基本的に食事は楽しいものだ。

前も言ったと思うが、華やかな食事はそれだけで心の栄養にもなる。

なんてことを考えていると

「だ〜れなのだっ!」

「このカッコいい声はウインディだなっ!」

そう言って振り返ると、にこやかなウインディが立っていた。

「トレーナー!お待たせなのだ〜」

「おう。しっかしさっきのは何だったんだ?」

思った疑問をそのまま伝える。

「のだー。何かクラスメイトがトレーナーさんにやって見たらって言ってたからやってみたのだ〜」

「そっかーそれでどうだった?」

そう聞かれたウインディは、うーんと少し悩んだ後

「やっぱりガジガジしてた方が楽しいのだ〜!」

そうウインディはにこやかに言った。 

「そういやぁ出て来るのちょっと遅かったけどどうしたんだ?」

「足ツボマッサージやってもらってたのだ〜」

上手い子がいるのだー。というウインディにいつもながら癒される。

「そうか。それとアグネスタキオンからコレ貰ったぞ」

そう言うとオレは怪しく光る試験管を差し出す。

「おぉ〜、何やら強そうなケハイがするのだぁ」

そう言うとウインディはオレの手から試験管を受け取り特にためらいなく中身をガブ飲みする。

するとウインディの顔が苦々しいものとなる。

「まじゅいのだぁ」

「スポーツドリンク飲むか?」

「飲むのだ!!」

スッと差し出したペットボトルを引ったくるように受け取って再び勢い良く飲み始める。

お腹がたぷたぷにならなければいいが。

ウインディと美浦寮の前で別れて、オレはトレーナー寮に戻り今日の分のトレーニングの成果やこれまで、そして今後の伸び代のビジョンを組み立てる。これを怠ると、どう言ったトレーニングが向いているか向いていないか、得意な分野や不得意な分野についてなどが分からなくなってしまうため、地味ながら大切なことだ。

日々の積み重ねは地道だからこそ結果が出た時の喜びもひとしおと言うものだ。

気がつくと、窓の外はすっかり暗くなっている。

少々打ち込み過ぎたか。

腹も減ったし夕飯でもと立ち上がると

ピピピピ、ピピピピ。

と充電器に差しっぱなしの電話が鳴る。

ん?こんな時間に誰だろう?

 

へ?たづなさん?

 

 

トレーナーにカッコいいって言われたのだ〜♪

 

わかってるのだなー。

 

エヘヘ〜♪

 




ウインディちゃん好きが増えて来て嬉しすぎる今日この頃であります。
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