あああああウインディちゃんが可愛いんじゃああああ   作:ガラクタ山のヌシ

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トーセンジョーダン来ましたねぇ。
……ダート来なさ過ぎと違う?


また芝か……

 

ここはトレセン学園理事長室。

オレは昨夜、たづなさんからの呼び出しメールで朝イチでここに呼び出された次第。

「では、やましいところはないと?」

「当たり前じゃないですか」

なんでも、生徒たちの噂からオレとウインディの間に何かあるのではと思い、呼び出したのだとか。

なお、この部屋の主たる理事長は目を閉じてことの顛末を静かに聞いている。

「ではシンコウウインディさんが本気でそう言った関係を望んだとしたらどうしますか?」

茶化せない空気である。まぁ、茶化す気はないけど。

ウインディのことに関して、オレはいつだって本気である自負がある。

少なくとも目の前の女性は生徒の、そしてオレも含めたトレーナーの将来を本気で考えているからこそ真剣なのだろう。

「そうですねぇ」

オレは顎に手を当てて少し考える。

もし、仮にウインディが本気でオレをこれからも連れ添うパートナーとして必要としてくれるなら。

「それが心からのものならオレとしてもそれなりに考えますし、そのための準備も覚悟もしますよ。どんな結論になるかは置いといてね」

実際、ウインディに今のところそんな気は無いだろうが、可能性として本当にそうなることも無いことは無いだろう。

これはオレの自惚れというよりは、単に彼女自身が高等部という未だ多感な難しい時期であるのも関係している。

どうあれ、友情だの色恋だの、或いはそれ以外でも経験というのは得難いものだ。

だからこそ成功も失敗も、勝利も敗北も、酸いも甘いも彼女には知っていて欲しい。

もちろん、レースに関して言えば、出来る限り成功や勝利に向けて彼女をサポートするし、したいと思うのがトレーナーだと思うが、それでも全てのレースで勝利に導けるか問われると出来ると断言出来ない。情けない話ではあるがそもそもあらゆる勝負には不確定な要素も多いのだ。一番人気が常に一着とはいかないのがその良い証左だろう。

しかし、それでもそれらは必ずこれからの糧になるだろうし。少なくともそれを吐いて捨てるべき無駄と断じるほど愚かではないつもりだ。

なんて、今年になって担当ウマ娘を受け持つようになった新人トレーナーのオレが偉そうに言えた義理でも無いんだろうが。

そんなことをたづなさんに伝えたら、納得したようなしてないような、微妙な表情を浮かべた後ハァと一息ついて言う。

「わかりました。今日のところはここまでです。理事長も場所をお借りしてすみませんでした」

「うむ!大事な生徒とトレーナーのことだ!気にする必要はないぞ!」

理事長はそう言うと手にした扇子を広げて快活に笑う。

彼女もまた、若いながらに様々な苦労や重圧に耐える立場だ。

だからこそ悩める者のいい助言者なのだろう。

でなくば、私財を投じてまでトレーニング設備を充実させようなどとは思わない。

ウマ娘たちのことを本気で応援しているのがその熱意からも伝わって来るのだから、彼女が理事長を務めている学園で仕事ができるのはとても名誉であり幸運であり、また幸福なことだろう。

「ではオレはこれで…」

そう言って退室しようとすると

「少々お待ちを」

とたづなさんに肩を掴まれる。

ヒェッ…いつの間に距離を詰めて来たんだ?さっきまで理事長の隣にいましたよね貴女。

「もし、万が一にでも生徒を理不尽に泣かせることがあれば…分かりますね?」

「ハイ」

オレは反射的にそう言っていた。おっかねぇ。

「よろしい。では今度こそ出て行って構いませんよ」

そう言うたづなさんはいつもの優しそうな様子に戻っていた。

…………とりあえず、いつも通りトレーナー室でコーヒーでも飲んでリラックスしよう。

幸い始業時間までいくらか時間はあるし、今日の分の仕事はそれから始めればいい。

オレは愛読誌である『月刊ダート』を片手に、始業のベルを待つことにした。

 

 

ガジガジ…モグモグ…

 

朝はやっぱりとうもろこしに限るのだぁ〜♪

 

 

 




ダート“も”走れる子なら何人かいるんですけどねぇ。
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