あああああウインディちゃんが可愛いんじゃああああ 作:ガラクタ山のヌシ
いつものトレーナー室に、ウインディがやって来る。
「トレーナー、いるのだー?」
普段は特に返事も聞かず、元気よく扉を開くウインディが、部屋の外から前もって声をかけて来た。それを珍しいなと思いつつ
「おーう。いるぞー」とオレは返事をした。
すると手に何やら茶色い紙袋を手にして、にこにことしたウインディがトレーナー室に入ってきた。
「エヘヘ〜、トレーナーお腹すいてるのだ?」
「うん。小腹は空いてるかな」
こんな穏やかなウインディ、なかなか見られないな。うん可愛い。
「ウインディちゃん、コーンクッキーっていうの焼いたのだぁ。だ、だから…あぅ…」
そう言うウインディはどこか気恥ずかしそうだ。
「ちょっと癪だったけど、ヒシアマ姐さんにも作るのを手伝ってもらったのだ……だから、味はたぶん問題ないと思うのだ」
そう言うとスススっと袋をこちらに渡して来た。
手放す間際、ちょっと袋に力を入れていたのはちゃんと上手くできたかという不安からだったのだろうか。
普段ツンケンしてばかりのウインディが手伝って欲しいと言い出すなんて、ヒシアマゾンもさぞ驚いただろう。
……後でお礼をしに行かないとな。
そっと手渡された袋を開けてみると、小さくて丸っこい可愛らしいクッキーが入っている。
少しコゲているものもちらほら見えるが、味に問題はなさそうだ。
「それじゃ、頂くよ」
ウインディに見られながら、クッキーを一個口の中に放る。
ウインディの気持ちがこもっているようで、普通のクッキーより美味しく感じる。
「お、美味しいのだ?」
しかしウインディはまだ不安げだ。
言葉にして安心させてあげねば(使命感)。
「うん。美味いよ。本当だ」
オレがそう言うとウインディの耳がぴょこんと立ち、尻尾もブンブンと元気良く動き出した。
「エヘヘー、よかったのだ。トレーナーにはいつももらってばっかりだったから、たまにはウインディちゃんも何かあげたかったのだ……」
そう言って人差し指をイジイジしているウインディ。
ぐはぁ!!!
なんていじらしい。なんて可愛らしい。
なんだろう。オレの中のナニかが目覚めそうだ。え、もう手遅れ?いやいや。
「うん。後でコーヒーと一緒に大事にいただくよ」
いやマジで。一個につき三日かけて食べたいくらいだ。
乾燥剤を入れてきちんと保存すればたぶんそのくらいは持つだろう。
「そんなに気に入ったなら、また作ってやってもいいのだ〜♪」
そう言うウインディはすっかりいつもの調子だ。
「そう言えばなんでクッキーなんだ?美味しいけどさ」
「クラスメイトに聞いて、簡単で喜ばれる贈り物って事で手作りのなにかって思ったのだ」
「ふんふん」
「それで、何かできないかなーって考えてたらお腹が空いてきて、オヤツにとうもろこし食べてたらこれなのだ!ってなったのだ」
「それでそれで?」
「それで…そのことを相談できる相手はヒシアマ姐さんくらいで…」
「それで、手伝って貰ったと」
「そうなのだ!!」
ウインディは元気よく頷く。
因みにクラスメイトちゃん達の誤解は理事長室に呼ばれた件の後、色々と察してしまったオレが説明したことによって解消された。
彼女らは「なーんだ」と言ってはいたが、落胆やがっかりした様子ではなくむしろ感謝されてしまった。
その理由としては、言い方は悪いが「ウインディちゃんでも」と思ってトレーナーに勇気を出してアタックし、OKをもらえた子がチラホラいたかららしい。
なお、告白を受けたトレーナーはその後もトレーナー業自体は続けるそうだ。
その彼らもたづなさんにこってり絞られたらしいが。
「エヘヘー、トレーナー楽しみにしてるのだ〜♪」
そう言うウインディは嬉しそうで、オレまで嬉しくなってしまう。
「のだ〜」
そう言って甘えて来るウインディを、それは撫でくりまわすのだった。
◇
トレーナーにクッキー喜んでもらえたのだ〜
エヘヘ〜
がんばってよかったのだ〜♪
これからも、見て下さると嬉しいです。