あああああウインディちゃんが可愛いんじゃああああ 作:ガラクタ山のヌシ
とある日。トレーニングが終わった後のこと。
オレとウインディはトレーナー室に集まって、せっせと準備をしていた。
こたつの上にはジュースと飽きないようにと用意された数種類のポップコーンが置かれ、壁にかけるスクリーン投影機にはDVDプレイヤーが繋がっている。
映画館の雰囲気を出すため部屋は暗くしてあり、準備を終えて隣に座るウインディは今か今かと待ち遠しそうだ。
まぁつまりは現在映画を観るための下準備をしているところだ。
さて、映画を観ることとなったそもそもの発端は、ウインディがクラスメイトちゃんに「トレーナーさんと観るといいよ〜」と言われて、DVDを観たくなったとのことだ。
因みに彼女は自身のトレーナーとホラー物を観たとか。
しかし、DVDと一口に言っても種類が豊富にある。
ラブロマンスものは間違いなく二人して寝てしまうし、ホラーやスプラッタはオレが苦手だ。どのくらい苦手か問われれば、驚きのあまり思わず近くにいるウインディに引っ付いてしまいかねないくらいに苦手だ。セクハラ扱いされかねないうえ、万一ウチの可愛い可愛いウインディの心に傷をつけてしまったらと思うととても観る気にはなれない。かと言って最近のアニメなんかには疎いし、複雑なサスペンスものはウインディが退屈だろう。結果、二人共楽しめるだろうと一昔前の名作アクション物を見ることになった。
トレセン学園の近場のレンタルショップで、これで良いかと確認したところウインディは「トレーナーのオススメなら間違いないのだ〜♪」
と全幅の信頼を寄せてくれていた。可愛い。
ちなみに選んだのはアレだ。あのスピード狂のタクシー運転手のヤツの一作目だ。
舞台はフランス。とあるそば屋で出前として働いていた主人公はとうとう念願叶ってタクシーの運転手になれた。
喜び勇んで改造車タクシーで客を送り続ける日々。
良かれと思って爆速で飛ばしまくるために、通常より早く送り届けることはできるものの、それは言い換えればそれだけ速度を出していると言うこと。
案の定、ついにはスピード違反の現行犯で警察のお世話になることに。
『ウマ娘に産まれるべきだったんじゃね』
とまで言われるほど速度を愛する男と、ひょんなことから行動を共にすることとなった新米刑事が織りなすドタバタ捜査劇。
高級車を乗り回すマフィアとの戦いの結末は如何に?
というのがまぁ、ざっくりとしたこの映画のあらすじだ。
これがつまらないはずが無い。
現にオレはこのシリーズが大好きだし、作風自体もコメディ調でサクサク観られる。可能ならウインディにも好きになってもらいたいくらいだ。
共に映画について語らう仲間が欲しいという下心がないでは無いが、もちろん無理にとは言わないし、いったん好きになったけどやっぱ飽きたってのもアリだと思う。
そもそも趣味ってのはそう言うもんだし。
いざ映画鑑賞を開始すると、ウインディはキャッキャと楽しそうに観ている。可愛い。
「わっはは〜、もっとスピード出すのだ〜!!」
「おうおう、そうだそうだー!」
派手なカーアクションを観続けているからか、オレもウインディもだんだんとテンションがハイになってきた。
一応トレーナー室は作戦会議などが外部に漏れないようにとの配慮から防音完備であるため、事前に戸締りさえきちんとすれば廊下に声が響いて迷惑がかかることも無い。
もちろんそこのところのチェックは済ませているため安心だ。
そして、クライマックスの強盗団の逮捕シーンのあと、主人公は免許の剥奪を免れたもののスポンサーが警察と印刷されたマシンに乗ってのF3レーサーに転向してこの映画は終わった。当の主人公は苦い顔をしていたが。
まぁ、主人公に関してはかなり自業自得感はあるし、でも彼の活躍あっての強盗団逮捕だし、譲歩としてはそのくらいなんだろうなぁ。実際同じことがあればどうなるかは知らんけど。
「すっごく面白かったのだ〜」
「そうだろー?」
時計を見てみるともう良い時間である。
「じゃあウインディ、そろそろ寮に戻るか?」
「分かったのだ〜」
オレはそのまま映画の興奮冷めやらぬウインディを寮まで送り届けたのだった。
オレ?もうちょい仕事だよ。
◇
映画たのしかったのだ〜♪
のだ?
なんで「そこはホラーでしょ」なのだ?
これからも見て下さると嬉しいです。
そして、ウインディちゃんをちょっとでも好きになっていただけたらもっと嬉しいです。