あああああウインディちゃんが可愛いんじゃああああ 作:ガラクタ山のヌシ
悲しい。
たづなさんにこってり絞られた後、オレと沖野先輩は廊下を歩きつつ話をしていた。
「あー、怖かったですねぇ」
「ホントになぁ。おハナさんといい、たづなさんといい、美人は怒ると怖えよなぁ…」
おハナさんこと東條ハナトレーナーは、オレから見て沖野先輩より更に上の先輩で超管理主義のベテラントレーナーだ。
その育成手腕は本物で、彼女率いるチームリギルは毎年と言って良いほど結果を残している強豪チームだ。
担当しているウマ娘達とも良い関係を築けているらしく、あの生徒会長『皇帝』ことシンボリルドルフも所属しているほど。
トレーニングに関しても厳しいことで有名な人だが、むしろ強くなりたいとチーム加入希望者が毎年後をたたないほどだという。さすが中央トレセン生徒達の向上心が違う。
ホント、色んな意味でさすがとしか言いようがない偉大な先達だ。
まぁ、だからと言ってみすみす黙って負けるつもりもないが。
「って言うか、東條トレーナーを怒らせるって何したんです?」
ふと、気になったことを聞いてみる。
基本は面倒見がいい人なんだけどなぁ。
「ちょっと、バーでなぁ…」
言いにくそうだなぁ。
「あー…ひょっとして、手持ちが無くて奢ってもらったとかです?」
「おいおい、なんで分かったんだよ……あんま言うなよ?」
「言いませんって」
さんざん世話になった先輩の恥を言いふらすほど落ちぶれてはいないつもりだ。
そもそも、ウマ娘の育成にかかる諸費用は、基本的には学園側から支援してもらえるが、その対象でない出費、例えば出先での外食だったり、ウマ娘自身の趣味だったり、シューズや蹄鉄をオーダーメイドしたりとお金がかかる部分というのは少なからずある。
特に食費。これがデカい。
ある程度の実績と経験を積んだトレーナーはチーム持ちで先程の出費が更に人数分増え、且つ人並み以上に食べるウマ娘で財布にダブルパンチ。
それに加えて沖野先輩率いるチームスピカには、スペシャルウィークという特大の
まぁ、たくさん食べることそれ自体は別段悪いことでは無い。
それだけ彼女がトレーニングを頑張っているということでもあるし、食べ物を美味しそうに食べている姿は周りが見ていても微笑ましい。
お金が自分の財布から出ていくのでなければ、だが。
実際オレもスペシャルウィークと同じくらいかそれ以上に食べると噂のオグリキャップの一度分の食費を実際に見て目玉が飛び出しそうになったくらいだ。
先輩はそれを合宿やら学園のイベントの度に出しているのだろうと考えるだけで「そりゃあ素寒貧にもなるよなぁ」と妙に納得してしまった。
そうこう話し込んでいる内、オレの目的地に着く。
「じゃ、先輩。オレはこれで」
「おう。困ったら何でも相談しに来いよ」
金の相談は難しいがなと冗談めかして沖野先輩はチームスピカの部室に向かって歩いて行った。
トレーナー室に入り席に腰掛け、PCを開く。
一日ぶりの仕事だ。ウインディのためにも頑張らなければ。
気合を入れて今すべき仕事をする。
カタカタカタカタカタカタカタカタ……。
しばらく資料作成をしていたところ
ドタドタドタドタドタドタドタドタ…………。
廊下の方から何やら音が聞こえて来た。
ん?この足音は…。
バタァン!!
「トレーナー!!」
やっぱりウチの可愛いウインディじゃないか!!
「おおー、ウインディ!!」
オレは椅子から立ち上がり、思わずウインディに歩み寄る。
そっかー、もうそんな時間になっていたかー。
集中しているとどうにも時間が過ぎるのは早い。
「元気になったのだ〜?」
「おかげさまでね」
「エヘー、良かったのだ〜」
喜びの感情がよほど大きいのだろう。尻尾がブンブン振り回されている。可愛い。
「よーしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよし」
「のだ〜♪もっとなでるのだ〜♪」
いつも以上に甘えん坊さんだなぁ。
一日とは言え、寂しい思いをさせちゃったみたいだなぁ。
「よーーーしよしよしよしよしよしよし」
「エヘヘ〜、今日はこのままトレーニングまでなでするのだ〜♪」
しょうがないなぁ〜。仕事?ほぼほぼ終わってるし、あとは持ち帰ればええやろ!!
「特別だぞ〜?」
「やったのだ〜♪」
ナ〜デナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデ………。
結局オレは、ウインディが満足するまで撫で続けたのだった。
◇
トレーナーはしょうがないのだな〜
ウインディちゃんがついててあげるのた〜♪
エヘヘ〜
最近物が壊れやすい気がします。
大事にしてるつもりなんですがねぇ…。
長いこと使ってるものが多いから一気にガタがきたのかなぁ。
それはそれとしてウインディちゃんは今日も可愛い。