あああああウインディちゃんが可愛いんじゃああああ 作:ガラクタ山のヌシ
気がついたら二千字を超えていた。
マジでかぁ。
それは、出先でたまたま居合わせた同期のトレーナーにそれとなく言われた。
「にしてもお前、けっこう世話好きだよなぁ」
「そうかぁ?」
担当ウマ娘を持つトレーナーならばこのくらい普通だと思うが。
そもそもウインディの可愛さを前にしてお世話をせずにいられるヤツがいるなら是非連れて来て欲しい。ちょっと小一時間…いや半日ほど説教するから。
しばし沈黙していたオレをみて、気を悪くしたと思ったのか。
「あぁ、別に過干渉だーって文句を言いたいんじゃ無いさ。まぁ、ウマ娘とトレーナーの適度な距離感ってのはそれぞれによってまちまちだけどよ」
「まぁなぁ」
フォローを入れられてしまった。
気を使わせてしまったようで、なんだか申し訳なくなる。
しかし、距離感かぁ……。
実際にそれはある。
トレーニングはトレーニング、プライベートはプライベートできっちり分けたい子も中にはいるし、逆に常日頃からトレーナーとべったり付きっきりがいいって言うような子もいる。
因みに同期の担当は前者寄りだったらしい。
まぁ、相手は年頃の女の子だからして、ハラスメントにならない程度に近くで支えてやるのがトレーナーだったり、教師だったりと言った教育者の務めだ。
まぁ何かしてもらうよりしてあげたいと思える人でなければ、トレーナー業は務まらないだろうことは確かだろう。
ただまぁ、結果的にだがオレはトレーナーになって良かったと思ってる。
そのおかげでウインディとも出会えたわけだし。
「ふーむ」
オレは先程のトレーナーと別れ、思い返す。
「お世話かぁ…」
公園のベンチに腰掛け、なんと無しに物思いに耽る。
いや、改めて考えることでも無いのだろうが。
人間面倒なものでちょっとしたことから、なんとなく不意に『もし』を思い浮かべてしまう時というのはある。
勿論オレとしてはウインディをスカウトしたことは今でも後悔などしていないし、これからもしないと断言できるだろう。
しかし逆にオレは、ウインディにウザがられていないだろうか。
そうだったとしたら、結構…いや、かなり凹む。
いやでも過干渉を気にしすぎるあまり、ウインディに寂しい思いをさせるのも忍びない。
というかそれじゃあ本末転倒だ。
一年にも満たない間だが、オレとウインディはそれなりに良い関係を築けている…とは思う。
正真正銘、一人目の担当ウマ娘なので他の子を参考にして断言できるほどでは無いにせよだ。
なら迷わなくて良いのでは無いか、とも思うが。むむむむむ。
思考の
我がことながら面倒なヤツだ。
「あらあら〜、どうかしたんです?」
「ん?」
ふと、声をした方を見やると、トレセン学園の制服を着た腰のあたりまである鹿毛のウマ娘が声を掛けて来たのが分かる。
彼女はおっとりというか、穏やかそうな表情を浮かべてこちらを見ていた。
「えぇっと、キミは…」
どこかで見たような…。
「あらあら私ったら、すみません」
「い、いや…」
「では、改めて自己紹介ですね〜」
ニコニコとしながら彼女は名乗る。
「スーパークリークと申します、以後お見知り置きを〜」
スーパークリーク!!
菊花賞や、春の天皇賞を取ったステイヤーで知られる超有名ウマ娘!!
その上イナリワン、タマモクロスと同期でその二人と合わせて三強と呼ばれた一人!!
そして彼女のトレーナーは天才と名高い人だ。
更にタマモクロス経由でオグリキャップとの親交もあると言う。
なんで思い出せなかったんだ。
「我ながら気を抜きすぎだろ…」
「あらあら〜、そうご自分を責めないで下さい?」
声に出てたか。
オレは恥ずかしくなって顔が熱くなってしまう。
しばらくして頬の熱も取れた頃だ。
「スーパークリーク」
オレはなんとなく、この子に話を聞いてもらいたくなった。
なんというか包容力というか、寛容さというか。オレが目指すような先輩方と似たような雰囲気がしていたからかも知れない。
「はい〜?」
「ちょっと、聞いてもらいたいことがある。愚痴と言っても良いかもしれない」
「はい」
「それが不愉快だったり、嫌なら帰ってもらっても構わない」
「まだ時間もありますし、大丈夫ですよ〜?」
本人の了承も得たところで意を決して、隣に腰掛けた彼女にオレは先程の同僚との会話や、オレ自身の不安、ウインディのことなどを要約して伝える。
我ながら、よくここまで喋ったものだな。それだけ隣に座る彼女が聞き上手なんだろうけど。
「大丈夫だと思いますよ〜?」
返事は意外にもあっさりとしたものだった。
「そうか?」
「ふふっ、あなたは優しい人なのですね〜。それで色々と考えすぎてしまうタイプなのでは〜?」イイコイイコ
……そうなのだろうか。
「それじゃあ、これからもウインディを構ったり甘やかしても問題はないと?」
「そもそも、本人が迷惑そうにしてないのでしょう?お話を聞く限り、シンコウウインディちゃんは嫌なことは嫌とハッキリ言うタイプの子だと思いますし〜、その彼女が嬉しそうにしているのならそれが正解ということでは〜?」
その言葉を聞き、オレの心の迷いは晴れた気がした。
「キミとは色々と話が合いそうだ」
「うふふ〜♪そう言っていただけると嬉しいですね〜」
そう言いながらスッと差し出された手をオレはガシッと掴んだのだった。
そうして改めてトレーニングをやってみた結果。
「エヘー、トレーナー。ウインディちゃん頑張ったのだ〜♪」
「よーしよしよしよし。えらいぞー。つよいぞー。かっこいいぞー」
ナーデナデナデナデナデナデナデナデナデ…。
「トーゼンなのだ〜♪」
あ〜もう、ウチのウインディってば悩んでたのがバカバカしくなるくらい可愛い過ぎるんだが。
◇
ウインディちゃんとトレーナーはムテキなのだ〜♪
エヘー♪
もっとなでるのだ〜♪
混ぜるな危険?回でしたね。