あああああウインディちゃんが可愛いんじゃああああ   作:ガラクタ山のヌシ

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コッテリ系ってモノによっては気分が悪くなりますよね。


ラーメンって何であんなに急に食べたくなるんだ?

 

腹が減った。

いつものようにウインディのトレーニングを終え、それ以外の仕事も提出分はすでに出来ている。

ウインディはまた寮に帰って行ってしまったし、かと言ってすることも無い。グスン

そして、腹の虫が鳴った際にふと

「ラーメンが食いてえ」

と口にしていた。

要するにオレはいつの間にやらラーメンの口になっていたのだ。

いや、原因は見当がついている。

多分ついさっきまでラーメン特集なんてものをテレビで見たからだろう。

オレは意を決して、と言うと大袈裟だが久々のラーメンに胸を躍らせて学園の外へ。

しかし何系がいいだろうか。

味噌、塩、しょうゆは鉄板として、家系、和風系、魚介につけ麺、チャッチャ系…。

ぱっと思いつくだけでもこれだけある。

とは言え、オレもよく行くわけでは無いのでどこの店が美味いとか、そこまでとかそういうのは詳しくない。

トレセン学園の生徒達が行く店もまちまちで、参考になるほどのデータは無い。

いや、行列が出来ているとかいないとかで判断はできるものの、今度はそれが自分の腹にピンポイントで刺さるかというのは別問題。

かと言ってネットで評判を調べるのも何だか負けた気がするのでしない。

悩みに悩んだ結果、オレは地図でこの周辺のラーメン屋を調べてその中から適当に選んだ店に入ることにした。

選んだ店は『ら〜めん芝』

トレセン学園からも充分徒歩圏内にある店だ。

寒空の下、ラーメンを食べるためだけに歩く。

ある種の贅沢とも言えるだろうこの時間をウインディと共有できないのがなんとも寂しい。

クリスマスシーズンだからか街はいつも以上に活気に満ち満ちており、店によっては店先にクリスマスツリーだの、サンタのステッカーだのを貼って、それらがこれでもかと主張してくる。

夕飯時を少し外したからか、目的地のラーメン屋は思ったよりも空いていた。

運が良かったと思い、中に入ると

「お?ウイトレじゃねーか、珍しいなー!!」 

ちょうど目につくカウンター席に先輩率いるチームスピカのメンバー、ゴールドシップが座っていた。

どこでも存在感を発揮するなぁ彼女は。

ん?そういやゴールドシップについてなにか忘れているような…?

まぁいいか。この店は食券制では無いようで券売機も無く、自分の隣の席をポンポンと叩いているのを無碍にするのも悪いし、気遣いに甘えてそのまま席に着く。

「この店なぁ〜、メッチャ辛いラーメン出すんだよ〜、お前どう?」

ニヤニヤしながらそう聞いてくるゴールドシップ。

「まぁ、辛いのは好きだからそれでもいいが」

「おぉ〜!!そっか〜、じゃあおっちゃーんコイツにヒリ辛一丁な〜!!」

「あいよー」

それからしばらく、ゴールドシップと談笑して出て来たラーメンを見て驚いた。

赤い。とにかく赤い。

カプサイシンカプサイシンした匂いが鼻を突き抜ける。

「残さず食えよ〜?」

心なしかゴールドシップのニヤニヤが深まった気がした。

オレは一瞬ハメられた気がしたが、よく調べずにそれでいいと言ったのは他ならぬオレ自身だ。

ならばここはオレが平らげなくてはならない!気がする。

幸いオレは辛いのは得意な方だ。

ならばイケるハズ!!

「……いただきます」

カラァァァァイ!!

でもウマいかも…。

やっぱカラァァァァイ!!

しかし、食べ物を粗末には出来ない。少しずつ、着実に時間をかけてでも食べ切らねばトレーナーとして、教育者として示しがつかない!

「ズルズル…」

「おっ、おお…」

それから数十分後

「うっぷ。ごちそうさま」

「スッゲーな!!まさかホントに食い切るとは思わなかったぞー!!」

ゴールドシップのテンションが高い。

肩をバンバン叩かれる。が、一応加減はされてるのかそこまで痛くは無い。

よっぽど無茶と思っていたのか。

「それじゃあ、ゴルシちゃんからご褒美があるぞー♪」

「ご褒美?」

何やら嫌な予感がしてつい身構えてしまうが。

「まあそう警戒すんなって。この店出て左にある信号あるだろ?そこをちょっと真っ直ぐ行くと良いもん見られるぜ?」

言いたいだけ言って、あばよっと立ち去るゴールドシップ。

なお、彼女の分のラーメン代もオレ持ちな模様。

しっかし良いもんか……。

「騙されたと思ってちょっとだけ行ってみるか」

雪は降っていないものの、寒さは変わらぬ街中を歩く。

辛いものを食べたからか、ポカポカとしてきて食べる前より幾分楽になった気もする。

少々腹が満腹感で苦しいがそのくらいだ。

件の信号を渡り、少しまっすぐ。

キョロキョロと周りを見回しながら良いもんとやらを探す。

しばらくそうしていると、老舗で知られる手芸店のショーウィンドウの向こうにウインディとヒシアマゾンの姿を見つけた。

こちらには気づいていない様子で、なにやら毛糸を選んでいるようだ。

手触りを確認したり、色を吟味したり、パッと見で楽しそうな様子が伺える。

うんうん。ウインディ立派になってなどと、何やら目頭が熱くなる気がする。

確かに良いものを見させてもらえた。

女の子同士の買い物をこれ以上ジッと見ているのも野暮だろう。

ここは見つかる前に引き返すのが吉か。

学園へ戻るオレの足取りは、ラーメンを食べる前より幾分軽くなったように思えた。

 

 

失敗続きで穴だらけのマフラーばっかになっちゃうのだ〜

 

こっちの方がやりやすいのだ?

 

でも長く使ってほしいのだ〜

 




なお、筆者は塩が好きです。
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