あああああウインディちゃんが可愛いんじゃああああ 作:ガラクタ山のヌシ
「よーし、ウインディ!合図をしたら走り出すんだぞ〜!!」
「わかったのだ〜」
オレとウインディはいつものようにトレーニングをしている、
今回は未だに苦手なゲートの練習中だ。
いくらかはマシになったとは言え、ウインディはまだ決してゲートが得意とはいえない。
なにより一瞬の出遅れが勝負の明暗を分つのはレースに関わる者ならば知っていることだ。
ジュニア級やクラシック級の序盤ならまだ巻き返しは効くだろうが、それ以降となるとそうも言っていられない。
敵もさる者ひっかく者。競争相手も学び、強くなる以上油断や慢心は大敵だ。
それこそ天狗になっている暇すらないほどに。
レースでの仕掛け時や、相手の動きをイメージするうえで大切なのは頭で理解し数をこなすこと。
今回はやっていないが、並走トレーニングなんかはそれにうってつけだ。
ただ、一対一に意識が向きすぎるのも問題だが。
もちろんどんなトレーニングにせよ、やり過ぎによる過度の消耗を避けつつ、切上げ時も見極める必要がある。
そう言う意味ではウインディのわかりやすさというのはトレーニングに於いてプラスに作用している。
特にウインディのような本能型は、磨き上げればむしろその闘志でもってレースの流れを直感する術を無意識にできるようになるらしい。
そればっかりは理屈で説明できないところのようだ。
ただまぁそういうのは不確定要素ではあるものの、オレはあってもいいとは思う。
むしろ不確定だからこそ、そう言うのがレースの中でドラマだったり感動を生み出すのは間違い無いからだ。
そのいい例が忘れもしないあの有マ記念。二度も骨折を経験したことで、もはや全盛期を過ぎたなどと言われたトウカイテイオーが、最後の直線でなんとビワハヤヒデを抜き、トップでゴールを果たしたのだ。
一応言っておくが、対戦相手のビワハヤヒデだって強いウマ娘であるのは間違いない。
現にあのレースで彼女は一番人気、対するトウカイテイオーは四番人気だったことからもその実力は分かろうというものだ。
とにかく、トウカイテイオーが意地を見せたあの時、あの瞬間ほど沖野先輩が喜びに咽び泣いていたのを見たことはないし、オレもああなりたいと強く思ったもんだ。
だからこそ、担当ウマ娘を決めなかなか決めかねていたとも言える…ってのは都合が良すぎるな。単にオレがウダウダしてただけのことだ。
オレには演出も脚本もできはしない。
しかしウインディのサポートならば出来る。
だからオレはオレにできる最大限をもってウインディに報いたい。
「よしスタート!!」
「のだー!!」
ゲートが開き、ウインディが飛び出す。真剣な顔も可愛い。
今のところ三回連続で成功している。
「よしよし、えらいぞ〜ウインディ〜」
「へっへーん!ウインディちゃんにふかのーはないのだぁ〜♪」
その前に五回連続で失敗しているが。まぁ言わぬが花だろう。
ともかく、まだまだ先は長いなぁ。
◇
ウズウズ………
ウズウズゥ〜〜〜
ごほーびのためにガマンなのだぁ〜!!
エヘヘー
(ゲートが開く音)
あっ……
えっ?たづなさんはどうなのかって?
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裏ボス…?