あああああウインディちゃんが可愛いんじゃああああ 作:ガラクタ山のヌシ
いやぁ〜可愛いなぁ〜。
「うへへへへへ〜」
オレはこの日、気分転換にと座ったベンチで手に持ったスマホを見ながら鼻歌まじりにニヨニヨしていた。
「どうしたんだ?」
「あぁ、先輩」
向こうのほうから歩いて来た沖野先輩に声をかけられる。
「お前今完全に変なヤツだったぞ?」
へ?オレが?まっさかー。
「いやいやご冗談を…」
そう言いつつ周りをキョロキョロと見回す。
今は授業中だからか生徒たちの姿は無い。
特に悪いことをしたわけではないが、オレはホッと胸を撫で下ろす。
「で、いったい何を見てたんだ?」
沖野先輩は興味ありげに隣に座り、オレのスマホに目を向ける。覗き込もうとしてこないのはさすがと言うか、無理強いする気はないのだろう。
「えぇ〜?それ聞いちゃいますぅ〜?」
オレは頬を緩めながらそう言う。
「いや、無理にとは…」
「いやぁ実はですねぇ…」
言いかける先輩にズイッと近寄りスマホを見せる。
「実家の猫が子猫を産んだんですよ〜」
そこには生まれて間もない四匹の子猫が寝ている写メが。
「えっマジか?おめでとうー!」
「いや、おめでとうはね、頑張ってくれた子に言ってあげてくださいよ〜」
そう言いながら、オレは「可愛いぃ〜」と呟きながらそれを見続ける。
「そういやぁ、お前んち猫飼ってたのか。名前はなんてんだ?」
「あぁ〜それがですねぇ、今家族みんなで考えてる最中らしくって…」
「いや、親猫の方の名前なんだが…」
あぁ〜、そっちかぁ。
「雄の方がフェブくん。メスの方がラリーちゃんっていうんですよ〜。どっちも二月生まれだからそんな名前になったんです」
そう言いながらオレは写真ファイルを開いて画像を選び、はいっと見せる。
「おぉ〜、シャッとしてるなぁ」
ふふふのふ。そうでしょうそうでしょう。
「これでも食べるものやら運動量には気を遣ってますからねぇ。ダニの予防薬やら健康診断だってちゃんと受けさせてますよ〜」
なにせこの子たちも大事な家族だ。出来る限り一緒にいたいし長生きしてほしい。だからこそ健康にも気を使う。
オレの尊敬する爺ちゃんも口を酸っぱくして言っている言葉だ。
因みにこの子達の品種はロシアンブルー。その名の通りロシア原産で、寒さに強く暑さに弱い。外見は短毛で名前の由来ともなったブルーの毛色でグリーンの瞳。性格的特徴としては大人しくて物静かな子達だが、よその人への警戒心は強めだ。
しかし一度懐いてくれればめちゃくちゃ愛情たっぷりにスリスリしてくるので、犬のような猫とも言われており、気長に付き合うことさえ出来ればいい家族になれる。
思い返すとまるでウインディみたいだなぁ。
なお太りにくいその体はなかなかに筋肉質で、運動量も結構あるためお迎えする際にキャットタワーは必須だろう。
「なるほど。お前の家族がしっかり者だってのはわかったよ」
そう言って先輩はベンチから立ち上がる。
どうやらチームスピカの仕事がまだ済んでいないらしい。
「あぁ、そうそう」
立ち去ろうとした先輩がこちらに向き直り、茂みを指差す。
「猫もいいが、そこにいるデカいわんこもちゃんと構ってやれよ〜」
「へ?でかいわんこです?」
そんなことを言いながら、指で示された方向を見る。
いやいや流石にウインディとは言え、猫にヤキモチなんて………。
「ムゥ〜」ぷくー
あっ……。
「よ…よーしよしよ…」
「ガブーーーッッ!!」
その後、オレが必死にナデナデしたのは言うまでもない。
◇
ふーん
おこってないのだ〜
べつにウインディちゃんはかわいいっていってほしいわけじゃないのだ〜
エヘヘ〜♪
毛の長い子も可愛いんですが手入れがね……
ノルウェージャンフォレストキャットとか可愛いとは思うんですけど…。