あああああウインディちゃんが可愛いんじゃああああ 作:ガラクタ山のヌシ
おしるこかな?
三ヶ日の真ん中に位置する一月二日。
今日オレはトレーナー寮で今後のトレーニングについてのプランや、参加レースについての吟味をしていた。
ピーンポーン♪
「ん?」
来客を告げるインターホンにオレは首を傾げる。
新年会なら明日のはずだし、誰かに会う約束もしていない。
オレは椅子から立ち上がって玄関に向かい、扉についた覗き穴から外を伺う。
そこには……。
「トレーナー!来たのだ〜!!」
と元気いっぱいに手荷物を掲げるウインディがいた。
しかも、昨日と同じ振袖姿で。
オレは即座に扉を開けてウインディに問う。
いや、来てくれるのは大歓迎だけども。
「どした〜?ウインディ?」
「書き初めを見てほしいのだ〜!!」
「おぉ〜、書き初めかぁ〜」
懐かしいなぁ。
そう言えば、硯や半紙なんてしばらく見てないなぁ。
いや、視界に入ることはあっても今日日使う機会が中々無いのだ。
「でも警備員さんはどうしたんだ?」
「トレーナーのこと言ったらとおしてくれたのだ〜」
あぁ〜、前回の件で顔を覚えてもらえてたのか。
「分かったよ。ほら上がって上がって」
警備員さんが把握してるなら上げても問題はないか。
それにせっかくの来客、それも可愛い可愛い教え子の訪問を無碍に断るのも可哀想だ。
「おっじゃまするのだ〜♪」
「はいはいいらっしゃい。あぁ、履き物はちゃんと揃えてな〜」
「は〜いなのだ♪」
せっせと下駄を揃えるウインディ。素直で可愛い。
「ちょっと待っててなぁ」
オレはそう言うと部屋のど真ん中に置いてある椅子とテーブルをどけて、書き初め道具を置くスペースを確保する。
床に新聞紙を敷いてガムテープでとめ、膝置きにおろしたてのきれいな布巾を出し、万が一墨汁をこぼしたりした時のためのぞうきんも用意しておく。
十分もする頃には書き初め用のスペースはなんとか完成していた。
「それで、ウインディ。何を書くとか課題はあるのか?」
「すきなの書いていいって言われたのだ〜♪」
「そっか〜」
今年の抱負だったり目標だったり、各々好きに書けばいいってことか。
ウインディのクラシック級なら有名どころだと三冠ウマ娘だったり、トリプルティアラウマ娘なんかがそうか。
どっちも芝だけど。
ウインディの場合は初の重賞であるG3ユニコーンステークスを勝っておきたいからなぁ…。
「んじゃまぁ、まずは好きに書けばいいと思うぞ〜」
字の上手い下手だとかどことどこの線が近いとか離れてるだとか、そういうのはオレにはざっくりとしか分からん。
ただどんな内容にするにせよ、気持ちを込めて書くのは大事だとは思う。
ウインディはひとつ頷くとサラサラ〜と描き始める。
もう決まってたのか。意外と言うと失礼だが、ちょっとは悩むと思ったんだが。
「できたのだ〜♪」
「おぉ〜、どれどれ?」
「コレなのだ!!」
ウインディが嬉々として見せてくれた半紙には
“とうもろこし!!”
とデカデカと書かれていた。可愛い。
「エヘー」
ウインディはムフーと得意げだ。
「そっかそっかー。ウインディはとうもろこしが好きだもんなぁ〜」
「のだ〜♪」
まぁ、そんなこんなで書くものが決まったので、あとはウインディが自分で満足のいく提出用の物を書けるまでオレは部屋を貸すことにした。
たまに休憩で端っこに寄せたテーブルに麦茶を用意する。
しかしウインディはこだわりが強く、思ったよりも満足するものがなかなか出来ないらしく、気がつけば外は夕方になりつつあった。
終わったら夕飯を作ろうと思い冷蔵庫を見るが、中身が心許ない。
昨日は正月休みで商店街が閉まってたからなぁ。
仕方ないので、オレは買い出しに出ることにした。
「それじゃ、ウインディ。ちょっと夕飯の買い出しに行ってくるな〜」
「わかったのだ〜」
意外だな、着いてくるって言って来るかと思ったんだが…。
やっぱり動きにくい格好だからか?
まぁ課題に集中したいのかもしれないし、せっかくのやる気に水を差すわけにもいかないか。
「それじゃ、すぐ帰って来るなぁ〜」
「いってらっしゃいなのだ〜!!」
ウインディが居間の方から元気よく手を振ってくれてる。可愛い。
オレは財布と携帯、それからカバンを持って、トレセン学園の近場の商店街に買い出しに出るのだった。
◇
う〜。
やっぱりコレをみせるのはゆーきがいるのだなぁ。
ぺらり
“とれーなー”
エヘー♪
ちなみに筆者は新年イベントのストーリーけっこう好きです。