あああああウインディちゃんが可愛いんじゃああああ 作:ガラクタ山のヌシ
「終わったのだ〜!!」
ウインディはゴロンとベンチに横たわる。
かいた汗を首に巻いたタオルで拭き取っていたので、オレはウインディに新しいタオルとスポーツドリンクを渡しながら話しかける。
「お疲れウインディ〜。よしよしいい感じだなぁ」
ウインディは休み明け初日のトレーニングを無事に終えることが出来た。
普段から動き回っているからか、思っていたよりも走りの精彩が欠けていないのは幸いだった。実際、今日出たタイムも十分許容範囲だ。
あの後もきちんとゆっくり休めたのだろう。いいことだ。
さて、今年…つまりはクラシック級の参加レースだが、オレが定めたまずひとつめの目標は二月後半開催のヒヤシンスステークス。
これは六月開催のG3ユニコーンステークスと同じく東京レース場で開催されるレースで、さらに距離も同じ1600メートルのマイル。
重賞の前哨戦には持って来いだし、去年プラタナス賞で同じレース場、同じ距離を走っているので、更に慣れさせていきたいところ。
それにこのままの伸び幅で行けば油断はできないまでも、少なくともユニコーンステークスでの勝利は十分現実的と言える範疇だろう。
だからそれを目安にトレーニングを構築するのを優先とする。
仮に遅くなったとしても同じく東京レース場開催で同条件かつ五月開催の青竜ステークスには出したいところだ。
順調にいけば、七月に大井レース場で開催される夢のG1ジャパンダートダービーにも参加できるようになるだろう。まぁこれは距離が更に400メートル伸びて2000メートルの中距離になるのだが、今のウインディのスタミナならほぼほぼ問題無い。
現に今日、スタミナの限界まで実践ペースで走ってもらったが、そのくらいは走り切れる様子だった。
逆に言えば、それ以上の距離になると途端に厳しくなると言うことだが、少なくとも現状2000メートルを超える距離の重賞レースと言うのは日本のクラシック級ダートには無いため、それほど気にしなくてもいいだろう。
もちろん、レース時のウインディ自身の調子やバ場状態や天気など、不確定要素によってはどう転ぶか分からない部分もあるにはあるが、少なくともウチのウインディは多少の悪路なら問題なく走行できる。
これはウインディ自身の努力と生来持ち合わせていたセンスによるところが大きいが。
「とまぁ、今年出場するレースの予定はそんな感じでいいか?」
横になったままオレの説明を聞いていたウインディはぴょこんっと起き上がり
「トレーナーがそれでいいって決めたならいいのだ〜♪」
と、特に反対するわけでもなくオレの指示に従ってくれる。
ウインディは本当に素直でいい子だなぁ〜。
思えば最初の方の頃なんかは本当にザ・反抗期っていうか、反骨精神丸出しって感じだった。もちろんそっちはそっちで可愛いかったけども。
まぁ長い話になりそうなので割愛するとしよう。
その頃があったからこそ、心を開いてくれた今ウインディからの信頼にも応えたくなるんだろうなぁ。トレーナー冥利に尽きる話だ。
「そっかそっか〜。それじゃあ明日もトレーニング頑張ろうなぁ〜」
「まっかせるのだ〜♪」
いい笑顔でお返事するウインディ。可愛い。
「それじゃあ、この後着替えたらゴハン食べにいくか〜?」
「のだ〜!!ウインディちゃんカレーがたべたいのだ〜♪」
「おぉ〜奇遇だなぁ、オレもちょうどカレーが食べたかったんだよ〜」
「エヘ〜♪きぐーなのだ〜」
ウインディはそう言うと、立ち上がり寄ってくる。可愛い。
「それじゃ〜、いつものとこで待ってるのだ!!」
「あいよ〜、門のとこな〜」
遅れたら拗ねるだろうし、オレも準備を済ませて行きますかね〜。
◇
カレー♪カレー♪
トレーナーとカレー♪
な〜のだ〜♪
あれか。浮気は良くないってことですかねぇ…。