あああああウインディちゃんが可愛いんじゃああああ 作:ガラクタ山のヌシ
今更か!!
今日はオレにとってもウインディにとっても大切な日だ。
と言うのも、今日はトレーニングを終えたらクラシック級に上がり、かつジュニア級でそれなり以上の成果を上げたウマ娘が勝負服作成のための採寸をするのだ。
これは「弛まず努力を続けるように」という理事長からの激励の意味もあるんだろう。
そして、ウインディが考えたと言う勝負服のデザインを書き出した紙を見たオレは驚いた。
見た目は他の学校の制服に見える黒のブレザーにネクタイにスカート。そして右手には獅子舞のハンドパペットという衣装だったからだ。
オレは気になって「なんでブレザーなんだ?」と質問した。
勝負服とは、レースを走るそのウマ娘の憧れであったり、夢や目標、信念と言ったものをカタチとしたものだ。
故に、そのひとつひとつには明確に想いが込められており、文字通り世界に二つと無いものだ。
特に勝負服とは基本G1という、本当に一握りのウマ娘が走る舞台で袖を通すもので、それ以外は体操服で走るものという認識もある。だからこそウマ娘にとっては勝負服を持っていると言うことそれ自体が高い実力の証明でもあるのだ。
「エヘー、これならいつでもトレーナーとお出かけできるのだ〜♪」
ん?何故お出かけ?まぁオレとしてはいっしょに出かけることが楽しいと思ってもらえているようで、その点は嬉しいけども。
「トレセン学園の生徒って分からなかったらわざわざめんどーな紙に書かないで済むのだ〜♪」
……あぁ〜、なるほど。
つまりウインディ的には、外出届をいちいち書くのが面倒くさい。→それならトレセン学園の生徒の格好で外に出なければいい。→ならいっそのこと勝負服って言うことにして合法的に外出届を出さずに外に出ればいいじゃない!!ってことか。かしこい(トレバカ)。
しかし、こればっかりは注意しなければならないなぁ。
ごく当たり前のことではあるが、ルールを守ることはルールに守られることにも繋がる。
そりゃあ中には億劫な規則もちらほらあるが、だからこそトレセン学園の生徒無料で栄養満点の食堂やトレーニング施設という恩恵にあやかることもできる。
まぁそもそもの話、勝負服は最終的に生徒会に服装案を提出してその許諾があってはじめて作れるものだしな。
でなければ、色々とヘンなモノまで作られそうだしなぁ。
特にゴールドシップ。
いやまぁ、実際あの勝負服はカッコいいけどさ、絶対「何の規定もなく好きに勝負服作っていいぞ〜」って言われたら100%ヘンなモンになりそうで怖い。
……いやまぁ、さすがにそこは沖野先輩が止めるか。
「いいか〜?ウインディ、外出届を書くのはウインディのためにも必要なことだし、きちんと書いてくれればオレだって安心できる」
「のだ〜…でもメンドーなのだ〜」
ぷく〜とほっぺを膨らませ、不満げなウインディ。可愛い。
「逆に、それを書けばコソコソしなくてもちゃんと一緒にお出かけできるんだ。オレだってウインディとすぐ出かけたいけど、ちょっとの我慢で済むならむしろその間ワクワクしてられるよ」
「のだっ!?そんなにウインディちゃんとおでかけしたいのだ〜?」
うん?不満げな表情から一転して今度はしっぽをブンブンしだしたなぁ。可愛い。
「そうだね〜、採寸が終わったらまたお出かけしようなぁ〜」
「じゃあサッサと終わらせるのだ〜♪」
「それで、勝負服に込めたい願いとかって言うのはあるのか?」
「もっちろんなのだ〜!!」
「よかったら教えてくれるかな?」
「しょーがないのだな〜♪」
そう言うウインディはどこか楽しそうだ。可愛い。
「ズバリ!!食らい付く闘志とイタズラごころを忘れない!!なのだ〜!!」
結構しっかり考えてた。さっすがウチのウインディ。
「なるほど。それで獅子舞なわけか」
確かに大きな口でかまれそうな感じはあるけども。
それにブレザーというもある種、勝負服としては常識にとらわれないデザインではあると思う。
なるほどそう言った意味合いがあったのか〜。
じゃあしょうがないね!!
…もちろん外出届はきちんと書いてもらうけど。
「そうなのだ〜♪」
にこやかにそう言うウインディ。可愛い。
さて、そろそろ時間だな。
「それじゃあ行ってくるのだ〜♪」
「ちゃんとじっとしてるんだぞ〜?」
「ふっふ〜ん♪ほしょーはできないのだなぁ〜♪」
そう言って、ウインディは計測具を持っているであろう職員の待つ服飾室に入っていくのだった。
◇
あっははは!!
くすぐったいのだ〜!!
ガマンガマン〜
なのだぁ〜……。
実際、ウインディちゃんはどんな願いを込めたのでしょうねぇ?