あああああウインディちゃんが可愛いんじゃああああ 作:ガラクタ山のヌシ
イタズラルート
「トレーナー、今日は何の日か分かるのだ?」
トレーニング終わり、トレーナー室に戻ろうとしたオレはそうウインディに聞かれる。
「そうだなぁ〜、何の日だっけ?」
もちろん、数日前からコンビニやら駅やらといった街中で色々とそのイベント名を見かけて、『もうそんな時期か』なんて思った程度には分かってはいるが、ウインディが何となく正解を言いたそうにしていたので聞いてみる。
「エヘー♪正解は〜…」
そう言ってウインディはゴソゴソと手にした紙袋から中身を取り出して渡して来る。
「バレンタインなのだ〜♪」
な、なんだって〜〜!?
「えぇ?くれるのか?」
その質問に、ウインディは満面の笑顔で大きく頷く。
「そのために作ったのだ〜♪」
ウインディ…なんていい子だ…。
「ありがとなぁ〜、ウインディ」
そう言って、オレは差し出された箱を受け取り、一応確認する。
後で開けてほしい場合もあるだろうし。
「開けてもいいか?」
「もちろんなのだ〜」
ウインディの了承も得たことで、その場で箱を開ける。
「お、緑色ってことは抹茶チョコクッキーかぁ?」
中身は500円玉より一回りくらい大きなクッキーが十枚ほど入っている。
珍しいなぁ。難しかったんじゃないか?
「ニシシ〜!!ちなみに当たり入りなのだ〜!!」
あたり…つまりはちょっとしたドッキリ要素もあるって感じか?
さすがウインディ!!いたずらっ子だな!!可愛い。
「ありがとう。後の楽しみにしておくな〜」
「わかったのだぁ〜」
しかし、その翌日。
「うぐぉぉぉぉぉ〜〜……」
「どうしたんだい!?そんな寝込んで!!」
なかなかやってこないオレを見かねて、トレーナー寮にやってきたヒシアマゾン。
因みに、理事長への連絡はすでに済ませてある。
流石に無断欠勤はまずいし。
「お、おぉ〜…ヒシアマゾンか…いらっしゃい…スマン…ちょっとな…」
ふぐぅっ!!
「のだぁ〜…、ちょっとイタズラが効きすぎちゃったのだ…」
「イタズラってどんなだい?」
「わ、ワサビを…」
「ワサビぃ?まぁ、イタズラにはよくあるけどもさ…にしても、この苦しみよう……一応聞くけど、どのくらい入れたんだい?」
ウインディは右人差し指を立てて、ヒシアマゾンに向ける。
「い…一本…いれたのだ…」
「一本?チューブまるまる一本を一個に入れたのかい?作ってる最中にコソコソしてたのはそれかぁ!!」
「のだぁ〜…」
なるほどなぁ、わざわざ抹茶フレーバーにしてたのはそれが理由か。かしこい。
しかし、辛いのは得意なつもりだったが……。
完っっ全に油断してた。
唐辛子とわさびって全然違うんだなぁ…。
というか、わさびって確か加熱すると辛くなくなるはずなんだけども。
まるまる一本も入ってたらそりゃあ辛味も残るってもんか。
「ひ、ヒシアマゾン…ウインディをあまり責めないでやってくれ…」
そもそもの話、何かあるとわかってそのうえでクッキーを食べたのはオレ自身だ。そこに関して、ウインディは純粋にびっくりさせようとしただけで、まさかこうなるとは夢にも思ってなかったんだろう。
今まさに、彼女自身がここまで申し訳なさそうに落ち込んでいるのがいい証拠だ。
「相変わらず甘いねぇ…。わかったわかった。食べた当人がそう言うならこれ以上は何も言わないさ。しっかし、ロシアンルーレットだったのが幸いしたね。作った本人の話じゃ、他は普通の抹茶チョコクッキーらしいから体調が回復したら食べられるだろ。ウインディ、アンタのトレーナーがちゃんと元気になるまで見てやんな。教官にはアタシから言っておくから」
そう言うと、ヒシアマゾンは行ってしまった。
「トレーナー、ごめんなのだ〜…」
ウインディは見るからにショボンとしている。可愛い。
「いや、ウインディはオレを楽しませようとしてくれたんだろ?なら、それを叱ることはできないよ」
ぽんぽんと頭を撫でる。
「トレーナー…」
「うん?どうしたウインディ?」
「今日はずっといっしょにいていいのだ?」
その言葉を拒絶できるトレーナーがいようか、いやいない(反語)。
「お〜、助かるよ。ありがとなぁ〜」
「エヘー♪」
その後、ウインディは寮の門限ギリギリまで、お話やババ抜きに付き合ってくれたのだった。可愛い。
◇
うぅ〜…。
やりすぎちゃったのだぁ〜…。
でも、トレーナーゆるしてくれたのだ♪
やさしいのだ〜♪
すげぇ!!サブタイがサブタイしてる!!