あああああウインディちゃんが可愛いんじゃああああ 作:ガラクタ山のヌシ
いじっぱりルート
「むむ〜…」
今日、厳密には今日のトレーニング開始前にウインディがトレーナー室にやってきた。
それ自体は別にいつものことなんだが…。
「ど、どうした?ウインディ?」
ウインディは表情を見るからに、とっても不機嫌です。と言った感じだ。
しかし、一体何が原因なんだ?
「トレーナー!!」
オレが考え事をしていると、不意にウインディが話しかけて来る。
「ん?なんだ?」
「ウインディちゃんにかくしてることはないのだ〜?」
へ?ウインディに隠さなきゃならないようなこと?
三分ほど此処最近の記憶を辿るも、特に思い当たる節はない。
「いや…特には無いと思うけど…」
「むっす〜〜〜!!」
う〜ん?どうやらウインディの様子から、その隠し事とやらが、ウインディの不機嫌の理由らしいが……。
「ふ〜ん!!トレーナーなんてもうしらないのだ〜〜!!」
バタァン!!とトレーナー室の扉を思いっきり閉めて出て行ってしまった。
「よわったなぁ……」
心当たりがない以上、いい加減な謝罪は火に油を注ぐだけなのは明白。
かと言って放置するのも今後のためには良くない。
こういう時は……。
「なに?お前のとこのシンコウウインディが?」
オレは沖野先輩に相談することにした。
「はい…、でもオレとしても、不機嫌になられることなんてまるで身に覚えが無くて…」
「ふ〜む。そうだなぁ…、とりあえず彼女のクラスメイトに聞いてみるのはどうだ?」
「あぁ、なるほど」
言われて、その手があったことに気づく。
普通は真っ先にそっちに行くよなぁ〜、我がことながら情けない限りだ。
オレの見てないところで同室の子と同じくらいウインディに関わり合いのある子達だ。
きっとなにか知っているかも…。
「ありがとうございます!!すぐに聞いてきます!!」
「おぉ〜、頑張れよ〜」
お礼もそこそこにオレは先輩と別れると、すぐにクラスメイトちゃん達に接触を図る。
「ってわけで、ウチのウインディが不機嫌な原因をもし知ってたら聞かせてもらいたい!!」
頼む!!と頭を下げると、クラスメイトちゃん達は顔を見合わせ、何があったか切々と語る。
「あぁ〜、そんなにショックだったんだねぇ〜…」
「ウインディちゃん、トレーナーさんのこと信頼してるから…」
何やら納得した様子で話しているクラスメイトちゃん達。
どうやら彼女らには心当たりがあるようだ。
「へ?いったいどういうことだ?」
気まずそうな沈黙。
しかしこのままではいけないと思ったのだろう。
クラスメイトちゃんのひとりがポツリと言う。
「ウチが今朝見たことをそのまんま伝えたんだけど…」
□
「そういやさぁ〜、ウインディちゃんのトレーナーさん、今朝学園の門の前で女の人にチョコっぽい包みもらってたよ〜?」
「のだぁ!?」
「へぇ〜、結構モテるのかなぁ?」
「若いし、働き者だしねー。そりゃあ人気もそれなりには出るんじゃないの〜?わりかし親しげだったし」
「のだぁ〜……」
□
「ってことが…」
うん。他に思い当たる節もないし、原因はそれで確定かな。
間違ってたら、オレがただの自惚れ野郎ってことになるが。
まぁ、その時は甘んじて笑われ者にでもなんにでもなってやるさ。
「でもトレーナーさん、彼女いたんだねぇ〜」
クラスメイトちゃんのひとりが意外そうにそう言う。
なにやら釈然としないが、他の子達も一様に頷き賛同していたようなので、そこはスルー。
と言うかスルーしないと凹む。オレが。
「うん?いや、確かに今朝チョコはもらったけどあの人は彼女じゃなくて…」
どうやら、あらぬ誤解を招いたようだったので事情を彼女達に話すことにした。
………………………………
「あっ、な〜んだ!!そういうこと〜!!」
「良かったねぇ…ウインディちゃん…」
「ごめんなさい!!ウチが紛らわしい言い方したみたいで…」
「あぁ、いやいや、キミは別に悪くないよ」
彼女のやったことといえば、見たことをそのまんま伝えて、そこから想像を膨らませたってだけのこと。
つまりは世間話程度のことだ。
まして今回は話せば解ける誤解である以上、ヘンに拗れた噂でないだけまだいいってもんだ。
何はともあれわかってもらえてなによりだ。
ウインディのクラスメイトちゃん達と別れてしばらくの後…。
「ふぅ…、あとは美浦寮に行くだけかぁ…」
オレはウインディのいるだろう美浦寮に向かい、入り口でヒシアマゾンにウインディを呼んでもらう。
はじめはウインディの様子もあり、何事かと怪訝な表情をしていたヒシアマゾンも、順を追って訳を話すとうんうんと納得してくれて、ウインディを呼んでくれた。
「うぅ〜…」
目の前に現れたウインディは、何やら話したくなさそうだ。
しかしどの道誤解は解かねばならないため、オレは意を決してウインディに話しかけてみることに。
「ウインディ?あのな?」
「ふーんなのだ!!」
話しかけた途端にそっぽを向かれる。
いやぁ、懐かしいなぁこの反応。
…いやまぁ懐かしがってる場合じゃないんだが。
「ウインディ、確かにオレは今朝チョコを貰ったけど…」
「じゃー、ウインディちゃんからのチョコはいらないのだな〜!!つ〜〜ん!!」
チョコを貰ったのが本当だとわかるや、ウインディはますますヘソを曲げる。
って言うか、チョコをくれるつもりだったのか。
「いや、アレは…」
「きく耳もたないのだ〜!!」
ぷんすか、と言った様子でほっぺを膨らませ、そっぽを向くウインディ。可愛い。
けどどうしたもんか。
「いつまでいじけてるんだい!!いいから話だけでもお聞きよ!!」
頑としているウインディに立ち合いとしてそばに居たヒシアマゾンの一喝が飛ぶ。
それを聞いて、ウインディはしゅーんとなる。
後で慰めてあげよう。
「のだぁ〜……」
「ウインディ…、あのな?」
「…なんなのだ?」
一度叱られて冷静になったのか、ウインディはまだお世辞にも機嫌がいいとは言えない状態ではあるが、話くらいは聞いてくれそうな雰囲気になる。
「確かに今朝オレはチョコをもらったさ。けどな、あのチョコくれたの…オレの姉ちゃん(既婚者)なんだよ」
「………へ?」
一気に不機嫌オーラが霧散する。
が、今度は呆けた声を出すウインディ。
「いや、だからな?確かにチョコはもらったけど、アレはウチの姉ちゃん….」
「トレーナー!!」
「うぉっ」
急に大声を出したと思ったら、ひしっと抱きついて来る。可愛い。
「ごめんなのだ〜!!」
どうやら、ウインディから訳を聞くと、予想した通りオレが知らない誰かからチョコを貰ったのが気に入らなかったってので合ってたようだ。
え?なにその可愛い理由。
「ウインディ〜〜!!このこの〜〜!!」
オレは自らのナデナデ欲求に抗えず、いつもより多くウインディを撫でくりまわす。
「ふぇ?」
戸惑う声を出すウインディ。可愛い。
「よ〜〜〜〜〜〜しよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよし…」
「のだぁ〜!?」
あぁもう、可愛すぎる。ウチのウインディ、可愛すぎるぅぅぅ〜〜!!
「よ〜しよしよしよ〜〜〜しよしよしよしよし…」
それからどれだけ時間が経ったのか、分からなくなり始めた頃…。
「いつまでやってんだい!!」
「あいた〜!!」
ヒシアマゾンに背中をバシッと叩かれた。
もちろん加減はしてくれてるんだろうが、オレはそれで正気を取り戻した。
「エヘー♪トレーナー、ウインディちゃん部屋からチョコもってくるのだ〜♪」
そう言って、とたとたと部屋に戻り、再びやってきたウインディ。可愛い。
どうやらすっかり機嫌は治ったようだ。可愛い。
「トレーナー♪ハッピーバレンタインなのだ〜♪」
それ言われつつ、渡されたチョコは世界で一番美味かった(確信)。
◇
ふんふ〜ん♪
のだ?じょーきげんのりゆーなのだ?
ヒ・ミ・ツなのだ〜♪
シングレキャラ出すにしてもさぁ…、このタイミングじゃなくても良い…よくない?