ラブライブリスタートシリーズ ラブライブカーニバル アフターメッセージ 作:しゅみタロス
アメリカ最大の巨大都市、ロサンゼルスのストリートビュー。
大きく変わる事のない光の中、俺達は事前に運営側の用意したレストランで食事を楽しんでいる。
心咲「うわぁ……流石アメリカのコーラ、炭酸が強すぎてまるで酢みたいな感じだ」
歳「お前基本炭酸飲まないもんな、て言うかなんで飲めないくせに飲もうと思ったんだ?」
智樹「この店のソフトドリンクは全部炭酸で基本炭酸以外で置いてあるのは水だそうな」
心咲「でも慣れてくると少しスカッとするな、それよりもまさか目の前でグリルの魚介を焼いてくれるタイプの店だったとは……」
このレストランは海鮮グリルに定評のあるお店だ、今も目の前で新鮮な魚介が火を上げて焼かれている。
心咲「これが本場のロブスターか、レモンの良い香りだ」
レモンで焼かれたロブスターを俺は真っ二つに割り、中の身に齧りつく。
心咲「濃厚な甘さの身に濃密な味噌、レモンの香りのアクセントと合わさり、まるでチーズの様だ」
歳「何か貿易商のグルメなおっさんみたいな食レポだな」
その後は黒コショウで焼いたイカが出てくる。
心咲「弾力ある歯応えと噛めば噛むほどの出てくる旨味、黒コショウの辛さがイカの味を引き立てている」
その横で歳と智樹が遠い目で食レポを聞きながらクラッシュタイプのレモンスカッシュを飲んでいた。
滞在先のホテルに戻った俺は明日に向けて寝ようとしていたが穂乃果ちゃんに一言伝えて置くことにした。
心咲「やあ、済まないな、こんな時間に」
穂乃果『誰かと思えば護君、アメリカから電話?』
心咲「こっちは夜景が綺麗だよ、明日のライブは晴れそうだ」
穂乃果『こっちもMETROXのチャンネルに接続したし明日は日本から応援するよ!!』
心咲「それは嬉しいな、しっかり応援してくれ」
穂乃果『護君も頑張って!!』
心咲「それじゃあ、最後に伝えたい事がある」
俺は高鳴る胸の衝動を抑えつつ、伝えた。
心咲「来年の春、そろそろ式を挙げようと思うんだ」
穂乃果『え……ええええ!!それって私達……』
心咲「もう言ったはずだ、俺達は家族だって」
穂乃果『じゃあ、本当に私と護君……夫婦に……なるんだね……嬉しいけど恥ずかしいな……』
電話の向こうで赤面してる俺達が見える。
心咲「それじゃあ、待ってるから……お休み」
穂乃果『おや……すみ……』
後悔はない、これで良かったんだ、どんな形であれ、俺達は夫婦として人生をスタートさせる。凄く……幸せだ。
翌日
ロサンゼルスアリーナ
ステージ上で流されるテクノ音楽、アメリカンスタイルのラップ、アクロバティックなダンスに世界に名高いシンガー。
会場で見るととてつもないスケールのステージに圧倒される。
客席でタオルを振りながら応援する多種多様な外国人の中で見物していた俺は実感する。
ワールドユナイテッドミュージックステージ、
歳「心咲、そろそろ準備の時間だ、行くぞ」
俺は歳に連れられ、楽屋で準備を始める。
衣装と髪型を整えると俺はポケットからアクセサリーケースを取り出す。
それは穂乃果ちゃんのプレゼントのシルバーハートのイヤリング、右耳に撫でる様に身に着け、鏡を凝視した。
心咲「よし」
そして俺達3人は赤と黒のジャケット姿でステージへと上がる。
俺はギターを手に叫んだ。
心咲「世界中のこのステージを見てくれている皆さん、俺達日本のバンドがこのステージに立てているのは皆の持つ音楽を愛している心があってこそです。今回はその気持ちに精一杯応えられるよう、全身全霊で歌わせて貰います。
俺達は駆け出しの3人組バンド、ソニッカーズ。俺達のデビュー曲を聞いてください。
銀翼のMEMORY!!」
ワアアアアアア!!
心咲・歌「この大空、羽ばたく翼を得た君と、歩んでく未来の話を今語ろうか?」
ギターの響くと共に会場をサイリウムと歓声が響き渡る。
心咲・歌「今も思い出す、あの頃、追い続けた夢の中、未だに、覚めないでいる。過去に僕が綴ったノートを見返す度、あの日の時間が今も、僕らを導いてる。負けてられない、もっと頑張らなきゃならないな、そう思って、駆け出す、思い出の場所」
サビの部分に突入と同時に智樹のドラムと歳のベースが激しくなる。
心咲・歌「僕を照らす、太陽が、示す道の先に君がいる。急げ左、視界の先を眼逸らさず、大空の広がるその先で翼を広げた、君が、微笑んでいる。
君に伝える、僕の近くに居てくれて
ありがとう」
ワアアアアアア!!
最後まで歌い切ると同時に湧き上がる称賛の声、デビュー曲を完璧にまで歌い上げた俺はその後、ステージを去っていった。
翌日
キイイィィィィィ!!
帰国した俺達を待っていたのはソニッカーズのフラッグを持ったファンと報道カメラマンだった。
警備員がファンや記者を抑え込む中、恐らくテレビ中継されているであろうカメラマンに視界を向け、ボイスレコーダーを受け取る。
心咲「一人一人の質問に答えるのは時間の都合上難しいので、俺からこれを見ている皆さんに一言だけ、メッセージを残そうと思います」
俺はボイスレコーダーを起動し、録音を始めた。
心咲「この度は、
俺は心咲護、ソニッカーズのギタリストにして多くの人が望む、スクールアイドルを導く王として、皆さんの期待に応え続けよう、これからも、よろしくお願いします!!」
多くの記者やファンの前で喝采を浴び、俺達は空港に敷かれた赤いカーペットの上を歩いてラブライブ運営委員会へと戻っていった。
事務室
赤峰「ソニッカーズの諸君、ご苦労だったね」
心咲「なんだろうな、疲れてるはずなのに気持ちが高ぶってるのは?」
歳「だってアメリカでバンドデビューして明日は雑誌で取材だぜ、休んでる暇ねえよ」
智樹「これで僕たちも仕事が忙しくなりますね、どっかの誰かさんみたいに労働基準法違反なるような仕事量はこなしませんが」
心咲「サラっと俺をディスるなよ……」
赤峰はその様子を見ながらニヤリと笑い、3枚のエアメールを渡す。
赤峰「これはアメリカから昨日送られてきた君たち宛てのメッセージだ。L4クリエイツのプレジデントから直接渡すように言われている」
俺達は渡されたエアメールを開封するとそこには……
智樹「これって!!」
心咲「日本銀国の一億円の小切手!!」
歳「マジかよ……」
一般人の感覚では到底理解できない程の額が自分の手の中にある、怖い……
赤峰「君たちの出演料の小切手だ、18億の内のその1億で好きにすればいい。世界で認められたバンドならそれ相応だろう、残りの15億で私は計画を勧めるよ」
この時、俺は驚きすぎて忘れていたが赤峰さんの言う計画についてもこのライブはとても重要なモノだと聞いていた。
心咲「少し聞きますが、15億の大金で赤峰さんは一体何をしようとしてるんですか?」
赤峰はその言葉を待ってたと言わんばかりに答えた。
赤峰「その質問の答えは明日の深夜、ラブライブ運営委員会の会長と会談する。君たちにも出席してもらうよ」