ハイスクールD×D~古代の戦士~   作:ヤマト・ゼロ

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ようやく第一章の完結

いつもより短いです。




第10話「復活」

聖堂の宙に淡い緑色の光が浮かぶ。

 

アーシアの神器(セイクリッド・ギア)だ。

 

レイナーレを倒したことで、解放されたようだ。

 

温かい光が俺を照らす。リアス先輩がその光を手に取った。

 

「さて、これをアーシア・アルジェントさんに返しましょうか」

 

「でも、アーシアはもう…」

 

そう、アーシアはもう生き返らない。

 

結局、俺は彼女を救えなかった。

 

守ると誓ったのに!救うと誓ったのに!

 

仇は取ったが、何も得るものはなかった。

 

いやそれは仲間達に失礼だ。

 

彼らは自分達に得なことは無くとも、共に戦ってくれた。

 

「…リアス先輩、みんな、俺のわがままの為に

本当にありがとうございました。でも、

せっかく協力してくれたのにアーシアは…」

 

「ユウスケ、これ、なんだと思う?」

 

リアス先輩がポケットから、何かを取り出す。

 

紅い。

 

血のように紅い、リアス先輩の髪の色と同じ紅いチェスの駒だ。

 

「それは、まさか⁉︎」

 

「これは『僧侶(ビショップ)』の駒よ」

 

「他にも駒があったんですか?」

 

「あなたたちに説明するのが遅れたけれど、

爵位持ちの悪魔が手にできる駒の数は『兵士(ポーン)』が八つ、

騎士(ナイト)』、『戦車(ルーク)』、『僧侶(ビショップ)

がそれぞれ2つずつ、『女王(クイーン)』が一つの計十五体なの。

実際のチェスと同じね。『僧侶(ビショップ)』の駒を

1つ使ってしまっているけれど、私にはもう一つだけ『僧侶(ビショップ)』の駒があるわ」

 

そう言うと、リアス先輩はその紅い駒を持ったまま、

 

アーシアの下へ向かう。

 

眠るように死んでいる。アーシアの胸に紅い、『僧侶』の駒を置いた。

 

「『僧侶』の力は眷属の悪魔をフォローすること。この子の

回復能力は『僧侶』として使えるわ。前代未聞だけれど、

このシスターを悪魔へ転生させてみるわ」

 

リアス先輩の体を紅い魔力が覆う。

 

「我、リアス・グレモリーの名において命ず。汝、

アーシア・アルジェントよ。今再び我の下僕となるため、

この地へ魂を帰還させ、悪魔となれ。汝、我が『僧侶』として、

新たな生に歓喜せよ!」

 

駒が紅い光を発して、アーシアの胸へ沈んでいく。

 

同時にアーシアの神器(セイクリッド・ギア)も淡い緑色の

 

光を発しながら彼女の体へ入り込んでいった。

 

駒と神器(セイクリッド・ギア)が完全にアーシアの

 

の中に入ったのを確認すると、リアス先輩は魔力の波動を止めた。

 

そして、リアス先輩は「ふぅ」と息を吐く。

 

呆然と眺める俺。

 

少しして、アーシアの瞼が開き始めた。

 

俺はそれを見て、こみ上げてくるものを止められなかった。

 

「あれ?」

 

アーシアの声。二度と聞けないと思った。

 

リアス先輩が優しい笑みを俺へ向ける。

 

「悪魔をも回復させるその子の力が欲しかったからこそ、

私は転生させたわ。ふふふ、ユウスケ、

あとはあなたが守ってあげなさい。先輩悪魔なのだから」

 

「よかったな…ユウスケ!」

 

イッセーも泣きながら喜んでいる。

 

アーシアが上半身を起こす。きょろきょろと見回したあと、

 

俺の姿を捉えた。

 

「…ユウスケさん?」

 

怪訝そうに首をかしげる彼女を俺は抱きしめていた。

 

「帰ろう、アーシア」

 

ー○●○ー

俺とイッセーは朝早く部室へ向かっていた。

 

「あら、ちゃんときたわね」

 

部室にたどり着くと、リアス先輩だけしかいなかった。

 

まだ学校は始まっていない。

 

今日は朝から集まりがあると昨夜言われて、

 

朝早くからここに来たんだ。

 

リアス先輩はソファーに座り、優雅にお茶を飲んでいる。

 

「おはようございます、リアス先輩」

 

「ええ、おはよう。二人共もう朝は大丈夫のようね」

 

「はい、おかげさまで」

 

リアス先輩の視線がイッセーの足に写る。

 

「堕天使にやられた傷は?」

 

イッセーは先日の戦いにおいて、光の槍で太ももを貫かれた。

 

「はい、例の治療パワーで完治です」

 

と、イッセーは笑顔で答える。

 

「そう、あの子の治癒能力は無視できないもののようね。

いち堕天使が上に黙ってまで欲するのも頷けるわ」

 

俺達もリアス先輩の対面の席へ腰を下ろした。

 

イッセーがリアス先輩に聞きたい事があるらしい。

 

「あの部長。チェスの駒の数だけ『悪魔の駒(イーヴィル・ピース)

があるのだったら、俺達の他にも『兵士(ポーン)』があと六人

存在できるんですよね?いつか俺達と同じ『兵士』が増えるんですか?」

 

確かに、チェスの駒と同数の『兵士』の駒が存在しているはずだ。

 

俺とイッセーの他にも兵士は作れるのか。

 

イッセーの質問にリアス先輩は首を横に振った。

 

「いえ、私の『兵士』は貴方達だけよ」

 

それってどう言うことだ?

 

「人間を悪魔へ転生させる時、『悪魔の駒』を用いるのだけれど、

その時転生者の能力次第で駒を通常よりも多く消費しなくてはいけなく

なるの」

 

なるほど、俺たちで全部使っているのか。

 

「チェスの世界ではこういう格言があるわ。

女王の価値は兵士九つ分。戦車の価値は兵士五つ分。

騎士と僧侶の価値は兵士三つ分。そんなふうに価値基準が

あるのだけれど、悪魔の駒においてもそれは同様。

転生者においてもこれに似たような現象が適用されるの。

騎士の駒を二つ使わないと転生させられない者もいれば、

戦車の駒を二つ消費しないといけない者もいる。

駒との相性もあるわ。二つ以上の異なる駒の役割は与えられないから、

駒の使い方は慎重になるのよ。一度消費したら、

二度と悪魔に駒は持たせてはくれないから」

 

「それと俺たちがどういう関係にあるんですか?」

 

どうやらイッセーはまだわかってないようだ。

 

「貴方達を転生させる時、ユウスケは『兵士』の駒を一つだったけれど

イッセーは『兵士』の駒を残り全部使用したのよ。

そうしないと貴方達を悪魔にすることは出来なかったの」

 

イッセーが『兵士』七つは今なら理解出来るが、

 

俺が駒一つ分かよ。

 

「それがわかった時、私はイッセーを絶対に下僕にしようと思ったの。

でも、長らくその理由が判明しなかったわ。今なら納得できる。

至高の神器(セイクリッド・ギア)と呼ばれる。

神滅具(ロングヌス)』のひとつ、

赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』を持つイッセーだからこそ、

を持つイッセーだからこそ、その価値があったのね」

 

俺はイッセーの左腕へ視線を動かした。

 

赤い籠手。十秒毎に能力が倍になっていく、狂ったような力の結晶。

 

使い方次第では神すらも倒せると言う。

 

「貴方達を転生させようとした時、私の残りの駒は騎士、

戦車、僧侶が一つずつ、兵士が八つしか無かったわ。

ユウスケを相性を見て、兵士一つ消費して転生させたあと。

イッセーを下僕にするには、兵士を七つ消費するしかなかったの。

兵士の駒と相性も良かったし。他の駒では転生できる力はなかった。

でも、元々兵士の価値は未知数。プロモーションなども含めてね。

私はその可能性にかけた。結果、貴方は最高だったわ」

 

「それに、ユウスケの方はあの『究極の闇』の力を持っているのに

兵士一つ消費で済んだのは良かったわ。理由はまだわからないけれどね」

 

そう、『究極の闇』と呼ばれる存在、詳しくは分からなかったが、

 

当時の人間が生み出した戦士という事。

 

以前イメージで見た。あの黒い姿がそうだったのかもしれない。

 

そこで、リアス先輩の方へ視線を向けると、嬉しそうに微笑んでいた。

 

「『紅神(ベニガミ)滅殺姫(ルイン・プリンセス)』と

『赤龍帝の籠手』と『赤いクウガ』全員紅いと赤で相性は

バッチリね。貴方達、とりあえず最強の『兵士』を目指しなさい。

貴方達なら、それが出来るはず。だって私のかわいい

下僕なんだもの」

 

最強の『兵士』か。目指してみるか、最強を!

 

そんな事を思う俺達にリアス先輩が近づいてくる。

 

そして、俺の額にリアス先輩の唇がふれた。

 

「これはお呪い。強くおなりなさい」

 

イッセーも同じくキスを貰ってたが顔を真っ赤にして慌てていた。

 

そう言う俺も狼狽えてはいなかったが、

 

顔が真っ赤になっていた。

 

「と、ユウスケを可愛がるのはここまでにしないとね。

新人の子に嫉妬されてしまうかも知れないわ」

 

嫉妬?何の話だ?

 

「ユ、ユウスケさん…?」

 

俺の背後から声。聞き覚えがあるな。

 

振り返ると、金髪の少女。

 

アーシアが何やら笑顔をひきつらせていた。

 

「アーシア?」

 

え?怒っているのか?どうして?

 

「そ、そうですよね…。リ、リアス部長は綺麗ですから、そ、

それはユウスケさんも好きになってしまいますよね…。いえ、

ダメダメ。こんなことを思ってはいけません!

ああ、主よ。私の罪深い心をお許しください」

 

手を合わせてお祈りポーズのアーシア。

 

だが、「あうっ!」と途端に痛みを訴える。

 

「頭痛がします」

 

「当たり前よ。悪魔が神に祈ればダメージぐらい受けるわ」

 

さらりとリアス先輩が言う。

 

「うぅ、そうでした。私、悪魔になっちゃったんでした。

神様に顔向け出来ません」

 

ちょっと、複雑そうな彼女。アーシア、

 

そんなに哀しそうな顔をしないでくれ。

 

生き返らせたのは間違いだったのかな。

 

「後悔してる」

 

リアス先輩がアーシアに訊く。

 

アーシアは首を横に振った。

 

「いいえ、ありがとうございます。どんな形でもこうして

ユウスケさん達と一緒に居られるのが幸せです」

 

っ。

 

恥ずかしい台詞に俺たちの顔は紅潮する。

 

これは嬉しいな、助けに行った甲斐があったな。

 

それを聞いて、リアス先輩も微笑む。

 

「そう、それならいいわ。今日からあなたも私の下僕悪魔

として彼らと同じ様に走り回ってもらうから」

 

「はい!頑張ります!」

 

元気よく返事をするアーシア。

 

まずはチラシ配りだけど、アーシア大丈夫か?

 

不安は募る。

 

「そういえば、アーシア、その格好」

 

俺の言葉にイッセーも気が付いた様だが、

 

彼女は俺達の通う駒王学園、女子の制服を着ていた。

 

「に、似合いますか…?」

 

恥ずかしそうに彼女は訪ねてくる。

 

「ああ、似合ってるよ!」

 

俺はアーシアの質問にサムズアップで答える。

 

「最高だ!後で俺と写真を撮ろう!」

 

「え、は、はい」

 

興奮したイッセーを見て、反応に困っている彼女だった。

 

「アーシアにもこの学園へ通ってもらうことになったのよ。

貴方達と同い年みたいだから、二年生ね。

クラスもユウスケと同じところにしたわ。

転校初日ということになっているから、

二人共彼女のフォローよろしくね」

 

リアス先輩がそう言ってくる。

 

「よろしくお願いします、ユウスケさん、イッセーさん」

 

ぺこりと頭を下げるアーシア。

 

「ああ、あとで俺の悪友二人も紹介するからな」

 

「なら俺も奈美先輩や新聞部の皆を紹介するか」

 

「はい、楽しみです」

 

すると部室に木場、小猫ちゃん、朱乃さんが入ってくる。

 

「おはようございます、部長、ユウスケくん、アーシアさん」

 

「…おはようございます、部長、ユウスケ先輩、

イッセー先輩、アーシア先輩」

 

「ごきげんよう、部長、ユウスケくん、イッセーくん

アーシアちゃん」

 

それぞれが挨拶をしてくれた。

 

みんな、俺とイッセーをそれぞれ名前で呼び、アーシアを

 

一員と認めてくれていた。

 

大抵「二人共」とセットで呼ばれてたからな。

 

リアス先輩が立ち上がる。

 

「さて全員が揃った所でささやかなパーティーを

始めましょうか」

 

そういうとリアス先輩が指を鳴らす。

 

すると、テーブルの上に大きなケーキが出現した。

 

これも魔力か⁉ もはや、何でもありだな。

 

「た、たまには皆で集まって朝からこういうのも

いいでしょう?あ、新しい部員もできたことだし、

ケーキを作ってみたから、みんなで食べましょう」

 

リアス先輩が照れくさそうに言った。

 

手作りケーキとは! ありがたく頂きます!

 

リアス先輩、とりあえず俺はここにいるみんな

 

と共に頑張ります。

 

『究極の闇』と言われた強さを目指して。

 

俺は、心の中でそう誓った。

 

 

 

 

 

 




第二章はイッセーメインの話となります。

さらに別の作品にも手をつけようと思っています

この作品の週一投稿は必ず行うのでご安心を



外伝でやってほしいコラボは?

  • 仮面ライダークウガ(五代雄介)
  • 仮面ライダーディケイド
  • 忍者戦隊、忍風戦隊、手裏剣戦隊揃い踏み
  • その他(希望があれば感想へ)
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