ハイスクールD×D~古代の戦士~   作:ヤマト・ゼロ

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イッセーの覗きを阻止に成功したが、

レヴィアタン様の呼び出しで
この京都で起きている事件を
知ることとなる

京都で暗躍するテロリスト共の
目的とは何なのか?

ユウスケ達は京都のもう一つの
顔を知ることとなる。


第105話「裏京都」

「よっしゃあ、二日目いくぞ!」

 

『おおーっ!』

 

イッセーの掛け声に俺達は声を上げた。

 

そう、こないだの襲撃もあり俺達は

イッセーと一緒に行動することになった。

幸いにも行先は同じだったのは幸いだった。

 

初日は大変なこともあったが、先生達の厚意

に甘え観光を続けていこう。

 

昨日は楽しめなかった匙達も今日は各所を

回るって言っていたからな。

 

俺達の二日目は京都駅前のバス停から清水寺

行きのバスに乗ることから始まる。

 

俺達は京都駅でバスの一日乗車券を買うと

他の生徒達と共に並びながらバスを待った。

 

乗車したあとは清水寺までバスで移動だ。

見知らぬ街の風景を眺めながら下車する

予定のバス停に到着。

 

周辺を軽く探索し、坂を上って清水寺を

目指す。周りを見れば、趣のある日本家屋

のお店が両脇に立ち並んでる。

 

ここは三年坂と言って、転ぶと三年以内

に死ぬと言われているらしい

 

と、スイッチが言う。

 

「はぅぅぅぅっ!それは怖いです!」

 

アーシアがマジで怖がり、俺の腕につかまった。

まあ、ただの言い伝えだろうけど、アーシアは

ドジっ子だからな転びそうで怖いのは確かだ。

俺につかまっていた方が安全か。

 

すると、ゼノヴィアも俺の空いている

腕につかまってきた。

 

「ど、どうしたんだ、ゼノヴィア?」

 

俺が怪訝に思って訊くと、表情は変えず

若干震えて言う。

 

「…日本は怖ろしい術式を坂に仕込むのだな」

 

信じてるのか!?ゼノヴィアはたまに壮大な

勘違いをするよね。でも、そこは可愛い

所だと思う。

 

こうして俺は両手に花の状態で、坂を上がる

事となった。その間、野郎どもからの恨めしい

視線を感じたがな。

 

そして坂を上り切ると大きな門が現れる!

 

ここが清水寺か!

 

仁王門を潜り、俺達は寺へ。

 

「見ろ、アーシア!異教徒の文化

の粋を集めた寺だ!」

 

「は、はい!歴史を感じる佇まいです!」

 

「異教徒バンザイね!」

 

教会トリオは興奮気味に失礼な事を言い合っていた!

君達一応ここには神様や仏様がいるし、多分見ている

と思うから、あまり失礼のないようにしてほしいかな。

 

テレビで見たことある清水寺の舞台。

下を眺めると…うーん、高いけど、思っていたほど

じゃないな落ちても平気か?いや、今の俺は悪魔だ

しな普通の人なら只では済まないか。

 

「ここから落ちても助かるケースが多いようだぞ」

 

月詠がそんな説明をしてくれる。

へー、人間でも平気なのか。

というか、落ちる奴がいるのかよ。

 

境内に安全と合格の祈願や恋愛成就を願う

小さなお社などがあった。一応、さい銭箱に小銭

を入れて願っておく。俺も学生だ今のうちに合格

祈願はしておこう。しかし悪魔だからな、どこま

で仏様が叶えてくれるか分からんがな。けど、

大学は出たいよな。

 

「ユウスケ、アーシアと恋愛の

くじをやってみたらどうだ?」

 

月詠に促され、俺とアーシアは恋愛のくじを引く。

…相性はっと。

 

「大吉だってよ。将来安泰。お似合いの二人だっ

てさ、どんな困難も乗り越えられるでしょうって、

アーシア」

 

俺がかいつまんで内容をアーシアに伝えると、

アーシアは頬を赤く染めて大喜びしている

様子だった。

 

「はい!うれしいです!……

うれしいです、本当に…」

 

くじを大切そうに抱いて、涙ぐんでいた。

ここまで喜んで俺も恥ずかしくなるな。

まあ、ここの仏様は俺達の仲を保証したって

わけだな。ありがとうございます。

 

「よかったな」

 

「ええ、よかったわ」

 

「進めた私も安心した」

 

横でゼノヴィア、イリナ、月詠がうれしそう

にうんうんうなずいていた。

やめてくれよ、恥ずかしいだろ!

 

「…俺達、蚊帳の外じゃね?」

 

「泣くな、松田よ」

 

「よかったなアーシア」

 

面白い物が見れたな

 

松田と元浜が隅でどんよりとした空気を

醸し出しており、イッセーはアーシアの反応

に喜び、スイッチはこの状況を面白がっていた。

 

俺達はその後、寺を一回りし、記念の品を

手軽く買うと、バス停に歩みを進めた。

 

「次は銀閣寺だ、サクサク行かないと時間

が足りなくなってしまうな」

 

時計を見ながら月詠が先導する。

確かにいつの間にか午前十時を過ぎていた。

あと二か所回るなら、月詠の言うように

足早に向かわないとダメだな。

 

次の目的地は銀閣寺だ!銀閣寺行きの

バスに乗り、俺達は清水寺を後にした。

 

「銀じゃない!?」

 

銀閣寺に着き、寺を見たゼノヴィアが

開口一番に叫んだのがそれだった。

 

まあ、銀閣寺が銀色じゃないのは有名だよな。

ゼノヴィアのショックっぶりは尋常じゃなく、

開いた口が閉じないほどだった。

 

「…ゼノヴィアさんはお家でも『銀閣寺が

銀で、金閣寺が金。きっとまぶしいんだろ

うな』って瞳を輝かせて言っていたものですから」

 

アーシアがゼノヴィアの震える肩を抱きながら、

そう言った。

 

そうか。よほど、幻想を抱いていたんだなぁ。

 

建設に携わった足利義政が死んだから銀箔を

貼るのを止めたとか、幕府の財政難で中止に

なったとか、諸説あるが、銀閣寺に銀箔は

使われていないな

 

スイッチがそう説明をしてくれる。

さすがはスイッチ、事前に情報収集

してくれたのか、ガイドいらずだな。

 

しかし、伏見稲荷でも思ったけど、京の山は

木々が秋模様で綺麗だな。秋に修学旅行で

良かったな。いや冬でも雪景色で風流なのかな?

 

銀閣寺も一通り回ると、近くのお店で昼飯を

済ませて、次の金閣寺へ向かった。

 

「金だっ!今度こそは金だぞ!」

 

金閣寺に着き、寺を見たゼノヴィアは開口一番に

叫んだのがそれだった。

 

先ほどと違い、偉いはしゃぎようだった。

 

「金だぞぉぉっ!」

 

両手を上げてゼノヴィアが顔を輝かせるほど、

金閣寺はすんごい金ピカだった。

 

テレビでは見たことあるけど、

実際に見るとその輝かしさに圧倒されるな。

 

他の生徒達も来ていて、皆撮影していた。

見て回った後、お土産を買い、休憩所、

お茶屋で一休みすることに。

 

「どうぞ」

 

和服のお姉さんが淹れ立ての抹茶を運んで

来てくれた。茶菓子も添えてある。

 

初めて飲んだが、思っていたほどの

苦味は無かった。むしろ、和菓子と共に

いただくと風味も感じられてちょうどいい

ぐらいだった。

 

「うん、悪くないわね」

 

イリナも気に入っているようだった。

 

「少し苦いです」

 

アーシアはちょっとダメか。

少しずつ飲んでいるから、

嫌いってほどでもないか。

 

「…金ピカだった」

 

ゼノヴィアは未だに目覚めぬ夢の中

のようだ。よほど金閣寺を見た感動

がデカいみたいだな。目が爛々と

輝いているし。お茶どころじゃないか。

 

つーか、今日のゼノヴィアは見た事のない

面倒ばかりで見ていておもしろい。案外、

学生生活を一番満喫しているのはゼノヴィア

かもしれないな。

 

「ゼノヴィア、記念に祈っておきましょう!」

 

イリナの永安にゼノヴィアはうなずく。

 

「そうだな」

 

「私もお祈りします!」

 

アーシアも続き、「「「ああ、主よ!」」」

ってトリオは天にお祈りしていた。

どういう記念だろうか…。

 

って、もう午後二時を回る。かなり早足で

観光地を回っているけど、目を奪われるばかりで

時間の経過がおそろしく早く感じるな。

 

そういや、金閣寺入ってすぐに鐘突きする

のに全員で並んだりしたし、案外時間

かかっているか。

 

「きゃー、痴漢!変態!」

 

突如、女性の声が響く!

気になりお茶屋を出てみると、

男性が係の人に取り押さえられていた。

 

「お、おっぱいを!おっぱいをくれ!」

 

金閣寺でも痴漢騒動かよ。ったく、

せっかくの観光地で止めてくれよ。

 

同じく休憩所から顔を出している

松田がつぶやく。

 

「痴漢かー。そういえばさ、朝のテレビニュース

でもやってたぜ、痴漢報道。祇園のほうで痴漢が

あったらしいぞ。昨日のえきといい、

ちょっと多いな」

 

そう言う松田に元浜がメガネをくいっ

と上げながら物申す。

 

「お前が何を言う松田よ。行きの新幹線で

俺に襲い掛かってきたくせにな」

 

そんなことやってたのかよ。

 

「いや、なんだかさ、あのときは寝ぼけて

いたというか、意識がおかしかったというか、

やたら乳に触りたかったんだよな。

なんだろう、あの感覚」

 

首を傾げる松田。

 

なにそれ?いかれてんじゃんか。

 

「それは青春だな」

 

元浜がそう言うと松田も「若さゆえの過ちか!」

とうんうんうなずいていた。でも、女生徒の

胸を触らなくて幸いだったな。

やっていたら今頃宿で軟禁だろうからな。

 

ゴトッ!

 

突如、松田、元浜、スイッチ、月詠が

抹茶の器を落とし意識を失ってしまった!

 

「なっ!?スイッチ!月詠」

 

二人に近づき状態を確認すると、

 

「二人共眠っている」

 

「ユウスケ君、こっちの二人も

眠っているだけよ」

 

イリナが松田達の状態を確認してくれる。

 

「ユウスケ!」

 

ゼノヴィアが俺を呼ぶ。

そちらへ視線を向けるとゼノヴィアが

先ほど抹茶を運んできた和服のお姉さんを

睨んでいた。

 

そのお姉さんは先ほどと違い。頭部に獣耳が

生えており、尻尾も出ている。

 

周りを見渡せば、同じ獣耳の人間が俺達を

包囲していた。

 

馬鹿な観光客が多いこんな場所で襲撃だと!?

どうやら、普通の観光客は皆その場で倒れ込む

ように寝ているようだ。

 

ゼノヴィアは素早くスパークレンスを取り出し、

構え、アーシアを背後に隠した。

 

俺もアークルを出現させ、構えを取ると。

 

「待ってください」

 

聞き覚えのある声に俺達はそちらに顔を向けた。

そこにいたのはロスヴァイセさん!

 

「ロスヴァイセさん!?どうしてここに?」

 

俺の問いにロスヴァイセさんは息を吐きながら言う。

 

「ええ、貴方達を迎えに行くよう

アザゼル先生に言われました」

 

「先生に?何が起こっているんですか?」

 

イッセーが周囲に目を配らせながら訊く。

そう言えば、俺達を包囲する妖怪達から

昨日の様な敵意を感じない。

 

「停戦です。というか、誤解が解けました。

九尾のご息女が貴方達に謝りたいと言うのです」

 

ロスヴァイセさんがそう言う。

 

なるほど、なら妖怪に襲われることは無いって

ことか?

 

疑問の残る俺達に獣耳のお姉さんが一人、

前に出て深く頭を下げてくる。

 

「私は九尾の君に仕える狐の妖でございます。

先日は申し訳ございませんでした。我らが姫君

もあなた方に謝罪したいと申されておりますので、

どうか私達についてきてくださいませ」

 

ついてきて欲しい?いったい何処へ?

聞こうとする前に狐の妖怪のお姉さんが続けた。

 

「我らの京の妖怪が住む裏の都です。魔王様と

堕天使の総督殿も先にそちらへいらっしゃ

っております」

 

どうやら、俺達が観光を楽しんでいた間に

上が誤解を解いてくれたんだな。

 

 

―〇●〇―

 

 

俺達が足を踏み込んだのは異界とも

いえる場所だった。江戸時代の町並みは

セットのごとく、古い家屋が建ち並び、

扉から窓から通り道から、面妖な生き物

達が顔を覗かせていた。

 

金閣寺の人気のない場所に設置してあった鳥居。

そこを潜ると一転して別世界だった。

 

薄暗い空間。独特の空気。古い家屋群。

そして、そこの住人たちが俺達を迎えてくれた。

 

…一つ目小僧、河童、化け狸等々、

お話で聞いた事のある妖怪達が沢山いた。

 

皆、好奇の視線を向け、俺達を見ていた。

 

狐の姫様がいるという場所まで狐のお姉さん

の案内で歩く俺達。薄暗いなか、唯一の

光源ともいえる灯火が道の先まで点々と

続いている。

 

「うきゃきゃきゃ」

 

うおっ!な、なんだ!

 

提灯に目と口が現れて突然笑い出した!

これって有名なお化け提灯か。

 

「すみません。ここの妖怪達はイタズラ好きで…。

害をなす者はいないと思いますが…」

 

と、先導の狐のお姉さんが歩きながら謝ってきた。

 

「ここは妖怪の世界なんですか?」

 

イッセーの問いに狐のお姉さんが答えてくれる。

 

「はい、ここは京都に住む妖怪が身を置く場所です、

悪魔の方々がレーティングゲームで使うフィールド

空間があると思いますが、あれに近い方法でこの

空間を作り出していると思ってくれてかまいません。

私達は裏街、裏京都等と呼んでおります。むろん、

ここに住まず表の京都に住む妖怪もおりますが」

 

裏の京都か。なるほど、異空間ってことね。

 

「…人間か?」

 

「いんや、悪魔だってよ」

 

「悪魔か。珍しいなや」

 

「あの綺麗な外国の娘っ子も悪魔か?」

 

「龍だ、龍の気配もあるぞ。悪魔と龍…」

 

「悪魔以外の気配がするど、天使とこいつは

なんだど?」

 

妖怪達の話声が聞こえてくる。悪魔が珍しい

感じか。まあ、此処は妖怪の領域だ仕方ないな。

 

家屋が建ち並ぶ場所を抜けると、小さな川を

挟んで林に入る。そこをさらに進むと巨大な

赤い鳥居が出現した。

 

その先にデカい屋敷が建っている。

古さと威厳を感じさせる佇まいだな。

 

お、鳥居の先にアザゼル先生と

着物姿のレヴィアタン様がいるな。

 

「お、来たか」

 

「やっほー、皆☆」

 

妖怪の世界に来ても変わらないな二人は。

そして、二人の間に金髪の少女がいた。

 

俺達を襲った女の子だ、確か九尾の娘さん

だったよな。

 

今日は巫女装束ではなく、戦国時代のお姫様

が着ているような豪華な着物に身を包んでいた。

 

こう見ると、確かにお姫様だな。

 

「九重さま、皆さまをお連れ致しました」

 

狐のお姉さんはそれだけ報告すると

ドロンと炎を出現させて消えてしまった。

 

今のが、狐火か?

 

お姫様は俺達のほうに一歩出てきて口を開く。

 

「私は表と裏の京都に住む妖怪達を束ねる者。

八坂の娘、九重と申す」

 

自己紹介をしたあと、深く頭を下げてきた。

 

「先日は申し訳なかった。お主たちを事情

も知らずに襲ってしまった。どうか、許して欲しい」

 

と、謝ってもらった

 

「ま、いいんじゃないか。誤解が解けたのなら、

私は別にいい。せっかくの京都を堪能できれば

問題ないよ。もう二度と邪魔をしないならね」

 

ゼノヴィアはそう言う。京都でまで戦いたく

ないって心境もあるんだろうな。

 

「そうね、許す心も天使に必要だわ。

私はお姫様を恨みません」

 

イリナも続く。アーシアもニッコリ笑顔で言った。

 

「はい。平和が一番です」

 

「三人に先に言われちまったけど、

俺も同意見だぜ」

 

まあ、先に言われちまったのは情けないけどな。

 

「てな感じらしいんで、俺も別にもういいって。

顔をあげてくれよ」

 

「し、しかし…」

 

最後にイッセーが答えるが、彼女は今回の件を

俺達以上に気にしてるようだ。

 

すると、イッセーが膝をつき、

少女に目線を合わせて言う。

 

「えーと、九重でいいかな?なあ、九重、

お母さんのこと心配なんだろう?」

 

「と、当然じゃ」

 

「なら、あんなふうに間違えて襲撃して

しまうこともあるさ。もちろん、それは場合

によって問題になったり、相手を不快にさせ

てしまう。でも、九重は謝った。間違ったと

思ったから俺達に謝ったんだよな?」

 

「もちろんだとも」

 

イッセーは九重の肩に手を置き笑顔で続けた。

 

「それなら俺達は何も九重の事を

咎めたりしないよ」

 

九重あイッセーの言葉を聞き、

顔を真っ赤に染めてもじもじしながらつぶやいた。

 

「…ありがとう」

 

おお、流石だな、問題解決か。

 

立ち上がるイッセーにアザゼル先生が小突く。

 

「さすがおっぱいドラゴンだな。

子供の扱いが上手だ」

 

「ちや、茶化さないでくださいよ。

これでも精一杯なんですから!」

 

「いやいや、さすがおっぱいドラゴンだ」

 

「はい、流石です!感動しました!」

 

「本当、見事な子供の味方よね」

 

「流石は子供のヒーローだな。

まあ、女たらしな所はどうかと思うけど」

 

おれがそういうと教会トリオがジト目で

俺を見ていた。

 

「えっと何かな?」

 

「ユウスケ君がそれ言うかな?」

 

「ああ、ユウスケだけには

言われたくないだろうさ」

 

「うう、ダメですよユウスケさん」

 

ええ、そこまで言うかよ!?

 

 

「イッセー君ちょっと見直しました。

教師として鼻が高いです」

 

ロスヴァイセさんのイッセーへの評価

も上がったようだ。まあ、元が低すぎ

たんだろうけどな。

 

「ま、負けていられないわ!こんなところでまで

おっぱいドラゴンの布教だなんて!魔女っ娘

テレビ番組『ミラクル☆レヴィアたん』の主演

としては負けていられないんだから!」

 

レヴィアタン様が何故か対抗意識を燃やしている!

 

九重は照れながら俺達に言った。

 

「…咎がある身で悪いのじゃが…どうか、どうか!

母上を助けるために力を貸してほしい!」

 

それは少女の悲痛な叫びだった。

 

 

 

この京都を取り仕切る妖怪のボス九尾の狐こと

『八坂』は、須弥山の帝釈天あら遣わされた

使者と会談するため、数日前にこの

屋敷を出たという。

 

ところが、八坂さんは帝釈天の使者との会談の

席に姿を現さなかった。不審に思った妖怪サイド

が調査したところ、八坂さんに同行していた警備

の鴉天狗を保護した。瀕死の状態だったそうだ。

 

その鴉天狗が死の間際、八坂さんが何者かに

襲撃され、攫われたことを告げたらしい。

 

で、京都にいる怪しい輩を徹底的に探していた。

それで悪魔である俺達が襲われたってことだ。

 

そのあと、先生とレヴィアタン様が九重達と交渉し、

冥界側の関与は無いことを告げ、相手の手口から

今回の首謀者が『禍の団(カオス・ブリゲード)』の可能性が高い

と情報を提供した。

 

 

あの後、俺達は屋敷に上がらせてもらっていた。

大広間で九重を上座にして座っている。

 

「ま、各勢力が手を取り合おうとすると、

こういうことが起こりやすい。オーディンの

時もロキが来ただろう?今回はその敵役が

テロリスト共だったわけだ」

 

先生が不機嫌そうにそういう。平和な日常

を願う先生は、テロリストを絶対に許さない

姿勢だからな。きっと腹の中は煮えくり

返っていることだろう。

 

九重の両脇には先ほどの狐のお姉さんと

山伏姿で鼻の長い爺さんが座っている。

 

じいさんの方は天狗の長で、古くから

九尾の一族と親交が深いそうだ。

 

今回もさらわれた八坂さんと娘の九尾

を心配している様子だった。

 

「総督殿、魔王殿、どうにか八坂姫を助けること

はできんのじゃろうか?我らならばいくらでも

力をお貸し申す」

 

と、天狗の爺さんがそう言ってくれる。

 

すると、天狗の爺さんが一枚の絵画を見せてくれた。

巫女装束を着た金髪の女性が描かれていた。

 

頭部には狐の耳が生えている。

 

「ここに描かれておりますのが

八坂姫でございます」

 

なるほどな、九尾の狐は美女の姿で人を惑わすで

有名だしな。納得の姿だな。現にうちの変態も

既に惑わされてやがる。

 

俺は横のイッセーを見てそう思う。

 

「八坂姫をさらった奴らが未だにこの京都に

いるのは確実だ」

 

先生はそう口にした。

 

「どうしてそう思うんですか?」

 

俺の疑問に先生は頷きながら説明してくれる。

 

「京都全域の気が乱れていないからだ。

九尾の狐はこの地に流れる様々な気を総括して

バランスを保つ存在でもある。京都ってのはそ

の存在自体が大規模な力場だからな。

九尾がこの地を離れるか、殺されていれば京都

に異変が起こるんだよ。まだその予兆すら起き

ていないってことは、八坂姫は無事であり、

攫った奴らもここにいる可能性が高いってわけだ」

 

京都にそんな事情があったのか…。

でも八坂さんの無事が分かったのなら

助けられる可能性も高い。

 

「セラフォルー、悪魔側のスタッフは既に

どれぐらい調査を行っている?」

 

「つぶさにやらせているのよ。京都に詳しい

スタッフにも動いてもらっているし」

 

先生が俺達眷属を見渡すように視線を向ける。

 

「お前達に動いてもらうことになるかもしれん。

人手が足りなさすぎるからな。特にお前達は

強者との闘いに慣れているから、対英雄派の

際に力を貸してもらう事になるだろう。

悪いが最悪の事態を想定しておいてくれ。

あと、ここにいない木場とシトリー眷属には

俺から連絡しておく。それまでは旅行を満喫

してていいが、いざというときは頼むぞ」

 

『はい!』

 

先生の言葉に俺達は応じた。

 

結局、旅行どころじゃなくなったな。

まあ、今日のうちに行きたいところは

回っておけたからいいけどさ。

 

九重が手をつき、深く頭を下げる。

両脇の狐のお姉さんと天狗の爺さんも続く。

 

「…どうかお願いじゃ。母上を…母上を助ける

のに力を貸してくれ…。いや、貸してください。

お願いします」

 

こんな小さな子が頭を下げ、声を涙で震わせている。

まだお母さんに甘えたい歳だろうに。

 

絶対に取り返してやるぜ、テロリスト共!




裏京都で妖怪の世界を見たユウスケ達、
九尾の娘である九重の願いで八坂姫の
救出を決意する!

敵に動きがあるまではユウスケ達は
引き続き観光を続けるのだった。

次回、第106話「天龍寺」

是非見てくれよな

外伝でやってほしいコラボは?

  • 仮面ライダークウガ(五代雄介)
  • 仮面ライダーディケイド
  • 忍者戦隊、忍風戦隊、手裏剣戦隊揃い踏み
  • その他(希望があれば感想へ)
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