ハイスクールD×D~古代の戦士~   作:ヤマト・ゼロ

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ジャコに敗れたユウスケだったが、
ユウスケが戦っていた最中、
イッセー達もまた英雄と戦っていた。

今までになかった只の人間ではあるが
流石は英雄の子孫たちであり一人一人が
禁手に至る強敵であった!

だが、その戦いに新たに乱入する者が
いるのだった。


第109話「人間」

イッセーside

 

ヤバい奴らは先生達が引き受けてくれ、

英雄派やアンチモンスターを仲間との

連携で凌いでいたが、

 

腰に何本も帯剣した白髪の優男が動き出す様だ。

 

「さて、僕もやろうかな」

 

優男が一歩前に出て、腰に携えていた鞘から

剣を解き放つ。

 

「初めまして、グレモリー眷属。僕は英雄ジグルド

の末裔、ジーク。仲間は『ジークフリート』と

呼ぶけど、ま、そちらも好きなように呼んで

くれてかまわないよ」

 

優男、ジークフリートの顔をずっと怪訝そうに

見ていたゼノヴィアが、何か得心したようだった。

 

「…どこかで見覚えがあると思っていたが、

やはり、そうなのか?」

 

ゼノヴィアの言葉にイリナが頷く。

 

「ええ、だと思うわ。あの腰に帯刀している

複数の魔剣から考えて絶対にそう」

 

「どうした、二人共?あのホワイト木場

みたいなイケメンに覚えがあるのか?」

 

「ホワイトって…酷いよ、イッセー君」

 

まあ、そういうなよ。物のたとえさ。

 

そして、俺の問いにゼノヴィアが答える。

 

「あの男は悪魔祓い、私とイリナの元同胞だ。

カトリック、プロテスタント、正教会を含めて、

トップクラスの戦士だ。『魔帝(カオスエッジ)ジーク』。

白髪なのはフリードと同じ戦士育成機関の

出だからだろう。あそこ出身の戦士は皆白髪だ。

何かの実験の副作用らしいが…」

 

ということは、フリードの上位互換ってことか?

あいつを思い出して嫌な気分になっちまうぜ。

 

「ジークさん!あなた、教会を、天界を裏切ったの!?」

 

イリナが叫ぶ。ジークフリートは愉快そうに口の

端を吊り上げた。

 

「裏切ったってことになるのかな。現在、

禍の団(カオス・ブリゲード)』に所属しているからね」

 

それを聞いて、イリナはちょっとお冠になった。

 

「…なんてことを!教会を裏切って悪の組織に

身を置くなんて万死に値しちゃうわ!」

 

「…少し耳が痛いな」

 

ゼノヴィアが気まずそうにしていた。

まあ、デュランダルの持ち主たるこの娘も

破れかぶれで悪魔になったしね。

 

クスクス小さく笑うジークフリート。

 

「いいじゃないか。僕がいなくなったところで

教会にはまだ最強の戦士が残っているよ。

あの人だけで僕とデュランダル使いの

ゼノヴィアの分も十分に補えるだろうし。

案外、あの人は『御使い(ブレイブ・セイント)』のジョーカー

候補なんじゃないかな?と、紹介も

終わったところで剣士同士やろうじゃないか。

デュランダルのゼノヴィア、天使長ミカエルのA

紫藤イリナ、そして聖魔剣の木場祐斗」

 

教会関係者だった三人に対して宣戦布告する

ジークフリートは、手に持つ剣にオーラを纏わせた。

 

あれは魔剣か?木場の創り出す剣に雰囲気が

似ている気がした。

 

っ!

 

そうこうしているうちに神速で木場が

聖魔剣で斬り込む!

 

ガギィィィンッ!

 

聖魔剣を真正面から受けてなお、

不気味なオーラを微塵も衰えさせない

ジークフリートの剣。

 

「魔帝剣グラム。魔剣最強のこの剣なら、

聖魔剣を難なく受け止められる」

 

鍔ぜり合う両者。…木場と鍔ぜり合う

奴なんて、久しぶりに見たぜ!

 

二人共すぐに飛び退き、態勢を立て直したあと、

再び火花を散らしながら壮絶な剣戟を繰り広げ

始めた!

 

「……木場と互角…いや!」

 

木場が徐々に押されている。木場の表情が

少しずつ厳しいものになっていくのが見て

取れた!神速で動く木場の動きが捉えられている!

 

目で追えないほどのスピードで斬りかかっても相手

はそれを当然のように受け止めていた。

あの速度が見えるのか…ッ!

 

フェイントを入れての攻撃でもジークフリートは

木場のフェイントに騙されない!

 

逆に相手は最小の動きだけで木場の攻撃をいなし、

自身の魔剣を繰り出していた。木場も避けるだけで

精一杯になり、カウンターも取れない!

 

…禁手になってる木場が押されるなんて…!

 

驚愕する俺に英雄派の一人が言う。

 

「うちの組織では、派閥は違えど『聖王剣のアーサー』、

『魔帝剣のジークフリート』として並び称されている。

聖魔剣の木場祐斗では相手にならない」

 

あのアーサーと同格って事か?あいつ、

フェンリルの子供相手に結構余裕で戦ってたぞ!

 

じゃ、じゃあ、今の木場では。

 

心配する俺だが、二人の剣戟に参加する者がいた。

 

それは、ゼノヴィアだった。

横からジークフリートに斬りかかり、

木場の加勢をした。

 

「ゼノヴィア!」

 

「木場!おまえ一人では無理だ!悔しいかも

しれないが、私も加勢する!」

 

「っ。ありがとう!」

 

木場はこの場での剣士としてのこだわりを捨て、

ゼノヴィアとの同時攻撃に乗った。

 

「私も!」

 

そこにイリナも参戦し、三対一のバトルとなる。

 

『これ、小鳥よ。なぜデンガッシャーを

ソードモードで使っている?いつも通り

ブーメランとハンドアックスを使わんか』

 

イリナに憑依しているジークが剣を使う

イリナに訊く。

 

「ごめんなさい、鳥さん。でも慣れない武器を

使うより、私は剣が一番手に合っているから

今後はこれで行かせてもらうわ!」

 

『ふむ、仕方ない、小鳥がそういうなら任せよう

私の戦い方は今度ゆっくり教えてあげよう』

 

ジークはそういうとおとなしくなった。

 

「ありがとう、鳥さん。その時はお願いね」

 

イリナはジークにそう伝えジークフリートに斬りかかる。

 

ゼノヴィアの二刀流、木場の聖魔剣、イリナの

デンガッシャーによる三人の同時攻撃っ!

 

剣の切っ先が見えないほどの剣速による

剣戟が四者の間で当然のように起こった。

…三人相手でもジークフリートは剣一本で

いなしていき、数をものともしてない!

 

木場が神速で分身を生みながら、

攪乱せて相手の死角から攻撃を

加える技の構えを取り始めた。

ゼノヴィアは上空から強大な

オーラを纏ったスパークレンス

で斬りかかった!さらにイリナが

空を滑空しながら、背後から剣で

突き刺そうとする!

 

この同時攻撃なら!

 

勝利を確信した俺だった。だが、

ジークフリートは背後からのイリナの

攻撃を、後ろ手に剣を回して防いで

しまう!振り返らないでイリナの

攻撃を防ぎやがった!

 

さらに空いた手で腰の帯剣を一本

抜き放った。

 

カギィィィン!

 

銀光を走らせながら上空から斬り

かかっていたゼノヴィアのスパークレンスを

防ぐ!

 

ジークフリートが余裕の表情で言う。

 

「バルムンク。北欧に伝わる伝説の

魔剣の一振りだよ」

 

また魔剣かよ!だが、まだ木場の死角から

の攻撃は終わってない!確実に捉えている!

避けられる術はない!両手は二人が抑えている!

横梛野一閃がジークフリートの横腹に入る、

 

寸前。

 

ギィィィィンッ!

 

金属音が鳴り響く。

木場の聖魔剣はジークフリートが新たに鞘

から抜いた魔剣によって受け止められていた!

 

「ノートゥング。こちらも

伝説の魔剣だったりする」

 

三本目の魔剣!いや、それよりも驚くべきこと

が起こってる!すでに二刀であるジークフリート。

三本目の剣を持てるはずがない。

両手が塞がっているはずだった!

だが、背中から生えた三本目の腕が魔剣を握り、

木場の聖魔剣を受け止めていたんだ!

 

…な、なんだ、あの腕は!?銀色で鱗の様な物に

包まれた腕だ!まるでドラゴン化したときの

俺の左腕にそっくりだ!

 

それがジークフリートは微笑みながら言う。

 

「この腕かい?これは『龍の手(トゥワイス・クリティカル)』さ。ありふれた

神器のひとつだけれど、僕のはちょいと特別でね。

亜種だよ。ドラゴンの腕みたいなものが背中から

生えてきたんだ」

 

龍の手(トゥワイス・クリティカル)』!聞いたことがある!

俺のブーステッド・ギアの下位神器で合ってるよな?

籠手タイプだったはずなんだが、それで亜種か!

背中から腕が生えてくるのかよ!

 

ジークフリートは両手に魔剣を持ち、背中の腕で

もう一本携える。…三刀流!

 

それを知り、木場の表情がより厳しいものになった。

 

「…同じ神器使い。けれど、あちらは剣の特性どころか、

その神器の能力すら、まだ出していない、か」

 

「ついでに言うなら、禁手にもなっていないけどね」

 

っ。

 

残酷なほどのジークフリートの報告!

そうだよな、実験を繰り返していた

英雄派の構成員が禁手になれないはずがない。

 

生身の状態で三人を圧倒していたのか!?

とんでもないな!

 

バサッ

 

困惑する俺達の前に先生が降り立った。

同様に英雄派の中心に曹操が戻ってくる。

 

二人共攻撃を繰り返しながら、再びここまで

帰ってきたのか?二人が攻撃をしながら向かった

下流方面を遠目に見やると煙を上げて、荒地、

焦土と化していた!

 

さっきからドッカンドッカン鳴っていたから、

相当なことが起きていると思っていたら、

嵐山の景観がまるで変っちまってるーっ!

先生、ここが創られた空間と知っていたから、

極太の光の槍とか容赦なく打ち込んだんだろうな…。

 

先生の鎧、所々壊れてる…。黒い翼もボロボロ

で酷いことになってるよ。

 

曹操のほうも制服や羽織っている漢服が破れた

箇所があった。…俺は曹操のほうがすごいと

思ってしまった。伝説の存在でもある堕天使

総督と一戦やって、あれだけなのか!

…こ、これが英雄派…。英雄。

黄昏の聖槍(トゥルー・ロンギヌス)』か。

 

「…心配するな、イッセー。お互い本気じゃない。

ちょっとした小競り合いだよ」

 

と、先生が言うけど、小競り合いで下流の地域

が崩壊しているんだけど!曹操は首をコキコキ

鳴らしながら言う。

 

「いい眷属悪魔の集団だ。これが悪魔の若手

でも有名なリアス・グレモリー眷属か。もう少し、

楽に戦えると思ったんだが、意外にやってくれる。

俺の理論が正しければ、この馬鹿げた力を有す

グレモリー眷属を集めたのは兵藤一誠、君の力だ。

身体機能と、魔力の才能は無いかもしれないが、

ドラゴンの持つ他者を惹きつける才能は歴代でも

トップクラスだと思うけどね。ほら、ドラゴンは

力を集めるっていうだろう?君の場合は良くも悪

くもその辺が輝いていたってことだよ。連続する

名うての存在の襲来、各龍王との邂逅、そして

多くに支持される『おっぱいドラゴン』が良い例

だ」

 

「……ッ」

 

そんなこと、考えたこともなかった。

いままでの出来事が…全部俺によって?

 

曹操が俺の方に槍の切っ先を向けてくる。

 

「だから、俺達は旧魔王派のように油断は

しないつもりだ。将来、君は歴代の中でも

最も危険な赤龍帝になると確信している。

そして、眷属も同様。今のうちに摘むか、

もしくは解析用のデータを集めておきたい

ものだ」

 

俺達のことをそんな目で見ているのか?

確かに俺達の事を小馬鹿にしていた

という旧魔王派とは本質的に違うような

気がするな。

 

先生がそう推すに改めて問う。

 

「一つ訊きたい。貴様ら英雄派が

動く理由はなんだ?」

 

曹操が目を細めながら答える。

 

「堕天使の総督殿。以外に俺達の活動理由は

シンプルだ『人間』としてどこまでやれるのか、

知りたい。そこに挑戦したいんだ。それに悪魔、

ドラゴン、堕天使、その他諸々、超常の存在を

倒すのはいつだって人間だった。いや、

人間でなければならない」

 

「英雄になるつもりか?って英雄の子孫だったな」

 

曹操は人差し指を青空に真っ直ぐ突き立てた。

 

「よわっちい人間のささやかな挑戦だ。

蒼天の元、人間のままどこまでいけるか、

やってみたくなただけさ」

 

人間、か。それがこいつらの目標なのか?

 

い、いや、他にも何か企んでいそうだけどさ。

先生がため息を吐きながら俺に言う。

 

「…イッセー。油断するなよ。こいつは

旧魔王派、シャルバ以上の強敵だ。お前を

知ろうとする者はこれから先、全て強敵

だと思え。特にこいつはそのなかで

ヴァーリと同じぐらい危険性が抜きんでている」

 

ヴァーリと同格…。そこが知れない雰囲気だけなら

ヴァーリよりもありそうなんだけどな。

 

最強の聖槍を持っているだけでも相当な脅威

なんだけどな…。

 

ユウスケはグロンギと戦っている。

相手も大分強そうだったけど、アイツなら

一人でも大丈夫だろう…。

俺にできるのは信頼して任せるしかできない。

英雄派の相手は俺達がしないとな。

 

先生がそろったことで、俺達陣営、相手陣営も

改めて身構えた。いまだアンチモンスターは

生み出される。キリがないぜ、まったく。

そのうえ、英雄派の構成員はほとんど動いていない。

 

だが、今度は相手もかまえた。次の第二波で

本格的な戦闘となりそうだ。相手には

神器所有者が多いんだろう?しかも禁手に

なれる奴が多い。

 

本当、俺ってこういうピンチばかりだな。

 

心中でそう思っていた時だった。

 

ドゴォオオオオオオオンッ!

 

ユウスケが戦っていた方角から大きな音が聞こえ、

橋の反対側へ何かがすごい勢いで飛んで行った!

 

「な、何が起きた!?」

 

俺が皆にそう訊くと。

 

「イッセーさん!ユ、ユウスケさんが!」

 

アーシアが悲痛な声で俺に返答する。

 

ま、まさか、ユウスケがやられたのか!?

 

「おい、曹操、俺の方はもう遊び終わったから

一足先に帰らせてもらうぜ」

 

こちらへユウスケが戦っていたグロンギが

やってきて曹操へ話しかける。

 

「殺したのか?」

 

「馬鹿言えよ、只の遊びだぜ。

まあ、これで死ぬようなら見込み違いだった

というところかな。まあ、次に会う時は

もっと強くなってることを願うさ」

 

グロンギは俺を指指して言う

 

「おい、赤龍帝!空我に伝えておけ、

次までに強くなっておけとな!

じゃなければ次は確実に殺しに行くぜ!」

 

グロンギはそれだけ言い残して霧に包まれ

消えていった。元の空間に戻ったのだろう。

 

「アーシア、ゼノヴィア!直ぐにユウスケを

回収して回復を!」

 

「はい!」「任せてくれ!」

 

俺は二人に指示を出して改めて曹操を警戒する、

その時だった。

 

パアアアアッ。

 

俺達と英雄派の間に魔方陣が一つ、

輝きながら出現する。…知らない紋様だ。

 

「これは」

 

先生は知っている様子だった。誰だ?

堕天使か?

 

怪訝に思う俺達の眼前に光と共に現れたのは

魔法使いの格好をした、かわいらしい外国の

女の子だった。

 

…お、女の子?呆気に取られる俺。

 

魔法使いが被るような帽子に、マント。

まさに魔法使いな格好だ。歳は…中学生ぐらいか?

小柄だ。

 

女の子はくるりとこちらに体を向けると、

深々と頭を下げてきた。

 

ニッコリ笑顔で俺達に微笑みかけてくる。

 

「はじめまして。私はルフェイ。ルフェイ・

ペンドラゴンです。ヴァーリチームに属する

魔法使いです。以後、お見知りおきを」

 

ッ!

 

ヴァーリチーム!?なんで、ヴァーリの仲間

がこんなところに!?

 

先生が女の子ルフェイに訊く。

 

「…ペンドラゴン?おまえさん、アーサーの何かか?」

 

「はい。アーサーは私の兄です。

いつも世話になっています」

 

あの残酷紳士の妹さんか!

こんなにかわいい妹がいたのね!

 

先生が顎に手をやりながら言う。

 

「ルフェイか。伝説の魔女、モーガン・ル・フェイに

倣った名前か?確かにモーガンも英雄アーサー・

ペンドラゴンと血縁関係にあったといわれていたかな…」

 

ルフェイが目を爛々と輝かせながら、

俺に視線を送っている。

 

「あ、あの…」

 

俺に近づくと手を突き出してくる。

 

「私、『乳龍帝おっぱいドラゴン』と

『仮面ライダー空我』のファンなのです!差し支えない

ようでしたら、あ、握手をしてください!」

 

……。え、えっと…。

 

俺は突然のことに間の抜けた状態になり、反応に困った。

こんな緊迫した戦場でそんなこと言われても…。

 

とりあえず、「ありがとう…」とだけいって

握手をしてあげる。

 

「やったー!後で空我さんにも握手してもらう!」

 

すっげぇ喜んでる…。いや、クウガなら君の所

にもいると思うんだけど、うーん…、この子、

何しに来たの?

 

曹操側も呆気に取られて、どう出ていいものか、

当惑していたり…。だが、頭をかきながら

曹操が息を吐く。

 

「ヴァーリの所の者か。それで、此処に来た理由は?」

 

曹操の問いにルフェイは屈託のない満面の笑みで返した。

 

「はい!ヴァーリ様からの伝言をお伝え致します!

『邪魔だけはするなと言ったはずだ』だそうです♪

うちのチームに監視者を送った罰ですよ~」

 

ドウゥゥゥゥゥゥゥンッ!

 

ルフェイが可愛く発言してすぐ、大地が揺り動かす

程の振動がこの場を襲う!

 

なんだ、この揺れ!地震か?

たっているだけで精一杯だ!九重は体勢を崩して

尻もちをついていた。

 

ガゴンッ!

 

何かが割れる音!そちらに視線を送れば、地面が

盛り上がり、何か巨大なものが出現する寸前だった!

地を割り、土を巻き上げながら地面から姿を現したのは!

 

『ゴオオオオオオオオオォォォォォオオオオッ!』

 

雄たけびをあげる巨人らしき巨大な物体だった!

 

な、ななななな、なんだ、このでっかい巨人みたいな

物体はぁあっぁあああっ!?石?岩?なんの素材で

できているかも分からないけど、無機質なもので

飾られたようなフォルムだ腕も脚も太い!

十メートルはあるぞ!

 

先生が巨人を見上げて叫ぶ!

 

「ゴグマゴグか!」

 

先生の言葉にルフェイがうなずく。

 

「はい。私達のチームのパワーキャラで、

ゴグマゴグのゴッくんです♪」

 

ゴッくん。そんなかわいらしく呼ばれてるのあれが!?

 

「先生、あの動く石巨人的なものは…」

 

俺の問いに先生が説明をくれる。

今日は説明ばかりしてもらってすみません、先生!

 

「ゴグマゴグ。次元の狭間に放置されたゴーレム的な

ものだ。稀に次元の狭間に停止状態で漂ってるんだよ。

なんでも古の神が量産した破壊兵器だったらしいが…。

全機が完全に機能停止だったはずだ」

 

ゴーレム!な、なるほどね!だから無機質な感じなのか!

 

「あんなのは次元の狭間にいるんですか!?

機能停止って、あれ動いてますけど!」

 

「ああ、俺も動いているのを見るのは初めてだ。

問題が多すぎたようでな、機能停止させられて

次元の狭間に放置されたと聞いていたんだが…

動いてるぜ!胸が躍るな…ッ!」

 

先生が子供の様にお目々を輝かせておられる…。

先生ってこういう神の創ったものとか古代兵器

とか好きだからな。

 

しかし、ハッと気が付いて先生はつぶやく。

 

「そうか。ヴァーリが次元の狭間でうろついていた

のはグレートレッドの確認だけじゃなかったんだな」

 

先生の意見にルフェイが答えた。

 

「はい。ヴァーリさまはこのゴッくんを探していた

のです。オーフィス様が以前、動きそうな巨人を次元

の狭間の調査で感知したことがあるとおっしゃって

おられまして、改めて探索したしだいです」

 

「なあ、まだあいつのちーむはこういうのいるの…?」

 

俺がルフェイに訊く。クウガ、孫悟空、フェンリル、

ゴーレムの他にまだいるなら、俺、アイツとの将来

の戦いがちょいと不安なんですけど…。

 

「えーと、いまのところ、ヴァーリさま、ユウスケさま、

美猴さま、兄のアーサー、黒歌さん、フェンリルちゃん、

ゴッくん、私の八名です」

 

そうか、八名か。これで全部なのね。

それにしても濃すぎる!あいつ、とんでもない

メンツを集めたもんだな!いや、うちも負けてないかな…。

 

「しかし、先生、次元の狭間ってあんなのや

グレートレッドがいるんですね…」

 

「次元の狭間は、ああいう処分に困ったものが行き着く

先でもある。グレートレッドも次元の狭間を泳ぐのが

好きなだけで実害はないぞ。各勢力でもグレートレッド

はブラックリストや各種ランキングに入ることは無い。

あれは特例だ。つつかず自由に泳がせておけばいいものを…」

 

先生がそうつぶやくなか、ゴーレム、ゴグマゴグが英雄派

に向かって、巨大な拳を振り下ろした!

 

ゴゴゴゴゴゴォォォォォオオオオオオンッ!

 

バカでかい破砕音と共に、ゴーレムの一撃が

渡月橋を破壊してしまったぁぁっ!

 

ああああ!嵐山の名物がぁぁっ!ここが嵐山を模した

空間で良かった!ゴーレムの一撃は大量のアンチ

モンスターを屠った。英雄派の構成員は全員その場

から飛び退き、橋のあちら岸に退避した。

 

「ハハハ!ヴァーリはお冠か!どうやら監視していた

のがバレたようだ!」

 

曹操は愉快に高笑いしながら、槍をゴーレムに向ける!

 

「伸びろっ!」

 

ギュゥゥゥゥン!

 

槍の切っ先が伸びて、ゴーレムの肩に突き刺さる!

 

ズズゥゥゥゥンッ!

 

巨大なゴーレムがその一撃で態勢を崩されて

その場に倒れていった!うわっ、なんて振動だ!

あのゴーレム、相当な重量だな!倒れた衝撃だけで

振動が巻き起こり、辺りを大きく揺らす!

 

あの槍、一撃だけでデカいゴーレムを転ばしやがった!

伸びたり、光の刃を発生したり、多機能だな!

 

しかし、橋が壊されてしまった。アーシア達は

もう向こう岸に渡り切っていたから問題ないが、

アーシア達と分断されてしまった!向こう岸には

まだ英雄派の構成員がいるっているのに!

俺達も渡るには飛んで向こう岸に行くしかないのか?

 

次の一手を考えていたときだった。

俺の視界に向こう岸をゆらりゆらりとおぼつかない

歩き方で英雄派に近づく者が映る。

 

銀髪の女性、ロスヴァイセさんだ!

 

「…ういー。ヒトが気分良く寝ているところに

ドッカン!バッタン!チュドーンっって!

うるさいんれすよ!」

 

まだ酔ってるの!?しかも怒ってる!

 

酔っ払いの登場に英雄派の面々も間の抜けた

表情となっていた。だが、相手がグレモリー

眷属の者と認識するやいなや、攻撃の態勢

を取り出していた!

 

マズイ!酔った状態じゃ、ロスヴァイセさんが危険だ!

四人を助けに行かなきゃ!と、俺達が飛び出そうと

したのだが。

 

「なんれすか?やるんれすか?いいれすよ。元オーディン

のクソジジイの護衛ヴァルキリーの実力、見せてやろう

じゃないれすかっ!」

 

ロスヴァイセさんは大きく叫んだ後、自身の周囲に

あり得ない数の魔方陣を展開し始めた!

十や二十じゃきかない数だぞ!

 

「全属性、全精霊、全神霊を用いた私の北欧式

フルバースト魔法をくらえぇぇぇぇええええッ!」

 

ズドドドドドドドドオォォォォォッ!

 

驚くほどの数の魔方陣から凄まじい量の魔法が

縦横無尽にぶっ放されて、空中で幾重も軌道を

変えながら、英雄派の陣営に飴のように

降り注いでいく!

 

すげぇことになってる!炎、光、氷、雷など、

あらゆる属性の魔法攻撃が周囲の風景を豪快

に吹っ飛ばしながら、英雄派に襲い掛かっていた!

 

どうやら味方の区別はついているようで、

アーシア達を避けてはいるが、家屋も店も通路も

電柱も一瞬で塵と化して、跡形もなく消え去っていく!

 

…かなりの魔法の使い手だと思っていたが、いやはや、

街を軽く吹っ飛ばせるほどのヴァルキリーさん

だったんですね!

 

考えてみればロキ戦で大活躍してたわけだから、

当然なのか。部長、良い人材ゲットしましたね…。

こりゃ、ゲームでも大活躍しますよ。俺の視界に

霧が映り込んだ。攻撃は全て英雄派に突き

刺さっていると思ったが、制服の上にローブを

羽織った青年が手元に霧を発生させて魔法を

弾いていた。

 

っ!あれが霧の使い手か!あの魔法攻撃を防ぐなんて!

 

霧使いは手元からさらに霧を発生させて、

英雄派の全員を薄い霧で覆い始める。

曹操が霧の中から言う。

 

「少々、乱入が多すぎたか。が、祭りの始まり

としては上々だ。アザゼル総督!」

 

奴は俺達に向けて楽しそうに宣言した。

 

「我々は今夜この京都という特異な力場と九尾の

御大将を使い、二条城で一つ大きな実験をする!

是非とも制止するために我らの祭りに参加してくれ!」

 

霧が濃くなってきた。足下だけだと思った霧が

俺達の胸の位置、そして顔の位置にまで迫ってくる。

 

そして視界が全部、霧に包まれた。

一寸先も見えないほどだ。

 

「おまえら、空間が元に戻るぞ!武装を解除しておけ!」

 

先生からの助言だ。本物の嵐山に戻るのか!

それは大変だ!俺はすぐさま鎧を解除した。

 

………。

 

一拍開け、霧が晴れた時、そこは観光客で溢れた渡月橋

周辺だった。俺達以外、何事もなかったように普通に橋

を往来していく。

 

…橋は壊れていない。無事に元の空間に戻ってこられ

たんだな。

 

「おい、イッセー。どうした、

すっげー険しい顔になってんぞ?」

 

俺の顔を覗き込む松田。そうだ、俺達は渡月橋を渡った

ばかりだった。

 

「………いや、なんでもないよ」

 

それだけ返し、俺は大きく息を吐いた。他のメンバーも

表情が険しい。さっきまで戦闘してたんだ、そう簡単に

気持ちも切り替えられないだろう。

 

「おい、大丈夫かユウスケ?気分でも悪いのか」

 

意識の戻ったユウスケは地面に膝をつきうなだれていた。

先ほどまで、意識を失っていたからな。周りから見たら

急に膝をついたように見えるのか。

 

ガンッ!

 

ユウスケが地面を殴りつけていた。

 

「俺は、俺は何やってるんだ!」

 

ユウスケ…。負けたのが悔しんだろうな。

 

「…母上。母上は何もしてないのに…どうして…」

 

体を震わせる九重。俺は頭を撫でてやる

ぐらいしかできなかった。

 

曹操は突然の襲来。そして、二条城で実験を

するという宣言。部長、どうやら俺達の修学旅行は

思いがけないクライマックスを迎えそうです。




渡月橋にて襲撃してきた英雄派の曹操達。
ユウスケもグロンギに敗北してしまった!

ヴァーリチームの一員であるルフェイの
乱入でなんとかその場を退けたイッセー達だったが

曹操達は今夜二条城で実験を行おうとしている。
このまま向かってもユウスケはジャコに勝てるのか?

ユウスケは奴に勝つためにとある人物に師事するのだった

次回、第110話「師事」

是非見てくれよな

外伝でやってほしいコラボは?

  • 仮面ライダークウガ(五代雄介)
  • 仮面ライダーディケイド
  • 忍者戦隊、忍風戦隊、手裏剣戦隊揃い踏み
  • その他(希望があれば感想へ)
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