人外は本来人間の敵だと言うする英雄派
行き過ぎた正義を持つ英雄は英雄と
いうのか?
正義が何かは分からないが、
誰かを悲しませるなら俺達が許しはしない!
英雄派の目論みを阻止して京都を救うべく
ユウスケ達は二条城を目指す!
線路沿いに進み、途中襲い掛かってきたアンチモンスター
を蹴散らしながらも二条城前の地下鉄ホームへ辿り着いた。
俺達はそのまま九重を引き連れて、階段を上がり切り、
外に出た。二条城の東大手門に向かうと、他のメンバー
が既に集まっていた。
「悪い、待たせた 」
と謝りながら近づくと、
「おげぇぇぇぇ…」
近くの電柱で吐いているヴァルキリーの姿をした
ロスヴァイセさんが目に飛び込んできた!
えぇぇ、何この状況…?は、吐いている…。
匙が「だいじょうぶっスか?」って背中を
さすっていた。
敵の目と鼻の先でこの醜態とは…。凄いな
この人、この修学旅行でこの人の印象が
どんどん下落していくぞ。
「いや、三人共無事でよかったよ」
木場は笑顔で迎えてくれた。
ロスヴァイセさんの姿に困惑する俺達だったが、
皆も無事で良かった。ふむ、皆も服が若干破れて
いたりするが、目立ったケガはなさそうだな。
皆も襲撃を受けたようだな。
いちおう、フェニックスの涙はイッセーと木場が
それぞれ一個ずつ預かっている。今の所は使う
必要は無いみたいだな。
「アーシアも無事だな」
「はい、ゼノヴィアさんとイリナさんが刺客の方
から守ってくれましたし、私も戦いました!」
「任せろ」
「逆に回復役がいて心強かったわ」
と、すでに戦闘服姿のゼノヴィアとイリナも
言ってくれる。離れ離れになった時の唯一の
心配も杞憂であったな。
ゼノヴィアのデュランダルが装飾された鞘に
入っている!?鞘がついたのは印象的だな。
攻撃的な聖なるオーラも溢れてないし、
これで亜空間に隠さなくても良くなったのか。
「…それでロスヴァイセさんは…」
「うん。刺客と戦闘したんだけどね。激しく
動き回ったせいか、たまらなくなったみたい
でさ…」
木場もどうコメントしていいかわからない様子だった。
ゴゴゴゴゴゴ…。
俺達が合流したと同時に巨大な門が鈍い音を立て
ながら開いていく。開き放たれた門を見て、
木場が苦笑した。
「あちらもお待ちしていたようだよ。
演出が行き届いているね
「まったくだ。舐めてんな」
木場が皮肉を言い、イッセーも息を吐いた。
「それだけ自分たちの力に自信が
あるんだろうな」
俺はそうぼやいた。
全員、確認し合うと二条城の敷地へと歩み
を進めていった。
「僕が倒した刺客は本丸御殿で曹操が待っている
と倒れる間際に言っていたよ」
木場が走りながらそう言う。本丸御殿か。
敷地内を進み、二の丸庭園を抜け、本丸御殿を
囲む水堀あ見えてくる。本丸御殿に続く『櫓門』
という門を潜った。
辿り着いたのは古い日本家屋が建ち並ぶ場所だった。
キレイに整備された庭園も見える。それらがライト
に当てられて闇夜の世界でも映えていた。
英雄派の気配を探る俺達に声がかけられる。
「禁手使いの刺客を倒したか。俺達の中でも下位か
ら中堅の使い手でも、禁手使いには変わりない。
それでも倒してしまう君達はまさに驚異的だ」
庭園に曹操の姿を捉える。…建物の影から構成員が
姿を現した。全員、変わらずの制服姿だ。
「母上!」
九重が叫んだ。
九重の試験の先に着物姿の女性が佇んでいた。
頭部に狐の耳、複数の尻尾も見える。
この御仁が九尾の御大将か。
「母上!九重です!お目覚め下され!」
九重が駆け寄り声を掛けても御大将、八坂さんは
反応しない。瞳も陰り、無表情だった。
九重が曹操達を睨みつける。
「おのれ、貴様ら!母上に何をした!」
「言ったでしょう?少しばかり我々の実験に協力
してもらうだけですよ、小さな姫君」
曹操はそう言うと、槍の石突で地面を
トンッと叩く。
刹那。
「う…うぅぅぅうああああああっ!」
八坂さんが悲鳴をあげはじめ、様子が激変していく!
体が光り輝き、その姿を徐々に変貌させていった!
体がどんどんデカくなっていき、九つの尻尾も膨れ
あがっていく!
オオォォォォォォンッ!
夜空に向かって方向をあげる巨大な金色の獣。
俺達の眼前に現れたのは、巨大な狐の怪物だった!
デカい!フェンリルと同じくらいか?
尻尾の分、フェンリルより大きく見えるが、
これが伝説の妖怪、九尾の狐か!
…どう見ても瞳は感情を映していない。
操られているのか、説得が通じるか否か。
やはりこの状態の八坂さんと戦わないと
いけないのか?
イッセーが曹操に問い詰める。
「曹操!こんな疑似京都まで作って、しかも九尾の
御大将まで操って、何をしようとしている!?」
曹操は槍の柄を肩にトントンとしながら答え始めた。
「京都はその存在自体が強力な気脈で包まれた大規
模な術式発生装置だ。名所と呼ばれるパワースポット
が霊力、妖力、魔力に富んでいる。この都市を生んだ
古き陰陽師達が都そのものを巨大なひとつの『力』に
しようとしたからだ。まあ、それゆえに様々な存在を
呼び寄せてしまったわけだが…。この疑似空間は京都
から極めて近く限りなく遠い次元の狭間に存在し、気
脈のパワーはこちらにも流れ込んできている。そして、
九尾の狐は妖怪でも最高クラスの存在。魔王クラスと
も言われている。京都と九尾は切っても切り離せない
関係だ。だからこそ、ここでおこなうことに意味がある」
息を吐くと曹操はとんでもないことを口走った。
「 都市の力と九尾の狐を使い、この空間にグレート
レッドを呼び寄せる。本来なら複数の龍王を使った方
が呼び寄せやすいんだが、龍王を数匹拉致するのは
神仏でも難儀するレベルだ。都市と九尾の力で代用
することにしたのさ」
「グレートレッド?あのでっかいドラゴンを呼んで
どうするつもりだ?あいつ、次元の狭間を泳ぐのが
好きで実害はないんだろう?」
「ああ、あれは基本的に無害なドラゴンだ。だが、
俺達のボスにとっては邪魔な存在らしい。故郷に
帰りたいのに困っているそうだ」
オーフィスのことか。
テロリスト共のボスで、三大勢力から見たら
ラスボス的存在だ。
…次元の狭間に帰りたいってオーフィスの思いを
成就させるつもりなのか。でもそれをされたら、
各世界に悪影響が出るかもしれない。
流石にさせるわけにはいかないな。
「…それでグレートレッドを呼び寄せて殺すのか?」
イッセーの問いに曹操は首をひねる。
「いや、さすがにそれはどうかな。とりあえず、
捕らえることができてから考えようと思っている
だけさ。いまだ生態が不明なことだらけだ。調査
するだけでも大きな収穫を得るとは思わないか?
例えば『
をあの赤龍神帝に及ぼすのかどうかとか。まあ、
どちらにしろ、ひとつの実験だ。強大なものを
呼べるかどうかのね」
ドラゴンイーターだと?
まさか、対ドラゴン装備か!?
「…よくはわからねぇ。よくはわからねぇが、
おまえらがあのデカいドラゴンを捕えたら、
ろくでもないことになりそうなのは確かだな。
それに九尾の御大将も返してもらう」
イッセーがそう言うと、ゼノヴィアが剣を
曹操に向ける。
鞘ごと構えたデュランダル。
鞘の各部位がスライドしていき、変形していった。
ズシュゥゥゥゥゥゥッ!
激しい音を立てながら、鞘のスライドした部分
から大質量の聖なるオーラが噴出し始めた!
さらに刀身をオーラが覆いつくし、極太の
オーラの刃と化していく!
これが新しいデュランダルの力か。
攻撃的なオーラが辺りに影響を与えていない。
刀身にまとまって聖なるオーラの剣となっている。
傍にいるだけでもビリビリと力強い波動を感じる。
そうか、鞘も含めて新しいデュランダルなのか、
鞘がデュランダルの力を制御しているのか。
「イッセーの言う通りだ。貴様たちが何をしようと
しているのかは底まで見えない。だが、意様の思想
は私達や私達の周囲に危険を及ぼす。ここで屠る
のが適切だ」
ゼノヴィアはそういうと、スパークレンスを掲げる!
すると、光の柱がゼノヴィアを包み、鎧が転送されて
いき、紫、赤、銀のティガスーツがゼノヴィアの体を
包み込んだ!
ゼノヴィアの宣戦布告に木場が頷く。
「意見としてはゼノヴィアに同意だね」
「同じく!」
イリナも応じてベルトを腰に巻く。
「変身!」
『WINGFORM!』
イリナはパスをベルトに通し、
金色のスーツが体を包み。光のレールから装甲が
出現し装着する。頭のレールに白鳥が現れ仮面へと
変形し、電王ウイングフォームへと変身する。
「降臨、満を持して」
天に指をかざしてイリナが決め台詞を言う。
「グレモリー眷属に関わると死線ばかりだな…」
嘆息しながら匙が言う。まあ、うちはこういうの
ばかりだからな諦めてくれ。
「ま、学園の皆とダチの為か」
その匙の腕、足、肩に黒い蛇が複数出現し、奴の体を
這い出した。全身に黒い蛇をまとわせていく。さらに
匙の足元から黒い大蛇も出現し始めた。大蛇は匙の傍
らに位置すると黒い炎を全身から迸らせて、とぐろを
巻く。匙の左眼だけが赤くなり、蛇の目のようになっ
ていった。
信じられないほどのプレッシャー!
先生、匙の事強化しすぎじゃないか!
通常形態でも冥界でのレーティングゲーム戦の時と
比べ物にならないじゃないか!?
「…ヴリトラ、悪いが力を貸してくれ。イッセーが
フォローしてくれるそうだからよ、今日は暴れられ
そうだぜ?」
そうつぶやく匙の周囲にも黒い炎が巻き起こっていた。
大蛇が低い声音でしゃべりだす!
『我が分身よ。獲物はどれだ?あの聖槍か?それとも
狐か?どれでもよいぞ。我は久方ぶりの現世で心地よ
いのだよ。どうせなら、眼前の者どもを全て我が黒き
炎で燃やし尽くすのもよかろうて』
おっと、物騒なことしゃべってるな、あの炎の蛇。
あれが龍王の一角か。もう喋れるほど意識が復活
しているんだな。
ヴリトラは相手を捕える力が得意と聞いた。
なら、八坂さんの相手は決まったな。
俺達の意識が匙とヴリトラに向いていた瞬間。
ズォォォオオオオオッ!
ゼノヴィアが天高く掲げるデュランダルがオーラを
大きく噴出させる音を発していた!
十五メートルはあろうかというほどに巨大に膨れ
あがった聖なるオーラの刀身が眼前に誕生していた!
な、なんだあれは!?で、デカすぎる!?
以前、デュランダルとスパークレンスで生み出して
いた、莫大なオーラ。いやこれはその比じゃない程
の太さだ!ただ、前ほど攻撃的なオーラは周囲に
ちらしていない。絶大なパワーを無駄なくうまく
まとめているように見える。
いや、それよりゼノヴィア!また初っ端から
フライングな攻撃態勢かよ!?
「初手だ。食らっておけッ!
エクス・ゼペリオン光線!」
ゼノヴィアは逆手に持ったスパークレンスと
デュランダルをL字に構えると、膨れ上がった
聖なるオーラがスパークレンスに流れ込んでいく!
巨大な光の柱の様な新デュランダルの一撃が
曹操達の方へ放たれていく!
ドォォオオオオオオオンッ!
ゼノヴィアが繰り出した一撃は本丸誤伝の家屋を
丸ごと吹き飛ばす。その勢いはとどまらず遥か前方
までオーラの波動が大波となって建物、公共物、風景
を飲み込んでいった!
地は二つに裂かれ、その衝撃による振動で俺達は
立っていることも出来ず、その場で膝をつくしか
なかった!
攻撃が終わった後、眼前はことごとく消滅し、
膨大なオーラの一撃は二条城の堀を超えて、
城外の建物や道路まで跡形もなくぶっ壊していた!
ふざけてるな、とんでもない威力じゃないか!?
「ふー」
ゼノヴィアは肩で息をしている状態だった。
デュランダルは元の鞘状態に戻っていく。
いや、一仕事終えたみたいに一息つきやがって!
開幕から飛ばしすぎだろ!
「おい、ゼノヴィア!一発目から飛ばしすぎだろ!」
同じことを思っていたようで、イッセーが興奮気味に
言うが、ゼノヴィアは手でVサインをしながら返した。
「開幕の一発は必要だ」
「開幕の狼煙にしても派手すぎだろ!?
何もかも消し飛ばしてるし!?」
いや、今の彼女に何を言っても無駄だろうけどさ。
「安心しろ。これでもまだ威力を調整したほうだ。
スパークレンスの力も解放すれば、周辺を丸ごと
消し飛ばしてしまうからな。私としてはイッセー
の本気のドラゴンショットを目指しているんだが。
なかなか難しい。うん。イッセーのパワータイプ
な戦い方は私の理想だ」
『騎士』なのにゼノヴィアときたら、
脳筋が過ぎるだろ…。木場とは本当に対照的
だよな『戦車』のほうが良かったかもしれないな。
ゼノヴィアとは新デュランダルをコツコツ叩く。
「この新しいデュランダルは錬金術により、
エクスカリバーと同化したものだ」
エクスカリバーと?どういうことだ!?
すると、イリナが説明をし始める。
「私が説明するわ。大雑把に言うと、デュランダル
の刀身に教会が保有していたエクスカリバーを鞘の
形で被せたらしいの!エクスカリバーの力でゼノヴ
ィア使用時のデュランダルの攻撃的な部分を外へ漏
らさず覆う。そして覆っているエクスカリバーと
デュランダルを同時に高めることで二つの聖剣の
力は相乗効果をもたらして…凶悪な破壊力を生み
出すのよ!」
イリナは破壊の跡に指を指して、そう言った。
「なるほど、エクスカリバーをデュランダルの
オーラの受け皿にしつつ、エクスカリバーも
デュランダルと共に高めるわけか。それで、
二つの聖剣はひとつとなって、これだけの
強力なパワーを出せたってことか」
「そういうことよ。ユウスケ君。デュランダル
のオーラが他の聖剣にも効果を与えることから
研究が始まったらしいのよね」
「ああ、シトリーとのレーティングゲームで
ゼノヴィアがあ空間にデュランダルをしまった
まま、アスカロンにオーラを纏わせてたな。
アーシア奪還の時もスパークレンスと相乗効果
でオーラを高め合っていたし」
「そうそう、そこから新しいデュランダルの
発想が生まれたみたいなの」
イリナがうんうん頷きながら言う。
二つの聖剣の合体聖剣かロマンあるな
でも、スパークレンスって聖剣じゃないよな。
相乗効果があるって事は、巨人の光は聖剣に
近い力があるのかな。
すると、ゼノヴィアは剣をかざしながら呟く。
「エクス・デュランダル。この聖剣をそう
名づけよう」
エクス・デュランダルか。いい名前じゃないか。
「ま、初手で倒せるほどだったら苦労もないな」
ゼノヴィアの視線が前を捉えている。
…そういうことだよな。俺もいまの一撃で奴らが
やられてくれるほど、思ってはいないけどさ。
ゴッ!
何も無くなった建造物跡、地面から腕が突き出て
くると、一気に土が盛り上がり下から複数の英雄
派メンバーが現れる。彼らを薄い霧が覆っていた。
全員、見た目は汚れているが、無傷だった。
あの霧が政権の力を防いだのか?
最初に地面から腕を突き出した二メートルはあろう
かという巨躯の男が首をコキコキ鳴らし、後方で
曹操が槍で肩をトントンとやっていた。
あの一撃を食らって平気なのか。まあ、そのぐらい
じゃなければ各勢力に対してテロなんてしないよな。
曹操があごに手をやりながら笑う。
「いやー、いいね♪」
本気で楽しそうな一言だった。
「君達、もう上級悪魔の中堅、いや、トップクラス
の上級悪魔の眷属悪魔と比べても遜色がない。
魔王の妹君は本当に良い眷属を持った。レーティング
ゲームに本格参戦すれば短時間で二桁台、十数年以内
にトップランカー入りかな?どちらにしても、末恐ろ
しい。シャルバ・ベルゼブブはよくこんな連中をバカ
にしたものだね。あいつ、本当にアホだったんだな」
曹操の言葉にジークフリートが苦笑する。。
「古い尊厳にこだわりすぎて、下から来る者が見えな
かった、といったところでしょ。だから、ヴァーリに
も見放され、旧魔王派は瓦解したわけさ。さて、
どうするの?僕、今の食らってテンションがおかしく
なってるんだけど?」
「そうだな。とりあえず、実験をスタートしよう」
曹操が槍の石突きで地面を叩くと、九尾の御大将
が輝きだした!
「九尾の狐にパワースポットの力を注ぎ、
グレートレッドを呼び出す準備に取り掛かる。
ゲオルク!」
「了解」
曹操の一言に制服にローブを羽織った魔法使い風
の青年ゲオルクとやらが手を突き出した。
青年の周囲に各種様々な紋様の魔方陣が縦横無尽
に出現した!」
これは、ロスヴァイセさんに負けないほどの
魔方陣の数だ!?
「…魔方陣から察するにざっと見ただけでも
北欧式、悪魔式、堕天使式、黒魔術、白魔術、
精霊魔術…なかなか豊富に術式が使えるよう
ですね…」
ロスヴァイセさんが目を細めながらそう呟いた。
相当な魔法使いか?おそらく、アイツが、霧使い
だよな?神滅具持ちで、魔法使いってことか!
御大将の足元に巨大な魔方陣が展開する。
あの魔方陣、ちょっと違うが、紋様に少し
見覚えが…。そうだ、あれは先生が以前
ミドガルズオルムの意識を呼び寄せる時に
描いた魔方陣に似ているんだ!
オォォォオオオォォォンッ。
九尾の御大将が雄たけびを上げる。
双眸が大きく見開いて危険な色を
含み始め、全身の金毛が逆立っていた!
異常な常態だってことは一目見ればわかる!
このままだと相当ヤバそうだ。
霧使いの魔法使いが言う。
「グレートレッドを呼ぶ魔方陣と贄の配置は良好。
あとはグレートレッドがこの都市のパワーに惹か
れるかどうかだ。龍王と天龍が一匹ずついるのは
案外幸いかもしれない。曹操、悪いが自分はここ
を離れられない。その魔方陣を制御しなければな
らないんでね。これがまたキツくてねぇ」
魔法使いの言葉に曹操は手を振って
了承している様子だった。
「了解了解。さーて、どうしたものか。
『
外の連合軍とやりあっているし。彼らがどれだけ
時間を稼げるかわからないところもある。
外には堕天使の総督、魔王レヴィアタンがいるうえ、
セラフのメンバーも来るという情報もあった。
ジャンヌ、ヘラクレス」
「はいはい」「おう!」
曹操の叫び声に細い刀身の剣を持った銀髪で
異国の女性と先ほどの巨躯の男が前に出た。
「彼らは英雄ジャンヌ・ダルクとヘラクレス
の意志、魂を引き継いだ者達だ。ジークフリート、
おまえはどれとやる?」
曹操の問いにジークフリートは抜き放った剣
の切っ先を木場とゼノヴィアに向けた。
それを見てジャンヌと呼ばれた女性とヘラクレス
と呼ばれた巨体の男が顔を微笑ませた。
「じゃあ、私は天使ちゃんにしようかな。
かわいい顔してたし」
「俺はそっちの銀髪の姉ちゃんだな。随分、
気持ち悪そうだけどよ!」
それぞれが視線を交わした。
…木場とゼノヴィアがジークフリート、イリナが
ジャンヌ、ロスヴァイセさんがヘラクレス…。
「んで、俺は赤龍帝っと、ああ、空我の相手だが…」
シュゥゥゥゥゥゥンッ!
曹操が話していると、俺達の目の前に
見覚えがある銀色のオーロラが現れる。
「おっと、タイミング良かったな」
銀色のオーラが消えると、タンクトップの男
ジャコが姿を現す。
「ジャコか、ちょうどいいなでは彼の相手
をお願いできるかな」
曹操が槍先を俺に向けてくる。
「ああ、アイツは俺の得物だ、誰も邪魔すんじゃ
ねぇぞ!」
ジャコはそう言うとシャコの怪人態へと変化する!
「なら残るは、そっちのヴリトラ君は?」
曹操が匙に視線を送る。匙の炎が勢いを増すが
イッセーが手で制した
「…匙、おまえは九尾の御大将だ。なんとか、
あそこから解放してやってくれ」
「俺は怪獣対決、か。…あいよ。イッセー、
ユウスケ、死ぬなよ」
「死ぬかよ、そっちも気張れ」
「俺は死なないために頑張ったんだからな
匙もへまするなよ」
「これでもここに来る前、『女王』に一応プロモーション
してんだからさ。最初から気合は十分だッ!」
そのやり取りを得て、匙の体が黒い炎に大きく包まれた。
次第に炎は広がり、巨大に膨れ上がっていく。
「『
炎がいっそう盛り上がる!漆黒の炎は形をなしていき、
体の長細い東洋タイプのドラゴンへと変貌していった。
ジャァァアアアアアアアッ!
巨大な黒いドラゴンが鳴く。九尾の御大将と真正面から
対峙する。匙が龍王に変化した。黒い炎が魔方陣を囲み、
どんよりとした薄暗いオーラを放ち始める。異質な能力
が多いというヴリトラ。九尾の御大将にも効果があれば
いいんだが…。
俺はアーシアに言う。
「アーシア、九重を頼む」
「はい」
「イッセー!母上を」
「ああ、わかってる。お前のお母さんは俺が
俺達が助けるッ!」
イッセーが任せろと親指を立てて九重に応じた。
さて、俺の相手はジャコだ、こいつに勝つために
俺は出来ることをしたんだ、やってやるさ。
「ハハハハ、一度負けた俺を前にしても
まだそんな目を出来るとは、言った通り
強くなってきたか?」
「今できることを全力でやってきた!
前の俺と同じだと思ったら痛い目に遭うぜ!」
「いいねぇ、なら存分に遊ぼうぜ!」
そう言い合いした後、一瞬の静寂が訪れる。
だが、
オオオオォォォォォォンッ!
ジャアアアアァァァァアッ!
龍王と九尾の咆哮により、
開戦のゴングは鳴ったのであった!
英雄派の目的はグレートレッドの召喚だった!
だが、そのために九尾の御大将を利用しよう
なんて、絶対に許さない!
京都の命運をかけた戦いの火蓋はきっておとされた
だが、英雄派の実力は俺達が思っていたより上だった!
ユウスケ達はどう戦う!
次回、第114話「金の戦車」
是非見てくれよな
外伝でやってほしいコラボは?
-
仮面ライダークウガ(五代雄介)
-
仮面ライダーディケイド
-
忍者戦隊、忍風戦隊、手裏剣戦隊揃い踏み
-
その他(希望があれば感想へ)